自動車販売店のニーズは、車を販売するだけではなく、車に不具合や不調が見られたときの修理、定期的なオイル交換、サマータイヤからスタッドレスタイヤへの交換など、購入後のアフターサービスが求められます。
アフターサービスで満足感が得られると、顧客は自動車販売店を信頼し、継続してアフターサービスを依頼するでしょう。
また、新規顧客の対応を、スムーズでスピーディ、正確で丁寧に行えると、顧客の定着が期待できます。
顧客の信頼を得られ、顧客の定着に大きく貢献してくれるのが整備管理システムです。
自動車販売店の日常は、常に煩雑な作業に追われており、その煩雑さから人為的ミスが発生している可能性も否めません。
整備管理システムを導入すると、煩雑さを取り除き、業務の負担を低減することが可能で、正確で丁寧な顧客対応につながるでしょう。
本記事では、もはや自動車販売店には欠かせないといえる、整備管理システムと選び方について解説します。
整備管理システムの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

自動車整備管理システムとは?

自動車整備管理システムを導入すると、アフターサービスを実施するまでの一連の流れを、顧客に時間を取らせることなくスムーズに行え、かつ工場の回転率向上が期待できます。
アフターサービスを受けるための一連の流れが、以下の通りです。
・顧客がアフターサービスを受けるために来店予約の連絡
・自動車販売店は、顧客の希望来店日時を聞いて、来店するタイミングを整備工場とすりあわせ、来店日時を提案
・来店時には、車両情報、顧客の個人情報を登録、実車を確認し必要なメンテナンスを提案
・今後不具合の発生が想定されるパーツの交換を提案
・見積書作成
・顧客の合意
・アフターサービスの実施
上記の流れを、工場とフロント(受付)に共有し、効率化を目的として作られたものが整備管理システムです。

〇自動車整備システムの役割

自動車整備をシステム化すると得られることは、顧客の満足と車両の安全操作の2つが挙げられます。
自動車販売店において自動車整備システムを利用すると、迅速で正確な対応、予防保全の提案など、顧客に寄り添った営業を可能にできるため、顧客満足度向上につなげることが可能です。
また、車両の安全操作が得られる理由は、上記の予防保全にあります。
予防保全とは、不具合が生じる前に、走行距離や車の使用状況に合わせ、次に不具合を発生させる可能性がある部分を指摘し、整備を促すことです。
これにより、車両の安全操作が得られ、交通事故抑制にも効果があります。
自動車整備システムには、顧客の安全で安心なドライブを提供する役割がある、といえるでしょう。

〇コスト削減への貢献

自動車整備管理システムを導入すると、コスト削減への貢献が期待できます。
従来の自動車整備管理は、エクセルならびにホワイトボードでの管理でした。
人的ミスの発生や、予約作業に煩雑さを感じるなど、スタッフに本来業務以外の負担をかける要因でもありました。
手間や入力時間を削減し、ミスの抑制にもつながるため、自動車整備管理システムはコスト削減に貢献します。

〇法規則への適応

自動車整備管理システムでは、車検・定期点検の時期を管理でき、法規制遵守に必要な整備を、期限切れを起こすことなく行えます。
車検切れの車を運転すると、30日間の免許停止処分と、6か月以内の懲役または30万円の罰金が課せられます。
顧客が車検切れによる処分を受けることを防ぐことにも、自動車整備管理システムは機能します。

〇市場動向へのマッチ

ユーザーである自動車販売店の使用状況に、柔軟に対応する自動車整備管理システムが選ばれています。
顧客への対応中に、わざわざデスクにあるパソコンに向かうことなく、すぐに手元のデバイスで顧客情報や整備工場の空き具合、おおよその整備費用などが照会できるものが求められ始めているのではないでしょうか。
クラウドベースの自動車整備管理システムが普及することで、データの集中管理とアクセスの容易さが保証され、多くの企業に採用されるようになっています。
自動車整備管理システムの機能のうち、スマホで扱える機能は徐々に増えており、クラウドベースがスタンダードになりつつあります。

