カーリースと言えば法人などが利用するイメージかもしれませんが、近年個人向けカーリースが急速に普及し始めました。
テレビCMはもちろん、道路沿いの中古車屋さんなどもカーリースを始めているように見受けられます。
「月々定額1万円~」などという広告を見かけた方もいらっしゃるかもしれません。
では、カーリースの利益の仕組みや実際の市場規模がどれくらいなのかご存じでしょうか?
今回は、カーリースで利益が上がる仕組みと、カーリースの国内市場規模、今後の市場の伸びについてご紹介いたします。
そもそもカーリースとは、多くの場合、車両代金から残価設定した金額を引き、残った額を分割というような仕組みになっています。
さらに、各種税金や手数料・メンテナンス費用・車検代といった定期的にかかる費用を盛り込み、利益を上乗せしたうえで総支払額が決まります。
その支払額を月々一定額に分散したものがリース費用です。
ここでは、利益を上げられる仕組みが3つあります。
・月額に上乗せした利益
・返却されたリース車の売却利益
・メンテナンスや車検などで得られる利益
月額に上乗せした利益はすぐに理解できるのではないでしょうか。
2つ目のリース終了後の売却もおわかりになるでしょう。
これは車種や返却された車両の状態にもよります。
ですが、自社で整備環境が整っていればかかる費用は安く済ませられますし、相場観を間違えずに残価設定出来ていれば利益も十分見込めます。
しかし、中でも最も重要なのは3つ目の、「メンテナンスや車検などで利益が得られる」というところです。
カーリースのメンテナンスパックは、提携した整備工場で受けるのが前提となっているので、ほぼ確実にメンテナンスに来てもらうことができます。
通常、新車や中古車販売のみだと、「メンテナンスはカー用品店で安く済ませる」や「車検は知り合いのお店で受けるので…」など、中々アフターサービスにつながりにくいものです。
その点、カーリースでは高確率で受けてもらうことができるため、「囲い込み」が出来るようになるのです。
それに、お店側からすると、お金は毎月払ってもらっているのでありがたいうえに、不具合が見つかった場合にはその場ですぐに対応もできます。
そのため、お店にとってはもちろん、お客さまにとってもワンストップでサービスが受けられるのは大きなメリットになります。
こうして車両代金だけでなく、メンテナンスなどのアフターサービス部分からも利益を上げることができるのがカーリースです。
カーリースの国内市場規模はどのくらいなの?
2018年3月時点での個人向けカーリース車両台数はおよそ25万7千台です。
これは法人を含んだすべてのカーリースのうちのおよそ7%に相当しています。
さらに、2017年比で、なんと120%の成長という急速な伸びを見せているのです。
株式会社矢野経済研究所によると、2022年度における個人向けオートリース車両保有台数は93万6千台と予測されており、3.6倍もの市場規模になるとされています。
(参考:株式会社矢野経済研究所より )
カーリース市場の今後の伸び率は?
前述のとおり、カーリース市場は2022年には保有台数93万台を超えると予測されており、今後も大きく伸びていくと予想されます。
その主な理由は次の2点です。
・車は移動手段の一つとしてしか考えていない人の増加
・車にかかる費用を抑えたい人の増加
以前に比べて、「車は趣味・ステータス」という考えの方が減り、あくまでも移動手段の一つとしてしか考えていない方が増えている傾向にあります。
そのため、単身赴任や子どもが小さいうちだけなど、求める車の使用期間が決まっている方にとっては、カーリースが都合のいいサービスになるのです。
また、車に関する費用をなるべく抑えたいという方が増えています。
現在、自動車の乗り方の選択肢がかなり多岐にわたっています。
主に次のようなものが代表的です。
・マイカー
・カーリース
・レンタカー
・カーシェアリング
など。
マイカーだと車検代や税金など、定期的に大きくかかる費用が家計に重くのしかかってしまいます。
しかし、地方にお住まいで「車を持っていないと移動が不便」などという方にとって車はマストアイテムです。
その点、カーリースなら定期的な費用も含まれて月々一定額のため、生活費の見通しが立てやすくなっています。
このように、カーリースはお得感の高いサービスとなっています。
これらのことから、今後もカーリースの需要増で市場は大きくなっていくと考えられます。
まとめ
近年、カーリースは急速に普及し始めましたが、月々一定額で生活費の見通しが立てやすい個人向けカーリースは、これからも市場拡大していくと見込まれます。
それと同時に、車を持たない選択肢として「レンタカー」や「カーシェアリング」なども拡大していくのではないでしょうか。
今後しばらくはこの傾向は続くと思いますが、市場の動向を見逃さないようにしていきましょう。