2019年では、SUV人気が再燃しています。
とは言うものの、時代の流れによるものか、流行しているのは街乗り向きのコンパクトSUVです。
それとは別に、かねてより売れ続けている本格派SUVが存在しています。
それがトヨタのランドクルーザープラドです。(以下、ランクルプラド)
その人気は衰えることなく、発売されてからは本家ランドクルーザーとともに、ずっとトヨタの販売車種にラインナップされ続けています。
今回は、その人気の秘密を探っていきましょう。
ランクルプラドの人気を探るためには、歴史や需要といった背景について知る必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◯ランクルプラドの歴史
ランクルプラドは、1984年に発売されたランドクルーザー70系の足回りを軽量化したSUV「ランドクルーザーワゴン」として誕生したことが始まりです。
今ではおなじみの「プラド」という名称は、1990年のランドクルーザーのモデルチェンジのタイミングからなのです。
その変遷は次の通りとなっています。
1984年~ J70系ランドクルーザーワゴン
1990年~ 初代プラド J70ライト系
1996年~ 2代目 J90系
2002年~ 3代目 J120系
2009年~ 4代目 J150系(2019年11月現在販売中)
ランドクルーザーワゴン・初代プラドは、直線的で箱型のデザインです。
クラシカルなデザインで人気があり、30年以上経った今でも人気が衰えていません。
車両の整備はもちろん、オールペン(いわゆる全塗装)などして乗りつづけているコアなファンもいらっしゃいます。
2代目は当時人気を博していた三菱・パジェロに外観が似ているとの批判がありながらも、フルモデルチェンジまでの6年間販売され続けました。
1996年の3代目からはそれまでのイメージを一新し、力強さがありながらもヨーロッパ風の曲線を活かしたデザインへと生まれ変わりました。
2019年現在での現行モデルは、2009年から現在まで10年以上の長きにわたって販売され続けているという珍しいモデルです。
これまでの6年スパンだったフルモデルチェンジが行われず、ロングセラーモデルとなっています。
現行ランクルプラドの全グレード9種類
現行のランクルプラドは、公式サイトを見ると次の3つのグレードにわかれているように見えます。
・TZ-G
・TX”Lパッケージ”
・TX
しかし、TXとTX”Lパッケージ”はガソリン車モデルとディーゼル車モデル、さらには5人乗りモデルと7人乗りモデルに分かれているのです。
つまり、合計で9種類のグレード設定があることになります。
・TZ-G(ディーゼル・7人乗りのみ)
・TX”Lパッケージ”(ディーゼル・7人乗り)
・TX”Lパッケージ”(ディーゼル・5人乗り)
・TX”Lパッケージ”(ガソリン・7人乗り)
・TX”Lパッケージ”(ガソリン・5人乗り)
・TX(ディーゼル・7人乗り)
・TX(ディーゼル・5人乗り)
・TX(ガソリン・7人乗り)
・TX(ガソリン・5人乗り)
どのモデルを選んでも、安全性能であるToyota Safety Senseは標準装備です。
燃費は9.0~11.8km/lとSUVのカテゴリーとしては悪くなく、最上位のTZ-Gが最もよくなっています。
維持費のことを考えればディーゼルモデルの方が良いかもしれませんね。
ただし、新車の価格帯が360.4万円~546.3万円と、かなり幅があります。
お客さまにおすすめするにしても、用途に合ったグレードを選定してあげる必要があるでしょう。
ランクルプラドの需要は?
ランクルプラドは年式が古くても買取価格が落ちにくくなっています。
これは、国内需要はもとより海外需要が多いことが理由です。
海外ではランクルプラドの人気が高く、高年式・高走行距離でも思いのほか高く売れることがあります。
ランクルプラドの海外人気の理由は、主に次の2つです。
・悪路が多いため走破性の高いSUVが人気
・頑丈なボディで車が長持ちする
海外の発展途上国では、都市部を除けば未舗装路が多くあります。
そうした悪路を走ることになるため、やはりSUVが人気です。
また、悪路を走り続けていると車体にもそれなりに影響が出てしまうものです。
その点ランクルプラドは頑丈で、ちょっとやそっとでは壊れません。
高年式・高走行距離でも、走破性と頑丈さのあるランクルプラドの需要があり、人気が高くなっているわけです。
信頼性の高い「トヨタ製」というのも、新興国市場ではウケが良いようです。
まとめ
都会的なコンパクトSUVとは違い、ランクルプラドは本格派のSUVとなっています。
直線的でクラシカルな初代から力強さと美しさを兼ね備えた現行モデルは、いずれも海外需要も相まって、中古市場でも値段が落ちにくいのも魅力です。
もし今プラドを乗っているお客さまがいて、買い替えを検討しているようなら、
・こうした背景もあるので高く下取りできます
・次もプラドにしませんか?
というアプローチをしてみてはいかがでしょうか。