SUPERGTやF1といった国内外のトップレースに積極的に参戦していることから、ホンダと言えば、モータースポーツを思い浮かべる人も少なくないでしょう。
乗用車でも軽自動車のN-BOXをはじめとしたNシリーズが大人気です。
そんなホンダですが、実はもともと自動車製造メーカーではなかったということはご存じでしょうか?
今回は、歴史を遡りながら、現在のホンダに至るまでのルーツを見ていきたいと思います。
本田技研工業(ホンダ)は、1948年に設立されました。
創業者は、多くの名言を残したことでも知られる本田宗一郎です。
ホンダは元から自動車を主眼に据えて立ち上げた会社というわけではなく、そもそもは自転車用補助エンジンの製造がスタートでした。
今で言う「原付」や「バイク」の先祖ともいうべきものです。
というのも、奥さんが自転車で遠くまで買い物に行く姿を見て、もっと楽に移動できないか、と考えたのが創業のきっかけだったからだそうです。
ホンダは、そんな本田宗一郎の優しさから始まりました。
そして、早速発電用のエンジンを自転車用に作り替えたところ、これが大評判となり、注文が殺到したことで、自社エンジンの開発に着手したとのことです。
そこからは耕運機の製造に着手したり、二輪事業に注力していきました。
あの有名な原付バイクである「スーパーカブ」は、1958年に発売開始されました。
現在では1億台以上販売されたという、超ロングセラーモデルとなっています。
ホンダが自動車業界に参入したのは1963年です。
最初は軽トラックのT360が量産され、次いでスポーツカーのT500が生産されました。
軽トラックで参入を始めたものの、一時軽自動車業界から撤退する事態になったこともあるのだそうです。
今の軽自動車の売れ行きからは想像もつかないという方も多いでしょう。
そして驚くことに、ホンダは1981年に世界初となるカーナビゲーションシステムを完成させました。
今では一般に広く普及しているカーナビも、実はホンダがルーツとなっています。
単純に車だけではなく、幅広い分野で力を発揮しているメーカーでもあるのです。
それを証明するかのように、自動車とは関係のなさそうな二足歩行ロボット「ASIMO」を開発しています。
テレビCMに出ているシーンを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今でこそPepperなどのロボットも出てきましたが、ASIMOが初めて出てきたときは衝撃を覚えた方も多いでしょう。
近年では「ホンダジェット」として航空機業界にも参入しています。
以上のことからもわかるように、今後も目が離せないメーカーと言えるでしょう。
ホンダモータースポーツの歴史
ホンダと言えば「モータースポーツ」という方も多いのではないでしょうか。
ホンダの歴史を語るうえで、モータースポーツは欠かせません。
1954年から二輪スポーツのマン島TTレースに参戦し、1961年に初優勝。
表彰台を独占するという快挙を成し遂げました。
1964年には四輪モータースポーツのF1に初参戦。
一時、大気汚染防止法の基準達成のためにF1を休戦するも復帰。
1988年にはマクラーレン・ホンダのチームが、年間16戦中15勝という快挙を成し遂げました。
その時のドライバーはかの有名なアイルトン・セナとアラン・プロスト。
モータースポーツ界にホンダの名を刻むことができた瞬間だったでしょう。
それ以降も引き続きF1に参戦し、1994年からは全日本GT選手権(現在のSUPERGT)に参戦しています。
過去にはS2000などのスポーツカーが販売されていましたが、しばらくスポーツカーとは縁のないラインナップになった時期もありました。
しかし、現在では軽スポーツのS660や、スーパースポーツカーのNSXが販売されており、スポーツカー好きにはたまらないラインナップとなっています。
ホンダカーズとホンダプリモ等は何が違う?
ホンダカーズやホンダプリモなどは、聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はホンダでもチャネル販売方式をとっており、専売車種を持って次の3つに分類されていました。
・ホンダプリモ
・ホンダクリオ
・ホンダベルノ
これらはすべてホンダのディーラーであり、メーカーとしてのホンダとは別会社となっています。
しかし全車種併売化に伴い、チャネル販売方式が終了したため、3つあったチャネルが統合され、「ホンダカーズ」という名称に統一されたのです。
ただし、同じホンダカーズでもホンダの完全子会社であるものと、地元の個人経営企業とで分かれています。
まとめ
ホンダのルーツを見ていくと、今でこそ車のイメージが強いですが、様々な事業を手掛けていることに気づかされます。
創業者の本田宗一郎は、名言の多い素晴らしい経営者だったことも忘れてはいけません。
現在ではホンダジェットの引き渡しも始まり、航空機への進出もなされています。
今後のホンダの発展に注目していきましょう。