自動車整備管理システムでできることやデメリット

これまで、ホワイトボードで整備工場の出勤スタッフの作業管理をしていたり、エクセルでの請求データの管理、指示書作成、記録簿の印刷、代車・入庫予約管理などをしていたりと、すべての業務が別に管理されている自動車販売店が多く見受けられました。
上記の問題解決と、整備工場とフロント業務を一元管理し、アフターサービスの一連の流れの効率化を求められて作り出されたのが、自動車整備管理システムです。

〇自動車整備管理システムのメリット

人の手によるアナログな管理からの脱却と、システムを使う人を選ばない操作性の良さが、自動車整備管理システムの最大のメリットといえます。
さらに前述の通り、整備工場とフロント業務を一元管理し、アフターサービスの一連の流れを効率化できるのもメリットで、「全員に共有できる」点において、アナログ管理と比較するとデジタル管理の優位性は言うまでもありません。
また、有料システムでは、自動車整備・鈑金・販売業務・予約業務の管理ができる機能を持つものがリリースされています。

〇自動車整備管理システムのデメリット

先に紹介する有料システムの最大のデメリットといえるのが、導入コストがかかること、利用料金がかかることです。
しかし、料金を支払ってでも導入したくなるほどの機能と、圧倒的に業務効率化できることは、言うまでもありません。
システムの選定に時間がかかり、すぐに使い始められないこともデメリットといえるでしょう。
後に紹介する無料システムでは、ダウンロードすれば即使えますが、有料版を会社に導入するとなると、社内稟議や導入準備などで、時間や手間がかかります。

自動車整備管理システム

これから紹介する自動車整備管理システムは、以下の3つがリリースされています。
・有料の自動車整備管理システム
・無料の自動車整備システム
・自動車整備管理アプリ
無料で使えるシステム・アプリについても紹介していますので、ぜひご一読ください。

〇有料の自動車整備管理システム

まずは有料の自動車整備管理システムを、9つ紹介します。
顧客管理・車両管理・整備管理などを一元して管理できる総合管理システムや、予約管理に特化したシステムなど、それぞれ特徴や強み、費用が異なります。
また、オンプレミス型やクラウド型など、使用状況に応じて選択可能です。
将来の事業展開も考慮して、機能を比較すると良いでしょう。

Carフロンティア

Carフロンティアは、自社のパソコンにインストールして保有、運用するオンプレミス型の自動車整備業顧客管理システムです。
これにより自動車整備業の業務効率を改善し、コスト削減と売上アップが期待できます。
また、インボイス制度、電子帳簿保存法にもスムーズに対応可能です。
得意先マスタはGoogle Map、車両マスタはリコール車両検索サイトなどの外部サイトとの連携機能の実装により、快適に利用できます。
さらに帳票各種の便利なテンプレートを豊富に取り揃えており、テンプレート以外の帳票類も各社のフォーマットや業務に合わせてデザインやレイアウトなどをカスタマイズ可能です。
適格請求書の発行ができるため、インボイス制度に対応できます。
また、カレンダー機能・印刷機能・車検データ取込機能など、便利な機能が搭載され、業務効率化が期待できるでしょう。
サポート体制を充実させており、初めてシステムを導入される企業も、他のシステムから乗り換える企業も、経験豊富な専任担当者が丁寧にサポートします。
たとえば、専任担当者が定期訪問し、小さな疑問など気兼ねなく相談できます。
また、法改正変更があってもデータ更新などを無償で対応し、更新費用をかけずにバージョンアップが可能です。
なお、2か月無料お試しができ、3か月以上継続して使用する場合は、本契約が必要です。

特徴 オンプレミス型自動車整備業顧客管理システム
動作環境 ・OS MicroSoft社 Windows10

・CPU Intel Core-i5 推奨(Core-i3以上)

・メモリ 8GB推奨(4GB以上)

・ストレージ空き容量 

20%以上 HDD:500GB SSD以上:256GB

他のシステムとの連携 ・事故車修理費見積システム「コグニセブン」

・記録簿作成ソフト「記録簿Director」

料金 応相談(導入体制やハードウェアによって異なる)

