自動車業界は日本が世界に誇る巨大産業ですが、2019年現在は、優秀な人材が集まらなくなってきています。

その原因は一体どこにあるのでしょうか?

トヨタをはじめとした巨大企業でも人気が下がってしまったのか、はたまた他に原因があるのか、その理由を大きく次の3つに分けて述べていきます。

・若者の自動車業界への関心の薄れ
・市場規模が縮小すると思われている
・自分のやりたい仕事ができる環境を求める時代

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

若者の車離れ

若者の車離れが叫ばれだしたのは2000年頃です。

その頃から「コンパクトカー」と「ミニバン」が主流になり、特色ある面白い車はかなり少数派になってしまいました。

その背景には、バブルの崩壊によって消費意欲が減少したことと、どのメーカーも売れる車しか作らなくなったということがあります。

現在でもその傾向は強く、若者の車に対する意識では「移動手段のひとつとしか感じていない」という意見が見られました。

(参考:DIAMOND onlineより

つまり、そもそも車に対しての関心が低いので、就職先に自動車業界を選ぶ人も減少していくという見方です。

絶対数が少なければ、優秀な人が入ってくる人数も必然的に下がってしまいます。

市場規模が縮小すると思われている

自動車業界の市場規模が縮小すると思われていることも、原因の一つに挙げられます。

特に日本市場しか見ていない若者にとっては、その傾向が強く感じられます。

事実として、日本は少子高齢化が進んでいることと若者の車離れがあり、需要が減っていくように見受けられます。

ですが、それはあくまで日本の自動車市場だけを見た場合の話です。

海外に目を向ければ、新興国・発展途上国での需要が伸びることが予測されています。

さらに、自動運転技術の需要や、ガソリンなどの化石燃料の代替エネルギーを活用した自動車の開発などもどんどん進んでいます。

こうした背景を知らず、日本国内にしか目を向けていないがために起こる現象でもあります。

知らないというよりは、前述したように興味を持っていないため、詳しく知ること無くこのような事態に陥っているのではないでしょうか。

自分のやりたい仕事ができる環境を求める時代

東洋経済オンラインで、かなり刺激的な記事が公開されていました。

あの「ソニー」が、自動車業界の人材を獲得しているというのです。
(参考:東洋経済オンライン

優秀なのに自分のやりたい仕事ができずにくすぶっている、という社員は少なくありません。

そうした人材を引き抜くという戦略でしょう。

自動車業界に限った話ではなく、今は仕事を選ぶ基準が変わってきています。

給料が良いとか休みが多いとかではなく、自分自身がやりがいを持って楽しく働けるかを重視している若者が多くいます。

だからこそ、ソニーのようにやりたい仕事を最前線でさせる、という求人には魅力があるわけです。

それでいて待遇もいいとなれば、そちらを選択しない理由はないということでしょう。

まとめ

・若者の自動車業界への関心の薄れ
・市場規模が縮小すると思われている
・自分のやりたい仕事ができる環境を求める時代
・自動車業界への関心の薄れと、自己実現を求める若者

しかし、それでも日本の自動車業界の体質が変わらなければならない状況にあることは間違いありません。

これから変化し続ける時代に乗り遅れないようにしないと、人材不足だけではなく、日本の自動車産業自体が危ぶまれることになりそうです。