「車を修理するか廃車にするかどう判断したらいいの?」「事故車の修理代は高いの?」と悩んでいる方もいるでしょう。
車を修理する場合は、費用だけでなく時間もかかることを考慮する必要があります。
そこで本記事では、事故車は修理か?廃車か?損傷度合いによる判断ポイントを解説します。
事故車を修理?廃車?判断するポイント
事故車を修理にするか、廃車にするかを判断するポイントを解説します。
廃車がいい場合
まずは廃車にするほうが良い場合について解説します。
車のフレームまで損傷している
車のフレームまで損傷している場合、元の状態に戻すのは難しいため、廃車にする方が良いでしょう。
フレームの部分は数多くあるため、1部を紹介します。
- ・クロスメンバー
・インサイドパネル
・ラジエーター
・センターフロアパネル
・リアフロア
などが挙げられます。
これらのフレームに傷や支障が出ると、強度が低下します。
さらに、フレームのダメージが大きい場合は不安定な走行になり、重大な事故になり兼ねません。
また、フレームを修理しようとすると高額な修理費がかかる傾向にあるため、廃車にするのがおすすめです。
車が水没した
洪水や台風などの自然災害や、駐車場や道路の浸水、河川の氾濫などによって水に浸かったり、水中に沈んだりした車両のことを、水没車と呼びます。
この際、すべてが廃車になるわけではなく、水にどれほど浸かったのかによって判断は異なります。
たとえば、水没が軽度の場合は、破損している部分やサビの部分を交換するだけで乗り続けることが出来る場合もあります。
ただし、車を使用しているうちに経年劣化が早まるケースもあるため、注意しましょう。
また水没車の基準は、集中豪雨や洪水などで室内フロア以上に浸水した場合、または過去の浸水で査定時の価格が低くなる見込みがある場合の2つです。
参考:一般財団法人日本自動車査定協会 (JAAI)
車が10万キロ10年を超えた
走行距離が10万キロ以上になると、経年劣化によるリスク回避にかかる費用や現状維持するための費用など、車検代も高額になります。
また10年以上経過した場合でも同様に、故障のリスクが高まり危険なため、10万キロ10年を超えた場合は廃車を検討しましょう。
修理がいい場合
次は修理をした方が良い場合を解説します。
修理代が高額ではない
修理にかかる費用が100万円以下の場合は、修理がおすすめです。
ただし、修理時に車両保険を利用すると、保険等級が下がる可能性があります。
車両保険の利用を検討する際には、翌年度の保険料と修理費用を比較して、どちらが結果的に高くなるのかを見積もりしましょう。
愛着のある車を購入して間もない
愛着のある車を購入してすぐに事故した場合は、修理を検討することがおすすめです。
愛車のある車を事故後に廃車にすると、後で後悔する可能性が高いです。
特に、生産終了したモデルや入手困難な車種の場合、代替車を見つけることが難しくなります。
そのため、廃車にする前によく考えることが重要です。
また新車は、メーカー保証を利用できるかどうかを確認することが大切です。
車検を受けたばかり
車検を受けたばかりの場合は、修理を検討することがおすすめです。
特に新車の場合は購入してから3年後に初めて車検を受ける必要があり、その後は2年毎の車検となります。
そのため、ほかと比べて車検の頻度が低く経済的に有利です。
さらに、新車を購入してから13年目以降は、自動車重量税が上がるため車検費用が高くなります。
したがって、購入したばかりの新車や、車検を受けたばかりの年月の浅い車は修理して乗り続ける方が良いでしょう。
修理や廃車を選ばず売却するのも1つの手段
事故した車を修理や廃車にせず、売却するのも1つの手段です。
損傷が激しい場合は売れるのか不安な方も多いでしょう。
実際には、買取業者が中古車として販売するために買取をしてくれます。
車の部品は年々高騰しているため、需要があります。
車を手放すのに悩んでいる方は、買取業者に相談してみましょう。
事故車が故障した可能性のある症状
事故車が故障するとどのような症状が出るのでしょうか。
以下で解説していくので当てはまる場合は、車両の点検を依頼しましょう。
異音がする
故障している車の代表的な症状が異音です。