Maintenance.c

Maintenance.cは、自動車整備の日常業務を、すばやく・簡単・正確に行えるようにサポートする、クラウド型自動車整備業向け業務支援システムです。
クラウド型システムのため、インターネットブラウザ上で、顧客・車両管理・伝票発行・申請書類作成ができます。
Maintenance.cには、業務効率化、顧客への整備の提案などを効率化・業務支援するために3つのポイントが強化されています。
・入力補助
・顧客・車両の一元管理
・車検・点検業務の強化
入力補助では、ブロードリーフの提供する作業・部品コードを使えば、誰でも簡単に抜け漏れのない見積書がすぐに作成可能です。
たとえば、作業・部品を選択するとおすすめする作業・部品を自動的に表示します。
搭載されているAIが学習して、データの蓄積・入力業務を支援します。
見積書作成は、汎用の部品イラストから選択するだけで作業を逆引きするので簡単に作成可能です。
また、作業点数・部品価格(データベースオプション)があるので、価格を調べることなくスピーディに見積書作成ができます。
顧客・車両の一元管理では、顧客管理だけでなく顧客との接点(入庫履歴・接触履歴)をもとに、最適なお声がけ内容が表示され、カーオーナーへの提案力を高めることができます。
過去の整備履歴をクラウド上で一元管理。フロント・工場とどこでも閲覧できるので業務効率化につながります。
入力した情報を顧客アプローチに利用でき、様々なアプローチ方法で再来店化を強化します。
Maintenance.cはデジタルな顧客接点の強化に取り組める機能として、ホームページ(Web予約)を活用した集客支援ツールなどを提供しています。
車検・点検業務の強化では、特定整備対象車両のアラート、記録簿の記載漏れ、記入ミス、保安基準の不適合のアラート通知によって、業務の手戻りも未然に防ぐことができ、サービス部門の生産性向上を実現します。
入力した点検情報は、見積りと連動するため、フロントとメカニックの業務がスムーズにつながり重複業務をなくすことが可能です。
Maintenance.cでは、事業内容・事業規模にあった商品パックを提供しており、小規模整備工場・認証工場・指定工場それぞれに対応します。

特徴 クラウド型自動車整備業向け業務支援システム
動作環境 インターネットに対応したデバイス
他のシステムとの連携 ・整備工程管理

・点検業務

・車両販売

・ローン連携

・DM発行、メール送信

・Web入庫予約サービス

・LINE連携サービス

料金 要問合せ

GATCH

GATCHは、自動車整備・自動車販売をトータルサポートする、クラウド型ソフトウェアです。
データはクラウドで管理するため、トラブルが起きた際に業務がストップしてしまうことを防止でき、多拠点での運用時のVPN設定や自社サーバーの管理を考える必要がなくなります。
セキュリティや、バックアップも考慮され、顧客情報の流出や、データ消失の危険もなく安心して使用できます。
車両整備・鈑金見積・部品見積の際の、整備伝票作成を自動入力でサポートし、部品代・技術料も自動で出力するため、伝票作成を容易にします。
日整連作業点数検索機能が搭載されており、年式の古い車両や、大型車両の作業点数まで確認でき、作業見積を効率化可能です。
部品在庫管理機能では、在庫登録した部品の引き当てが可能で、売上時に自動で在庫を減らし、仕入れ時には自動で在庫を増やします。
さらに、エンジンオイル・タイヤ・バッテリーなど、消耗品を適切に在庫管理できます。
また、指示書・発注書作成の効率化が可能になり、指示書作成と同時に仕入先を指定することで、指示書と発注書を同時に作成することができます。
どの車両に対しての発注なのかが分かるので、部品の発注ミス防止や、取付車両の確認がスムーズです。
GATCHでは、6つのプランが用意されており、さまざまな機能から、自社の業務にあったプランを選べます。
・ミニマム(必要最低限な機能で費用を抑える)
・スタート(今後の事業規模拡大に対応)
・スタンダード(車検・点検を多く手掛ける工場向け)
・プラス(在庫車両を適切に管理)
・プロ(部品仕入・在庫管理が可能)
・マルチ(在庫車から部品管理まで幅広く手掛ける)

