ワンボックスとは、1つのキャビンの中に乗員スペースと荷室があり、エンジンが前席下に配置されている事が多い車種の事を指します。

近年では「ミニバン」と呼ばれるクルマであり、フロントに小さなボンネットを配置しエンジンルームを設ける1.5ボックスと呼ばれる車種も人気を集めています。

大人数で移動できることや、車高が高い分、頭上空間に余裕があり快適な室内空間が魅力的です。

今回は、2018年で最も売れた国産ワンボックス4車種と、ワンボックス車の元祖と言っても過言ではないハイエースをプラスした5車種とともに、ワンボックスのメリット及びデメリットをご紹介いたします。

日産 セレナ

◯日産 セレナ

2018年 年間販売台数 99,865台 総合順位 4位

セレナは、1991年にバネットセレナとして発売されて以来、家族の楽しみを追求し進化し続けるミディアムクラスミニバンで、2018年で最も売れたミニバンです。

2016年に発売されたC27系モデルでは、室内の広さや使い勝手の良さ、快適性など、運転席からサードシートに乗る人まで全ての乗員が快適に楽しく移動できるよう企画開発されているのが特徴で、5ナンバーサイズ(ハイウェイスターを除く)で取り回しの良さも特徴です。

半自動運転「プロパイロット」をミニバンクラス世界で初めて搭載しており、車線を認識し自動運転を行い長距離ドライブの疲労軽減に貢献します。

2018年3月には、ノートで好評のエンジンで発電しモーターで走行する「e-POWER」を搭載したモデルを発売しました。

26.2km/L(JC08モード)の低燃費を実現しており、燃費性能を向上させることで2018年ミニバン販売台数No.1を不動のものにしました。

トヨタ ヴォクシー

◯トヨタ ヴォクシー

2018年 年間販売台数 90,759台 総合順位 6位

ヴォクシーは、ライトエースノアの後継モデルとしてネッツ店専売車として2001年に発売されました。

兄弟車のノアと比べてワイルドなデザインでスポーティな印象が強く、子育て世代の父親に高い支持を得ています。

3列目シートまで快適に乗車可能な5ナンバーサイズ(ZS系はワイドボディの為3ナンバー)のミニバンとして取回し性能に優れるため人気車となっています。

2014年に発売された80系モデルでは、クラス初の本格ハイブリッドモデルをラインナップし、23.8km/L(JC08モード)の低燃費を実現しました。

また、2016年の改良では、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティのトヨタセーフティセンスCを設定し、燃費性能に加え安全性能も強化しています。

トヨタ アルファード

◯トヨタ アルファード

2018年 年間販売台数 58,806台 総合順位 15位

アルファードは、グランドハイエースに継ぐモデルとして2002年に発売されました。

トヨタの最上級のミニバンとして登場したアルファードは、カムリの基本コンポ―ネットを使用し、エスティマ同様FFレイアウトとし、V63.0Lエンジンに加え、税制面に有利な4気筒2.4Lエン

ジンを搭載したことから、当時人気だったエルグランドの販売台数を超える人気を得ました。

2015年に発売された3代目モデルは、大空間高級サルーンをキーワードに開発され、高級セダンに負けない上質なインテリアと乗り心地を実現しています。

大きなフロントグリルを採用する迫力あるフロントマスクは、豪華・勇壮をテーマにデザインされているのが特徴です。

環境性能に優れた2.5L+モーターのハイブリッドエンジンや力強い3.5Lエンジンを搭載しており、静かで快適な移動空間を提供します。

ホンダ ステップワゴン

◯ホンダ ステップワゴン

2018年 年間販売台数 56,872台 総合順位 16位

ステップワゴンは、1996年に初代モデルが発売されました。

キャブオーバータイプで後輪駆動ベースのワンボックス車が主流の中、ボンネットを備えた前輪駆動で四角いシンプルなスタイルをいち早く取り入れたのがステップワゴンです。

2015年に発売された5代目モデルは、直噴1.5LVTECターボエンジンを搭載しダウンサイジング化を行い、燃費性能と動力性能を向上させました。

税制面でも2.0Lエンジンと比較してワンランク下のクラスの自動車税となります。

歩行者まで検知可能な先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載するとともに、2017年9月には、2モーターハイブリッドシステムをスポーツグレードのスパーダに搭載しました。

25.0km/L(JC08モード)の低燃費を実現しており、トヨタのハイブリッドミニバンヴォクシーやノア、日産セレナe-POWERと強力なライバル関係となっています。

トヨタ ハイエースワゴン

◯トヨタ ハイエースワゴン

2018年 年間販売台数 9,048台 総合順位 48位

ハイエースワゴンは、1967年に発売され、キャブオーバータイプのワンボックスとして50年以上の歴史を持つ車種であり、高い人気を維持しています。

2004年に発売された200系と呼ばれるモデルは、乗車定員が10名の4列シートモデルとなり、ミニバンと呼ばれるワゴンが3列シート8名が最大乗員なのに対して2名分のアドバンテージを持っています。

最後列の4人掛けの4列目シートは左右に跳ね上げ格納が可能で、6名乗車+荷物を載せて移動が可能です。

2.7Lガソリンエンジンに6AT(2015年1月より)を搭載しており、優れた動力性能ときめ細やかなシフトチェンジが可能になり快適性能を高めています。

参考:乗用車ブランド通称名別順位 日本自動車販売協会連合会より

ワンボックスのメリット

ワンボックス車には、3列以上のシートを設けたことで、6名から8名が快適に移動できるというメリットがあります。

ステーションワゴン系3列シート車の3列目シートは緊急用程度の快適性しか得られません。

しかし、背の高い1.5ボックス、ワンボックススタイルのクルマには3列目シートまで快適乗車可能という特徴があるのです。

以前のワンボックス車は貨物車(バン)ベースのモデルで乗り心地に不満があったり質素な内装でしたが、現在販売されているモデルは、乗用車ベースがほとんどで、乗り心地が良く、内装も高級感があるモデルが多くなっています。

アルファードのエグゼクティブラウンジは、官公庁での公用車に使用されるケースもあり、高級セダンに負けない高級感と快適性を持っています。

スライドドアは乗降性に優れており、狭いスペースでも開口部から広く確保できるというメリットもあります。

近年では、電動スライドドアを採用するモデルが多く、大きくて重いスライドドアを自分で開け閉めすることは少なくなりました。

ワンボックスのデメリット

ワンボックス車は、車高が高いためカーブが続く道では、乗用車に比べロールが大きく、高速道路では横風にあおられやすいという点がデメリットです。

また、ロールが大きいため、タイヤの外側が減りやすい傾向にあります。

ワンボックス、ミニバン専用タイヤを装着することで方べりは回避可能ですが、タイヤの価格が高い点がデメリットと言えるでしょう。

全高が高いため、立体駐車場に駐車できない場合が多く、駐車場を選ばなくてはなりません。

洗車時には脚立等が必要で時間がかかり、洗車を業者にお願いする場合もセダンタイプに比べて洗車料金が高めに設定されています。

まとめ

ワンボックスタイプの車は、3列目シートまで快適に乗車可能なモデルが人気車種となっています。

特に5ナンバーサイズを基本とするモデルが非常に人気が高く、エンジンとモーターのハイブリッドシステムを採用する車種が多いのも特徴です。

さらに、高級セダンに匹敵する上質なインテリアと乗り心地を提供する大型ミニバンや、4列シートを持つワンボックス車もあり、大勢乗ってもヨシ、たくさんの荷物を積んでもヨシという使い勝手の良さが人気の理由となっています。