外出先で車にトラブルが発生した場合、焦ってしまう方もいるでしょう。
急に車の修理を依頼したい場合、出張修理に対応してくれる業者の存在は大きいです。
本記事では、出張修理の依頼先や費用、修理にかかる時間などを解説します。
いざというときに備えて、この記事をしっかり読んで覚えておきましょう。
動かない車を修理に出す前にしておくべきこと
突然車が動かなくなってしまったら、誰でも焦ってしまいます。
まずは落ち着いて、車の状況を確認しましょう。
ここでは修理を呼ぶ前に自分でできるチェックポイントをいくつか紹介していきます。
ガソリン残量をチェックする
まずガソリンの残量をチェックしましょう。
燃料残量警告灯の表示を確認します。
ガソリンが無いため、エンジンがかからなくなっている可能性があるためです。
また警告灯が備わっていない場合は、セルをイグニッションまで回し、ガソリンメーターをチェックしましょう。
車が動かなくなってからでもガソリンを入れられる手段をいくつか紹介します。
- ・牽引して車をガソリンスタンドまで運ぶ
・ロードサービスに給油を依頼する
・ガソリンスタンドまで車を手で押して移動する
・ガソリンスタンドまで歩いて出向き、携行缶を借りる
・配達に対応している業者にガソリンの配達を依頼する
ガソリンスタンドが近くにあるなら車を手で押しても良いでしょう。
ただし、高速道路上は歩行できません。
JAFや任意保険のロードサービスを利用して給油してもらいましょう。
セルを回し、エンジン音をチェックする
ガソリンが残っている場合、エンジンをかけて音を確かめましょう。
「カチカチ」という音がするかどうかで原因を絞っていきます。
カチカチと音が聞こえるなら、セルモーターが回っているということになります。
セルモーターが正常であれば、動かない原因はバッテリーが切れているか、もしくはバッテリーケーブルが断線している可能性があるということになります。
なにも音が聞こえないのであれば、エンジンを始動するためのセルモーターに不具合が生じている可能性があります。
「いつも聞こえる音が聞こえなくなった」場合は、セルモーターに原因があると考えてよいでしょう。
バッテリーをチェックする
バッテリーの耐用年数は数年ですので、定期的にバッテリーを交換する必要があります。
車を動かしていなくても消耗が進んでしまうため、正常な状態かどうかを確認しましょう。
バッテリーのケーブル端子付近に白色または青色の粉が付着している場合、バッテリーが腐食しはじめている可能性が高いです。
バッテリーを交換してから3年以上経過している場合、バッテリー上がりや腐食によって動かなくなってしまう場合があります。
ですので、バッテリーは定期的に交換や目視でチェックするのが良いでしょう。
上記以外のチェック項目
ガソリンも残っていて、エンジン音やバッテリーにも問題がない場合、以下のような原因が考えられます。
- ・メインヒューズが飛んでいる
・燃料ポンプの故障
・ファンベルトが切れている
・オートマオイルが漏れている
・スマートキーの故障・電池切れ
オプションとして電気の消費が大きい電装品を追加した車は、ヒューズが飛んでいる可能性があります。
そのほかにも、燃料ポンプの故障やオイル漏れ、スマートキーの故障や電池切れも疑うべき箇所です。
自分で判断できないときは、業者に相談するのが良いでしょう。
出張修理が依頼できる業者
出張修理を呼ぼうにも「どこに連絡したら良いか分からない」と困っている方のために出張修理に対応している業者を紹介します。
それぞれの特徴を知り、ベストな業者を選択してください。
ディーラー
車を購入したディーラーに連絡すれば、トラブルに応じたアドバイスやサポートをしてもらえます。
車の保証期間内であれば無料でサポートをしてくれる場合もあります。
店舗近辺でのトラブルであれば車の移動から修理まで、一貫したサポートを受けられます。店舗から遠い場所でトラブルが起こったとしても、連絡すれば解決のために相談に乗ってくれるでしょう。
JAF
JAF会員の方は「車の緊急時にはJAFに依頼する」と決めている方もいらっしゃると思います。
基本的にJAFは利用料が必要ですが、会員であれば一部のサービスを無料で受けられます。以下に主なトラブル対処の利用料金をまとめました。
一般料金 | 会員料金 | |
燃料切れ | 16,770円 | 無料 |
バッテリー上がり | 13,130円 | 無料 |
パンク | 13,330円 | 1本無料 |
故障車の牽引 | 13,130円 | 15kmまで無料 |
24時間サポートを受け付けているため、夜間の運転が多い方も安心です。
