バイクの走行距離が5万キロを超えると、多くの方が今後のメンテナンス費用や売却を考え始めることでしょう。
さらに、走行距離が5万キロ以上のバイクが買取価格にどのように影響するのか気になる方も少なくありません。
そこで本記事では、5万キロを超えるバイクが買取価格にどのような影響を与えるのかについて解説していきます。
5万キロを超えてバイクを手放すことを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
5万キロを超えたバイクは買取価格に影響する?
5万キロを超えたバイクは、一般的にメンテナンスや修理が必要になることが多く、買取価格に影響を及ぼします。
具体的にどのような影響を与えるのでしょうか。
ここでは、5万キロを超えたバイクの特徴と買取価格に与える影響について詳しくみていきましょう。
5万キロを超えるバイクの特徴
5万キロを超えるバイクには以下のような特徴があります。
- ・パーツが消耗している
・ストレスがかかっている
・劣化している
それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
パーツが消耗している
5万キロを超えるバイクは、各種パーツが消耗している可能性が非常に高いです。
特に、急発進や急停止、全開走行などの荒い運転を繰り返してきたバイクでは、エンジンやトランスミッション、タイヤなどの消耗が進んでいるでしょう。
このため、購入後にはオイル交換やグリスアップ、ベアリングの交換など、さまざまなメンテナンスが必要となります。
ストレスがかかっている
バイクにかかるストレスも5万キロを超えると増加します。
特に排気量が小さいバイクほど、エンジンにかかる負担が大きくなる傾向です。
50ccの原付バイクと1,000ccの大型バイクでは同じ走行距離でも、排気量の小さい原付の方が常に回転数が高いため、エンジンやそのほかの部品にかかるストレスは大きいです。
大型バイクは、低回転で動作することが多いため、同じ走行距離でもエンジンや部品へのストレスが少なくなります。
また、過酷な環境で使用されたバイクはさらにストレスがかかっている可能性があるでしょう。
たとえば、オフロード走行や雨などの悪天候条件での使用は、エンジンやシャーシに大きな負担がかかっている場合があります。
劣化している
5万キロを超えたバイクは、製造されてから長期間経っている場合が多く、経年劣化が進んでいます。
長距離を走行することで、あらゆるパーツが摩耗し、全体的な劣化が進行していくでしょう。
そのため、特に金属同士が擦れる部分には、適切な油膜を作ることで摩耗と劣化を防止することが重要です。
また、紫外線や湿気などの環境要因も劣化を促進させるため、外装や電装系の部品にも注意しましょう。
定期的なメンテナンスを行うことで、劣化を最小限に抑えることができます。
5万キロを超えたバイクは買取価格に影響する?
5万キロを超えたバイクは、消耗品の交換やオーバーホール、重要部品の交換など、高額なメンテナンスが必要です。
そのため、5万キロを境に需要が落ち込み、下取り価格が大幅に下がる傾向があります。
しかし、走行距離が長くても年式が最新であれば、査定価格が高額になる可能性もあるでしょう。
最新モデルであれば、走行距離が多くても状態が良いと判断されることがあるため、査定額が高くなるケースも少なくありません。
そのため、一度査定に出してみることをおすすめします。
走行距離の評価基準は排気量と年式で異なる
一般的に、走行距離が少ないバイクは状態が良いとされ、高く評価されることが多いです。
しかし、走行距離が多いとされる基準は、バイクの排気量と年式によって大きく異なります。
排気量が大きいバイクは、エンジンにかかる負荷が小さく、走行距離がバイクに与える影響は少ないです。
例えば、50ccの原付バイクでは1万キロが過走行とされますが、1,000ccのバイクではまだまだ問題なく使用できるとされています。
以下は、排気量別の走行距離が多いとされる基準です。
- ・50cc(原付バイク):10,000km
・125cc原付2種:15,000km
・250ccビッグスクーター:15,000km
・250ccMTバイク:20,000km
・400cc全般:30,000km
・400cc以上のネイキッドバイク:40,000km
・400cc以上の大型クルーザー:20,000km
・750ccまでのスポーツバイク:20,000km
・1000cc以上の大型バイク:30,000km
これらの基準を超えたバイクは、高額なメンテナンス費用が必要になる可能性が高いため、買取価格が低くなりやすいです。
しかし、この基準を超えたからといって、買取価格がつかないわけではありません。
5万キロを超えるバイクは下取り・買取専門店どちらが良い?
