日本車は、燃費性能の良さや故障の少なさが支持されて、世界各国で高い支持を得ています。
ただし、ヨーロッパ諸国での人気はいまひとつです。
ヨーロッパ以外の地域では、日本車が高い人気を得ていることは事実です。
「日本車が人気の地域はどこか?」
「どのような日本車が人気なのか?」
などは、世界各地域によって異なります。
今回は、海外で人気の日本車はどのような車種なのかや、日本車の特徴などを地域別にご紹介いたします。
日本車が海外に輸出されるようになったのは1960年代からです。
輸出先の多くはアメリカで、大きなクルマが多いアメリカでは日本の小型車の人気は得られませんでした。
しかし、70年代になると排ガス規制が施行され、小排気量で低燃費の日本車に注目が集まり、人気を集めました。
また、日本車は壊れにくいのも特徴で、90年代には日本のメーカーがアメリカに工場を作り、アメリカでの雇用を生みだし、日本車のシェアをさらに高めていきました。
現在は、世界各国に輸出していますが、日本車は壊れない、部品があればすぐ直せる、燃費性能に優れていることを理由に、世界各地に日本の自動車メーカーの工場があり、その地域のニーズに合った日本未導入車種も販売されています。
海外で人気の日本の自動車メーカーは?
海外で人気の日本車は、地域によっても異なってきます。
しかし全世界でトヨタ車の人気は高くなっています。
アメリカではカムリやカローラ、タコマ(ハイラックスクラス)が人気で、東南アジアではハイラックス、中東・アフリカ中心に世界各国で人気なのがランドクルーザーです。
東南アジアでは、スズキやダイハツは現地で子会社を設立しながらコンパクトカー中心に販売を伸ばしています。
日本で乗用車の販売を終了しているいすゞもSUVの販売を行うなど、コンパクトカー、SUVが人気です。
ヨーロッパでは、トヨタ オーリスなど人気を得ている車種もありますが、ドイツのメルセデスベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、フランスのプジョー、シトロエン、ルノー、イ
タリアのフィアット、アルファロメオなど小型車から高級車まで充実した完成度の高いラインナップがあります。
SUVはイギリスのランドローバーがあります。
自動車先進国のヨーロッパ各国にはなかなか日本車が入り込めていないのが現状です。
海外で人気の日本車5選!
◯アメリカで人気のトヨタ カムリ
日本では地味なイメージが強い上級FFハイブリッドセダンのカムリですが、セダンの中ではアメリカで最も売れています。
アメリカでのカムリのポジションは日本のカローラ的なポジションで、「小型のセダン」なのです。
日本にはない4気筒2.5LとV63.5Lガソリンエンジンがあり、実用性が高くスポーティな走りも可能にする人気のセダンとなっています。
1980年代からカムリはアメリカに輸出されており、低燃費で壊れにくいクルマとして非常に人気です。
フォードFシリーズやシボレーシルバラードなどの大型のピックアップトラックを持ち、使い勝手の良いセダンとしてカムリを1台用意するイメージです。
◯東南アジアや中東で人気のトヨタ ハイラックス
13年ぶりに日本市場に復活したハイラックスは、タイで生産を行っています。
東南アジア諸国では、日本と違い、車検制度などがなく、舗装路面も少ないため、悪路走破性と乗りっぱなしでも大丈夫な耐久性に優れたクルマが人気です。
ハイラックスは、5人乗りのピックアップトラックでSUVのように車高も高く悪路走破性に優れています。
強いフレームのラダーフレーム構造を使用し、悪路での耐久性も抜群です。
経済の発展に伴い、ヴィッツベースのコンパクトカーも高い人気を得ていますが、あらゆる使い勝手に優れたハイラックスは人気で、タイやフィリピンで特に支持されています。
◯中東やアフリカで人気のトヨタ ランドクルーザー
ランドクルーザーは、強靭なラダーフレームを持つ大型の本格4WDSUVです。
車体の剛性はもちろん、エンジンの耐久性や快適性が高く評価されています。
日本や欧米では舗装路がほとんどですが、中東地域やアフリカでは、砂漠地もあり、ケニアの道路舗装率は10%と言われています。
雨が降れば大きな水たまりや小さな川が出来上がり、そのような路面も走行しなければならない過酷な環境があります。
砂漠地など過酷な環境の下で、立ち往生してしまった場合には、命に関わるケースも少なくありません。
無事生きて帰ることがランドクルーザーに託された使命でもあります。
ランドクルーザーは、ぬかるみでも脱出できるように、エンジンの出力やブレーキを極低速でコントロールするクロールコントロールが備わっており、いかなる状況下でも高い脱出性能を持っていることが特徴です。
◯中国で注目が集まる日産 シルフィゼロエミッション
シルフィゼロエミッションは、2018年に中国市場に投入した、東風日産の電気自動車です。
カタチはシルフィでもプラットフォームをリーフと同じものを使用しており、組み立ては中国で行うが、モーターやインバーターは日本からの調達です。
シルフィは年間40万台ほどの販売実績がある人気車で、人気のファミリーセダンをEV化したことで注目が集まっています。
中国市場では、4ドアセダンの人気が根強く、レクサスではISとGSの中間に位置するESもラインナップに入れています。
◯インドでシェアナンバーワンのスズキ アルト800
経済の発展が目まぐるしいインドで高いシェアを誇るのがスズキです。
中でもアルト800は、日本のアルトとは違ったデザインで、直列3気筒800ccエンジンを搭載しています。
ガソリンエンジンとCNG(天然ガス)仕様を用意し、低燃費と信頼性で高い人気を維持しています。
アルト800の他にもワゴンRは1000ccで、スイフトのセダンバージョンのディザイアなど日本でも魅力を感じることができるラインナップが特徴です。
インドでは、小さなクルマが人気で、タタモータースが「ナノ」を4人乗れる低価格車を2009年に約28万円で発売しました。
快適装備は一切なくても雨に濡れないだけでいいという思いから大ヒットしました。
日本車はナノの倍以上の価格ですが、快適性と信頼性において高い評価を得ています。
まとめ
日本車は、ヨーロッパを除く世界各地で高い人気を得ています。
アメリカでは乗用車やSUVが、東南アジアではコンパクトカー及びピックアップトラックが、中東・アフリカではランドクルーザーなどの本格4WDが特に人気を集めています。
日本車は、壊れにくいという耐久性、品質の高さ、低燃費であることが世界各国共通のキーワードになっています。