バイクはエンジンがかからなくても買い取ってもらえるのかと、疑問に思う方も多いでしょう。
実は、エンジンがかからないバイクでも買取が可能で、工夫次第で高額査定をもらえる方法もあります。
本記事では、エンジンがかからないバイクの買取のポイントや、高額査定をもらうための具体的な方法を紹介していきます。
エンジンのトラブルで買取を諦めていた方や、少しでも高く売りたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
バイクのエンジンがかからなくても買取できる?
最初に結論からお伝えすると、エンジンのかからないバイクでも買取できます。
また、原因によっては、思っている以上の値段で取引できる可能性もあります。
たとえば、バッテリー上がりです。
バッテリー上がりが原因であるなら、キックや押しがけ、ジャンプスターターなどで、かかる可能性があります。
もし、それでも動かない場合は、バッテリーを交換するだけで問題ありませんので、買取額に影響することはありません。
とはいえ、できればエンジンのかかるバイクの方が買取価格は上がります。
基本的にバイクの買取金額は「走行可能状態の価格」−「修理代」で計算されます。
エンジンの始動が問題ない状態であれば、内部の故障リスクが少ないと判断され、修理代もかからなくなるため、より買取額も高くなるでしょう。
バイクのエンジンがかからない原因と対処方法
エンジンがかからない原因がバッテリー上がりなど、修理代があまりかからないことなら買取額の影響は少ないですが、それ以外が原因であるなら買取額が下がる可能性があります。
では、その原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
3つのパターンに分けて紹介していきます。
長期間放置していたときの症状
はじめに、長期間放置していた時のケースです。
バッテリー上がり
特に多いのが、バッテリー上がりです。
バイクでも車でも、エンジンを長期間つけない状態が続くと、バッテリーが消耗していき、最終的に残存充電がなくなります。
そうなると電気系統が付かなくなるため、バッテリー上がりと判断できるでしょう。
対処方法としては、キックや押しがけでの始動、ジャンプスターターの利用などです。
それでも付かない場合は違う原因を疑うことになります。
バッテリーの買取についてはこちら
燃料の劣化
こちらは、燃料が原因のケースです。
長期間バイクを放置していると、バイク自体の劣化と同様に残っていた燃料も劣化していきます。
劣化が進むと変色や刺激臭が発生し、2年後〜3年後には固形化してドロドロした状態になってしまいます。
その状態でエンジンをつけようとすると、燃料が流れる燃料ポンプやキャブレターが詰まってしまい違う故障に繋がる原因となりますので注意が必要です。
キャブレターの劣化
キャブレターとは、エンジンが回転するために必要な空気と燃料をエンジン内部に送り込む役割を持ったパーツです。
そのため、劣化すると空気や燃料がエンジンに送り込めなくなるため、エンジンが始動しなくなります。
キャブレターが劣化してしまう原因は主に、燃料を残した状態で長期間放置したことです。
キャブレターが劣化してしまうと、分解もしくは交換するしかありませんので、長期間放置する場合は、燃料を空にしておきましょう。
雨水がガソリンに混入
屋根があるところは別ですが、雨風に当たるところでバイクを保管していると、雨水がガソリンに入ってしまう可能性があります。
少量なら問題ありませんが、大量の雨水がガソリンに入ってしまうと、エンジンの不調に繋がりエンジンがかからなくなってしまう可能性が高いです。
燃料に問題がないときは、雨水が入っている可能性があるため、水抜き剤を使用するかコックを外して抜いてしまいましょう。
セルは回るがエンジンはかからない
次にセルは回るがエンジンがかからないケースを紹介していきます。
エンジンの焼き付き
エンジンをつけるときに、「カンカン」や「ガタガタ」など、異音がする場合はエンジンの焼き付きを疑いましょう。
この状態のまま放置し続けると、エンジン内部が高温になりすぎて、最終的に完全に焼き付いてしまい故障します。
焼き付きが原因で動かない場合は、エンジン自体の分解や交換をする必要があり、加えて修理費用が高額となるため、異音がする場合はすぐに専門家に見てもらいましょう。
ガソリン不足
当たり前かもしれませんが、ガソリンが足りていないとエンジンは始動しません。
意外に多い理由のひとつなので、セルが回ってもエンジンが始動しないときは、すぐにガソリンをチェックしましょう。
スパークプラグの異常(プラグ被り)
スパークプラグとは、エンジンを付けるための火花を発生させる点火装置のひとつです。
スパークプラグに異常がある場合は、エンジンの着火部分が故障しているためセルが回っても始動しません。
