バイクの売却や乗り換えを検討している方にとって、装着しているETCをどう扱うかは重要なポイントです。
ETCが査定額にどのような影響を与えるのか、取り外すべきかそのままにしておくべきかなど、悩む方も多いでしょう。
本記事では、バイクの買取時におけるETCの取り扱い方について詳しく解説していきます。
バイクのETCとは?
バイクのETCは、快適なツーリングを楽しむために重要なツールです。
ここでは、まずバイクのETCについて詳しくみていきましょう。
ETCとは
ETCとは、Electronic Toll Collection Systemの略で、高速道路や有料道路の料金所で車両を停車させることなく、自動的に料金を徴収するシステムのことです。
専用のETCカードを車載器にセットし、料金所のアンテナと無線通信を行うことで料金を計算します。
事前に登録したクレジットカードなどから自動的に料金を引き落とす仕組みなので、渋滞を緩和し、スムーズな通行が可能です。
ETC2.0
ETCには、初期のETC1.0と、進化版のETC2.0があります。
バイク用のETCにも2.0対応の機器が存在し、そのメリットはさまざまです。
ETC2.0は、渋滞回避機能が強化されているのが大きな特徴になります。
渋滞しているルートを避けるために回り道をした場合や、一度高速道路を降りて再び乗り直す場合でも、本来の最短ルートの料金のみが計算され、追加料金が発生するのを防ぐことが可能です。
また、急な渋滞や交通事故による迂回が必要な際にも、安心してバイクを運転できるようになります。
バイクでもETCを利用することで、車と同じく快適でスムーズな通行が可能です。
ETCを使うために必要なもの
ETCを利用するためには、バイクに取り付けるETC車載器とその中に挿入するETCカードの2つのアイテムが必要です。
車載器は、料金所に設置されたアンテナとの無線通信を通じて、料金支払いに必要なデータを送受信します。
カードには、利用者の識別情報や支払い情報などが記録されており、車載器に挿入することで機能する仕組みです。
基本的に、ETC車載器はバイクのハンドル周辺やシート下などに取り付けられ、常にETCカードを挿入しておくことで、料金所をスムーズに通過できます。
一度設置すれば日常のツーリングや長距離ドライブが格段に快適になるでしょう。
バイクを買取に出す際はETCを外すべき?
バイクを買取に出す際にETCを取り外すべきか、取り付けたままにすべきか、それぞれのケースに応じた判断が必要です。
ここでは、バイクの買取時におけるETCの取り扱い方について詳しくみていきましょう。
バイク用ETCは乗り換える予定があるなら外した方がお得
バイク用ETCは乗り換える予定があるなら外した方がお得です。
ただし、バイク用ETCの配線は非常に複雑であり、個人での取り外しは難しいことがあります。
専門的な知識や工具が必要なため、無理に自分で外そうとすると配線を傷つけたり、機器を壊してしまうリスクもあるでしょう。
そのため、ETCの取り外しは専門業者に依頼するのが安心です。
一方で、ETCをそのままバイクに取り付けたまま売却した方が良いケースもあります。
たとえば、新しいバイクにすでにETCが装着されている場合や、乗り換える予定がない場合は、外さずにそのまま売却する方が無駄な費用や手間が省けるでしょう。
バイクのETCは高額
バイク用ETCは、高額な機器です。
特にバイクは車に比べて過酷な環境で使用されるため、防水性や防塵性、耐振動性に優れた仕様になっています。
そのため、自動車用のETC車載器が約5,000円前後であるのに対し、バイク用のETC車載器は30,000円前後と高額です。
もし、新しいバイクにETCを取り付ける予定があるなら、既存のETCを取り外して取り付けた方が経済的にもお得でしょう。
ただし、購入費用と取り替え費用を比較し、どちらがよりお得かを検討することが重要です。
ETCを取り外しても査定額に大きな影響はない
ETCをそのままバイクに付けて売却すれば査定額が高くなると考える方も多いでしょう。
しかし、ETC車載器の有無でバイクの査定額に大きな差はありません。
ETC車載器が付いていることで多少の高額査定がある場合もありますが、基本的にはボディの状態やエンジンの調子などが重視されます。
したがって、ETCを取り外しても査定額に大きな影響はなく、取り外したETCを別途売却する方が利益を得られる場合が多いでしょう。
単体でも売れる
取り外したETC車載器は単体でも売ることが可能です。
中古市場で数千円から1万円程度で取引されることがあります。
バイクから取り外した費用以上の価格で売れるなら、利益を得ることができるでしょう。
ETC車載器の買取価格は、メーカーや機種によって異なるため、事前に市場価格を調べることが重要です。
古いタイプや傷が多い場合は要注意!
古いタイプのETCや傷が多いETC車載器は、査定額に大きな影響を与えることがあります。
たとえば、ETC車載器が1.0の旧型である場合や外観に目立つ傷や劣化が見られる場合、買取額が大幅に下がる可能性があり、買取額が500円前後になることも珍しくはありません。
さらに、古いモデルや傷が多いETC車載器は、買い手が見つからないことも考えられます。
そのため、ETCの状態をよく確認し、もし多くの傷や劣化が見られる場合は、取り付けたまま売却した方が良いでしょう。
ETCを取り外さない場合は登録を解除する必要がある
ETCを取り付けたままバイクを売却する場合は、必ずETC車載器の登録解除を行う必要があります。
これは、新しいオーナーが問題なくETCを利用できるようにするためです。
ETC車載器の登録解除は、二輪車ETC登録事務局に問い合わせて行うことができます。
バイクの売却時には、ETCの取り扱いについて慎重に検討し、最適な方法を選ぶことが重要です。
バイクのETCは自分で取り外すことが可能?