特徴 自動車整備・自動車販売をトータルサポートするクラウド型ソフトウェア
動作環境 インターネットに対応したデバイス
他のシステムとの連携 ・コグニセブン

・鈑金見積システム

・純正部品データクラウド

・Googleカレンダー

・GATCH Marketing Cloud

料金 月額概算リース料

9,800円/月

Car Store System Cloud

Car Store System Cloudは、自動車整備・販売管理を力強くサポートしてくれるクラウド型ソフトです。
クラウド型ソフトであるため、インターネットが使える環境なら、職場だけでなく自宅や営業先、出張先などいつでもどこからでも接続して利用できます。
また、複数のパソコンなどの端末から同時接続に対応しており、リアルタイムに情報共有可能です。
また、自動車整備管理、自動車販売管理、顧客管理、車両管理をベースに会計機能をプラスした総合的な販売支援が期待できます。
自動車販売ならびに自動車整備の見積書・注文書・請求書・売上伝票などの書類作成をはじめ、煩雑な自動車の販売・整備に関する日常業務を効率的に管理することが可能です。
さらに、顧客一覧から販売履歴、整備履歴を把握して、細やかな対応を可能にします。
インボイス制度にも対応済みです。
30日間全ての機能を使える、無料トライアルが用意されており、実際に触れて、機能や操作感を体験できます。
本契約後は、契約期間に縛りはなく、最短1か月で解約可能です。
契約店舗数を変更する場合は、プラン変更により簡単に変更できます。

特徴 自動車整備と自動車販売に特化したクラウド型Webアプリケーション
対応端末 すべてのインターネットブラウザで利用可能
他システムとの連携 なし
料金 30日間無料トライアルあり。

1店舗あたり4,980円/月(税込5,478円)

ChoiceRESERVE

ChoiceRESERVEは、自動車の車検予約管理システムで、車のメンテナンス業務の効率化ができるWeb予約システムです。
このシステムにより、オイル交換や点検などの予約管理を一元化でき、工場の回転率向上、Web予約システムで業務の自動化が図れます。
予約管理に特化したシステムで、24時間365日、店舗スタッフに代わってChoiceRESERVEが自動で予約を受け付けます。
ネット予約なら、顧客はいつでもどこでも空き状況を確認し予約をすることができ、営業時間外でも販売機会を損ないません。
予約台帳のWEB化により、ピットの稼働状況がどんな場所でもリアルタイムで把握することができます。
また、常に情報が一元化されて同時編集も可能なので、電話や店頭、WEBからの予約を重複することなく管理可能です。
ChoiceRESERVEでは、予約受付時の確認メールや、予約日が近づいた際のリマインドメールを自動配信できます。
顧客の予約間違いや忘れを防止し、店舗スタッフの業務を低減可能です。
さらに、管理者・スタッフごとの権限に応じたIDを発行することができます。
店舗スタッフは自分のお店だけを管理でき、管理者はエリアごとや全店舗の状況をリアルタイムで把握・管理することが可能です。
ChoiceRESERVEは、事業の規模や使用状況に応じて2つのプランから選べます。
無料お試し期間が用意されていますので、一度お試ししてから本格的な利用を検討してみても良いでしょう。

