現代社会において、車は私たちにとってなくてはならない交通手段です。
また企業においては、移動手段だけでなく、業務を円滑に遂行するために必要不可欠な存在となっています。
社用車は個人のユーザーが所有するのとは全く取り扱いが異なり、明確な目的を持っているため、税法上の優遇もあります。
そのため私的な用事では使わないなど、使用上の注意もあります。
あくまで仕事で使う働く車としての位置づけと、とらえなければなりません。
ここでは社用車を使用するために、かかるコストを検証していきます。
◯購入の場合
企業が年間の支出予算として社用車の購入代金を準備し、経理上は必要経費として計上します。
当然ですが、車の購入には資金が必要であり、まとまった台数を購入するとなると大きな資金を用意しなければなりません。
そのため、購入となると手元の現金がその分少なくなる懸念が生じます。
法人が所有することになり、固定資産となるため一旦資産計上され、購入価格の約40%に対して課税されますが、複数年度にまたがってこの購入費用を減価償却して、必要経費に計上していくことになります。
財務省令により、普通車であれば6年の耐用年数に応じて車の資産価値が目減りしていくとして経費に認められています。
さらに中古車の耐用年数は新車に比べて短くなるため、早期に減価償却の計上を行います。
なるべく当年度の経費として処理したいときは中古車の購入も一つの手段です。
原則、個人事業主は定額法、法人は定率法が適用されます。
そのほか、取得時の重量税、自賠責保険料、任意自動車保険料も台数に応じて相応の負担が生じます。
これらの出費は購入時のみならず、所有し続ける間も継続的に必要となっていきます。
なお、所得税やリサイクル料は購入時にのみ支払う初期費用です。
業務を安全かつスムーズに遂行するためには、整備、点検、車検等の定期的なメンテナンスを行う必要があります。
そのため、かかる費用と人材を用意するなど、従来の業務外の管理コストも発生し、これらは車を所有し続ける期間、継続して支払わなければなりません。
◯リースの場合
社用車をリースする場合が、購入する場合と大きく異なる点は、所有者が誰であるかです。
リースだと所有者はリース会社になるため、購入時に必要となる諸経費や取得税、重量税、自賠責保険の支払いが不要となります。
また、車検の義務もないため、定期的なメンテナンスの管理もありません。
毎月のリース料金と任意自動車保険料を支払えばいいということになります。
料金の中には、税金や保険料、整備代金などの諸経費が上乗せされており、購入した場合に比べて月々の支払いは割高になります。
毎月一定額の負担のみで利用できるため、経費の掌握がしやすく、税務処理も簡単に済みます。
契約満了後は、車を返却するか、残価の代金を支払って所有しますが、一般的には新しい車に乗り換えることが多く、新たにリース契約を結びます。
同じ車で再契約する方法もありますが、あまり利用はされていません。
◯ローンの場合
一括購入と同じく、初期にかかる費用の項目は、自動車所得税、重量税、自賠責保料、任意保険料、リサイクル料などです。
また所有者として当然、車検の義務も発生します。
購入費は一括よりもやや割高です。
税務処理上は車本体の減価償却に加え、ローンの利息部分を経費に計上するなど、経理処理の手間が増えます。
月々の支払いとしてはリースよりも安く抑えられますが、月々の支払いとは別に、車検や整備点検にかかる費用、自賠責保険料、税金などを考慮すると、その差は縮まります。
リースでは節税可能ってほんと?
一時的な節税対策を講じるなら、当年度に大きく経費計上できる中古車の購入が有効な手段の一つと言えるでしょう。
ただし、毎年継続的な節税効果を望むのであれば、話は別です。
新車で購入されるケースは一度に高額な資金を投入するため、手元の資金は減っても、逆に経費への計上は数年にわたって恩恵を受ける形になるため、メリットは少ないのが現状です。
軽自動車で4年、普通自動車6年、トラック5年と言われる耐用年数によって減価償却しますが、個人か法人かによって、取り扱いが変わります。
減価償却とは、車という資産の価値が目減りしていき、最終的には価値がなくなるという考え方に基づいています。
車の耐用年数は、法律で定められており、減価償却資産の耐用年数表に明確に示されています。
減価償却の方法は、耐用年数に基づき毎年定額で減価償却していく定額法と、毎年一定割合ずつ減価償却していく定率法の2種類です。
主に個人事業主が用いる定額法は計算が簡単ですが、定率法の方が初期により多くの経費を計上できるため、節税効果が期待できます。
また、法人であってもあらかじめ申し出ることで定額法を選択することもできます。
ではリースの場合はどうなるでしょう。
車は業務に使用していますが、所有していないため、経理処理は実に簡単です。
リース料金を必要経費として計上するだけで済みます。
金額の変動もないので、毎回一定額を算入するだけです。
企業にとっても煩雑な経理処理に手を取られることがないうえ、将来の予算の見通しを立てやすくなり、より経営に専念して利益の向上を図ることが可能となります。
社用車を管理する部署の設立や人材の確保が必要ないのは、大きなメリットと言えるでしょう。
購入とリースでの費用を比較
