コンパクトカーは人気のため新車が大量に売られているうえに、中古車も市場において豊富に供給されているので、中古車価格や売却額も高まらない、という傾向があります。
ただ、そんな中でも比較的リセールバリューが高い車種もあります。
例えば、トヨタの”アクア”は、販売当初は同社から販売されているプリウスの顧客と被るため、人気が出ないと思われましたが、コンパクトハイブリッドカーとして、長い間人気を保っています。
またホンダの”フィット”も、コンパクトカーの中でゆとりのある室内空間で、特に天井の高さに余裕があることもあり、中古車市場でも人気です。
日産が販売するハイブリッドタイプのコンパクトカー”ノート”は、日産のハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したことでキャラクターが大きく変わりました。
「e-POWER」は、ハイブリッドでありながらEV(電気自動車)のような走りを体感できる点が特徴的で、人気のある車種です。
燃費が良いハイブリッド車であること、またスライドドアを装備している車種は時が経っても評価されるポイントなので、リセールバリューに多少期待が持てるでしょう。
概要や歴史
現在のコンパクトカーは概ね”2ボックス・ハッチバック車”で、日本では1970年代に確立されました。
ちなみにコンパクトカーは、欧州やアジア圏でも高い人気を誇り、とくに”シトロエン”や”フォルクスワーゲン”などの欧州製コンパクトカーは日本以上に長い歴史があります。
1970年代の終わりから1980年代初頭にかけて日本では、まさに新しい時代を切り開くコンパクトカーが数多く登場しました。
現行モデルのコンパクトカーが好調な販売台数を記録している理由は、経済性、安全性、ユーティリティ、さらに十分な走行性能を高次元でバランスさせた、ある意味優等生な車であるからだと考えられます。
コンパクトカーのスペック
軽自動車のような厳格な規格が存在しないコンパクトカーですが、まずは乗用車の区分からコンパクトカーの定義を考えていきましょう。
軽自動車を別にすると、乗用車は大まかに2つのカテゴリーに分けられています。
・小型乗用車(5ナンバー規格)
全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0以下、総排気量660cc超2,000cc以下
・普通自動車(3ナンバー規格)
小型乗用車より大きいもの
明確なものではありませんが、ほとんどの売れ筋コンパクトカーのボディが4m前後に収まっていること、大人4人がきちんと座れるスペースを確保し、かつ最低限の荷室を考えると、この”全長が4mから4.2m以下に収まる車種”がコンパクトカーの一つの基準として利用されています。
要約しますと、”5ナンバーで全長4.2m、エンジンの排気量が1,500cc以下”というのが大まかなコンパクトカーの基準といえます。