原因としては、バッテリー上がりや汚れ、ニュートラルに入っていないなどが考えられます。
また、プラグキャップの故障や損傷なども原因となりますが、交換すれば簡単に修理することが可能です。
そのほかの原因
最後にそのほかに原因があるケースを紹介していきます。
吸気系の異常
吸気系とは、エアクリーナーやマフラーなどですが、これらが汚れていると空気を取り込めなくなるため、エンジンが付きにくくなります。
始動しなくなることは少ないですが、原因のひとつとなりますので確認しましょう。
レギュレーターの故障
レギュレーターとは、主に電圧制御と整流の役割をするパーツです。
レギュレーターが故障すると、正常以上の電流が流れるようになるため、電気系統に関係しているパーツが壊れ、エンジンもかからなくなります。
確認方法は電圧チェックすればわかりますが、バッテリーの液漏れでも確認することが可能です。
また、バイクの電気系統に関係しているパーツが頻繁に壊れることも多くなります。
点火装置の故障
スパークプラグの原因が見られない場合は、点火装置の故障も疑いましょう。
点火装置は、溜まった電圧をスパークプラグに流す役割があり、故障すると電圧を溜められなくなり、エンジンが始動しなくなります。
原因としては、ゴミや水分混入、劣化などが挙げられますが、修理が高額となる可能性が高いため注意しましょう。
ヒューズが切れてしまった
ヒューズが切れると、電気系統が使用できなくなるため、当然エンジンもかからなくなります。
原因はショートや漏電ですが、修理費用は安価で済みますので、ヒューズが切れているバイクの買取を考えてる方は修理してからの方が良いでしょう。
エンジンのかからないバイクでも修理した方が買取価格は上がる
基本的にバイクの買取金額は「走行可能状態の価格」−「修理代」で計算されることがほとんどです。
そのため、修理代が低ければ買取価格が上がり、逆に修理代が高ければ買取価格は下がることになります。
では、修理した方が良い箇所としない方が良い箇所は、どのパーツにあたるのでしょうか?
それぞれの箇所を詳しく紹介していきます。
修理したほうが高く売れる箇所
修理した方が良い箇所は以下の通りです。
- ・キルスイッチの接触不良
・キャブレター
・バッテリー
・吸気系・エアクリーナー
・スパークプラグ
上記の箇所であれば、1,000円〜10,000円程度で修理できるため、買取価格を上げられます。
修理しないほうが高く売れる箇所
修理しない方が良い箇所は以下の通りです。
- ・エンジン
・エンジンピストンリング
・キャブレター
・ラジエター
・燃料ポンプ
・インジェクション
・点火装置
・オイル上がり下がりによるバルブシール交換
上記の箇所は、およそ20,000円以上の修理費用が必要です。
特にエンジンは、およそ100,000円〜500,000円の修理費用がかかるため、修理が必要になる場合は、そのまま売却するのが良いでしょう。
エンジンのかからないバイクを0円以上で買取できる業者と必要な書類
ここでは、エンジンのかからないバイクを0円以上で買取できる業者と必要な書類を紹介していきます。
年式が古かったり状態が悪かったりしても、値段が付く可能性は0ではありません。
おすすめの業者も紹介しているので、チェックしてください。
バイクの廃車専門業者
バイクの廃車専門業者は、廃車を専門としているので、エンジンがかからないバイクであっても買取価格を付けてくれる可能性が高い業者です。
また、バイクの廃車を依頼しても、無料で引き取ってくれます。
理由は、廃車専門業者は、バイクの買取以外にも再販できるパーツの買取も行ってくれる可能性が高いからです。
買取価格が付く可能性が高くなることや、引き取りにかかる費用がかからないことを考えると、依頼する業者の中で最もおすすめといえます。
バイクショップ
バイクショップは、基本的にバイクを購入するところです。
そのため、新しいバイクを買う前提で買取依頼することになります。
買取のみを依頼することもできるケースもあるかもしれませんが、エンジンのかからないバイクは買い取ってもらえないことがほとんどです。
また、買取できても処分する費用が必要となりますので、結果的にマイナスとなる可能性が高くなります。
廃棄二輪車取扱店
廃棄二輪車取扱店は、一般社団法人全国軽自動車協会連合会の登録販売店で広域廃棄物処理指定店として登録されている店舗のことをいいます。
具体的には、廃車するバイクを再販売、リサイクルしている業者で、全国に店舗があります。
買取よりは処分を主としており、リサイクル料金が必要になりますが、処分する費用はかからないため、お金をかけずに処分したい方におすすめです。
なお、全国軽自動車協会連合会のサイトからお住まいの地域の店舗が検索できます。
