日本は国内に多くの自動車メーカーがある自動車大国のひとつです。

中でも、通称「TNH」と呼ばれるトヨタ(T)・日産(N)・ホンダ(H)の三大メーカーが国内のトップ3となっています。

これらは自動車業界に詳しくない方でも、知らない人はいないほど有名な企業です。

その中でも、トヨタは圧倒的にトップを走り続けており、一時は世界一の売上高となった年もあります。

そんなトヨタですが、実際にはどれだけの規模で展開されているかご存じでしょうか?

今回は、国内・海外のマーケット別にトヨタの実績をご紹介いたします。

まず、トヨタの国内マーケット事情について見ていきましょう。

トップを走るトヨタはどれだけのマーケットを握っているのでしょうか。

2019年のトヨタの国内における生産・販売実績は次のとおりとなっています。

・国内生産実績:3,415,864台
・国内販売実績
軽を含んだ場合:1,610,169台(国内シェア31.0%)
軽を除いた場合:1,573,736台(国内シェア47.9%)
(参考:トヨタ自動車株式会社より)

 

国内生産実績は実に340万台オーバーです。

単純計算すると、1日10万台近い生産が行なわれていることがわかります。

後述しますが、海外輸出分も含まれているため、国内販売実績を大きく上回る台数が生産されているのです。

国内における販売実績も軽自動車を含んで161万台、軽自動車を除いて157万台、軽を除いた国内シェアは47.9%という驚愕の数字となっています。

つまり、国内を走る普通自動車のほぼ半数がトヨタ車ということです。

これだけの数字を見せられると、トヨタの圧倒的強さがわかります。

 

また、2020年2月現在、国内の販売形態は次の4チャネル制をとっています。

・トヨタ
・トヨペット
・カローラ
・ネッツ

ですが、今後このチャネル制は事実上撤廃される見通しです。

チャネルそのものはしばらく残るようですが、全チャネルでトヨタ車全車種が販売されるようになるとのこと。

それに伴い、同じ型式をもつ車種(ノアとヴォクシー、アルファードとヴェルファイア、など)が縮小される可能性もあります。

そうなった場合に国内シェアがどう変化していくのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。

トヨタの海外マーケットはどれくらい?

続いて、トヨタの海外マーケットについてです。

2019年のトヨタの輸出・生産・販売実績から見ていきましょう。

・輸出実績(日本国内生産):2,103,639台
・海外工場生産実績:5,637,653台
・海外販売実績:8,104,084台

 

うち販売実績地域別は次のとおりです。
北米:2,757,160台
中南米:407,151台
欧州:1,051,550台
アジア:2,970,289台
その他:917,934台
(参考:トヨタ自動車株式会社より)

 

輸出台数だけ見ても210万台となっており、これは国内での生産・販売実績を大きく上回る数字です。

また、地域別の販売実績を見ると、アジア・北米だけでおよそ6割を占めている計算となります。

特にアメリカ・カナダ・タイ・中国はトヨタの生産拠点としても規模が大きいため、こうした傾向になるのは必然とも言えるでしょう。

この生産範囲の広さはトヨタの大きな強みです。

世界各国、景気の良し悪しは生まれるものですが、これだけ多くの国で生産・販売ができると、一地域の不況で売れ行きが悪かったとしても、他の国で売れ行きが良ければマイナスではないとも考えられるかもしれません。

世界同時恐慌のようなものが起きれば話は別かもしれませんが、これだけ世界規模の企業であれば、そのリスクヘッジができることになります。

なお、2019年の販売グループ別の世界新車販売台数では、トヨタ・ダイハツ・日野のトヨタグループで1,074万台を販売しています。

これはフォルクスワーゲンに次いで第2位の数字です。
(参考:Responseより)

 

つまり、グループで見ればトヨタグループが世界シェア第2位ということになります。

まとめ

こうして数字にしてみると、どれだけの規模であるかがはっきりわかります。

一企業の数字だけでは全体感がわからないこともありますので、他の企業と比較してみるのも面白いかもしれません。

ですが、今後も市場が変化を続けていくことは間違いありません。

環境負荷低減のためのヨーロッパの施策により、今後の主流はハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に加えて、電気自動車などの新エネルギー自動車になっていくことが考えられます。

トヨタで言えば、プリウスやアクアといったハイブリッド車の売れ行きが堅調ですが、未だに純粋な電気自動車は発売されていません。

また、自動運転技術の開発の噂も絶えませんが、日産ほど目立った動きがないのが現状です。

そういった点だけで見れば日産が一歩先を行っているように感じられますが、最近のトヨタのCMを見ていると「動きだしたか?」と思わされます。

これからも成長を続けるトヨタ自動車から目が離せません。