バイクの査定書とはどのような書類なのでしょうか。
この記事では、バイク査定書の基礎知識について解説していきます。
バイクを売却する際に必要な書類についても解説しているので参考にしてください。
バイクの査定書とは
バイクの査定書の概要について解説していきます。
発行できるのは二輪品質評価者(品質査定士)のみ
査定書を発行できるのは、二輪品質評価者のみです。
店舗によっては品質査定士と呼んでいることもあります。
二輪品質評価者とは、自動車公正取引協議会の講習を受講して知識やスキルを取得した品質評価を行うための資格です。
自動車公正取引協議会の認定する品質評価者を取得したスタッフが店舗に在籍しているかは、認定証やステッカーで確認できます。
品質評価基準で評価される
査定書には、次の5つの項目の品質評価が4段階で記載されています。
- ・エンジン
・足回り
・電気・保安
・車体
・外装
自動車公正取引協議会の定めた評価基準に基づいた評価なので、店舗独自の評価よりも信頼性が高いです。
店と利用客を安心で繋ぐ役目がある
二輪品質評価者による評価制度は、中古バイクを売却する方や購入する方の安心と信頼を得る目的で行われています。
中古バイクの見た目だけで、正確な状態を把握することはできません。
査定書にはバイクのコンディションが一目でわかるように記載されています。
バイクに詳しくない方でも安心して中古バイクの売却や購入ができるので、二輪品質評価者が在籍している店舗を選択しましょう。
バイク買取の流れ
バイク買取の流れは、次のとおりです。
- 1.買取査定を予約する
2.査定を受ける
3.バイクの売買契約を締結する
4.任意保険を解約する
バイクの査定から買取までの流れについて解説していきます。
買取査定を予約する
まずはバイクの買取業者の公式サイトにアクセスして査定方法を確認します。
店舗によって査定方法は異なりますが、店舗に持ち込んで査定を受ける場合とスタッフが指定場所まで訪問する場合が多いです。
電話かオンラインで都合の良い日を指定して買取査定を申し込みましょう。
予約する際に、バイクの車種や年式、メーカーを問われることがあります。
車検証などバイクの情報がわかるものを手元に用意しておくと、予約がスムーズに進みます。
査定を受ける
査定予約をした日にバイクの査定を受けます。
査定士からバイクの状態について質問されるので、正確な情報を伝えてください。
希望する金額よりも低い査定額が提示された場合は、査定価格のアップを交渉するかはっきりと断るようにしましょう。
バイクを安価で買い取られて損をしないように、あらかじめバイクの買取相場を調べておくことが大切です。
納得できる買取金額を提示された場合は、その場で売買契約を結ぶことができます。
バイクの売買契約を締結する
商談がまとまったら、バイクの買取業者と売買契約を結びます。
売却後に後悔しないように、契約書の内容はしっかりと確認しましょう。
売却代金の受け取りは、すぐに現金で受け取れる場合と後日銀行振り込みの場合があります。
名義変更の手続きや廃車手続きは、バイクの買取業者が代行してくれることが多いです。
数週間後に手続き完了の書類が手元に送付されてくるので、忘れずに確認してください。
任意保険を解約する
任意保険に加入している場合は、バイクの売却後に解約してください。
解約を忘れてしまうと、バイクを所有していないのに保険料を支払い続けることになります。
また、解約時期によっては保険料が戻ってくることもあるので、なるべく早めに手続きを行いましょう。
強制保険の自賠責保険に関しては買取業者が手続きを代行してくれるため、自分で解約手続きを行う必要はありません。
バイクを売却してから数週間経っても名義変更または廃車手続き完了の書類が送られてこない場合は、念のため買取業者に連絡しましょう。
バイクの買取に必要な書類
バイクの買取時に用意が必要な書類について解説していきます。
排気量125cc以下の場合