二輪車リサイクル指定引取場所
二輪車リサイクル指定引取場所とは、リサイクル処理施設に廃棄二輪車を搬入するために、一時的に保管しておく場所のことをいいます。
事前に連絡すれば、処分費用もかからず廃車できるので、お金をかけずに処分したい方におすすめです。
不用品回収業者
不用品回収業者は、バイクに関わらずさまざまな不用品を回収してくれる業者です。
基本的に回収費用を支払う必要がでてきますが、再販できるバイクは買取してくれることもあります。
また、バイク以外にも不要になったヘルメットやグローブも一緒に回収してくれます。
自宅にも回収に来てくれて手軽に依頼できるので、バイクの持ち込みに手間をかけたくない方におすすめの業者です。
バイク買取に必要な書類
次にバイク買取に必要な書類を紹介していきます。
排気量によって準備する書類が異なりますので、所有しているバイクに合わせて準備しましょう。
〜125cc以下
125cc以下のバイクは以下の書類を準備してください。
- ・本人確認証明書(運転免許証・マイナンバーカード・保険証など)
・印鑑
・自賠責保険証明書
・標識交付証明書
・廃車証明書
上記の書類の中で、標識交付証明書と廃車証明書は、どちらか一方で構いません。
標識交付証明書は、ナンバーを発行したときに、廃車証明書はナンバーを返還したときにもらえますので、用意しやすい方を選んでください。
126cc~250cc
126cc~250ccのバイクは以下の書類を準備してください。
- ・本人確認証明書(運転免許証・マイナンバーカード・保険証など)
・印鑑
・自賠責保険証明書
・軽自動車届出済証
・軽自動車届出済証返納証明書
126cc~250ccのバイクのときは、「軽自動車届出済証」と「軽自動車届出済証返納証明書」のどちらか一方が必要となります。
軽自動車届出済証はナンバーを発行したときに、軽自動車届出済証返納証明書はナンバーを返還したときにもらえますので、こちらも用意しやすい方を選んでください。
251cc以上
251cc以上のバイクは以下の書類を準備してください。
- ・本人確認証明書(運転免許証・マイナンバーカード・保険証など)
・印鑑
・自賠責保険証明書
・自動車検査証または自動車検査証返納証明書
・自動車納税証明書
自動車検査証または自動車検査証返納証明書については、手続きを自分で行うか、業者に依頼するかで異なります。
自分で行う場合は自動車検査証、業者に依頼する場合は自動車検査証返納証明書を用意してください。
エンジンがかからなくても高価買取されるバイクの特徴
バイクのエンジンがかからないからとすぐに廃車を検討する方も多いのではないでしょうか。
しかし、エンジンがかからないといっても、高価買取が期待できるバイクも中にはあります。
これから紹介する特徴に当てはまる場合は、1度査定に出すのがおすすめです。
バッテリーの交換だけで動く
先ほども紹介しましたが、バッテリー交換だけで動くバイクは、修理費用も少なくバッテリー以外のパーツが損傷していないことから高価買取が期待できます。
このケースはよくあることで、動かないようなら初めにバッテリーをチェックし、動くようにしてから査定に出すようにしましょう。
販売ルートがある
エンジンがかからないバイクの販売ルートがある場合も、高価買取が期待できるバイクの特徴のひとつです。
そもそもバイクの販売ルートは販売店だけではありません。
小売りやオークション、パーツごとの販売など豊富にあります。
販売ルートによっては、高い利益率を得られることから、高価買取しているところもありますので、比較してみることをおすすめします。
人気のある車種
バイクの中には車種や年式に関わらず、高価買取できるバイクもあります。
特に中古市場で人気のあるバイクなら、修理代が高くなっても再販売するときの価格が高くなるので、必然的に高価買取できます。
知識がない方は、判断が難しいかもしれませんが、一括査定サイトで調べたり複数の業者に査定してもらったりすると、相場が分かってきますので調べてみましょう。
輸出しても需要のある車種
バイクの中には国内では人気のないものでも、国外では人気のものもあります。
また、輸出する場合、数日で海外に着くわけではなく、販売されるまで数ヶ月かかることも少なくありません。
そのため、「海外に着いてから修理するので、エンジンがかかってもかからなくても関係ない」と思って買取してくれる業者もいます。
https://ctn-net.jp/kaitori/car/wp-admin/profile.php
こういった理由から輸出しても需要のある車種は高価買取が期待できますので、国内では人気がないときは、海外への販売ルートを持っている業者に依頼すると良いでしょう。
オークションなどで売れる可能性がある
オークションも販売ルートのひとつです。