異音は走行中だけでなく、ブレーキをかけた際やエンジンを始動させた際にも音がする場合があります。
異音が発生した場合は、故障や不具合を起こしている可能性があります。
たとえば、以下のような異音がでていたら危険です。
- ・ブレーキ「キキー」
・ベルト鳴き「キュルキュル」
・金属音「カンカン」
・オーバーヒート「ゴーゴー」
上記を参考に、早めに車を見てもらいましょう。
異臭がする
異臭がするのも、故障をしている可能性があります。
たとえば、以下のような臭いを感じたら危険です。
- ・排ガスの匂い焦げた臭い
・ゴムの臭い生臭い
上記の臭いを感じた場合は、マフラーや配線などに不具合が発生している可能性があるため、放置しておくと重大な事故になります。
違和感がある
異音や異臭以外にも、違和感を感じる場合は、故障している可能性が高いです。
たとえば、ハンドルが左右にぶれていたり、重く感じたりすることが挙げられます。
日常生活において、普段から頻繁に運転をしている方は違和感を感じやすい傾向にあります。
故障を早期発見できた場合は、簡単な修理で済むこともあります。
違和感を感じた場合は、早めに点検をしましょう。
警告灯が点灯している
車の不具合は警告灯でも検知できます。
メーターパネルに警告灯が点灯していると、故障している可能性が高いです。
たとえば、半ドア状態やシートベルトをしていないと、警告が赤く点灯しているのを経験した方は多いでしょう。
実際に不具合が起きた場合も同じように警告灯が点灯します。
事故車を修理する依頼先と費用
事故車を修理する際に依頼できる業者は3つあります。
一つずつ特徴を解説します。
ディーラー
車を販売しているディーラーは、修理も対応可能です。
工場のないディーラーでも、提携先の工場で修理してもらえます。
デメリットとして費用がほかの業者に比べると高いですが、純正部品を使用して修理してもらえるため安心です。
また車を購入してから間もない場合は、メーカー保証が適用される場合があります。
また、ディーラーは、代車サービスを無料で提供しているのも特徴です。
通勤や買い物など日常で車をかかせない方におすすめです。
整備工場
修理費用をディーラーより抑えたい方は、整備工場に依頼をするのをおすすめします。
街中にある整備工場は、個人依頼にも対応してもらえます。
さらに、ディーラーでは対応しきれない場合でも、修理できるケースがあるのも魅力的です。
デメリットとして、工場ごとに修理の品質が異なるため、信頼できる工場を選ぶことが重要です。
また、代車サービスが提供されないことや、時間がかかる場合もあるため、それらも考慮しておきましょう。
カー用品店
一部の故障はカー用品で修理してもらえます。
たとえば、パーツ交換やタイヤ交換などが代表的です。
品揃えが豊富で、メーカー純正パーツを使うよりも価格を抑えて修理できるのがメリットです。
しかし、すべての故障に対応できるわけではなく、動力系とメーカーの最新システムはカー用品店では修理対象外なため注意しましょう。
事故車を修理する際の注意点
ここでは事故車を修理する際の注意点について解説していきます。
事故車は修理費用が高くなる傾向にある
事故車の修理費用は、損傷した箇所や大きさによって変動します。
修理費用の相場は以下の通りです。
- ・エンジン:約30万円~100万円以上
・フレーム:約10万円~100万円以上
・バンパー:約5万円~20万円以上
・ドア:約2万円~10万円以上
エンジンやフレームなどの車の心臓となる重要な箇所が損傷した際、修理費用も高額になります。
また修理費用は車種やグレードによっても異なります。
高級車や外車などはさらに修理費用が高額になる傾向です。
ローンが残っていると廃車にできない
金融会社などにローン契約をして車を購入した場合は、車の所有者がローン会社やディーラーになるため、所有権を解除する手続きをしなければなりません。
ただし、所有権の解除手続きをするにはローンを完済している必要があります。
そのため、ローンが残っている車を廃車にする場合は、残金をすべて一括払いする必要がある点に注意しましょう。
事故車は査定額が下がる可能性がある
