前述のとおり、ハイラックス(現行型)はリセールバリューが非常に高い車です。
また、現行型以外のハイラックス(トヨタ)、ダットサンピックアップ(日産)、サニートラック(日産)、プロシード(マツダ)などの旧車は、生産終了から長期間経過しているため流通数が少なく、海外での需要も高いことから、低年式や走行距離の多いものでも高い査定額が期待できると言われています。
ピックアップトラックは日本ではメジャーな印象がない方も多いかもしれません。
しかし1940年代から1970年代にかけては国内自動車メーカー各社がピックアップトラックを生産・販売しており、配送業や農業のみならずファミリーカーとしても多用されていました。
概要や歴史
1913年、アメリカ・オハイオ州で馬車の製造や自動車の架装を行っていた会社がT型フォードを改造して車体後部にトレーを搭載したのがピックアップトラックの起源とされています。
その後1924年にはダッジが、翌1925年にはフォードがピックアップトラックの製造を開始し、1931年にはシボレーが参入しました。
1950年代頃からはスタイリッシュなモデルが次々と売り出され、実用車としてだけでなく、おしゃれな車として市民権を得たようです。
また、アメリカでのピックアップトラックの流行の背景には各州における税制面での優遇措置があり、所得が少なくても所有できる車として浸透したと言われています。
日本においても、1940年代から2000年以前まではピックアップトラックが広く使われていましたが、徐々にキャブオーバートラックやライトバンに取って代わられ、さらに排ガス規制やエコカー減税などの影響で需要が減少し、2000年代には全ての国内メーカーがその生産を終了しました。
しかし2017年、販売終了から13年を経てトヨタがハイラックス(タイ生産)の国内販売を開始するとSUVの新しい形として広く受け入れられました。
2024年初頭には三菱トライトンの輸入販売開始が決定しています。
ピックアップトラックのスペック
現行車のピックアップトラックは普通自動車と比べ車格が大きなものがほとんどです。
5ナンバー乗用車とトヨタのハイラックス(Zグレード)とのボディサイズの違いは以下のとおりです。
タンドラ(米国トヨタ)やダッジラム(クライスラー)などのフルサイズピックアップトラックは、これをはるかに上回ります。
5ナンバー乗用車 全長4,700mm×全幅1,700mm×全高2,000mm
ハイラックス 全長5,340mm×全幅1,855mm×全高1,800mm
大きな車体を動かすためのパワフルなエンジンは排気量が大きなものが多く、
ハイラックス(トヨタ)、トライトン(三菱) 2.4L
タコマ(米国トヨタ) 2.7〜3.5L
フロンティア(米国日産) 3.8L
タンドラ(米国トヨタ)4.6〜5.7L
となっています。