駅前などでよくレンタカーの看板を見かけるように、レンタカーといえば数多くのお店があります。
しかし、実際にレンタカーがどういった仕組みで利益を得ているのかをご存じの方は、あまり多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、レンタカーの利益の仕組みと市場規模についてご紹介いたします。
レンタカー事業で利益を上げる仕組みは、次のように2つあります。
・レンタカーの貸出料
・中古車としての売却利益
レンタカーを貸し出して、貸出料から収入を得るというのが、一般的に知られている方法です。
車に関する維持費や事務経費などもかかりますので、それらを加味した値段設定が必要になります。
値段設定が正しければ、借りられれば借りられるほど利益が上がっていく仕組みになっています。
そしてもう一つ、中古車としての売却によって利益を上げるという方法もあるのです。
レンタカーの事業形態にもよりますが、多くの場合は複数台の車種を持つことになります。
そのため、「経過年数」や「走行距離」などで一定の基準を設けておき、レンタカー事業で一定の収益を上げたら状態の良いうちに中古車として売却しているのです。
そうすることで、1台のレンタカーで2度収益を上げる仕組みになっています。
ただし、中古車として売却する際には、売却価格と貸出料で得た利益の合計が、新車仕入れ価格よりも高くならなければ利益になりません。
レンタカーを仕入れる際には、レンタカーとしての需要が高く、売却時にも高値がつきやすい車種を選ぶ、というのがカギになっているのです。
逆に、中古車でレンタカーを運営しているお店もあります。
そもそも中古車であれば仕入れが安く済むため、かかる経費を抑えられます。
その分レンタル費用を安く抑えることができ、価格面でも安く提供することができるのです。
ただし、中古車の場合は車両の状態によっては整備費用がかさんでしまう場合があります。
もともと車屋を営んでいる場合はそれほど苦にならないかもしれませんが、レンタカー専門で整備士が少ないという場合にはかなりの痛手でしょう。
慎重に車を選ぶか、費用計算をしっかりした上で価格設定を行う必要があります。
レンタカーの国内市場規模はどのくらいなの?
レンタカーの登録台数は年々増えており、平成30年度時点での登録台数が698,943台と過去最高になっています。
(参考:全国レンタカー協会より)
市場規模も2016年には1兆円を突破しており、非常に大きい市場となっています。
(参考:帝国データバンクより)
レンタカーとだけ聞くと一般的に「乗用車」をイメージしてしまうかもしれません。
ですが、実際にはトラックやバス、福祉車両などのレンタカーも存在しています。
平成30年度には乗用車で52.3%となっており、その他車両は47.7%とおよそ半数が乗用車以外のレンタカーになっているのです。
中でも工事用車両やバスなどは車両価格そのものが高いため、乗用車より使用される頻度は少ないとしても、1度に発生する金額はかなり多くなります。
レンタカー市場の今後の伸び率は?
レンタカー市場は、今後も伸びが期待されています。その理由としては、主に次の2点が挙げられます。
・観光需要増加
・車を所有しない層の増加
2016年に市場規模が1兆円を超えるまでに成長し、2020年の東京オリンピックによってその勢いが加速すると見込まれています。
新型コロナウイルス感染症によって延期が決定されたものの、開催されれば需要は高まると予想されているのです。
また、車を所有しない層が増え、リースや一時的なレンタルを選択する人が増えていることも理由の一つです。
現在、自動車の乗り方の選択肢がかなり多岐にわたっています。
主に次のようなものが代表的ですね。
・マイカー
・カーリース
・レンタカー
・カーシェアリング
など。
自分で運転しないものも含めれば、タクシーやバスなどの公共交通機関まで含まれてしまいます。
中でも、地方などのマイカー必須の地域を除き、公共交通機関が発達している地域ではマイカーにかかる費用が家計に重くのしかかるため、車を手放す人が少なくありません。
それでも大きな買い物や家族旅行などで車を使いたいときには、「必要な時に必要な車を使える」ということでレンタカーを利用する方が増えてきています。
逆に言えば、生活に余裕がないと感じる方が多くなり、景気が悪くなっているときでもレンタカー需要がある、ということでしょう。
以上のことから、レンタカーの需要は伸びていくと予想できます。
まとめ
現在、レンタカーは駅前や観光地に多く存在しています。
今後は観光需要はもちろん、車を持たない層が増えることで、レンタカー需要が増えていきそうです。
とはいえ、レンタカー事業をするにしても、値段で勝負すると利益が上がりにくくなってしまいます。
そのため、他所との差別化を図っていくことが重要です。
今後の市場動向にも目を向けておくようにしましょう。