事故車は修理して元の状態に戻した場合でも、車のフレーム(骨格部分)が損傷していた場合、その車は修復歴車として扱われます。
そのため、査定時する際に買取価格が低くなる傾向があります。
一般財団法人日本自動車査定協会 (JAAI)は、「交通事故や災害によって、自動車のフレーム(骨格)などに修復歴のある車のこと」を修復歴車と定めています。
参考:一般財団法人日本自動車査定協会 (JAAI)
修理を判断する際、事故車は売却時に査定額が下がる可能性があることを考慮しましょう。
早めに廃車にすると税金がお得になる
早めに廃車手続きをすると、還付金や返戻金を受け取れます。
受け取れる還付金や返戻金の内容は以下の通りです。
- ・自動車税:毎年4月1日時点で車を保有していると課せられる税金
・自動車重量税:車の重さと経過年数に応じてかかる税金
・自賠責保険の保険料:すべての車が加入を義務付けられている保険
上記のような還付金や返戻金は、翌月から3月までの残り月分を受け取ることができます。
修理にかかる期間
輸入車を修理する際、日本に対応できる部品がない場合、海外から取り寄せする期間が発生します。
そのため、車の修理期間は車種や損傷度合いによって変わります。
たとえば、ドアの傷が5㎝以下の傷であれば数時間程度で完了することがありますが、ガラスやバンパーなど大規模な交換作業を含む場合は、部品の取り寄せや作業に数日を要することがあります。
さらに、修理期間が長引くケースとしては、エンジン部分を取り外しして修理する場合や、フレームの交換が必要な場合が挙げられます。
事故で廃車になった際の保険
事故で廃車になった際に保険はどうするのかを解説します。
車両保険に加入していると全額保証
車両保険に加入していると、過失割合に関係なく契約時に設定された車両保険金額が全額補償されます。
車両保険金額の設定は契約時に車の時価相当額で判断され、たとえば100万円〜120万円などと保険会社に提示された金額で選択可能です。
時価相当額とは、契約時に車が市場で評価されている価値のことで、需要が高いほど設定できる保険金額が高くなります。
全損の場合は全損保険金が適用
全損の場合は全損保険金が適用され、保険会社から車の時価相当額が受け取れます。
ただし、年数が古い車の場合は時価相当額が低くなる傾向にあるため、金額も少なくなります。
例外として「車両全損修理時特約」の契約をしていれば、時価相当額を超えた金額を補償してもらえます。
たとえば、時価相当額が100万円、修理額が120万円で全損になったケースの場合は、不足している20万円の費用を受け取ることが可能です。
そのため、「愛着があり全損にしたくない」または「年式が古いため全損保険金が少なくなり同じ車を購入できない」などの場合に備えて、「車両全損修理時特約」の契約を検討しましょう。
特約で保険金が増える可能性がある
保険金が増える可能性があるのは、「新車新価特約(新車特約)」や「買替時諸費用特約」などです。
新車特約は、修理費が新車相場価格の50%以上になる場合、新車購入費用を補償してくれます。
一方で車両保険のみの場合は、車両保険の金額が1年ごとに20%軽減されますが、新車特約を契約していると設定した金額を全額支給されます。
たとえば、200万円の新車を購入した場合、車両保険の金額は1年ごとに異なります。
- ・1年目:200万円
・2年目:140万円
・3年目:90万円
3年間経過している場合、新車同様で90万円ほどの補償です。
全額補償で同等の車を購入したい方は、特約の契約を検討しましょう。
まとめ
本記事では、事故車は修理?廃車?損傷度合いによる判断ポイントを解説しました。
車を修理する場合は、費用だけでなく時間もかかることを考慮するのが重要です。
廃車を検討したほうが良い場合は以下の3つです。
- ・車のフレームまで損傷している
・車が水没した
・車が10万キロ・10年を超えた
修理を検討したほうが良い場合は以下の3つです。
- ・修理代が高額ではない(100万円以下)
・愛着のある車を購入して間もない
・車検を受けたばかり
上記の基準から、「車を修理にするか廃車にするかどうしたらいいの?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。