その中でも「業者オークション」は、一般の方が利用できないオークションで、その道のプロが利用しています。
業者オークションを利用する方は、バイクの修理に精通しており、修理コストを正確に見極められます。
修理が簡単であれば、その分高額買取してくれる可能性が高いです。
また、業者同士の競り合いにより価格が上昇することも多く、特定のバイクや部品の需要が高い場合、エンジンがかからなくても高価で取引されることがあります。
パーツであれば価値がある
バイクの価値は本体そのものと思われていますが、パーツにも価値が付くことがあります。
たとえば、エンジンは故障していても、ホイールやマフラーはきれいな状態であるバイクは、パーツだけでも買取できるケースが多いです。
また、パーツによっては希少なものもあるため、本体に価値がないといわれたら、パーツごとで買取してくれる業者を探してみるのをおすすめします。
エンジンが動かなくなった期間が短い
バイクは、エンジンが動かなくなってから期間が短ければ短いほど、元の状態に復元できる可能性が高いです。
そのため、買取業者も修理代を下げることができるため、高価買取が期待できます。
逆に、エンジンが動かなくなってからの期間が長い場合は、動かなくなった原因が1つだけではない可能性が高くなるため、修理代も高くなり価格も下がってしまうでしょう。
もし、「買取したいが動かない」といったバイクがあるなら、早めに査定してもらうことをおすすめします。
エンジンが動かなくなった原因が明確である
エンジンが動かない原因が明確なバイクは、修理箇所が増えるリスクが少ないため、業者にとって買取しやすいです。
また、修理費用もはっきりしているので、適正な買取価格に設定してくれるでしょう。
つまり、原因が明確であれば業者にとってのリスクを下げられるので、価格を下げる理由がなくなり、価格も上げられるというわけです。
そのため、原因がわかる場合は査定時にお伝えすることをおすすめします。
丁寧に保管されていた
丁寧に保管されていたバイクは、パーツの故障や劣化が少ない可能性があるので、高価買取が期待できます。
実際に動くバイクとそこまで値段が変わらない場合もあるでしょう。
バイクは雨風や直射日光に弱く劣化しやすいです。
長期保管する場合は、カバーをかけるなど、劣化を防止できる方法で保管しましょう。
エンジンがかからないバイクを高く買い取ってもらうポイント
高価買取ができるバイクの特徴がわかっても、業者にアクションを起こさなければ、買取額が下がってしまうこともあります。
ここでは、エンジンがかからないバイクを高く買い取ってもらうポイントを紹介していきます。
修理ができても無理には行わない
動かないバイクを修理することで、買取額が上がる可能性があると紹介しましたが、無理に行うことは絶対にやめましょう。
エンジンが動くようになっても、必ず買取額が上がるというわけではありません。
無理な修理で修理代が高額になってしまうと、結果的に損をしてしまう可能性もあります。
そのため、修理を検討する際は、慎重に行うようにしましょう。
エンジンがかからないことを業者に伝える
バイクの買取業者は、できるだけリスクを減らして買取したいと考えています。
エンジンがかかるか、かからないかだけでもわかっていれば、業者側にとってリスクが減らせるでしょう。
また、エンジンがかからなくなった経緯と原因も可能であれば伝えておくと買取価格をあげてくれる場合があります。
複数のバイク買取業者を比較する
バイクの買取業者といっても、その特徴はさまざまです。
本体の買取は得意だが不動車は買取できないところや不動車でもOK、パーツ別に販売できるなど、豊富にあります。
複数のバイク買取業者に査定してもらい、適切なバイク買取業者をを見つけましょう。
自分で処分すると費用が発生する
バイクを自分で処分しようとすると費用が発生します。
自分で処分する場合、運搬費用やスクラップ工場での解体、運輸局などでの手続きには、すべて費用が必要です。
中にはパーツを買い取ってくれるところも稀にありますが、買取してくれても解体や手続きの費用でマイナスとなる場合が多いでしょう。
そのため、できるだけバイクの廃車専門業者など、費用のかからないところに依頼するのが、手間や費用をかけずに済むのでおすすめです。
まとめ
本記事では、エンジンのかからないバイクは買取できるのか、高額査定してもらう方法などを解説していきました。
エンジンのかからないバイクは買取可能です。
しかし、できる限りで修理しておくほうが、高額査定してくれる可能性が高くなります。
買取価格は、基本的に「走行可能状態の価格」−「修理代」で計算されますので、修理代が安くできる場合は、修理することをおすすめします。
今回紹介した「修理した方が高くなる箇所」などを参考に、エンジンのかからないバイクを修理して査定に出してみましょう。