街で見かける車屋さんは、どれも同じように自動車を販売していて、消費者から見れば何も違いが無いように思われるかも知れません。

しかし、実は業務形態によって、分類が異なります。

トヨタの車を販売しているからトヨタ自動車、ニッサンの車だから日産自動車というのは、もちろんその通りですが、メーカー直販の店舗以外でも販売されているのです。

車屋さんの種類を解説

主に新車を専門に取り扱っているのは、メーカーから直接車を仕入れている特約店(ディーラー)と、その特約店から仕入れている販売店(業販店)です。

中古車を取り扱っているのは同じく特約店や、中古車販売店が有名です。

複数のディーラーから仕入れている業販店も多く、町の整備工場なども車の販売を手がけています。

また、最近ではインターネットを媒体にした取引業者や、店舗も在庫も持たない販売代行業者も増えています。

各種類の役割を解説

◯特約店(ディーラー)

特約店はメーカーから直接新車を仕入れて販売しており、同一メーカーの全車種を取り扱っています。

また併設して下取り車を中心に、中古車の販売も兼ねている店舗もあります。

メーカーの直販という立場の強みは、統一された品質とサービスの提供であり、購入後の補償や修理などメンテナンスが充実している点です。

ただし契約しているメーカーの車種の中からしかユーザーは選択することができません。

◯販売店(業販店)

販売店はディーラーから新車を仕入れており、複数のディーラーと取引している店舗も多くあります。

ユーザーは複数のメーカーの中から希望車種を選ぶことができ、選択の幅が広がるという仕組みです。

修理等のメンテナンスもディーラーを利用できるので安心できます。

店舗によってサービスや車の知識レベルがまちまちなので、信頼できるお店を探しましょう。

◯中古車販売店

中古車販売店は様々なメーカーの車種を取り扱っており、メーカーの縛りがありません。

大型の展示場を備えた大型店もこのタイプに属しています。

ディーラーよりも好条件で中古車を購入できることもあるのが特徴です。

また、手放すときも高価格で引き取ってもらえるケ-スもあります。

購入後のメンテナンスや保障は店舗によりまちまちです。

◯整備工場(修理工場)

地域に密着した整備工場はディーラーから仕入れた車を販売しています。

ディーラーが進出していない地方では、特に新車の購入先として重要な役割を担ってきました。

車検や修理など、プロの整備士が担当しているため、安心して任せられます。

各種類に必要なスキルはあるの?

◯特約店(ディーラー)

特約店では業務ごとに必要な資格が決まっています。

整備、車検、メンテナンスの部署では、ほとんどのディーラーにおいて国家2級整備士の資格を取得している要件になっています。

営業職では、特段定められた国家資格はありませんが、自動車業界に携わる者として、普通運転免許は必須でしょう。

現場で納車や引取りなど実際に車を運転しなければならないことも多く、また顧客の良きアドバイザーとして最低限身につけておくべき資格と言えます。

車に関する知識も入社してから研修を受けることになります。

自動車保険の販売も行うため、損害保険の保険募集人資格も必要です。

◯販売店(業販店)

まず新車を販売するためには、特約店の許可を経て販売の権利を得なければなりません。

また中古車の販売には古物商の資格も必要になります。

これは警察に届け出を行います。

自動車を取り扱う場合は損害保険募集人資格も必要です。

◯中古車販売店

古物商の資格を警察に届け出て取得します。

廃車を引き取る際に必要な自動車引取り業も登録しなければなりません。

中古車の引取りには自動車リサイクルシステムへの事業者登録も忘れず行いましょう。

◯整備工場

整備工場での本業は車の整備、修理、車検代行などですから、当然自動車整備士の資格は必須となります。

自動車引取り業、自動車リサイクルシステムへの事業者登録も当然取ってしかるべきです。

その上で自動車保険を扱う場合は損害保険募集人資格を取得しなければなりません。

中古車の販売を手がけるにあたっては古物商の資格も警察に届け出ます。

まとめ

同じ車を購入するのでも、色々な種類の車屋さんが存在しています。

では一体何を基準にお店を選ぶのでしょうか?

まず一番に考えることは「希望車種の在庫があるのか」でしょう。

では次に検討する項目はどうでしょうか。

価格、サービス、アフターフォロー、営業マンの人柄、これらに全て共通しているのが車屋さんへの信頼です。

車に関する知識や必要な資格はもちろん、購入後にも安心して車の相談ができるお店はかなりポイントが高いと言えます。

ネットで車が買える時代になっても、多くのユーザーがお店に足を運ぶのは、やはりプロの目を信頼しているからに他なりません。

車は家の次に高い買い物であることは、今も昔も変わりません。

慎重に検討するユーザーの頼もしいアドバイザーとして、街の車屋さんはその重要な役割を担っています。