アメ車と言えば、まるで遊覧船のようなふわっとした乗り心地で、エンジンは大排気量のOHVを搭載して走ると言ったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ガソリン価格が安いアメリカでは燃費がそれほど重視されておらず、アメリカの広い大地を走るにはアメ車が最適でした。
しかし、乗1990年代を境にり心地は大きく変化し、欧州車に近い応答性を持つハンドリングに変わり、近年では、大排気量のOHVエンジンを残しつつ、直列4気筒の小型のダウンサイジングエンジンも各車に積極採用しています。
今回は、最新のアメ車事情も含め、進化しているアメ車の魅力についてご紹介いたします。
2019年6月現在、日本に正規輸入されるアメ車は、フォードの日本市場撤退により、ゼネラルモータース(GM)とクライスラー、電気自動車を販売するテスラとなり、他のモデルは、並行輸入業者による輸入車となっています。
しかし、この中でもテスラは、少数であり、クライスラーはイタリアフィアット社のグループ傘下にあり、レネゲードはフィアットベースのSUVになるなどアメ車テイストは薄くなっています。
GMは、キャデラックシリーズやコルベット、シボレーシリーズ、クライスラーはJeepシリーズグランドチェロキーやラングラーが日本で販売している代表的なアメ車です。
欧州車に近いハンドリングを持つアメ車
1990年台を境に、アメ車のハンドリングは大幅に変化しています。
キャデラックセビルでは、サスペンションを大幅に見直し、ロードセンシングサスペンションと呼ばれるアクティブサスペンションによりハンドリング性能が向上しました。
現在販売しているキャデラックATSやCTSなどパーソナル性の高いセダンは、BMW3シリーズと同等のスポーツ性の高い足回りを持っています。
大型SUVのキャデラックエスカレードやラダーフレームを持つクライスラージープラングラーは、連続するカーブは苦手ではありますが、ゆったりした乗り心地の中にもしっかり路面の凹凸を吸収し、長距離ドライブも疲れません。
昔のアメ車テイストを好む方は、キャデラックのフラッグシップセダンCT6やSUVを選択することをおすすめします。
伝統のOHVと最新のダウンサイジングターボ
アメリカのビュイック社が1903年に開発したOHVエンジンは、エンジンの上にバルブを配置しカムシャフトが無いエンジンです。
100年以上の歴史があり、カムシャフトが無いためエンジンを低く抑えることが可能で、現在でもキャデラックエスカレード、コルベット、シボレーカマロSSなどに搭載されています。
排気量は5Lから6Lオーバーで、低回転域で力強いトルクを発揮するのが特徴です。
しかし、燃費性能に劣り、高回転域は苦手なエンジンです。
近年では、キャデラックATSやシボレーカマロ、クライスラージープラングラーなどに直列4気筒2.0Lのダウンサイジングターボエンジンを搭載しています。
燃費性能は大幅に向上するとともに、パワーはキャデラックATSで276馬力、シボレーカマロで275馬力と余裕のスペックを持ちます。
日本の自動車税事情にもうれしく、2.0L以下のため39,500円(年間)に収まり、燃費が悪い、自動車税が高いと言ったアメ車のマイナスイメージが払拭されています。
日本であまり売れないのはハンドル位置にも関係あり?
GMのキャデラックやシボレー、コルベットには、右ハンドル車はなく、左ハンドルのみの製造です。
日本の道路では左ハンドルでも問題無く運転可能ですが、左折の際に対向車が見えない、バックする際に、感覚が違うといった理由で敬遠する方が多くなっています。
ドイツやフランス、イタリアなどの欧州車はほとんど右ハンドルで日本に輸入されています。
日本やイギリスなどの一部の市場のために生産ラインを変更することや新たに作ることは全く考えていない事情があります。
なお、右ハンドルのシボレーの3列シートミニバンキャブティバは、元々は韓国大宇(デーウ)のウインストームと呼ばれるクルマがベースになっており、GM大宇から韓国GMに変更されたタイミングでキャブティバの名称がつけられました。
主に欧州市場を狙った車種であり、日本には、2011年より輸入されています。
アメ車EVの進化 500万円台からの電気自動車テスラモデル3
日本では、日産リーフが100%電気自動車として市販されています。
アメリカではテスラが電気自動車を開発し販売しており、これまで1,000万円を超える価格で販売されていたテスラ車ですが、2019年6月に511万円から買える、モデル3の受注を開始しました。
テスラ3はオートパイロット等先進の安全装備も搭載し、停止状態から100km/hの加速が5.6秒とスポーツカー並みの加速性能を持つ電気自動車です。
日産リーフe+Gの価格が472万円のため、リーフを検討する際には、テスラモデル3も視野に入れて検討することでより楽しいクルマ選びになります。