車屋さんを営んでいると、「在庫車」が気になったりするのではないでしょうか。

有名で大きな中古車屋さんなどでは、よく大量の在庫車があることを売りにしたCMを見たことがあるかと思います。

新車販売メインのディーラーでも常にいくつかの在庫車両を展示車として持っていますし、メリットが多いようなイメージを持つかもしれません。

しかし、在庫を持つことでのメリットはもちろんありますが、デメリットも出てきます。

そこで今回は、車屋さんの在庫販売は効果的なのか?

また在庫販売のメリットとデメリットについて紹介いたします。

極論、在庫があると無いとでは購入率が変わります。

車は安価な買い物では無いため、購入者からすると慎重に考える時間が必要になります。

また、現物を見てからではないと購入に踏み込みづらい傾向にある為、そういったお客様へ在庫販売は非常に効果的でしょう。

現在では何でもインターネットで欲しい物が購入出来ますが、車などの高級品に関しては、まだ現物を見てからではないと怖いと言う方が多いのが実情です。

また、在庫車を展示する際には店舗の入り口からの導線設計が重要です。

始めにどんな車を見せて、その周りにどんな車を配置するかによっても適当に配列しているのに比べて購入率の向上が期待できます。

どんな車をみせるかについては、店舗の特性などによって異なるため、今まではどんな車の購入が多かったのか、近隣店舗ではどういった車が良く売れているのかなどを参考にしてみると良いでしょう。

在庫販売の成功は購買心理の理解が重要

在庫販売の成功のカギは、購入者の購買心理をきちんと理解しておくことです。

これは車屋さんに限った話だけではなく、商品を陳列しているお店全てに言えることです。

前提として車を展示する際は、陳列エリアに車がしっかりと車が充実している事が大事です。

陳列エリアにしっかりと車が並んでいることで、「品揃えが豊富な店舗」である事や、在庫切れしないといった「安心感」を購入者へ与えることが期待出来ます。

逆に陳列エリアに空きがあると「在庫車をしっかりと確保できないお店」とマイナス的なイメージを与える可能性がある為、注意が必要です。

車屋さんの在庫販売において重要項目は下記3点です。

・展示陳列
・ゴールデンライン
・色づかい

具体的にご紹介いたします。

◯展示陳列

展示陳列において、どの車種をどういった配置にするかがポイントです。

お客様が店舗を発見した際の印象が良くなるよう陳列するためには、フェイスが重要になります。

おすすめの車種や各店舗で人気がある車種を前列へ配置しましょう。

※フェイス:同一車種を並べた際に出来る陳列面
※フェイス数:同一車種を2台並べた時のフェイス面は2

売れる車種はフェイス数を多くとり、売れない車種は削減するなどの調整をしましょう。

注意点として、フェイス数は3以下が基本とされていることが挙げられます。

人気車種でも数多く並べれば、それだけ売上が増加するという事ではないからです。

数多く売れるからと言ってフェイス数を3以上にすると、逆に効果が下がる可能性もあるので注意しましょう。

日々、売上状況をもとに調整する事をおすすめいたします。

◯ゴールデンライン

ゴールデンラインとは、自然と目に入るラインのことです。

男女のゴールデンラインの目安は下記になります。

・男性:床上70cm〜160cm迄
・女性:床上60cm〜150cm迄

もちろん車を販売するうえで各車種の高さを変える事は不可能です。

ここで紹介するゴールデンラインの活用としては、看板、ポップアップなどになります。

各車種の情報やおすすめポイントなどをゴールデンラインに設置することで自然にお客さまへ訴求する事が可能です。

お客さまが全く知らなかった車の情報が自然に入ってくる事でお客様の選択肢が増えます。

また、ゴールデンラインを駆使して情報を訴求する為には、色づかいも重要になります。

◯色づかい

情報を訴求する際は、色づかいも心理的効果があります。

各色がもつ心理的効果についてご紹介いたします。

 

赤色

赤色は最も注意を引く色と言われています。

また、それと同時に赤色は購買色とも言われています。

セールなど注意を引きたい色には赤色が心理的にも効果的な為、重要な情報はなるべく赤色で訴求する事を推奨します。

 

青色

青色は冷静さや、集中力や暗記力を高める色と言われています。

従って、お客様の意識に残る情報を訴求したい場合は青色で記載する事が効果的とされています。

 

 黄色

黄色は活発さや軽快などを表します。

様々な色との相性も良い事がありますが黄色をメインでブランドカラーにすると軽視されやすい色でもありますので注意しましょう。

 

心理的に訴求する為には色づかいが重要になります。

しかし、むやみに使えば良いというものでもありません。

むやみに使用するとバランスが悪くなり、マイナス的な印象を与えてしまう可能性があります。

心理的訴求のためには、全体的にバランス良く各色を使用する事が重要です。

新車・中古車の在庫販売をするには(仕入れ)