特徴 自動車車検整備Web予約システム
動作環境 PC端末
他のシステムとの連携 ・会員連携

・API連携

・Salesforce連携

料金 無料お試し期間あり

初期費用3,3000円

2,2000円/月

新一等書記官

新一等書記官は、検査証入力から必要書類発行・売上伝票発行まで、整備工場の一連の業務の流れに精通したシステムです。
車両法をはじめ、各種法律に沿ったシステムのため、法的に正しい帳票処理が可能です。
税制改正・車両諸元の追加などにも素早く対応し、常に最新のデータを提供しています。
重量税・エコカー減税・自賠責保険料の自動計算や自動車諸法のチェック機能を標準搭載して入力ミスの低減が期待できます。
車両・顧客毎の管理項目作成の自由度が高く個々の整備工場に合ったシステムの運用が可能です。
新一等書記官は、認証工場から多店舗展開の指定工場まで、すべての業務を網羅する機能を備えています。
車検・整備・販売・アフターフォローまでトータル管理できるシステムで、メンテナンスパック、後日整備管理、SMS車検案内といった集客につながる機能が充実し、カスタマーサービスの向上とリピート顧客の獲得が図れるでしょう。
車両管理画面は、検査証がそのままレイアウトされており、型式指定・類別区分番号などの入力のみで車種や自賠責・重量税の自動算出を行ってくれるため、入力作業を効率化できます。
顧客管理画面は、必要な情報をコンパクトにまとめてあり、氏名・住所・電話番号などの基本情報に加え、請求先や勤務先など、きめ細かい顧客情報の管理が可能です。
また、保有車両や整備履歴、車販の伝票履歴などの取引履歴も集約してあるため、一画面で素早く確認できます。

特徴 車検・整備・販売・アフターフォローまでトータル管理できるシステム
動作環境 PC端末
他のシステムとの連携 ・鈑金見積ソフト

・検査ライン

・コール代行サービス

・会計ソフト

・FAINES連動

・損保会社連動

・SSS連動

料金 要問い合わせ

はい!整備

はい!整備は、自動車整備業向けの顧客・車両管理システムです。
このシステムでは、軽自動車、普通自動車の車検証にも対応し、フロント業務の流れを考えたインターフェースを備えています。
車両・顧客検索画面では、従来のプレートNo、顧客カナ検索だけでなくお客様任意の独自キーによる検索が可能です。
また、車両情報登録画面では、従来の車検証に合わせた形で、車検証を見ながら、簡単に入力ができます。
型式、類別の情報は常にAIが学習し、過去に入力された情報やサービスデータの情報等から自動で情報を表示します。
QRコード登録が可能で、車検証に付随しているQRコードから、簡単に車両の登録ができます。
はい!整備には、掲示板機能がついており、顧客との商談予定や担当者の予定、入庫予定、仕掛車両の確認等、入庫状況がひと目で把握可能です。
LAN・WAN環境に対応し、複数端末からの同時作業ができ、離れた拠点からでも作業を行えます。
官製はがきへの直接印刷が可能で、車検・点検はがきを別で用意する必要がありません。
データ復旧機能が搭載されており、削除してしまった顧客・車両・見積書・指示書・納品書・入金票データを復活させる事ができます。

特徴 自動車整備業向けの顧客・車両管理システム
動作環境 PC端末
他のシステムとの連携 ・コグニセブン

・アセスプロ

・e-JIBAI

・はい!車販

料金 要問い合わせ

整備システム

整備システムは、顧客管理・車両管理・伝票作成・入金管理・合計請求・統計・車検点検案内・自由検索などの機能で構成されているシステムです。
いずれの機能も、現場の意見を取り入れて作成されたものであり、自動車業に必要な機能が豊富に盛り込まれています。
整備管理システムの主な機能は、以下の通りです。
・車両管理
・顧客管理
・売上・請求書などの伝票作成
・車検管理
・リコール情報検索
・SMS・ハガキ発送
・車検部品価格・オイル量等情報
・整備標準作業点数収録
車両管理機能の車検証入力画面のレイアウトは、実際の車検証と同様のレイアウトで、軽自動車の入力時は軽自動車の車検証レイアウトになり、簡単に入力することが可能です。
住所コードでの住所の取り込み、所有者コードでの名称・住所の取込にも対応しています。
車両情報は検索して取り込むことが可能で、型式番号と類別番号を入力することで、諸元情報データベースから車両情報を検索できるため、入力の手間を削減できます。
また、QRコードリーダーで車検証のQRコードを読み取ることが可能です。
伝票作成機能には、7つの伝票種類が用意されています。(売上伝票・概算見積書・見積書・作業指示書・社内処理伝票・その他伝票・中断保存)
これらの入力フォーマットは統一されており、いずれかで入力し保存した内容は、他の伝票種類に引き継ぐことができるようになっています。
例えば、見積書を作成すれば、その内容を引き継いで作業指示書や売上伝票を作ることが可能です。
リコール情報検索機能では、システムに登録した管理車両からリコール情報を一括検索できます。
リコールに該当する車両を一覧で確認可能で印刷もできるため、未実施の顧客へのご連絡チェックリストとして利用可能です。
車検部品価格・オイル量等情報機能は、年4回更新される車検関連部品の純正価格データを参照できる機能です。
選択した車両ごとに純正部品の価格を確認することができ、参照だけではなく、伝票作成時に検索して取り込むことも可能です。
部品価格だけでなく、エンジンオイル量、タイヤサイズ、バッテリーサイズ、スパークプラグ、燃料タンク量、オイルネーター標準、Fブレーキ厚、Rブレーキ厚などのサービスデータ情報も搭載しています。