ですが、あくまでもJAFは公道走行中のトラブルを解決するための手段 で、公道以外のトラブルには対応できないケースもあります。
ですので、JAFに依頼する際は十分に注意して依頼しましょう。
近くの整備工場
日頃から自動車修理工場とやり取りしている場合、適切な対応をアドバイスをもらえるでしょう。
牽引の依頼が可能であればお願いしましょう。
牽引車を所有していなければ、別途レッカー車を依頼しなければならない場合があり、費用の負担が大きくなってしまう可能性があります。
トラブルが発生してから焦ることのないよう、いくつか自動車修理工場をピックアップしておくことをおすすめします。
出張修理の専門業者
自宅や現地まで出張して修理・整備に対応してくれる業者もあります。
出張修理を行っている修理工場ならロードサービスと同じように現場に来て修理をしてもらえます。
その場で直せない故障であれば、牽引車または積載車で工場まで運搬し、修理を受けられる場合もあります。
最近ではスマートフォンで簡単に修理を依頼できる業者や、整備士に直接不明点を相談できる業者もあるので、使用してみるのも良いでしょう。
保険会社経由
任意保険に加入している方は、保証内容を確認しましょう。
ロードサービスの特約を付けているなら、路上で動かなくなった場合でもサービスを受けられる場合があります。
保証内容がわからないときは、連絡して保険会社に確認しましょう。
事故やトラブルはもちろん、ガソリン配達サービス・ガソリン切れで動かない車にも対応してくれる保険もあります。
ロードサービス到着後、スムーズに対応できるように、あらかじめ電話で詳しく状況を伝えましょう。
パターン別の出張修理依頼先
修理を依頼する箇所によってベストな依頼先は変わってきます。
故障している箇所が明確に 判明している場合は、自分で修理依頼先を決めたほうがスムーズにやり取りできます。
ここからは修理箇所のパターン別にベストな業者を紹介します。
エンジンなどの複雑な箇所なら整備工場もしくはディーラー
エンジンやトランスミッションなど車の複雑な部分を修理する場合、整備工場やディーラーがおすすめです。
理由としては、以下2点が挙げられます。
- ・カー用品店やガソリンスタンド、ではエンジンなどの複雑な修理に対応できない場合がある。
・車の安全性や走行性能に直接関わってくる修理は、正規部品を使用したほうが良い。
カー用品店やガソリンスタンドでは、エンジンなどの高度な技術や設備を要する修理には対応していない場合があります。
特にガソリンスタンドでは小さな傷やへこみにしか対応できない場合が多いため、ディーラーや修理工場へ持ち込んだほうが安心でしょう。
エンジンやブレーキといった安全性に関わる重要な部分は、確実な修理をしなければ最悪の場合、事故に繋がってしまう恐れがあります。
可能であればディーラーで正規部品を使って修理してもらうのが一番安心できるでしょう。
予算に余裕がない場合、修理工場の方がディーラーよりも価格を抑えて修理できる可能性が高いです。
正規部品にこだわりたいならディーラー、なるべく価格を抑えたいのであれば修理工場で依頼するのが良いでしょう。
傷・へこみならカー用品店・ガソリンスタンド
へこみや傷など車の簡単な修理なら、カー用品店やガソリンスタンドがおすすめです。
理由としては、以下2点が挙げられます。
- ・簡単な修理であれば、カー用品店やガソリンスタンドの方が修理費用が低い。
・店舗数が多いため、待ち時間が短く短時間で修理が済む。
エンジンやブレーキといった重要な箇所の場合は、修理費用よりも安全性を重視するべきです。
ですが、傷やへこみなど簡単な修理であれば外見だけ整えられれば良いという方も多くいらっしゃると思います。。
その場合は、費用が比較的低いカー用品店やガソリンスタンドの方が、費用を抑えた上で満足のいく修理をしてもらえる可能性が高いです。
また、カー用品店は在庫が豊富で修理サービスも幅広く提供しているため、作業時間も短時間で済みます。
ガソリンスタンドでも傷の程度によっては即日修理できる場合がほとんどです。
簡単な修理であればカー用品店やガソリンスタンドに依頼することをおすすめします。
パンクなら業者もしくは自分で修理
パンク修理なら自分で修理するか 業者に依頼しましょう。
スペアタイヤと道具を用意できれば自分で修理することができます。
修理方法としては「スペアタイヤに交換する」もしくは「パンク修理キットを使用する」という2つの方法が考えられます。
ほとんどの車にスペアタイヤが装備されているので、ジャッキなどを使ってスペアタイヤに交換するほうが、簡単に短時間で費用もかからず修理できます。
