トミーカイラはほとんどの車種が生産中止となっていますが、人気の車種は非常に高値でリセールされています。
前述した中古車販売価格が約930万円のM30は、新車価格では580万円でした。購入時から約1.6倍も値上がりしており、国産車と比較してもはるかにリセールバリューが高いと言えます。
コアなファンから根強い人気があるため、バリューも下がりにくい傾向があります。査定時にはトミーカイラならではの走行性能や装備を明確に伝えて、高額査定を目指しましょう。
概要や歴史
トミーカイラは自動車メーカー「トミタ夢工場」が製造・販売していたコンプリートカー・カスタマイズカーのブランドです。
ブランド名は、創業者の富田義一(とみたよしかず)社長と解良喜久雄(かいらきくお)副社長の名字を組み合わせたことが由来とされています。
1987年に日本初の公認チューニングカー「M30」を販売し、一躍有名になりました。
その後は日産やスバル、トヨタなどの国産車をベースに、スポーツカーから軽自動車まで、多くの公認コンプリートカーを製造・販売しています。
1995年には完全オリジナルスポーツカー「ZZ」を発表し、国内12番目の自動車メーカーとして活動を始めました。車名の由来は、「自らの手で車を作りたい」という創業者2人の夢が叶ったときには歳を重ねて「爺・爺」になっていたことから、名づけられました。
2003年に倒産したものの、現在はオリジナルカーの製造はGLM株式会社に、コンプリート・チューニングカーの開発・製造・販売はGTS株式会社に事業継承されています。
2015年にはGLM社がZZをEVスポーツカーとして復活させ、話題になりました。また2022年には京都市に「トミーカイラ・サロン」がオープンし、1台のみ現存するプロトタイプの「ZZII」が展示されました。今後の動きとして「ZZⅡ」の限定生産、新たなモデル「ZZⅢ」の構想が期待されるなど、話題に事欠かなさそうです。
トミーカイラのスペック
人気のオリジナルカー「ZZ」には、初代モデルとEVモデルがあります。
初代ZZは超軽量ボディで、軽量アルミ製のスポーツエンジン「SR20DE」をリヤミッドシップ搭載しています。出力は185psをマークし、パワーウェイトレシオは3.8kg/psと、レーシングカーに近い性能と言えるでしょう。レーシングカーデザイナーの由良拓也氏が施した丸みを帯びたデザインも特徴的で、スポーツカー好きにはたまらない外観、走行性能が魅力です。
EVモデルは、初代のコンセプトを引き継いで新規設計されました。EVスポーツカーとして国内で初めて認証を取得した車両でもあります。発進からわずか3.9秒で時速100kmに到達するという驚異の加速性能を誇り、最高出力225kW(305馬力)、最大トルク415Nm(42.3kgm)とエンジン性能も高いです。運転席のヒップポイントは280mmと路面にとても近く、ピュアドライブが楽しめるでしょう。