将来の自動車業界はどうなっていくか、考えたことはありますか?
日々の業務に追われて、目先のことに目が行きがちかもしれません。
しかし、持続的に車屋を営んでいくには、未来の自動車販売市場を考察していく必要があります。
そこで今回は、「10年後」の未来に照準を合わせて、自動車業界の市場がどうなっていくかを見ていきましょう。
人口減少や高齢化が進んでいますが、実際にはどの程度変化するのか見ていきましょう。
まずは日本の総人口の推計です。
・2015年・・・1億2709万人(うち65歳以上の高齢者:26.6%)
・2029年・・・1億1912万人(30.9%)
・2040年・・・1億1091万人(35.3%)
・2053年・・・9924万人(38%)
出典:国立社会保障・人口問題研究所より
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2015年には1億2709万人いた日本の人口は、2029年には1億2000万人を割り込み、およそ1億1912万人になるとされています。
また、そのうちおよそ31%は65歳以上の高齢者です。
2036年には、運転免許保有者の3人に1人が高齢者となる予想もされています。
出典:内閣府交通安全白書より
年々人口が減少している分、免許取得者(=車を購入する可能性のある人)も自ずと減っていきます。
それに加えて、高齢者の割合は年々増加しています。
これが意味するのは、減っていく人口分だけではなく、高齢になって運転しなくなる人も出てくるということです。
さらに言えば、高齢者になってから新たに車を買おうとする人はあまり多くないということもあるため、車が売れにくくなってしまいます。
また、2019年現在では普通自動車免許の保有者数は増加し続けていますが、少子化の影響か、増加幅は減少しつつあります。
出典:警察庁運転免許統計より
それだけ自動車販売のニーズが減ってくることが容易に予想できます。
危機感を煽るわけではありませんが、先手を打って将来に向けて対策していく必要があるでしょう。
10年後に向けた対策は必要!
このまま何もしないで10年後を迎えるわけにはいかないことは、わかっていただけたと思います。
では、10年後に向けてどのような対策をとる必要があるでしょうか。
一番の対策はなんと言っても「お客さまの確保」です。
前述したように、人口の絶対数が減るということは、自動車販売のニーズも減少していくということ。
それなら、今のうちからお客さまを確保しておかなければ、将来的に経営が難しくなってしまう可能性があります。
今いるお客さまにいかにして定着してもらうか、たまたま店頭の車を見かけて購入してくださったお客さまをいかにして常連客にするかがポイントと言えるでしょう。
自動車販売だって人と人とのつながりが大事です。
誰しも、同じ販売条件を提示されれば、仲の良い人から購入したいと思うものです。
つまり、お客さまと仲良くなって、信頼してもらえる、頼られるお店づくりをしていくことが一番の近道であるということが言えます。
新車市場の10年後はどうなるの?
新車に焦点をあわせてみると、ここ10年以内には大きな変化があります。
国内最大手のトヨタが、2022年から2025年を目処に、これまで4チャネルで発売されていた新車を全チャネルで販売することを発表しました。
出典:WebCGニュースより
つまりは、トヨタ・トヨペット・カローラ・ネッツの4チャネルそれぞれの特色が無くなってしまうため、値引き合戦になってしまうことが予想されます。
その場合に考えられる対策としては、
・値引き合戦に勝つ
・付加価値をつけて販売する
の2種類が考えられます。
「値引き合戦に勝つ」という選択肢を取ろうとすると、とにかく薄利多売になってしまい、消耗戦になってしまいがちです。
本当に先のことまで見据えるのなら、「付加価値をつけて販売する」ことが必要です。
自動車以外にどのような付加価値を与えていくかが、これからの課題になってくるでしょう。
トヨタの全車種併売化だけの話ではなく、他店にはない独自の魅力を作っていく必要があります。
そうすることでお客さまの「ファン化」や、リピーター獲得につながる可能性が高くなります。
まとめ
10年後の将来を考えた時、自動車業界にとっては厳しい状況になるかもしれません。
しかし、行き当たりばったりの経営ではなく、しっかりと未来を見据えて戦略的に行動すれば、ピンチをチャンスに変える事だって可能です。
今から準備を整えて、これからの市場に対応できるように取り組んでいきましょう。