排気量が125cc以下のバイクを売却する場合、次の書類が必要です。
- ・身分証明書(運転免許証など)
・自賠責保険証明書
契約時に押印が必要なので、書類のほかに印鑑も用意してください。
印鑑は認印ならOKですが、シャチハタは使えません。
廃車手続きを自分で行う場合は上記の書類に加えて廃車証明書が必要になります。
自分で廃車手続きをしない場合は、標識交付証明書が必要です。
排気量126cc〜250ccの場合
排気量が126cc〜250ccのバイクを売却する場合、次の書類が必要です。
- ・身分証明書(運転免許証など)
・自賠責保険証明書
印鑑の用意が必要ですが、シャチハタは使用できません。
廃車手続きを自分で行う場合は上記の書類に加えて軽自動車届出済証返納証明書が必要になります。
自分で廃車手続きをしない場合は、軽自動車届出済証が必要です。
排気量251cc以上の場合
排気量が251cc以上のバイクを売却する場合、次の書類が必要です。
- ・身分証明書(運転免許証など)
・自賠責保険証明書
こちらも忘れずに印鑑を用意してください。
廃車手続きを自分で行う場合は上記の書類に加えて自動車検査証返納証明書が必要になります。
自分で廃車手続きをしない場合は、自動車検査証が必要です。
買取店によっては自動車納税証明書の提出が求められる場合もあります。
すべての排気量の必要書類に共通することですが、身分証明書や自賠責保険証明書の名前や住所に間違いがないか事前に確認しておきましょう。
未成年の場合
バイクを売却するのが未成年の場合は、親権者の身分証明書や同意書が必要になります。
同意書は買取店の公式サイトでダウンロードしてから必要事項をご記入ください。
同意書に親権者の署名・捺印がない場合は、バイクを買取に出せないので注意しましょう。
親権者の身分証明書(運転免許証や保険証)はコピーでも問題ありません。
店舗によっては事前に電話による確認が必要な場合もあります。
現住所と本籍地が異なる場合は、本籍地を消してください。
未成年がバイクを買取に出す場合は、保護者が同伴するのが一番スムーズです。
名義人とは異なる第三者がバイクを売却する場合は、同意書や名義人の身分証明書に加えて第三者の身分証明書も必要となります。
名義人と契約者が異なる場合
バイクの名義人と契約者が異なる場合は、委任状と名義人の身分証明書の提出が必要です。
委任状は自分で作成するか、店舗の用意したものを利用してください。
自分で作成する場合は、以下の項目の記載が必要です。
- ・委任日
・委任者の氏名
・捺印
・委任者の住所
・登録番号
・車体番号
・受任者の氏名
・受任者の住所
最後に受任者に売買契約に関する権限を委任する旨を記載してください。
名義人の身分証明書は原本ではなくコピーで問題ありません。
名義人がローン会社になっている場合は、完済証明書が必要となります。
バイク買取に必要な書類を紛失した場合の対処法
バイク買取に必要な書類を紛失した場合の対処法について、書類の種類ごとに解説していきます。
自賠責保険証
自賠責保険証は再発行が可能となります。
自賠責保険証の再発行に必要な書類は、次のとおりです。
- ・身分証明書
・委任状(代理人に依頼する場合)
上記の書類と合わせて印鑑も持参してください。
再発行の申込窓口は、自賠責保険を申し込んだ保険会社の営業店舗窓口です。
無料で再発行できます。
保険会社の代理店では再発行できない場合があるので、事前に問い合わせをしましょう。
自動車検査証
自動車検査証も再発行が可能となります。
自動車検査証の再発行に必要な書類は、次のとおりです。
・理由書
・委任状(代理人に依頼する場合)
・申請書
・身分証明書
・手数料納付書
申請書は運輸支局や軽自動車検査協会の窓口、ホームページからダウンロードして入手できます。
手数料納付書は運輸支局の窓口で入手し、350円分の収入印紙を添付してください。
理由書にはなぜ車検証を再発行する必要があるのかを記載します。
車検証が破れたり汚れたりして再発行が必要な場合は、車検証を持参すれば理由書の提出は不要です。
