車屋さんを運営していると、
「今はまだ良いけど、今後はどうなるんだろう?」
「車離れや少子高齢化もあるのに、車はちゃんと売れていくのだろうか?」
など、自動車業界の景気動向が心配になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自動車業界の景気動向と、自動車業界の今後の見通しについてご紹介いたします。
自動車業界は、全体的にみて上昇傾向にあります。
日本国内の業界規模は伸び続けているのが現状です。
2019年10月の消費増税前の駆け込み需要もあることから、好業績が見込まれています。
(参考:業界動向サーチより)
ただ、日本自動車工業会帝国データバンクによると、日本国内においては2013年から2017年までの生産台数は微減している状況にあります。
海外を見ると、2017年にやや落ち込んでいます。
しかし、今後は新興国において車の需要が見込まれていることもあり、増加していく傾向にあります。
(参考:帝国データバンクより)
また、今後は「代替エネルギーを使った自動車の開発」や「自動運転技術」についても注目が集まりそうです。
自動車業界の景気は何で左右される?
主に自動車業界の景気に影響を与えるものは次の3つです。
1.世界経済
2.為替
3.原材料の価格
自動車業界の景気に影響を与えるのは、なんと言っても世界経済です。
2009年には、サブプライム住宅ローン危機問題が引き金となって勃発したリーマン・ショックの影響をもろに受け、それまで国内生産台数1,000万台をキープしていたのにも関わらず、一気に790万台まで減るという事態に陥りました。
続いて影響があるのは為替です。
諸外国との貿易の都合上、為替は重要であり、このレートひとつで収益は大幅に変わってきます。
輸出産業である自動車産業は、円安になれば安く輸出することができ、多く販売できるため、売上は伸びます。
逆に円高になれば価格が高騰し、売れなくなってしまいます。
また、自動車は大量の原材料が必要なため、原材料の価格も大きく影響してきます。
原材料価格が高騰してしまうと、自動車の値段を上げなければ収益が出なくなり、値段が上がってしまうと消費者が購入できない、といった影響が出てしまいます。
日本の製造業のうち17.5%を占める巨大市場ですので、自動車産業の景気が悪くなれば日本全体の景気が悪くなる、とも言えるでしょう。
自動車業界の今後の見通し
今後は、次の3つがポイントになってきます。
1.新興国の自動車需要
2.自動運転を始めとした先進技術
3.エネルギー・環境問題
今後は新興国の自動車需要が見込まれます。
既に先進国における自動車の需要は落ち着いており、これ以上の伸びは見込めない状況です。
巨大な中国の自動車市場も伸び率が下がってきています。
日本国内を見ていくとわかるように、
・少子高齢化
・カーシェアリングの普及などによる車離れ
などの要因もあって、むしろ減少していくことが見込まれます。
ですが、それを補うようにインドを始めとした新興国において自動車需要が高まっています。
特に、中国に次いで人口の多いインドは巨大なマーケットです。
こうした新興国が、これからの大きなターゲットになってくるでしょう。
また、自動運転技術を始めとした先進技術の普及が大きなポイントです。
今後自動運転技術が使用されるようになれば、これまでの自動車と置き換わることになりますから、自動運転技術の普及で自動車業界自体が大きく変わってしまうことは間違いありません。
自動運転技術搭載車両の販売がどんどん伸びていくのではないでしょうか。
そして忘れてはならないのがエネルギー・環境問題です。
パリ協定において、日本は2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減する、という目標が立てられました。
この目標を達成するためにも、自動車業界としては低燃費化はもちろん、代替エネルギーを使用する必要があります。
ガソリンに替わって電気自動車も徐々に普及しつつありますが、現在は水素自動車の一般化に向けた技術研究が進められています。
また、1人乗りのコンパクトモビリティと呼ばれる車も開発されているため、今後の展開が気になるところです。
まとめ
自動車業界の景気と、今後の見通しについてご紹介してきました。
今のところ、自動車業界は右肩上がりで、堅調に推移している状況です。
しかし、自動車業界は世界経済の影響をもろに受けてしまいます。
今後は新興国市場と、先進技術が大きく影響を与えそうです。
それらが良い影響をもたらしてくれるのか、今後の動向について、注目していきましょう。