町に立ち並んでいる自動車のメーカーディーラーが変革期に入っています。

従来通りの運営では立ち行かなくなってしまう恐れがあり、新しい仕組みづくりが急務になっているのです。

そこで今回は、自動車ディーラーの現状と、今後の動きについてご紹介いたします。

自動車ディーラーが変われば、車屋さんにも少なからず影響が出ることが予想されますので、今後の見通しを立てるためのひとつの材料としてみてください。

自動車ディーラーの課題

自動車ディーラーの課題として、主に次の2つが挙げられます。

・新車販売台数の減少による減収対策
・販売手段の拡大

 

ここ数年の市場規模はほぼ横ばいで推移していますが、

・少子高齢化
・若者の車離れ
・カーシェアリングの普及
・技術向上等による買い替えサイクルの長期化

などさまざまな要因があって車の売れ行きが悪くなりつつあるのが現状です。

 

そのため、新車販売台数が落ち込むことが予想され、減収対策が課題のひとつとなっています。

その対策の一つとして挙げられていることに、「中古車販売」が挙げられます。

ディーラーの中古車は町の車屋さんに比べて値段が高くなる傾向にあります。

しかし、ディーラーの仕入れ力や販路の巨大さを考えると、町の車屋さんへの影響力は少なくなさそうです。

また、減収対策の一つとしてリピーターの確保も挙げられます。

いかにお客さんにリピートしてもらえるサービスや営業を行うかが課題となっています。

 

さらには、販売手段の拡大も挙げられます。

現在はスマートフォンの普及などにより、簡単にモノも情報も手に入れられる時代です。

これからは、自動車ですらインターネットで契約・購入が完結してしまう可能性も高まってきました。

 

事実、すでに中国の大手通販サイトのアリババでは自動車の通販を開始しようと動いていますし、国内でも一部販売店ではオンラインでの受注を開始しています。

特に最近ではオンラインショッピングが大きく発達しており、日用品ですらオンラインで完結している人も少なくありません。

自動車販売においてもその流れが来ているため、販売手段として「オンライン販売」を視野に入れる必要があるのではないでしょうか。

とは言え、オンライン販売をするにはまだまだハードルが高く、どうしても印鑑を押す書類のやりとりや各種手続きがあるため、まだまだオンラインで完結というわけにはいかないようです。

自動車ディーラーの現状

自動車ディーラーは、新車が売れにくい状況であるため、最近では他の収入源として、

・メンテナンス等のアフターサービス
・自動車保険をはじめとした保険
・携帯電話の販売促進
・クレジットカード

といったサービスに力を入れるなどして収入源を増やしています。

ディーラーのショールームをのぞいてみるとわかりますが、携帯電話やがん保険のカタログが並んでいる店舗が多くあります。

 

しかし、地域に根付いているディーラーはリピーターが多い傾向にあります。

特に担当営業とお客さんとの関係性が強いと、「この人から車を買いたい」という方が多いのです。

こうした優秀な営業職を多く育てていくことが、地域で生き残っていけるディーラーなのかもしれません。

 

その点で言えば、町の車屋さんは超・地域密着型です。

このように、地域へのアプローチは今後ますます重要になってくると言えるのではないでしょうか。

自動車ディーラーの今後の動き

・トヨタ系チャネル販売の撤廃による合理化
・既存顧客の囲い込み戦略の強化

ホンダや日産ではすでに行われたメーカーディーラーのチャネル販売の撤廃が、トヨタ系ディーラーにおいて進められることとなりました。
(参考:https://diamond.jp/articles/-/185099 )

これによって、トヨタ全車種を全ディーラーで販売することができるようになります。

車屋さんからすれば、仲の良いトヨタ系ディーラーだけで取引が完結するようになることはメリットとも取れるでしょう。

 

しかし、専売車種が無くなるということは、プレミオ・アリオンやアルファード・ヴェルファイアといった「兄弟車」の存在がなくなる可能性もあるいうことです。

兄弟車がなくなれば、メーカー側の製造コストは抑えることができて合理化できると言えますが、チャネル毎に存在していたそれぞれの「色」がなくなってしまい、そうした面白さはなくなってしまいます。

また、新規のお客さんを獲得することが難しくなっていくため、既存のお客さんを離さない「囲い込み」の戦略が強化されていくと考えられます。

 

前述したように、強いディーラーには良い営業職がいます。

そうした顧客満足度の高さがより求められる時代になっているのです。

まとめ

車屋さんとしても、今後のディーラーの動きによって少なからず影響を受けることが予想されます。

既存のお客さんを逃がさないよう、売ったら売りっぱなしではなく、きめ細やかなサービスを心掛けていきましょう。