日本は国内に多くの自動車メーカーがある自動車大国のひとつです。

中でも、通称「TNH」と呼ばれるトヨタ(T)・日産(N)・ホンダ(H)の三大メーカーが国内のトップ3となっています。

これらは自動車業界に詳しくない方でも、知らない人はいないほど有名な企業です。

その中でも、最近特に勢いに乗っているのがホンダです。

2019年の国内新車販売シェアではなんと2位にランクインするなど、好調な売れ行きを見せています。

そんなホンダですが、どれだけの規模で展開されているかご存じでしょうか?

今回は、国内・海外のマーケット別にホンダの実績をご紹介いたします。

まず、ホンダの国内マーケット事情について見ていきましょう。

日本ではどれだけのマーケットを握っているのでしょうか。

2019年のホンダの国内における生産・販売実績は次のとおりとなっています。

 

・国内生産実績:843,056台
・国内販売実績
軽を含んだ場合:722,003台(国内シェア14.5%)
軽を除いた場合:357,171台(国内シェア10.9%)
(参考:本田技研工業株式会社より)

 

国内販売実績を見ていくと、軽自動車を除いた場合だとシェアは10.9%とトヨタ、日産に次ぐ第3位です。

しかし、軽自動車を含むとシェア14.5%と大幅に伸び、国内シェア第2位となっています。

この背景には、売れ行き好調なN-BOXをはじめとしたNシリーズが良い影響を与えています。

2019年はN-WGNの一時生産中止により全体では伸び悩んだものの、N-BOXやN-VANが全体を底上げしています。

軽自動車だけで見ても、ダイハツ・スズキに次いで第3位という好調ぶりです。

登録車・軽自動車ともに好調で、バランスがとれていて堅調な印象を受けます。

2020年2月には、新型フィットが発売されました。

新型フィットには、これまでのハイブリッドシステムから大きく変更した「e:HEV」システムが搭載されています。

名前表記だけ見ると、電気自動車なのかハイブリッド車なのかわかりにくいかもしれませんが、実際には新しいハイブリッドシステムです。

この新型の投入で、ホンダがどう変化していくかも注視すべきでしょう。

ただ、結局はハイブリッドシステムのみの展開となってしまっており、世界的に見ても今後は電気自動車の市場投入はほぼ必須の環境と言えます。

電気自動車発売の噂こそありますが、早期の市場投入に期待したいところです。

ホンダの海外マーケットはどれくらい?

続いて、ホンダの海外マーケットについてです。

2019年のホンダの輸出・生産実績から見ていきましょう。

・輸出実績(日本国内生産):131,322台
・海外工場生産実績:4,327,539台

うち、生産実績地域別は次のとおりです。

北米  :1,817,191台
欧州  :108,783台
アジア :2,234,963台
その他 :166,602台
(参考:本田技研工業株式会社より)

 

日本からの輸出そのものは減少傾向にあり、台数も13万台と、それほど多くありません。

しかし、海外工場における生産台数は430万台と、日産自動車よりも多い生産台数です。

特にアジア・中国における生産ダイスは7年連続で増加しており、過去最高の生産台数を記録しています。

日本国内はもちろん、海外でも成長し続けているのがわかります。

また、世界の販売ランキングを見ても、ホンダは第8位と健闘しています。

ランキング上位にはトヨタグループや日産・ルノー・三菱連合などの日本の自動車メーカーが多く、相変わらずの自動車大国ぶりが示されています。

ただ、心配されるのは欧州市場における環境負荷低減による規制です。

フォルクスワーゲンやBMWなどはすでに電気自動車の投入を行っており、既存車種への電気自動車のラインナップ増加を図っています。

日本においては未だ日産に後れをとっているように見受けられます。

世界で戦っていくには、電気自動車のみならず、引き続き新エネルギー自動車の開発・市場投入が目下の課題と言えるでしょう。

まとめ

こうして数字にしてみると、どれだけの規模であるかがはっきりわかります。

一企業の数字だけでは全体感がわからないこともありますので、他の企業と比較してみるのも面白いかもしれません。

ですが、今後も市場が変化を続けていくことは間違いありません。

環境負荷低減のためのヨーロッパの施策により、今後の主流はハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に加えて、電気自動車などの新エネルギー自動車になっていくことが考えられます。

ホンダで言えば、インサイトやフィットといったハイブリッド車が投入されてきましたが、2020年2月には新型フィットが発売されています。

「e:HEV」といった、新しいホンダのハイブリッドシステムブランドも生まれました。

これらの売れ行きがどうなるのか次第で、新たなカーラインナップが生まれるかどうか決まると考えられます。

しかし、前述したように電気自動車が普及されていくのはほぼ確実です。

電気自動車をはじめとした新エネルギー自動車の普及に期待したいところです。

時代にあわせて変化し、これからも成長を続けるホンダから目が離せません。