自動車業界では毎年500万台以上の新車が製造され流通しています。

ご存じの通り、車はナンバープレートを装着しないと公道を走ることができません。

運輸局で車検証の交付を受けて、ナンバープレートを用意するのですが、実際にこれだけの台数の新車が持ち込まれて検査を受けるとなると大変な業務となり、なかなか登録作業は進まないでしょう。

もちろん、ほとんどの場合、一台ずつ検査に持ち込まれることはありません。

ではどうやって出荷されているのかご説明いたしましょう。

完成検査修了証ってなに?

製造された新車に不具合があると、故障などのトラブルのもとになるだけでなく、重大な事故の引き金となる危険性があります。

そのため、メーカーの工場では生産工程の終わりに、必ず厳しくチェックを行います。

これは国の定める安全基準に適合しているか、およそ100以上の検査項目に沿って一つずつ検査していくことになります。

国に変わって執り行う検査であり、当然自動車検査員の資格を持つ者しか行うことはできません。

まずメーカーは自動車の型式指定の申請を行い、指定された後、所定の検査を行いクリアした場合に完成検査終了証を発行することになります。

一台ずつの車体番号や重要な情報が記載されており、新規登録時に必ず必要になってくる書類の一つです。

登録までの流れは?

完成検査修了証の登録の流れ

消費者が新車を購入するとなると、新規登録が必要なため、納車日にあわせて申請することになります。

 

新規登録に必要な書類 申請書
完成検査終了証(9ヶ月以内)
自賠責保険証書
重量税納付書
車庫証明書(1ヶ月以内)
印鑑証明書(3ヶ月以内)
委任状
希望番号予約済証(希望者のみ)

以上が新規登録で最低限必要となるものです。

 

印鑑証明書はすぐに発行してもらえますが、車庫証明書は事前に保管場所を管轄している警察署に出向いて申請しなければなりません。

通常、発行までは1週間程度要しますので、余裕を持って用意しておきましょう。

なお、有効期限にも注意が必要です。

 

車庫証明の申請に

必要な書類

申請書(保管場所証明申請書、保管場所標章交付申請書)
保管場所の所在図および配置図
自認書(自己所有の駐車スペース)
保管場所使用承諾証明書(他人所有の駐車スペース)

 

書類が整えば、管轄の運輸支局へ申請します。

完成検査終了証が車検の代用となりますので、書類のみで選考されます。

人気車種であれば、数ヶ月待ちもありますが、メーカーの工場から納車まで早ければ数週間程度で愛車を手にすることができます。

有効期限が切れたらどうなるか?

工場出荷時に発行された完成検査終了証があれば、書類上の手続きのみで新規登録でき、車の検査は省略されます。

ただし有効期限が9ヶ月と定められており、その期間を過ぎてしまうと車を持ち込んでの検査が必要となります。

有効期限が切れてしまっていても、終了証自体は手続き時に必要となりますので、紛失しないよう保管しておきましょう。

紙データの場合そのまま使用しますが、電子データの場合は完検証等ファイル照会の発行という一手間が増えますので、事前に申請しておきます。

完成検査終了証の有効期限が切れても新規登録の流れは変わりませんが、検査コースの予約と受検が加わることになるのです。

また検査を受けた際、不備が発生すれば当日の登録ができなくなり、後日に持ち越すこともあります。

登録先の運輸局が遠方であったり、登録日に不備がでるのを防ぐために前もって予備検査を受けることもできます。

これは最寄りの運輸支局でも取り扱いしてもらえます。

予備検査証の有効期限は3ヶ月なので、新規登録に余裕を持って申請することができます。

まとめ

自動車は生産量がコントロールされているため、完成検査を受けてから9ヶ月も登録しないケースはそう多く発生しません。

ディーラーの在庫として発生することもありますが、完成検査終了証の有効期限が切れても新規の登録はもちろん可能ですし、記載されている車の情報、品質に違いはありません。

メーカーが国土交通省に代って、安全に公道を走行できる車として検査を行っている証です。

日本では新車の製造時の検査とその後定期的に受ける車検により、常に不具合なく使用できるシステムが構築されています。

車社会といわれる日本の交通安全の一端を担う大切な役割を果たしているのです。