購入から使用期間中にかかる費用をそれぞれまとめましたので、比較してみましょう。
購入した場合 | リースを利用した場合 | |
初期費用 | 購入代金(一括の場合)
・自賠責保険料 ・取得税 ・重量税 ・リサイクル料 |
なし |
継続的にかかる費用 | 返済(ローンの場合)
・任意自動車保険料 ・重量税 |
・リース料金
・任意自動車保険料 |
メンテナンス費用 | ・整備
・点検費用 ・車検費用 |
なし |
購入時は、所有に伴う諸手続が多く、そのための出費が多くなっているのが分かります。
また購入後も、多項目にわたり手間がかかってくるのも見逃せません。
それに比べてリースの方は2項目、月々のリース料金と任意自動車保険料のみといたってシンプルな仕組みになっています。
極めてわかりやすく、計算も簡単です。
なお、上記以外に両者とも燃料費や高速道路、有料道路の通行料金が別途必要経費としてあげられます。
では人気車の中からスズキのアルトバンの例で見ていきます。
購入 | リース | |
初期費用 | 車両価格(MT車)\737,000
自動車重量税\3,700 自動車取得税\7,000 軽自動車税\5,000 自賠責保険料(37月分)\37,780 |
無し |
継続費用 | 任意保険料\50,000(条件による)
自動車重量税\3,700 |
任意保険料\50,000(条件による)
リース料金\12,430~ (メンテ有りは\18920~) |
メンテナンス費用 | 車検\50,000~(部品交換等除く) | 加入プランにより\0~50,000 |
リースのプラン、オプションにもよりますが、総支払額で比較すれば、リースの方は諸経費が上乗された分高額になります。
また購入車は企業の所有物ですが、リースは契約期間が満了すれば、返却するか残価を支払い手元に残すこともできます。
数字としては出していませんが、経理処理における手間はリースよりも購入の方が複雑になる分、人件費等のコストと労力を必要とするでしょう。
昨今の事情を考えると余分な人材の誘致、確保は難しいと言えます。
どんな会社がリースに向いてる?
なぜ今、リースを利用する企業が増えているのか、その原因を探っていきます。
経営上、常にリスクを想定し、回避する手立てを考えておかなければなりません。
そのためには内部留保しておく資金がどうしても必要となってきます。
手元に万が一の資金を残しつつ、初期費用を抑えて社用車を準備する手段として、カーリースはベストチョイスと言えるでしょう。
車の管理を自社で行うほど人材や費用に余裕が無くても、すぐに導入できるメリットも大きいと言えます。
※特に向いている会社の特徴をあげておきます。
①手元に余裕資金を確保しておきたい。
②経理処理を簡素化したい。
③社用車の管理にかかる費用と人材を減らしたい。
④毎月決まった金額を経費にあてて、経営の無駄を省き、計画的な事業展開をしたい。
⑤社用車の導入、乗り換えの手間をできるだけ簡単に済ませたい。
⑥年間の走行距離や使用具合を掌握し、変動がない。
⑦契約期間満了まで車を使用する予定である。
上記の条件が当てはまれば、リースを有効活用できる会社に相当します。
ここで注意点があります。⑦は必ず気をつけなければなりません。
原則、カーリースは契約期間途中で解約することができません。
もしそのような事態になれば、違約金を支払わなければなりません。
たとえ、使用期間が短くても残価を載せた金額を請求されることになるので、頭に入れておきましょう。
商用車はCarLineリースがお得!
CarLineリースでは商用車専門でカーリースのご提供をしております。
月々の費用を定額で抑える事ができ、車検や税金などの心配も不要です!
社用車として車が必要な方や福祉車両を検討されている方、または個人の方でも商用車として利用する場合はリース契約が可能です。
まとまったお金も必要なく、定期的に新車に乗り換えられますので、商用車のご購入をお考えの方はぜひ一度ご相談くださいませ。
まとめ
社用車を購入するか、リースを利用するか、会社の経営状態や業務内容によるところが大きく影響します。
手元に資金を確保するためにリースを活用したくても、業務内容によって車の消耗がひどく残価を下回るようでは、契約満了時に追徴金を支払う羽目になります。
契約時に設定された走行距離を大幅に上回る場合も同じように支払いが生じます。
また特殊な改造を必要とする業種も原状回復が難しいので、不向きです。
あくまで契約の条件内で使用することを前提として自社の業務に適しているか見極めることが最優先されます。
またカーリースの契約締結にはローンと同様、審査があり、通らなければ利用できません。
そのうえで、経理処理の簡素化と管理のコストと手間を省くことができれば本業に専念して大きな利益を上げるために最適な手段となりえます。
特に複数台の社用車を用意することも可能となり、一気に業務拡大を図ることができるのも魅力の一つです。
これからのビジネスシーンにぜひ有効活用していきたいものです。
最近ではたくさんのリース会社が社用車に力を入れており、車種もほぼ国産をカバーしているので、希望に合った車を手配してもらえます。
わざわざ店頭に足を運んで探したり、手続きする手間もいらないため、忙しい企業にとってとても便利なシステムなのです。