特徴 現場の意見を取り入れて作成、自動車業に必要な機能が豊富に盛り込まれたシステム
動作環境 PC端末
他のシステムとの連携 ・車検ラインと連動

・車検案内自動化

・Mobile DP(整備履歴確認Webアプリ)

・電子車検証

・アウダセブン

料金 要問合せ(レンタル契約)

JOCAR

JOCARは、整備業務管理・自動車販売管理・営業管理をクラウド化したシステムです。
インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも利用できます。
iPad・iPhoneでも利用できるため、情報共有を容易にし、複数店舗の展開にも柔軟に対応できるのが強みです。
常に最新のプログラムに更新するため、法改正に素早く対応します。
入力された情報はリアルタイムで確認・共有できるため、業務効率化を図れるでしょう。
また、新規ユーザーを増やす際にも、ID発行のみで対応(有料)でき、業務拡張時も迅速に対応できます。
システム利用の際は、レンタル方式で契約するため、リース契約などの長期拘束がなく、経済状況の変化に柔軟に対応できます。
JOCARは、入力したデータはすべて自動連動でき、商談・整備履歴、問い合わせ履歴など、お客様との取引を自動で生成し、リアルタイムで共有可能です。
JOCARデータセンターでは、24時間365日監視体制や障害対策を実施しており、セキュリティ面が強固である、といえるでしょう。

特徴 自動車販売・整備業務管理・営業管理をクラウド化したシステム
対応端末 インターネットに接続できるすべてのデバイス
他のシステムとの連携 JUジャナイト、オリエントコーポレーション、カーセンサー・共有在庫・他社整備システム・複数のAA会場、リサイクルシステムと連動
料金 応相談

〇無料の自動車整備システム

次に紹介する無料の自動車整備システムは、整備工程管理が無料で行えるアプリと、Accessで作成されたフリーソフトです。
どちらも無料で導入できるため、使い勝手の確認などは、ダウンロードすればすぐにできます。
ただし、機能は限定的です。

トレロ

トレロは、生産性向上のためのツールで、プロジェクトの大小を問わず、あらゆるワークフローに対応できる無料アプリです。
トレロの特徴は、ボード、リスト、カードがあれば、誰が何を行っているか、完了すべきことは何かを明確に把握できることです。
たとえば、工場の工程管理をホワイトボードで行っていたことを、同じようにデジタルで工程管理できます。
以下はリストの作成例です。

入庫前 入庫済み ピット① ピット② 外注 完了

手順を解説します。
①入庫予定の前日までには、顧客の氏名・車種の書かれたカードを作成
②入庫・受付時に1で作成したカードを、入庫済みにドラックドロップして移動
③入庫済み移動したカードを、整備士がピット①あるいは②に移動
このように、担当したスタッフがアプリ上でカードを動かすことで、いつ誰が見ても工場の状況把握ができます。
デジタルで工程管理するメリットは、全員にリアルタイムで共有できることです。
スマホのアプリでも同様に行えるため、場所と時間を選ばず、誰でも使えます。