在庫販売をする為には展示する車を仕入れる必要があります。

仕入れルートが確率されていなければ、展示車が売れた際にすぐに新しい在庫車を展示出来ません。

新車と中古車では、仕入れ方が少し異なります。

◯新車の在庫販売

新車の在庫販売の場合、当然ですが新車を仕入れなければなりません。

そのため、新車を持っているディーラーから業販を行ったり、新車の仕入れを支援している会社と提携する事が基本的な仕入れになります。

そして、新車は販売価格が決まっているので、利益を出す為にも低価格で仕入れが出来るルートを抑える事が新車の在庫販売には重要になるでしょう。

 

新車仕入れ(業販)サービスはこちら

◯中古車の在庫販売(仕入れ)

中古車の仕入れについては、主に中古車オークションからの仕入れが主流です。

 

中古車オークションの情報はこちら

 

他にも買取りや下取りなどがあります。

車を購入されるお客様の車を下取りをするなど、中古車は新車と比べると比較的仕入れやすくなっています。

 

新車・中古車の在庫販売をする為には、仕入れルートの確保が非常に重要です。

店舗へ展示する車が仕入れられないということがないようにしっかりと確保しておきましょう。

車屋さんが店舗に在庫車を展示するメリットは?

在庫展示におけるメリット

まず、在庫車を展示するメリットは3つあります。

・在庫を見てお客さんが来店される
・試乗して購入意欲を高められる
・目の前に現車があるため購買意欲が湧く

◯在庫を見てお客さんが来店される

店頭にある在庫車を見て、お客さんが来店されることがあります。

特に道路沿いなど、目に付きやすいところにお店を構えている方にとっては非常に大きな利点です。

気になっている車種があって、店頭で値段がついているのを発見したら、「〇〇円という値段がついているけど、どんな状態になっているんだろう?」と、ますます気になって来店していただける可能性があります。

現車があることで来店のきっかけを得られれば、展示車両を気に入っていただけなかったとしても、お店を知っていただくことが出来ます。

◯試乗して購入意欲を高められる

展示車が置いてあれば、実際に車に試乗していただくことで、車を購入した後の生活のイメージをもたせることが出来ます。

ナンバー取得済みの車両であれば、実際に走っていただくのも効果的です。

実際に車両に乗ってみないとわからない点は多々あります。

インターネットや中古車雑誌などに大量の情報は乗っていても、室内の広さや運転席からの視野などは、体感しないとわかりません。

そうした体験をすることで、買おうと思っているお客さんを後押しをすることができます。

◯目の前に現車があるため購買意欲が湧く

商談中、目の前に購入したい車の現物があると、所有欲・購買意欲は高まります。

買いたい気持ちがある状態で現車を目の前にしていると、「購入する」方に傾きやすいものです。

あとはお客さんと一緒に不安や問題点を解消できれば、購入への道は近づいていきます。

また、車両の疑問点をその場で聞かれても、一緒に車両を確認しながら説明ができるため、お客さんの不安感を解消することも出来ます。

不安感が解消できる効果は大きく、お客さんが納得できる内容の説明・確認ができれば、一気に購入へと近づいていくでしょう。

展示車を展示するデメリットはあるの?

在庫展示におけるデメリット

在庫車を展示するデメリットは2つあります。

・在庫車を購入しているため資金が必要になる
・値下げをした場合、その分減収・赤字になる

◯在庫車を購入しているため資金が必要になる

在庫車を一度購入しなければならないので、まずはその資金が必要になります。

資金と言っても、次のようにそれぞれコストが掛かります。

・本体価格
・諸税金
・維持費用(洗車・メンテナンス・整備など)

購入時のイニシャルコスト、維持するためのランニングコストがそれぞれ掛かります。

しかし、回転率が高ければ掛かった費用を回収するまでのタイムラグがなくなるため、良い自動車を仕入れておくことが大事です。

話題の売れ筋の車や、根強いファンがいる車など、車種の選択が重要になります。

◯値下げをした場合、その分減収・赤字になる

一番のデメリットは、車種によって相場が変わり、値下げしないと売れなくなってしまう場合があることです。

「車は生物(なまもの)」とは良く言われますが、時期を逸してしまうと相場が崩れてくることも少なくありません。

特に、
・売れ残ってしまってどんどん価値が目減りする
・新車のフルモデルチェンジの発表直後

などといった場合には、値下げしないと売れなくなってしまうことがあります。

在庫車の値下げをしてしまうと、その分減収となり、場合によっては赤字になってしまうこともあるほどです。

しかし、情報収集を怠らずトレンドを意識することで、こうしたリスクは最小限に抑えることが出来ます。

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まとめ

在庫車を展示しておけば、

・在庫を見てお客さんが来店される
・試乗して購入意欲を高められる
・目の前に現車があるため購買意欲が湧く

といったメリットがあります。

しかし、

・在庫車を購入しているため資金が必要になる
・値下げをした場合その分減収・赤字になる

といったデメリットも生まれます。

なるべく仕入れてから短期間で売れるような仕組みになれば、経費もあまりかからずに済みます。

そのため、どのような車を仕入れて展示しておくか、というのが腕の見せどころになるでしょう。

在庫車の展示・試乗を上手く使って、収益アップにつなげていきましょう!