中古車業界に就職・参入するにあたって、気になるのは今後の動向です。
これから就職・参入するにしても、中古車業界や自動車業界の事情がわかっていないと、今後どのように展開されていくのか、将来的に大丈夫なのか、不安になってしまいます。
また中古車業界と一言で言っても、職種も多様にあり、市場も日本だけではありません。
そこで今回は「中古車業界の現状と今後の動向」についてご紹介いたします。
中古車業界全体の動向をつかんで、ぜひ参考にしてみてください。
人口の減少・若者の車離れなどが原因で新車販売台数が減少し、中古車の流通台数も減ってきています。
質の良い中古車が少なくなっていることから、海外で人気の車種が出てくれば輸出されることも多くなってきており、日本国内では中古車の台数不足になってきているのです。
しかし、逆に言えばそれだけ中古車市場は求められている分野でもあります。
事実として、業界動向の推移を見ると、平成19年頃から伸び悩んでいた業界規模が、平成25年から増加傾向にあるのです。
(出典:業界動向より)
かつての中古車販売業界といえば、
1.買い取り
2.オークション
3.小売り
という流通が主流でした。
しかし、最近では買い取った車を同じ会社で小売りを行うなど、BtoB取引が多くなってきています。
メーカーディーラーでも買い取り・中古車販売が活発になってきていますし、今後は業界自体が大きく変化していく可能性があります。
また、単純に中古車の買い取り・販売だけでなく、
・メンテナンス
・リースを始めとした金融商品
・自社在庫を活用したレンタカーやカーシェア事業
など、展開の幅が広くなっています。
中古車業界の職種別動向
一言で中古車業界と言っても、職種は様々です。
具体的に言えば、大きく4つに分かれます。
・買い取り営業
・販売営業
・自動車整備士
・本部業務
どの職種も中古車を取り扱う上で大事ではあります。
しかし、今後特に重要になってくるのは「販売営業」と「自動車整備士」の職種です。
◯販売営業
中古車業界は、車を販売したら顧客との付き合いは終わりになりがちです。
というのも、多くのお客さまはメンテナンスまでできるとは思っていない人が多く、カー用品店などにお願いしてしまうからです。
そこで「販売営業」が重要になってきます。
これまでは、良い中古車を仕入れることが重要視されていましたが、それでは今後消耗戦になってしまいます。
これからは、中古車販売の際にお客様に売って終わりではなく、メンテナンスまでお願いしてもらえるように信頼関係を築くことが必要なのです。
そうやって、長く付き合うことのできる体制の構築が急務と言えるでしょう。
その役割を担う販売営業は、非常に重要な役割であり、今後の営業職の重要性は高まっていくと言えます。
◯自動車整備士
中古車業界において、自動車整備士はこれからますます重要になってきます。
前述したように、今後長い目で見た時にお客さまとの長い付き合いができる関係性を作る必要があります。
そうした時に大事なのは「メンテナンス」です。
中古車を購入する多くのお客さまは、メンテナンスはカー用品店などにお願いする傾向にありますが、せっかく中古車を買っていただいたのに、その時点で関係が終わってしまうのはもったいないです。
そこで、メンテナンスまでできる仕組みをつくり、信頼関係を作ってオイル交換から修理、車検まで請け負う仕組みが必要です。
しかし、今は自動車整備士の人材が不足しており、自動車業界では危機的状況となっています。
営業して仕事を取ってきても、メンテナンスしてくれる人がいなければ元も子もありません。
そのため、今後、自動車整備士は引く手あまたとなりそうです。
世界の中古車業界の動向
今後、世界の中古車業界が上昇傾向にある国があります。
それは、「インド」と「ASEAN5カ国」です。
(出典:みずほ銀行ホームページより)
インドは人口が中国に次いで世界第2位でありながら発展途上国でもあり、これからの市場が広がる見込みの大きい国です。
まだまだ道路整備などが進んでいない箇所もありますが、それらの課題を克服していけば、市場規模は今まで以上に大きくなると見込まれています。
また、「ASEAN5カ国」(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア)も市場が上昇傾向にあります。
いずれの国においても中・長期的に市場拡大が見込まれているため、今後の成長に期待できます。
それぞれの国の事情に合わせた車種が売れていくことが予想されますので、各国の経済事情や法令についても調べておくと、戦略が立てやすいでしょう。
まとめ
今後の中古車業界の動向についてご紹介しました。
中古車業界は職種も国も様々です。
これまでのサービスのみに固執せず、様々な方向に目を向けていけば、これからも伸びていくことのできる業界です。
今後の中古車・自動車業界の情報にアンテナを張って、変化に対応する事が重要です。