車のボンネットは気付かぬうちに傷やへこみができてしまうことがあります。
それほど、ボンネットは少しの衝撃で損傷を受けやすいデリケートな部分です。
車の正面にあるボンネットは小さなへこみや傷でも、目立ってしまうことが多く、気になる方も多いでしょう。
そこで本記事では、ボンネットの修理をする際の修理費用や交換費用について解説します。
ボンネットの修理を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
車のボンネットが損傷する原因
ここでは、車のボンネットが損傷する原因を解説します。
傷やへこみの原因
傷やへこみができる原因は、以下のとおりです。
- ・飛び石
・自然現象や原因が不明
・衝突
・洗車
・ボールやイタズラ
・猫などの動物
それぞれの原因を解説します。
飛び石
飛び石はタイヤに挟まり、勢いよく飛んでくるため、知らないうちにボンネットに傷やへこみができていることがよくあります。
特に前を走行しているのがトラックなどの大型車の場合、大きな石が飛んでくることは少なくありません。
走行中は前の車との車間距離を確保し、スピードを出しすぎないように気をつけましょう。
自然現象や原因が不明
積雪地域に住んでいる方は、雪やヒョウなどの自然減少によってボンネットがへこむこともあります。
たとえば、駐車場に停車している際に、屋根に積もった雪が車のボンネットに落ちると、ボンネットがへこんでしまうことがあるのです。
積雪地域の方は、なるべく屋根付きのガレージに駐車するなどの対策を取りましょう。
また、ボンネットを傷つける要因は日常のあらゆるところに潜んでいるため、原因がわからないことも多いといわれています。
少しでも傷を負うリスクを下げるために、屋内駐車場やガレージを利用して車を保管するのがおすすめです。
洗車
洗車をする際に砂埃や汚れなどを落とさずに、そのままこすったり拭いたりすると、摩擦によって傷ができてしまう恐れがあります。
また、洗車道具の素材によっては、細かい傷がついてしまうことも珍しくありません。
洗車の際には、まず水で砂埃や汚れを洗い流し、その後に洗車道具を使ってから、プロに手洗い洗車を依頼すると、洗車により傷のリスクを下げられるでしょう。
ボールやイタズラ
子供が遊んでいたボールがボンネットに当たってしまったり、イタズラによって傷つけられたりすることもあります。
傷の大小にかかわらず、故意に傷つけたものであれば、刑事罰の対象となります。
防犯カメラやドライブレコーダーを設置して、対策しましょう。
猫などの動物
猫などの野生動物がボンネットに乗り、爪が当たって傷がついてしまうこともあります。
特に日向に駐車していると、温かいため猫が寄ってきやすくなります。
ボンネットの上に毛布を敷いたり、カバーをかけたりして、対策するのがおすすめです。
損傷したボンネットをそのままにしておいた場合の危険性
ボンネットが傷ついたり、へこんでいても走行できる場合は、手間やお金のことを考えて修理を後回しにしてしまう方もいるのではないでしょうか。
しかし、損傷したボンネットをそのままにしておくと、さまざまなリスクが生じます。
ボンネットはエンジンやバッテリーなど車の走行に重要な装置が収納されている場所で、このような装置を守る役割を果たしています。
そのため、ボンネットに大きなへこみができた場合にはエンジンやバッテリーに被害が広まっている可能性も考えられるのです。
また、放置するとダメージを受けた場所からサビが進行したり、さらなる傷や事故につながる恐れがあるため、傷やへこみができてしまった場合はすみやかに修理しましょう。
ボンネットの修理方法
ここでは、ボンネットの修理方法を原因別に解説します。
へこみ
ボンネットのへこみの修理方法は、大きく分けて「デントリペア」と「板金塗装」のふたつあります。
それぞれの修理方法を解説します。
デントリペア
デントリペアは、主に小さなへこみを直すのに用いる修理方法です。
吸盤のようなものをボンネットにくっつけて、外側から引っ張り上げることで、へこんでる部分を持ち上げます。
作業時間は10分程度と短く、修理代も安く済むのがメリットです。
ただし、複雑なへこみや塗装はがれが起きている場合には対応ができないため注意しましょう。