車の構造やタイヤの修理方法を理解していれば、自分で修理することは可能です。しかし慣れていない場合は、修理に失敗してタイヤがより大きく破損する可能性もあります。
確実に修理できるのは業者なので、少しでも不安がある場合は迷わず業者に依頼しましょう。
パターン別の修理費用と時間
車を修理に出した際に、気になるのが費用と時間です。
修理にかかる費用と時間は修理する箇所によって異なってきます。
パターン別に解説していますので、参考にしてみてください。
オイル漏れ、ベルト交換の修理費用と時間
ベルト交換の費用はファンベルトが1万円〜1万5,000円程度で、
タイミングベルトは2万円〜5万円程度が相場でしょう。
一般的に軽自動車のほうが普通自動車より価格が低いです。
ファンベルトは1時間程度で交換できますが、タイミングベルトの交換は複雑な作業になるため5時間程度かかる場合があります。
オイル漏れによって車が動かない場合、簡単な作業であれば1万円程度で対応してくれる業者もいるでしょう。
ただし、エンジン周辺にオイルが付着していたり、エンジン内部の修理が必要と判断された場合には、30万円以上かかるケースもあります。
ラジエーター故障の修理費用と時間
ラジエーターの修理費用はさまざまな要因で変わってきます。
- ・国産車か外車か
・純正パーツ、社外品パーツ、中古品パーツのうち、どれを選択するか
・修理対象となる車種
・エンジンの排気量
以上のような条件で費用は変わってきます。相場としては3万円〜8万円ほどです。
修理に要する期間は、平均2〜3日ほどでしょう。
ヒューズが切れてしまった場合の修理費用と時間
ヒューズが切れて車が動かない場合は数百円程度で交換できます。
部品自体はカー用品店でも手に入れることができます。カー用品店に依頼するか、交換方法が分かれば自分で修理しても良いでしょう。
ただし、過剰な電気の流れによりショートしたことが原因で、ヒューズが切れてしまった場合であれば、電気系統が故障している可能性があり、複雑な修理が必要になります。
ヒューズの交換だけでは済まない場合もあります。修理費用は10万円を上回る場合もあり、修理内容によっては、数時間以上かかる可能性があります。
バッテリーの修理費用と時間
バッテリーの交換は、工賃を含めて1万円〜5万円程度かかります。
車種によって搭載しているバッテリーのタイプが違うため金額の幅が広いです。
大まかな相場として覚えておきましょう。
一般的にガソリン車に比べると、ハイブリッド車のほうが高額になる可能性があります。
交換にかかる時間は比較的短く、10分〜30分が目安です。
バッテリー交換は自分で行う方もいますが、作業中にバッテリー以外の部分が故障してしまう場合があるので、余計な修理費用を増やさないためにも、業者に依頼したほうが良いでしょう。
車修理代についての相場はこちら(2月作成分)
車の修理中に移動する手段とは?
毎日通勤や通学で車を利用している方にとって、車という移動手段がなければ生活できないという状況になるかもしれません。
車を修理に出している期間の移動手段の例を2つ紹介します。
代車を利用する
車を修理に出す際、代車の貸し出しサービスを利用できる業者もあります。車の修理は場合によっては数か月かかる可能性があるので、ほかに移動手段がない方は代車を活用しましょう。
まれに代車の貸し出しを行っていない業者もあるので、事前に確認すると良いでしょう。
修理の際に代車を借りる費用としては、業者に代車の空きがあれば無料となる場合もあります。
しかし、突発的な修理依頼の場合、代車を確保できない可能性があります。
業者がレンタカーを借りると1日5,000円〜1万円程度を利用者側が負担しなくてはなりません。
加入している自動車保険に代車費用特約が付帯している場合があるので、保険会社に問い合わせてみましょう。
レンタカーを利用する
車を修理に出して代車を借りられなかった場合は自分でレンタカーを手配しましょう。
1カ月単位で長期間貸し出してくれる業者もいます。
軽自動車の場合1日5,000円〜7,000円程度かかります。
普通車やミニバンなど車種によって代車費用の開きが出てくるので、自分の状況にあわせて車種を選択すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
車の修理が必要になった場合、出張修理に対応している業者が複数あることが分かったと思います。
修理する箇所によって、時間や費用が異なってくることも分かりました。
トラブルが突然起きてしまって
慌てないためにも、本記事を参考に日頃から備えておきましょう。