車検証の再発行時に印鑑は必要ありません。
車検証を紛失したまま運転すると法律違反になるため気をつけましょう。
標識交付証明書
標識交付証明書も再発行が可能な書類です。
ナンバープレートが交付された市区町村役場の窓口に、次の書類を提出してください。
- ・標識交付証明書の再交付申請書
・身分証明書
・委任状(代理人が申請する場合)
代理人が再発行手続きを行う場合は、代理人の身分証明書が必要です。
市区町村によっては委任者と代理人の印鑑が必要になる場合もあるので、事前に必要なものを確認しておきましょう。
標識交付証明書の再発行にかかる手数料は無料です。
また、代理人が見つからない場合は、郵送で申請することもできます。
郵送による手続きの方法は、自治体の担当者に確認しましょう。
軽自動車届出済証
軽自動車届出済証は、管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所での再発行が可能です。
再発行の際には、以下の書類が必要です。
- ・軽自動車届出済証の再交付申請書
・身分証明書
・委任状(代理人が申請する場合)
書類と合わせて印鑑も用意してください。
用紙代として100円程度の費用が必要になります。
紛失ではなく汚損により再発行する場合は、軽自動車届出済証も提出してください。
バイクを高く売却するためのポイント
バイクを少しでも高く売却するために覚えておきたい4つのポイントについて解説していきます。
査定を受ける前に洗車する
汚れた状態で査定に出してしまうと、査定士の印象が悪くなる可能性が高いです。
ステッカーをつけている場合は、傷をつけないよう丁寧に剥がしてください。
バイクを大切に扱ってきたことをアピールするために、洗車をしてきれいな状態にしてから査定に出しましょう。
汚れと傷の判断がつきにくい場合は、洗車をすることで車体の状態が確認しやすくなります。
なお、洗車後に傷や凹みが見つかっても修理代の費用が発生してしまうため直す必要はありません。
バイク専門の買取業者であれば修理も自社で行うため、他社に修理を依頼するよりも高く売却できます。
日頃からこまめにメンテナンスしておく
将来的に売却する予定のバイクは、常日頃からこまめにメンテナンスしておくことが大切です。
売却する日に備えて、良好なバイクの状態を保ちましょう。
保管場所は雨や風が当たらない屋内が理想的です。
バイクカバーをかければ、ほこりが付着することを防げます。
バイクの使用頻度が低い場合は、劣化を防止するため定期的にエンジンをかけてください。
エンジンの詰まりやバッテリー上がりなどの不具合が発生しにくくなります。
整備記録簿を準備する
バイクの整備記録簿を保管している場合は査定時に提出してください。
整備記録簿には、検査やメンテナンスの履歴が記載されています。
見ただけでは判断できないバイクの状態が記されているため、査定判断の後押しになるでしょう。
整備記録簿の記録を確認すれば、バイクをどのように扱ってきたのかが判断できます。
しっかり整備をしていれば査定額のアップが期待できるでしょう。
複数の業者に査定してもらう
バイクの査定は最低でも2社以上に申し込みましょう。
1社だけでは、バイクの相場が判断できないからです。
相場よりも安く売却することを防ぐために、できるだけ複数の買取業者に査定を依頼し査定額の比較を行ってください。
まとめ
今回はバイクの査定書の基礎知識について解説しました。
バイクの査定書は、自動車公正取引協議会から認定を受けた二輪品質評価者しか発行できません。
バイクの査定書が発行できる二輪品質評価者の在籍している店舗であれば、中古バイクの買取や購入が安心して行えます。
バイクを買取に出すためには排気量によって異なる書類の準備が必要です。
書類を紛失してしまった場合は、速やかに再発行などの手続きを行いましょう。
バイクを少しでも高く売却するためのポイントも忘れずにチェックしてください。