自動車には、様々な諸経費がかかります。
中でも、重量税は車検を受ける時に必ず支払う税金です。
しかし、重量税の仕組みや税額などについてよく知らずに支払っている人が多くいるのが実情です。
場合によっては、仕組みを知らないために損をしてしまうということもあります。
そこで今回は、自動車重量税とはどのような税金なのか、その仕組みについて詳しく解説いたします。
わたしたちが当たり前に通っている道路は、当然ですが使い続けると劣化していきます。
劣化した道路は、危険な走行を促す恐れがあり、定期的なメンテナンスや工事が必要です。
しかし、その修繕費がどこから捻出されているのか知らない人は大勢います。
道路を走行する手段は、徒歩や自転車、原付バイク、そしてなにより多く走行している自動車です。
自動車の走行によってかかる負荷は大きく、道路の修繕費や維持費を負担してもらうため定められた税金が重量税の始まりでした。
そのため、重量の重い自動車に対して、税額が高くなっているのです。
また、国税である重量税は車検の時に支払うため、固定資産税や自動車税などのように、金融機関やコンビニへ支払いに出向く必要はありません。
自動車重量税額の各種一覧
乗用車の自動車重量税は、500kg単位で区切られ、3,000kgまでの6段階に区分されています。
一方、軽自動車では重量の区分はなく一律です。
しかし、経過年数やエコカー減税などによって、同じ重量でも税額が違ってきます。
新規登録の時と法定点検である車検の時に納める乗用車の自動車重量税は下記のとおりです。
24ヶ月法定点検(車検)時 | |||||
車両重量 | エコカー減税あり | エコカー減税なし | |||
0 | エコカー | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 | |
~500kg以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 | |
~1t 以下 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t 以下 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2.0t 以下 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t 以下 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3.0t 以下 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 | |
新車購入時 | |||||
重量 | エコカー減税あり | エコカー減税 50% | エコカー減税 25% | エコカー減税なし | |
0 | |||||
~500kg 以下 | 3,700円 | 5,600円 | 12,300円 | ||
~1t 以下 | 7,500円 | 11,200円 | 24,600円 | ||
~1.5t 以下 | 11,200円 | 16,800円 | 36,900円 | ||
~2.0t 以下 | 15,000円 | 22,500円 | 49,200円 | ||
~2.5t 以下 | 18700円 | 28,100円 | 61,500円 | ||
~3.0t 以下 | 22500円 | 33,700円 | 73,800円 |
自動車重量税の算出方法
自動車重量税は、エコカー減税が加わったことで算出方法も複雑になりました。
一般的な自動車重量税は、乗用車の場合、500kgごとに増税されていき、初年度登録から13年までは4,100円/年、13年経過すると5,700円/年、18年経過すると6,300円/年となります。
例えば、1,300kgの重量の乗用車で8年目の自動車重量税は、下記のように算出します。
4,100円×3(~1.5t)=12,300円
車検を受ける時には2年分の納税となるので、12,300円×2年=24,600円を支払うことになるのです。
車を廃車にするとお金が戻ってくる
車検の切れた自動車に、自動車重量税の支払い義務は課せられません。
自動車重量税の目的が公道を安全に走るための道路修繕費などのため、公道を走れない自動車から課税することはできないのです。
そのような理由から、車検の残った自動車を廃車にすると、車検の有効期限が1ヶ月以上残っていれば、納めた自動車重量税の一部が戻ってきます。
自動車重量税の還付額は、以下のような計算式より算出されます。
戻ってくる金額=支払った自動車重量税 × 車検の残り期間 ÷ 24ヶ月(2年車検の場合)
例えば、減税対象外の自動車重量税を2年分納付、残り5ヶ月の車検を残して廃車(永久抹消登録)をしたので返戻の手続きをしたケースでの計算は以下のとおりです。
24,600×5ヶ月÷24ヶ月(車検期間)= 5,125円
還付金は、永久抹消登録のみ対象となるので、一時的に抹消する場合(自動車を再度復活させるなどの場合)には還付はありません。
つまりスクラップにすることが大前提となります。
まとめ
自動車重量税は、国税であり公道を走行するために、必ず支払う義務のある税金であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
道路財源の1つとして重要な税金ですが、走行不能となり永久抹消した場合には、還付もあるありがたい仕組みとなっています。
最近では、エコカー減税などで複雑化している自動車重量税ですが、正しい知識を持つことで快適なカーライフが送れます。