日本の高級セダン、といえばやはり「クラウン」でしょう。

国内トップメーカーのトヨタが作るクラウンは、セダン人気が落ちている今も根強い人気があります。

その人気の秘密は何なのでしょうか。

クラウンの歴史と合わせて、詳しく見ていきましょう。

クラウン歴史

クラウン人気の秘密を探るには、これまでの歴史背景をみていく必要があります。

販売開始から2019年11月現在まで、モデルが絶えることなく続いた理由を見ていきましょう。

◯クラウンとは

クラウンは、1955年からトヨタ自動車が世に出し続けている高級セダンのひとつです。

トヨタを代表する車種として、60年以上の長きにわたってラインナップされています。

セダン人気が下火となった今でもその人気は今も衰えることなく、他社の高級セダンを寄せ付けません。

クラウンの名の通り「王冠」をかたどったエンブレムが特徴的です。

しかし、実は最初のモデルには王冠エンブレムはついておらず、2代目からつくようになったとのこと。

今ではあのエンブレムこそクラウンのアイデンティティとも言えるでしょう。

クラウンの歴史

クラウンが初めて世の中に出たのは1955年であり、「トヨペット クラウン」という名称で発売されました。

現在は「トヨペット」と言えばトヨタの販売店のイメージがあると思いますが、そもそもは車の名前だったのです。

そのトヨペットの中でも王冠の名にふさわしい高級仕様で発売されました。

それから2019年現在までの60年を超える期間、14回のフルモデルチェンジを経て、15代続いているロングセラーモデルです。

 

型式の変遷は次の通りとなっています。

1955年~初代 RS型/S20系/S30系
1962年~2代目 S40系
1967年~3代目 S50系
1971年~4代目 S60系/S70系
1974年~5代目 S80系/S90系/S100系
1979年~6代目 S110系
1983年~7代目 S120系
1987年~8代目 S130系
1991年~9代目 S140系
1995年~10代目 S150系
1999年~11代目 S170系
2003年~12代目 S180系
2008年~13代目 S200系
2012年~14代目 S210系
2018年~15代目 S220系(2019年11月現在販売中)

 

驚くべきことに、60年もの歴史の中でも一度もモデルが途絶えたことがないのです。

他社の高級セダンを見ると、一度生産中止されたのちに復活、ということはよくある話です。

しかしクラウンは、常にその名を響かせています。

 

あの有名なキャッチコピー「いつかはクラウン」は、7代目のS120系が発売されたときに使われたものです。

クラウンの高級さに加えて憧れを抱かせるフレーズに、当時は心打たれた人も多いはず。

どの型式もトヨタの技術を盛り込み、常にトヨタの中心を担う車種として君臨しています。

根強い人気の理由は?

人気の理由や何代目のモデルが人気だったのかをご紹介いたします。

人気の理由は、今と昔とではとらえ方が違ってきています。

その理由は下記の2点です。

 

・宣伝効果により「わかりやすい高級車」だったということ
・時代に合わせて変化し続ける高級セダンであり続けること

 

昭和から平成初期は、「いつかはクラウン」というキャッチコピーからもわかるように「わかりやすい高級車」だったことが人気の理由の一つに挙げられます。

 

高度経済成長期やバブルの時期は、車がステータスの一つでした。

トヨタのフラッグシップであるクラウンは、宣伝効果のおかげもあって誰もが知る高級車です。

もちろんネームバリューだけではなく、乗り心地や機能も充実しているため、実力も兼ね備えています。

まさにステータスにするにはぴったりの車種となったわけです。

その時期には、8代目クラウンが販売されていました。

8代目クラウンは1987年~1991年に販売されていた型式です。

まさにバブル真っただ中であり、1990年には年間販売台数がなんと約24万台という驚異的な数を記録しました。

2018年に最も販売された車種は日産ノートの13.6万台です。

比較するとこの数字の凄さがわかるでしょう。

 

現在でもクラウンが売れ続けているのは、時代に合わせてモデルを変化させ続けているからです。

売れている車を思い切って方向転換させるのはかなりの勇気が必要となります。

しかし、トヨタはフラッグシップであり伝統のあるクラウンですら変化させ続けているのです。

それがよくわかるのが2003年~2008年に販売されていた12代目クラウンでしょう。

当時のキャッチコピーだった「ZEROCROWN~かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる~」というものから「ゼロクラウン」と呼ばれています。

それまでの保守的だったデザインを一新し、箱型からシャープなものに変わり、10年以上経った今でも新型車種に負けない存在感を放つ車に仕上がっています。

まとめ

高級車トヨタ・クラウンは時代に合わせて変化し続けています。

現行の15代目はかなり若返りを意識したモデルになっており、同じトヨタで手掛ける高級ブランド「レクサス」と競合してしまうほどです。

クラウンが高級セダン界の王者たる所以がわかります。

なお、上で紹介した12代目は現在でも中古車市場で多く出回っている人気車種です

狙っている方も少なくないため、状態の良いものを見つけられれば仕入れてみてはいかがでしょうか。