板金塗装
板金塗装は、デントリペアでは対応できない複雑なへこみや大きなへこみのときに用いる修理方法です。
へこんでいる部分をパテで成型し、研磨や塗装をするため、専門的な技術を要します。
修理代も高く、デントリペアと比較すると修理時間も長くなるのがデメリットです。
板金塗装でも直せないへこみは交換が必要になるため、さらに修理代は高額になります。
傷
傷の修理には、コンパウンドを使用しましょう。
コンパウンドは、車にできた傷を直すだけでなく、頑固な汚れ落としにも役立ちます。
コンパウンドを使用した修理方法は、以下のとおりです。
- ①車についた砂埃や汚れを洗い流す
②水分を拭き取る
③乾いた布にコンパウンド(細め)を取り、修理したい箇所を磨く
④乾いた布で拭き取る
⑤コンパウンドの研磨痕が残る場合は、仕上げにコンパウンド(極細)で磨く
コンパウンドを使用する際は、まっすぐに磨くようにしましょう。
塗装剥がれ
塗装剥がれは、剥がれている程度によって修理方法が異なります。
軽度の塗装剥がれは、タッチペンの塗装で補修が可能です。
一方で、塗装剥がれがひどい場合は、コンパウンドで研磨してから表面を塗装する必要がありますが、補修の難易度が高いためプロに依頼するのがおすすめです。
ボンネットの修理・交換に必要な費用と日数は?
ここでは、ボンネットの修理、交換にかかる費用や日数を解説します。
ボンネットの修理・交換に必要な費用
ボンネットの修理や交換に必要な費用は、修理内容によって異なります。
へこみ、傷、塗装剥がれ、交換に分けて解説します。
へこみ
ボンネットのへこみの修理に必要な費用は、以下のとおりです。
必要な費用 |
|||
修理依頼先 | 10㎝以内のへこみ | 10㎝~20㎝のへこみ | 20㎝以上のへこみ |
ディーラー | 6万円以上 | 7万円以上 | 8万円以上 |
カー用品店 | 4万円以上 | 4万円~5万円以上 | 6万円以上 |
板金業者 | 一律25,300円 | 一律38,000円 | 一律39,600円 |
傷
ボンネットの傷の修理に必要な費用は、以下のとおりです。
必要な費用 |
|||
修理依頼先 | 10㎝以内のへこみ | 10㎝~20㎝のへこみ | 20㎝以上のへこみ |
ディーラー | 6万円以上 | 7万円以上 | 8万円以上 |
カー用品店 | 4万円以上 | 4万円~5万円以上 | 6万円以上 |
板金業者 | 一律25,300円 | 一律38,000円 | 一律39,600円 |
塗装剥がれ
修理依頼先 | 必要な費用 |
ディーラー | × |
修理工場 | 15,000~2万円(剥がし塗装)
4万円~5万円(下吹き・上吹き塗装) |
ディーラーでは基本的に剥がれの修理を行っていません。
修理工場で修理を依頼する場合は、剥がし塗装か下吹き・上吹き塗装かによって必要な費用が異なります。
交換
ボンネットは損傷が大きい場合や素材がアルミの場合は、交換しなければなりません。
ボンネットの交換にかかる費用は、以下のとおりです。
修理依頼先 | 必要な費用 |
ディーラー | 6万円~10万円以上 |
カー用品店 | 6万円~10万円以上 |
修理工場 | 6万円~10万円以上 |
ボンネットの修理・交換に必要な日数
ボンネットの修理や交換に必要な日数は、費用と同様に修理内容や損傷の程度によって異なります。
へこみ
へこみが小さく、塗装作業などが必要ない場合は即日、板金塗装が必要となるへこみの場合は1日〜3日程度かかるのが一般的です。
<>h4>傷
傷の大小によって異なりますが、2日〜5日程度かかるといわれています。
10㎝以内の小さな傷であれば2日前後で直りますが、10㎝以上の大きな傷の場合は5日前後かかるのが一般的です。
塗装剥がれ
塗装剥がれの修理にかかる日数は程度によって異なりますが、1日〜1週間程度が一般的です。
部品交換が必要な場合は長く、塗装剥がれの度合いが軽度であれば即日で修理が完了することもあります。
交換
交換が必要な場合は、部品の取り寄せなどが発生するため1週間程度かかることもあります。
修理を依頼するメリットとデメリット
ボンネットの修理が必要になる原因によっては、自分で修理も可能です。
