中古車を販売するには、車を買い取るなりして車両を確保する必要があります。

その中古車を仕入れるのに最も効率が良いのが車の下取りです。

車の下取りをすることで、車の販売と中古車の仕入れの両方が一度に出来てしまうのです。

しかし、簡単に下取りと言いますが、現実的にはそう簡単ではありません。

そこで今回は、中古車をうまく下取りするコツについてご紹介いたします。

下取りの仕組み

中古車の下取りの仕組みは、新たに車を買っていただく前提で、下取り価格の分を支払価格から差し引くというものです。

うまく下取りが出来れば、新車は売れてさらに下取り車を再販できるという、一石二鳥の仕組みになっています。

似たようなもので中古車の買取がありますが、中古車の下取りと買取は、車を購入いただくことが前提かどうかという点で異なっています。

買取の場合は、あくまで車を売ってもらうだけという形です。

とはいえ、買取業者の競合も多くなっており、そうそう簡単にうまくいくわけではありませんので、工夫していく必要があります。

下取り価格の決め方

下取り価格の設定は、基本的には中古車の査定と変わりません。

査定は標準状態より良いか悪いかで加減されていきます。

標準状態とは、次の6項目のことを言います。

(1)外装・内装は無傷である
(2)エンジン・足回りは走行に支障なく良好であること
(3)車検の残り月数は3ヵ月以内とする
(4)走行キロ数は標準走行キロとする
(5)タイヤの残り溝は1.6mm(スリップサイン)以上あること
(6)その他、事故による修復歴、損傷減価要因、改造工作のないこと
(参考:JAAI公式ホームページより)

 

なお、下取りも中古車の査定になりますので、「中古自動車査定士」の資格を取得しておかなくてはなりません。

下取りが通常の買い取りと一つだけ違う点があります。

それは、新たに車を購入していただく前提であるということです。

つまり、下取り価格だけでなく車の販売価格の値引き額も合わせて考えていただくことができるのです。

うまく下取る為のポイント!

うまく下取りをするためには、単純に価格だけで勝負してはいけません。

査定価格は、基準にしている価格がお店によって異なるため、全国にネットワークを持つ買取専門業者にはなかなか勝てないものです。

そこでうまく活用したいのが、次の2つのポイントです。

・手続きがワンストップで簡単であることを訴求
・販売する車の値引きを組み合わせること

 

買取と比べて下取りが圧倒的に有利な点は、手続きが簡単だということです。

買取を別の業者に依頼した場合、書類手続きが増えるので、手間がかかります。

それを考えれば下取りに出した方が楽に済む、ということを伝え、下取りの手軽さをアピールする方法が一つです。

もう一つは、下取りなしの場合の値引き額に、下取りありの場合の値引き額を上乗せするという戦略です。

下取り額と値引き額の合計金額を見ていただければ、買取専門業者の査定価格よりも高くできる可能性があります。

それでも価格差が僅差の場合は、手続きにかかる時間・手間・手数料を考えてもらうように訴求すれば、下取りに出していただける可能性が上がります。

まとめ

買取専門店が急激に増えているため、昔よりも下取りは難しくなっています。

それでも、新たに車を買っていただける上に中古車として販売できる車を下取りできるのは、お店としてはこの上ないメリットです。

ここで紹介した方法以外にも、地域の特性を活かしたサービス(景品やプレゼント等)があると、喜ばれる可能性もあります。

型にとらわれず、お店なりの特性を活かして売上アップのために工夫していきましょう。