中古車を査定する際の査定項目はご存じでしょうか。
一概に中古車の査定と言っても、見るべきポイントは多岐にわたっています。
素人目線だと、目に見える外装や内装などばかりに目が行きがちですが、実は見るべき所はもっとたくさんあるのです。
今回は中古車を査定するときの査定項目についてご紹介いたします。
中古車を査定する際の査定項目は多岐にわたります。
その査定項目を大まかに分けると、以下のようになります。
・外装
・内装
・電装
・エンジン
・足回り
・装備品
・タイヤ
・走行キロ
・車検残
・自賠責残
・修復歴、特殊形状、特殊損傷車
・その他
ここに並べただけでも12項目もあります。
これらの査定項目は、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)によって定められているものです。
深く掘り下げればもっと細かいポイントがありますが、まずはこれだけあることを覚えておきましょう。
車の状態は、これらのポイントが標準状態よりも良いか悪いかで判断されます。
標準状態については後述します。
そもそもですが、中古車の査定を行うためには「中古自動車査定士」の資格を所有している必要があります。
中古自動車査定士にも以下の2種類があり、それぞれ査定できる車種が違うため混同しないように注意しましょう。
・乗用車や4トン未満の貨物車を査定できる「小型車査定士」
・それ以外の大型貨物車やバスなどを査定できる「大型車査定士」
いわゆる町の車屋さんなら、小型車査定士を持っていれば十分事足りるでしょう。
しかし、大型車査定士を持っておけば、商機を広げることができますので、取得しておくのがおすすめです。
ただし、大型車査定士の資格を取得する際には、大型第1種以上の運転免許を取得しておく必要がありますのでご注意ください。
査定時の重要ポイント
査定は標準状態より良いか悪いかで加減されていきます。
標準状態とは、次の6項目のことを言います。
(1)外装・内装は無傷である
(2)エンジン・足回りは走行に支障なく良好であること
(3)車検の残り月数は3ヵ月以内とする
(4)走行キロ数は標準走行キロとする
(5)タイヤの残り溝は1.6mm(スリップサイン)以上あること
(6)その他、事故による修復歴、損傷減価要因、改造工作のないこと
(参考:JAAI公式ホームページより)
この中でも査定時の重要ポイントはズバリ、「修復歴の有無」です。
修復歴と言っても、ちょっとした傷を直した跡があるくらいでは修復歴とは言いません。
大事なのは「骨格部位」を修復した履歴があるかどうかです。
骨格部位とは、乗用車を例に挙げると次の部分を言います。
・フレーム(サイドメンバー)
・クロスメンバー
・インサイドパネル
・ピラー
・ダッシュパネル
・ルーフパネル
・フロア
・トランクフロア
これらの部位は、多くの場合事故にでも遭わない限りはまず修理しない箇所です。
最低でもこれらのポイントをおさえて、正しく査定する必要があります。
見積もり価格の設定方法
見積価格の最終的な価格は、次の式で算出されます。
基本価格+加点査定ー減点査定=査定価格
お店によって買い取り価格は違ってきますが、どのお店でも査定時に使用するチェックシートは、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)が提供しているものと同じものです。
そのため、加減点部分が大きくかけ離れることはまず考えられないでしょう。
価格が違ってくるとすると、それは基本価格の違いによるものとなります。
つまり、自社整備工場を持っているか否かで整備費用が変わったり、得意としている車種だったら価格を割り増ししたりと、条件によって変わってくるということです。
まとめ
ここまで中古車の査定項目についてご紹介いたしました。
何よりも大事なのは、修復歴を見逃さないことです。
修復歴の有無で査定額は大きく変わりますし、見落とすとトラブルになる可能性もあります。
定期的に査定の研修会などを受講して、査定を正しく行なえるようにしておきましょう。