特徴 あらゆるワークフローに対応できる無料アプリ
対応端末 インターネットに対応したすべてのデバイス
試用期間 なし(容量やワークスペースでのコマンド実行回数上限などの違う有料プランがある)

Access自動車システム

Access自動車システムは、”Access”で作成されており、ソースも公開され、自社に合わせて自由に変更・追加が可能です。
Accessとは、Microsoft社が販売しているデータベース管理ソフトウェアのことです。
エクセルでも情報管理は可能ですが、エクセルは表計算ソフトであるため、大量のデータを管理するにはデータベース用のソフトであるAccessのほうが向いています。
このような機能を持つAccessで作成されたフリーウェアソフトが「Access自動車システム」です。
Access自動車システムは、自動車販売業の他、整備業・鈑金業でも使用できます。
車検や定期点検の管理、見積書や請求書など各種書類の作成や売掛の管理も可能です。
プログラムのカスタマイズ(変更・追加)を希望する場合には、メールで連絡すれば見積もってくれます。

特徴 ・Accessで作成されたフリーソフト

・自社向けにカスタマイズ可能

・カスタマイズ依頼は有料

・自動車販売・整備・鈑金で使用できる

動作OS Windows Vista/XP/Me/2000/NT/98
試用期間 なし

自動車整備管理システムの選び方

自動車整備管理システムを選ぶ際に重要なポイントは、以下の3つです。
・操作性
・連携のしやすさ
・クラウド対応しているか
それぞれ詳しく解説します。

操作性

システムを使う上で誰でも使いやすいシステムでなければならないため、操作性は重要です。
「パソコンを使い慣れてないと使えない」「使いこなすのにコツが必要」、などの場合、そのシステムを導入するのはおすすめしません。
また、操作は画面を見ながら行うため、画面の見やすさ、各種ボタンの大きさ、配色なども考慮しましょう。
自動車整備管理システムには、車検証レイアウトと同様の画面表示ができるものもあるため、見慣れたレイアウトで使いやすさを感じることでしょう。
操作性は、無料のシステムではダウンロードすれば確認でき、有料システムでは無料トライアルやデモ体験を利用すれば確認できます。
自動車整備管理システム導入前に、すべてのシステム利用者に、操作性の確認を行いましょう。

連携のしやすさ

自動車整備管理システム選びには、他機能との連携のしやすさも重要なポイントです。
整備管理だけではなく、顧客管理、販売管理、また営業分析機能や再販につなげる機能など、自社のニーズに合わせた機能と連携できるかが重要なポイント、といえます。
システム開発を行ったメーカーには特色があるため、連携できるシステム・機能は大きく異なります。
また、すでに連携させたい機能を搭載したシステムがある場合も想定できます。
他機能との連携がしやすい、または欲しい機能がすでに搭載されている自動車整備管理システムをえらびましょう。

クラウド対応しているか

クラウド対応している点も、自動車整備管理システム選びの重要なポイントです。
クラウドシステムのメリットとしては、
・インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも利用できる
・リアルタイムで情報共有できる
・初期費用が抑えられる
・事業拡張時は柔軟に対応できる
などが挙げられます。
システムによっては、スマホで操作できる機能も搭載されており、さらに利便性が向上します。
法改正対応や、インボイス制度対応も迅速に対応してくれ、バージョンアップはシステムメーカー側が無償で行ってくれるメリットも見逃せません。
顧客管理システムを選ぶ際には、クラウド対応している点が重要なチェックポイント、といえます。

まとめ

自動車整備管理システムを導入すれば、顧客に適切なタイミングで整備や点検時期を知らせることができます。
また、工場の回転率向上にも貢献してくれ、無理・無駄のない作業工程管理も可能です。
さらに、フロントと整備工場の連携もスムーズになります。
手間のかかる伝票作成でも、入力アシスト機能が搭載されているシステムなら、事務作業の効率化も図れるでしょう。
自動車整備管理システムを導入すれば、顧客満足度と現場の従業員満足度の向上を、同時に図ることが可能になります。
本記事を参考に、自社の事業規模と運用方針に見合った自動車整備管理システムを選ぶと良いでしょう。