5万キロを超えたバイクを売却する際には、下取りと買取専門店のどちらが良いのか迷うことが多いでしょう。
それぞれのメリットとデメリットを理解して、自分にとって最適な方法を選ぶことが重要です。
下取りとは
下取りとは、バイクを新しく購入する際に、現在所有しているバイクをディーラーや販売店に引き取ってもらい、その買取金額を新しいバイクの購入代金に充てることを指します。
では、下取りを行うことによってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
下取りのメリット
下取りの最大のメリットは、新しいバイクの購入と同時に古いバイクを手放すことができるため、手続きが非常にスムーズに進む点が挙げられます。
また、下取りに出すことで新しいバイクの値引き交渉がしやすくなる可能性もあるでしょう。
ディーラーや販売店としても、新車販売に繋がるため、積極的に値引きに応じてくれることが多いです。
下取りのデメリット
下取りにはデメリットもあります。
まず、下取りは買取専門店と比べて、買取価格が低く設定されています。
これはディーラーが新車販売を重視するため、中古車の市場価値よりも低く見積もられることが多いためです。
さらに、下取りは新しいバイクの購入が前提となるため、次のバイク選びに時間をかけたい場合には不向きです。
じっくりとバイク選びをしたい方や、バイクを手放すだけで次のバイク購入を急がない方には、下取りは適していないといえるでしょう。
買取とは
買取とは現在所有しているバイクを専門の買取業者に売却することを指します。
ここでは、買取のメリットとデメリットについて詳しくみていきましょう。
買取のメリット
買取の最大のメリットは、バイクを現金化できる点でが挙げられます。
これにより、次のバイク購入に充てるだけでなく、ほかの用途にも自由に資金を使うことが可能です。
また、買取の場合、複数の業者に査定を依頼できるため、競争によって高値で売却できる可能性があります。
さらに、買取専門店は全国の業者オークションの相場をもとに査定するため、バイクの市場価値を正確に反映した適正な価格で買い取ってもらうことが可能です。
このため、走行距離が少ないバイクや状態の良いバイク、人気モデルは高額査定が期待できるでしょう。
買取のデメリット
買取にはデメリットもあります。
まず、新しいバイクの購入と売却が別々の手続きになるため、手間が増える点が挙げられます。
また、バイクを手放してから次のバイクを購入するまでの間に、バイクがない状態になることを避けたい場合には不便です。
さらに、買取業者によって査定額が異なるため、複数の業者に査定を依頼する手間がかかります。
このため、時間と労力を要することがデメリットといえるでしょう。
ただし、一括査定サイトを利用することで複数の業者から一度に査定を受けられるため、手間を省くことができ、より高い価格で売却できます。
走行距離が5万キロを超えたバイクを高く売却するポイント
走行距離が5万キロを超えたバイクでも、いくつか工夫をすることで高く売却することができます。
ここでは、走行距離が5万キロを超えたバイクを少しでも高く売却するポイントについて詳しくみていきましょう。
しっかりとメンテナンスされている
日頃からしっかりとメンテナンスが行われているバイクは、高い査定を受けやすいです。
故障や大きな傷やへこみがない良好なコンディションであれば、年式が古くても高く買い取ってもらえるでしょう。
乗る頻度が少ない場合でも、「半年に1回のオイル交換」「週に1回はエンジンをかける」などのメンテナンスを行うと良いです。
また、点検整備記録簿が揃っていることもメンテナンスの証明となるため、必ず査定前に準備しておくと良いでしょう。
定期的にエンジンをかけておく
エンジンがスムーズにかかる状態かどうかは、査定において非常に重要です。
定期的にエンジンをかけておき、一発始動ができるように維持しておきましょう。
エンジンをかけて10分ほど走行またはアイドリングし、一度エンジンを切ってから再度かけてみると、すぐにかかるかどうかを確認することが可能です。
これにより、バッテリーやエンジン内部の状態が保たれ、査定時に良い評価を与えることができます。
メンテナンスや修理が行える買取業者に査定を依頼する
バイクの寿命が近く、修理やメンテナンスが必要な場合、自社で修理・メンテナンスが行える買取業者に査定を依頼するのが良いです。
修理工場を持たない業者は、修理にかかる費用や時間を見積もれないため、買取額を低く設定することがあります。
一方で、自社で修理やメンテナンスができる業者は、費用を抑えた分を査定額に反映してくれるため、高値で買い取ってもらえる可能性が高いです。
修理やメンテナンスができる業者かどうかは、業者のサイトやお店の看板などで確認できます。
