車屋さんを営む上で「中古車査定」は必須です。
車の下取りをするにも、買い取りをするにも、中古車査定が出来ないと正確な買い取り価格を出せなくなってしまいます。
とはいえ、中古車査定ができるのは「中古車査定士」の資格を持つ方のみなので、車屋さんを営んでいるなら、一度は勉強して資格を取ったのではないでしょうか。
そんな中古車の査定ですが、まだ査定に慣れていない人はもちろん、ある程度ベテランでも見落としがちなポイントがあるのです。
中古車査定で正確な値段をつけられないと、収益に大きな影響を及ぼしてしまいます。
今回は、中古車査定で見落としがちな落とし穴をご紹介いたします。
中古車査定時の注意点として、主に次のつが挙げられます。
・時間をかけられないが焦らない
・お客さんに事故歴の有無を聞き取りする
まず、中古車査定は基本的にお客さんを待たせてしまっているわけですから、あまり時間がありません。
その短い時間の中でどれだけ正確に査定できるのか、がポイントです。
だからといって、焦ってはいけません。
焦ると見落としが増えてしまうものです。
お客さんによっては、あまり欠点となるようなポイントを見られたくないがために急かしてくる人もいます。
ですが、正確な査定をするためにはしっかり見なければなりません。
お客様に説明して、限られた時間でもしっかり見せていただけるようにうまく伝えて、落ち着いて査定しましょう。
そして最も重要なことの一つとして、お客さんに「事故歴があるかどうか」を確認をすることが挙げられます。
ほとんどの場合は整備記録簿が車内にあるため、調べればわかることではあります。
しかし、紛失したという場合もないわけではありません。
また、査定のプロになれば査定時の修復歴の見落としは2%程度とほぼ見落とすことはありませんが、それでも100%見抜けているわけではありません。
念には念を入れて、事故歴の有無は確認しておきましょう。
とは言え、人間ですから間違いや見落としは少なからずあるもの。
それを最低限に抑えることが重要です。
見落としてしまいがちな査定項目
見落としがちな査定項目としては、主に次の2つがあげられます。
・ルーフパネル
・車底部のシャシーとマフラー部分
最も見落としが多いと思われるのがルーフパネル。
査定に大きな影響を与える査定項目は、「骨格部位」に該当する場所です。
ルーフパネルはその「骨格部位」に位置づけられているため、損傷があると査定額に大きく響きます。
にもかかわらず、高い位置にあるために見落としがちなポイントの一つとなっています。
特に高さのあるミニバンやSUV車などが見落としやすいので、気をつけましょう。
続いて見落としが多いのは車の底部であるシャシーやマフラー部分。
どちらも車の底部にあるため、非常に見づらいです。
そのため、シャシーやマフラーのさびや損傷に気づけない、なんて場合もあります。
どちらも骨格部位には該当しませんが、見落としがあると再販するための整備で費用がかさんでしまいます。
だからといって、お客さまの目の前でわざわざジャッキアップするのはさすがに気が引けるものです。
対策として、なるべく高光度のライトをもっておくことをおすすめします。
暗い中でもなるべくしっかり見るようにしましょう。
まとめ
おさらいすると、次のとおりです。
・ルーフパネルとシャシーなどが見落としやすい
・事故歴の有無について本人に聞き取りを行なう
こうして見ると、高い位置と低い位置にある所を見落としやすいようです。
特に再販する際に大きな影響を与えるのが「修復歴の有無」です。
きちんと査定して、再販価格に大きな影響を与えないようにしましょう。
JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)では査定士技能向上研修も行なっているようですので、数年に一度でも受講してみるといいかもしれません。