「Uber(ウーバー)」という単語に聞き覚えがある方も少なくないのではないでしょうか。
むしろ日本においては、Uberが手掛ける「UberEats(ウーバーイーツ)」の方が有名かもしれません。
では、そもそもUberとは何なのかご存じでしょうか。
今回は、Uberと、そのUberが日本で普及しない理由などについてご紹介いたします。
そもそも、「Uber(ウーバー)」とは何なのでしょうか。
Uberは、アメリカの「Uber Technology社」が手掛ける配車アプリです。
Uberの利用方法を簡単に説明すると、次のとおりです。
1.Uberアプリをスマートフォンにインストール。
2.利用者登録を行う。
3.目的地を入力して、配車依頼をする。
4.依頼した場所に車が来て、目的地まで送ってもらう。
5.支払いはアプリで完結。
と、一見すると便利な配車アプリです。
海外ではほとんど一般車両が迎えに来るのですが、日本においてはハイヤー・タクシーが迎えにくることになっています。
しかし、日本ではイマイチ普及されていないのが現状です。
次は、その理由について解説いたします。
なぜ日本ではあまり普及しない?
日本で普及しないのは、次の2点が理由だと考えられます。
・タクシーが豊富である
・Uberでお金をもらうと白タク行為にあたる
そもそも日本はタクシーが多いということが、Uberが普及しない理由の一つでしょう。
Uberは主に、タクシーが少なく捕まりにくい国で人気を博しています。
日本ではいたるところでタクシーを捕まえることができるため、わざわざ別のサービスを利用する必要性がないのです。
Uberの方が飛びぬけて安いなどという場合なら話は別ですが、現状ではUberの方が高く、時間がかかる場合もあります。
その点におうては、日本のタクシーの利便性に軍配が上がったと言えるでしょう。
また、前述しましたがそもそもUberは一般車両が迎えに行くサービスとして利用されるはずでした。
しかし、日本においてこの行為をしてお金をもらってしまうと「白タク」行為にあたり、違法となってしまいます。
こうした日本事情によってUberの普及が阻害されてしまった形です。
今後の「Uber」の日本市場の予測
今後、Uberそのものは日本市場で広がりを見せるとは考えにくいのが現状です。
理由は前述のとおり、タクシーが豊富であることと、白タク行為にあたるという見解があるためです。
日本人が慣れ親しんだ、台数も豊富なタクシーはやはり利便性が高いということでしょう。
わざわざUberアプリに登録して車を呼ぶよりも、道路を走るタクシーを止めたり、「現在地 タクシー」などのキーワード検索で出てきたタクシー会社に電話をかけたりする方が慣れているという人が多いのです。
また、「白タク行為にあたる」との見解が変わらない以上、同サービスが展開されていくことはありえません。
そこでUberは現在、タクシー業界と手を組んでサービスの提供を行っています。
Uberが日本に参入した当初はタクシー業界から敵視されていましたが、Uberのアプリシステムの完成度の高さから、一部タクシー会社が協業することを決めたのです。
Uberは、もはやこうした手段を使って生き残っていくほか方法はないと思われます。
そのため、これからも同様にアプリの提供という形で日本市場に残っていくのではないでしょうか。
当初からこうした「タクシーの配車アプリ」として展開されていれば、ここまでタクシー業界からの反感を買うこともなく、導入する会社ももっと多かったのかもしれません。
ただ、話は変わりますが同じUberが手掛ける「UberEats(ウーバーイーツ)」は日本でも人気です。
こちらは食事の出前サービスとなっており、「マクドナルド」や「大戸屋」などのお店と提携しています。
自宅にいながら、通常は出前をしていないお店から、出前を取る感覚で注文することができるサービスとなっています。
高齢者が増え、日々の忙しさで買い物に出かけることもままならずに効率化を図る人が増えている日本では、こうした自宅にいながら食事がとれるサービスは年々増加傾向にありました。
UberEatsはその流れに上手く乗れたサービスのひとつなのではないでしょうか。
まとめ
「Uber」は海外では人気の配車アプリですが、日本ではタクシーの豊富さによって、あまり存在意義が感じられないサービスとなってしまっています。
また、白タク行為であるとの見解から、本来のサービスが提供できないという状況に陥ってしまっています。
今後はタクシー会社との協業を図っていくとはいえ、これからUberが日本で生き残っていくには厳しい現状であることは変わらないでしょう。
今後も配車システム・アプリケーションをタクシー業界に提供し続けていくとは思いますが、ただのタクシー配車アプリとしてではなく、「あえてUberを使いたい!」と思わせる仕組みがなければ、最悪の場合、日本から撤退せざるをえなくなるかもしれません。