比較的新しく高く売却できるETCであれば、バイクのETCを自分で取り外すことを検討している方も多いでしょう。
では、バイクのETCは自分で取り外すことが可能なのでしょうか。
ここでは、バイクのETCの取り外しについて詳しくみていきましょう。
配線が複雑で難しい
バイク用ETCには「一体式」と「セパレート式」の2タイプがあり、どちらも配線が複雑で、専門的な知識が必要です。
一体式は、ETC本体にカードリーダーとアンテナが内蔵されているタイプのことです。
配線は比較的単純ですが、ハンドル周辺に取り付けるため、操作性が低下します。
一方、セパレート式はカードリーダーとアンテナが分離しており、カードリーダーはメットインやシート下に、アンテナはハンドル周辺に取り付けるのが一般的です。
このタイプは盗難のリスクは低いですが、配線が複雑になります。
個人で取り外しを行うと、配線処理を誤って電気系統にダメージを与えたり、バイクのボディを傷つけたりする危険性があるでしょう。
わからない場合は専門業者に任せる
専門的な知識がない場合は、専門業者に依頼するのが最も確実です。
バイクショップや専門業者に依頼することで、安全かつ確実にETCを取り外すことができます。
自己流で行って失敗するリスクを避けるためにも、プロに依頼するのがおすすめです。
バイクのETCを取り外すために必要な工賃は?
ETCの取り付けや取り外しにかかる費用はバイクショップによって異なります。
一般的な取り付け工賃は3,000円から5,000円程度です。
さらにセットアップ料として約3,000円程度が必要なため、総額で6,000円〜8,000円前後が相場となります。
また、バイクの種類やETCのタイプによっても費用は変動し、ETCの取り外しにかかる費用は、取り付け工賃の半分程度が目安です。
ただし、取り外し作業にタンクやカウル、そのほかの部品の脱着が必要な場合、追加の工賃が発生するケースもあります。
そのため、事前に業者に問い合わせて、見積もりを確認しておくと良いでしょう。
そのままにしておいてた方が良いケースもある
ETC車載器を取り外すかそのままにして売却するかは、状況に応じて決める必要があります。
ここでは、ETC車載器をそのままにしておいた方が良いケースについてみていきましょう。
乗り換え予定がない
バイクを売却する際に、次のバイクに乗り換える予定がない場合、ETC車載器をそのままにして売却する方が良いです。
新しいバイクに乗り換える予定がないため、ETCを取り外す手間や工賃が無駄になります。
取り外し作業は専門知識を必要とし、配線処理の誤りや機器の損傷リスクも考慮すると、取り外さずにそのまま売却する方が合理的でしょう。
乗り換え予定のバイクに良いETCがついている
新たに乗り換えるバイクにすでに高性能なETC車載器が装着されている場合も、現在のバイクのETCをそのままにして売却するのが賢明です。
新しいバイクにETCが装着済みであれば、わざわざ取り外して移設する手間や費用を省くことができます。
バイクのETCを高く売る3つの方法
ETVを取り外す場合は、できるだけ高値で売却したいと考えるのは当然です。
ここでは、バイク用ETCを高く売るための3つの方法を紹介していきます。
バイクのパーツショップ
バイクのパーツショップでETC車載器を売却する方法は、専門的な知識を持つスタッフによる査定が受けられる点が特徴です。
最寄りのバイクパーツショップをいくつかリストアップし、電話やインターネットで買い取りの対応が可能か確認しましょう。
ショップに直接持ち込むことで、スタッフがその場でETC車載器の状態をチェックし、即座に査定額を提示してくれます。
査定額に納得できれば、その場で現金化も可能です。
また、ショップによっては、キャンペーンなどを行っている場合もあるため、複数のショップを比較することが重要です。
さらに、事前に製品の取扱説明書や購入時の箱などを用意しておくと、スムーズに取引が進むでしょう。
ネットオークション
ネットオークションを利用してETC車載器を売却する方法は、さまざまな買い手にアプローチできる点が特徴です。
大手のオークションサイトに、ETC車載器を出品します。
出品時には、商品の詳細情報や写真を掲載し、入札者が判断しやすいようにしましょう。
フリマサイト
フリマサイトを利用してETC車載器を売却する方法は、個人間での直接取引が可能な点が特徴です。
フリマサイトに登録し、ETC車載器を出品します。
出品時には、オークションと同様に商品の詳細情報や写真を掲載し、購入希望者が判断しやすいようにしましょう。
フリマサイトでは、価格を自分で設定できるため、適正な価格を設定することが重要です。
過去の取引相場を踏まえて、価格設定すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、バイクの買取時におけるETCの取り扱い方について解説しました。
ETCを取り外して売却する際は、専門業者に依頼して確実に取り外してもらうことをおすすめします。
この記事で解説したポイントを参考にして、バイクやETCの利用状況に応じて自分に合った選択を行いましょう。
ETCの取り扱いを正しく行うことで、買取時のトラブルを防ぎ、スムーズな取引が実現できます。