よく町の車屋さんの看板などで「届出(登録)済未使用車」の文字を見かけるという方も多いのではないでしょうか。
未使用車は、値段の安さと状態の良さから人気が高く、今では「届出済未使用車専門店」と銘打っているお店まであるほどです。
しかし、新車と未使用車(新古車)の違いはご存じでしょうか?
今回は、新車と未使用車の違いを、メリット・デメリットとあわせてご紹介いたします。
未使用車を取り扱っていくうえで、必要最低限の知識を習得しておきましょう。
◯新車
新車とは、一度もナンバー登録されていない新しい車のことです。
新車を購入すれば、一番最初の名義は購入した人(または使う人)になります。
メーカーオプションなども好きなように選ぶことができ、自分好みの仕上がりで納車してもらうことができます。
◯未使用車(新古車)
未使用車(新古車)とは、一度ナンバー登録はされたものの実際にはほとんど走っていない「中古車」のことを指します。
未使用とはいえ、一度でもナンバー登録がなされると「中古車」という扱いになってしまいます。
ちなみに、未使用車や新古車という呼び方はあくまで通称。 実際には未使用の中古車であるため、「届出済未使用車」が正式名称です。
このページでは以下、「届出済未使用車」は「新古車」と呼びます。
新古車はなぜできるの?
そもそも、なぜ新古車ができるのでしょうか?
新古車は「一度ナンバー登録されたもの」と説明しましたが、一度登録しなければならない理由が存在するからできてしまうのです。
その理由とは、「新車販売台数の実績をあげるため」です。
ディーラーの販売実績は、基本的に登録ベースです。
つまり、登録された段階で販売台数としてカウントしているため、登録しなければ販売実績にあげることができません。
その実績を伸ばすために、ディーラー名義で新車を仕入れて登録する場合があるのです。
ちなみに、ディーラーはメーカーから台数に応じて奨励金をもらう場合があります。
その月間の目標台数まであと少し、といった場合に行われることが多くあったりします。
そうやって登録した車が売れなかった場合に、「未使用だけど登録済み」の車となり、「未使用車(新古車)」ができあがります。
新古車のメリット・デメリット
ここからは新古車のメリット・デメリットについて、それぞれ3つ紹介していきます。
◯新古車のメリット
新古車のメリットは次の3つです。
・中古車だけど状態が良い
・新車購入時に比べて消費者の税負担が少なくて済む
・早く納車できる
新古車は、中古車でありながら、実際には使用されていないので良い状態のままです。
お客さんの希望の車種があるなら、これは大きなメリットになります。
加えて、車屋さんの立場からすれば、その状態の良さから普通の中古車に比べてクレームがあまり発生しないといったメリットもあります。
また、新車購入時に比べて消費者の税負担が少なくて済みます。
自賠責保険・自動車重量税・自動車税は、新車購入時に負担しなければならない税金です。
これらは新車登録の際にディーラーが支払うことになりますので、お客さんはその分初期費用が安く済みます。
そしてお客さんにとって一番うれしいのが、納車が早いということ。
新車を注文してから納車するまでは、最低でも2週間はかかりますし、人気車種なら数か月待ちなんてこともあります。
その点、新古車は「中古車」です。
一度登録されているため手続きが省略され、登録から時間がたっていなければ車検残もあるので検査はありません。
状況にもよりますが、数日~2週間で納車することができます。
車屋さん側からしても、すぐに納車することで店舗にスペースが空いたり維持費が浮いたりしますから、双方にとってメリットがあると言えるでしょう。
◯新古車のデメリット
・中古車と同様で選べるのは在庫のみ
・グレードやメーカーオプションは選べない
・人気車種は入手困難
新古車は、未使用というだけで「中古車」です。
つまり、通常の中古車と同様、結局は在庫からしか選ぶことができません。
そのため、お客さんのニーズに合ったグレードや、メーカーオプションがついているものを探す必要があります。
しかし、これがなかなか難しく、新車と違ってオーダーすることもできないため、巡り合わせに頼ることになってしまいます。
特に人気車種であればあるほど品薄で入手困難のため、先手を打って流通している車を入手する必要があります。
このあたりはやはり中古車なんだな、と感じるかもしれません。
まとめ
新車とほぼ変わらない綺麗な状態で、イニシャルコストが安く、早く納車ができるなど、新古車は消費者にとって多くのメリットがあります。
また、人気車種を入庫できれば売れるまでの期間も短く済むなど、車屋さんにとってもメリットがあります。
当然入手するのは難しいのですが、うまく入庫できれば売り上げにも直結します。
新古車をうまく活用して、業績アップにつなげていきましょう。