業者に依頼するメリットとデメリットを把握し、どちらにするか検討しましょう。
メリット
業者に修理を依頼すると、元の近い状態に戻してくれ、出来栄えが違います。
また、サビが生じてしまったへこみでもサビを綺麗に落としてくれるため、そこからサビが進行するのも防げるでしょう。
デメリット
業者に修理を依頼すると、自分で直すよりも費用がかかります。
また、依頼先の予約状況や休業日などによっては、修理期間が長くなってしまうケースもあるでしょう。
店舗によっては代車を無料で貸し出しを行っているところもありますが、無料ではない場合にはさらに費用がかかることにもご注意ください。
費用が高くなる要因
ここでは、ボンネットの修理費用が高くなる要因を解説します。
ボンネットは他のパーツに比べて修理費用が高い
ボンネットはへこみの大きさなど、場合によって取り外して修理しなければならないため、他のパーツに比べると修理費用が高い傾向にあります。
車体が大きな車
セダンやワゴンタイプなどのボンネットが長い車種は、パーツ代が高くなるため修理代も高くなりやすい傾向にあります。
ボンネットが長い車種の修理費用は、塗装費を含めると10万円前後が相場です。
軽自動車などのボンネットの短い車種は5万円程度が相場であるため、約2倍もの金額が必要になります。
高い塗料を使用する
ボンネットは、高い塗料を使用しているため、必然的に修理代も高くなっています。
オプションカラーの場合は、塗装の工程が多く、製造数が少ないため、さらに高額な費用が必要です。
ボンネットの交換は修理よりも高くなる傾向がある
ボンネットは他のパーツと比較して交換費用が高いため、場合によっては修理よりも交換費用が高くなる可能性があります。
どちらの方がお得か相談したうえで決めるのがおすすめです。
費用がかさむ場合は車を手放す検討も
ボンネットは交換費用だけでなく、修理費用も高くなってしまうことがあります。
そのため、車の年式や状態によっては、手放す方がお得なこともあるでしょう。
車の乗り換えを検討するときにおすすめなのは一括査定を利用することです。
CTN一括査定では利用者の登録情報をもとに3社を厳選してご連絡しますので、電話ラッシュで時間や手間を取られることがありません。
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そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
「きっと値がつかないだろう」と諦めている方もCTN一括査定なら、愛車にぴったりの買取業者を見つけられるかもしれません。
車を高く売りたいと思っている方は、CTN一括査定をぜひご利用ください。
車のボンネットの修理・交換費用を抑える方法
ここでは、車のボンネットの修理・交換費用を抑える方法を解説します。
自分で修理を行えば費用を抑えられるがデメリットや注意点がある
修理費用を少しでも抑えるために自分で修理しようとする方もいるかもしれませんが、デメリットもあります。
メリットとデメリットを理解したうえで、依頼するか自分で修理するかを決めましょう。
自分で修理を行うメリット
自分で修理を行うメリットは、ふたつあります。
ひとつ目は修理に使用する道具や部品のみで、工賃がかからないことです。
ふたつ目は業者の予約状況や休業日に左右されずに、自由に修理ができることです。
自分で修理を行うデメリット
自分で修理を行うデメリットは、ふたつあります。
ひとつ目は一定の知識や技術が必要なことです。
ふたつ目は損傷を悪化させてしまい、目立ってしまうケースもあることです。
自分で修理を行う際の注意点
自分で修理を行う場合は、ケガややけどのリスクを伴うので注意が必要です。
また、ボンネットのへこみは、度合によって内部に影響が出ているのかといった判断が難しいため、自分で修理できると安易に考えないように気をつけましょう。
中古品のボンネットを使用する
新品ではなく、中古品のボンネットを使用することで、部品代を安く済ませることができます。
ただし、ディーラーは新品の純正品しか取り扱っていないため、修理依頼先には注意しましょう。
また、中古のボンネットはリノベートせずにそのまま使用することが多いため、色褪せやくすみがある可能性もあります。