各業者の情報をチェックして、信頼できるところを選ぶことが大切です。
全国に拠点を展開している業者に依頼する
バイクを高く売りたい場合、全国展開している業者に依頼するのがおすすめです。
全国規模の業者は、広いネットワークと販路を持っているため、高値で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。
逆に地域限定の業者や個人店などでは、売れ残るリスクを考えて査定額を低く設定する場合があります。
査定を依頼する際は、全国に拠点を持つ業者かどうか、また販路の状況も確認して選ぶと良いでしょう。
ボディカバーや屋根のある場所で保管している
バイクは、できるだけボディカバーや屋根のある場所で保管してくようにしましょう。
バイクは車と違ってボディを覆う作りにはなっていません。
そのため、雨風にさらされると露出部分が劣化しやすくなります。
査定時に劣化はマイナスポイントとなるため、雨風が当たらない屋根のあるガレージで保管するのが望ましいです。
もし難しい場合は、バイクカバーをかけることで外装の錆びや塗装の日焼け、パーツの劣化を防ぐことができます。
このように保管状態を良くすることで、少しでも高い買取が期待できるでしょう。
高く売れやすい時期に売る
バイクの売却タイミングは重要です。
需要が高まる春や夏、特に新生活が始まる時期や大型連休前はバイクの購入を検討する人が多いため、買取価格が高くなる傾向があります。
また、12月のボーナスシーズンも需要が高まるため、売却を検討する良いタイミングです。
シーズンの少し前に売却を進めることで、買取業者が在庫を確保するため、より高い査定額が期待できます。
査定前に一度綺麗にしておく
バイクを査定に出す前に一度綺麗にしておくことで、高額査定に繋がることがあります。
大幅に査定額が上がるわけではありませんが、見た目が良いと売りやすくなるため、高評価に繋がるでしょう。
また、ピカピカの状態で査定に持っていくことで、査定士に大切に乗っていた印象を与えられます。
純正パーツは揃えておく
社外品でカスタマイズしている場合でも、できるかぎり純正パーツは揃えておくと良いでしょう。
社外品でカスタマイズしているバイクは、査定時にマイナス評価となることがあります。
これは、カスタムバイクを元に戻す作業に時間と手間がかかるからです。
そのため、純正パーツを揃えておくことで、必要に応じて元の状態に戻せるようにしておくと査定額が高くなる可能性があります。
買取業者としても、純正パーツが揃っていると安心して再販できるため、評価が上がる可能性があるでしょう。
査定時に純正パーツを一緒に持ち込むことで、業者にとっても取り扱いやすくなり、結果的に高い査定額を引き出すことが可能です。
不備がある箇所は査定前に伝える
バイクを査定に出す際は、損傷や不具合のある箇所を正直に伝えることが重要です。
買取業者にとって、不具合のある部分を知ることは修理コストなどを評価するための重要な情報となります。
隠さずに正直に伝えることで、査定士は安心して査定を行うことができ、結果としてより良い条件で買取価格を提示してもらえる可能性が高まるでしょう。
逆に、不明な部分があるとリスク対策として買取価格が下がることがあるため、注意が必要です。
複数の業者に査定を依頼する
寿命が近いバイクの基準や得意とするバイクは、買取業者によって異なるため、買取額も変わります。
そのため、複数の業者に査定を依頼することが大切です。
1つの業者だけに頼るのではなく、複数の業者に査定を依頼することで、最も高い価格で売却できます。
さらに、業者ごとに流通経路も異なるため、数十万円の査定額に差が生じることも珍しくありません。
そのため、複数の査定を比較し、最適な業者を選ぶことが、高値で売却するための鍵となります。
バイクを買取依頼するタイミング
バイクを買取依頼するタイミングに悩む方も多いでしょう。
先述の通り、大型連休前やボーナス時期が良いとされていますが、車検のタイミングも重要です。
車検はまとまった費用がかかり、修理や部品交換が必要になる場合はさらに費用が増えます。
特に、バイクの状態が悪く修理費が高額になる場合、その合計が20万円を超える可能性もあるでしょう。
車検前に売却することで、車検費用を節約し、新しいバイクの購入資金に充てることも可能です。
特に古いバイクで部品交換が必要な場合、車検前の売却をおすすめします。
まとめ
5万キロを超えるバイクは、パーツの消耗やエンジンへの負担が大きく、査定価格が低くなる場合があります。
しかし、しっかりとメンテナンスがされており、コンディションの良いバイクは高価買取も期待できます。
この記事で解説した高く売却するポイントや下取りと買取の違いを理解して、納得のいく売却を目指しましょう。