綺麗に仕上げたい場合には、新品のボンネットを使用するのがおすすめです。
相見積もりをする
修理依頼を出す場合には、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
一括見積を利用し、一番安い業者に依頼するのがおすすめです。
修理の依頼は早めに
安全面においても早めに修理することは大切ですが、費用面においても修理までの早さは重要です。
放置している間に損傷した部分からサビや劣化が進み、内部までダメージが進行してしまい、気づいた頃には致命的な状態になっていることもあるかもしれません。
そのような場合には、さらに修理費用が高額になるでしょう。
自分で修理・交換する方法
ここでは、自分で修理や交換する方法を解説します。
自分で修理する方法
自分で修理する方法は、以下のとおりです。
- ・熱湯やドライヤーを使う
・吸盤で引っ張る
・パテで埋める
・修理キットを利用する
・塗装する
それぞれの方法を解説します。
熱湯やドライヤーを使う
- ①熱湯やドライヤ―でへこみ部分をきちんと熱する
②へこみの裏側からハンマーでたたいて元の位置に戻す
③一気に冷却スプレーで冷やす
吸盤で引っ張る
- ①ドライヤーできちんと温める
②吸盤を使って温めた部分を引っ張り上げて元の位置に戻す
③引っ張り上げた部分を冷却スプレーで冷やす
パテで埋める
- ①クロスで砂埃や汚れを取り除く
②サビがある場合は、サビ落としスプレーでへこんだ部分のサビを落とす
③サンドペーパーでへこんだ部分の塗料を落とす
④パテを塗る
⑤きちんと完走させる
⑥パテの表面が滑らかになるように研磨する
⑦ボディと同じ色で塗装する
修理キットを利用する
修理道具がひとまとめになった「デントツール」「デントリペアキット」といった修理キットも販売されています。
デントツールを使用する方法は、以下のとおりです。
- ①へこみの内側に達するまでデントツールを差し込む
②差し込んだデントツールを少しずつ押して、へこみを押し出す
③裏側からハンマーで叩いて表面を平らにする
④光をあてて凹凸をチェックする
デントリペアキットを使用する方法は、以下のとおりです。
①へこみにデントリペアキットをセットする
②貼り付けたデントリペアキットを引っ張って、へこんでいる部分を引っ張り上げる
③光をあてて凹凸をチェックする
塗装する
- ①車についた砂埃や汚れを洗い流す
②ボンネットについているパーツを外す
③表面に傷やへこみがある場合は、耐水サンドペーパーを使用して表面を平らにする
④新品のスポンジで研磨する
⑤シリコンオフで脱脂する
⑥サーフェイサーをまんべんなく塗布してきちんと乾燥させる
⑦専用の塗装を行う
⑧細目のコンパウンドで表面を研磨して表面を平らにする
⑨シリコンオフで脱脂する
⑩クリア塗装を全体的にスプレーしてマスキングを剥がす
⑪ぼかし剤をスプレーして自然乾燥させる
自分で交換する方法
ここでは、自分で交換する手順を解説します。
ボンネットを開ける
ボンネットを開け、ウィンドウウォッシャーホースも切り離しましょう。
突っ張り棒を設置する
作業中にボンネットが落ちてくると危険であるため、突っ張り棒を設置すると安心です。
ボンネットダンパーを取り外す
ボンネットを開けた際に、開けた状態を保つためにある左右のボンネットダンパーを外します。
ボルトを外す
ボンネットを固定している室内側の4つあるボルトのうちのふたつをひとつずつ順に外しましょう。
残ったふたつのボルトは、手で撮れる程度に緩めておきます。
残り2つのボルトを取り外す
つっぱり棒を外してボンネットを下げます。
ヒンジのあった場所を垂直に持ち上げて、先ほどの残りふたつのボルトも外しましょう。
ボルトを外すと、ボンネットが取り外し可能になります。
新しいボンネットをつける
古いボンネットを取り外したら、逆の要領で新しいボンネットを取り付けましょう。
まとめ
ボンネットは、日常生活の中で傷やへこみなどが生じやすい部分です。
ボンネットの修理は、軽度の損傷の場合は自分でも修理することができます。
自分で修理することで修理費用を抑えられるため、自信のある方にはおすすめです。
ただし、損傷が大きい場合やアルミ素材のボンネットは交換が必要となるため注意しましょう、