車の修理において車検証はとても重要です。
修理業者やディーラーは、車検証に記載された内容を元に手続きや整備工場でのチェックなどに用いられます。
また、車検証の記号や番号には修復歴や事故歴が記載されており、査定や検証作業に影響があります。
そのため、車検証の保管や管理方法にも、十分に注意しなければなりません。
本記事では、車の修理に必要な車検証について徹底解説します。
車検証の重要性について
車検証は車を所有する人は必ず携帯しなければなりません。
車検証の重要性について解説します。
車検証の概要
車検証とは、正式には自動車検査証といい、車の保安基準を満たしていることを証明する書類です。
また、運輸支局や検査協会が新車購入時や車検後に発行しています。
車検証の有効期限は車種ごとに異なるので一律ではないことに注意が必要です。
なお、普通自動車や軽自動車の場合は、新車購入時から3年、以降2年ごとに車検を受けて、車検証の有効期限が更新されます。
車検証電子化による変更点
今まで車検証は紙の原本のみでしたが、2023年1月4日から電子化がスタートしました。
また、従来はA4サイズでしたが、A6サイズに縮小され、ICタグが貼り付けられるようになりました。
用紙の記載情報は最小限となっており、詳細を確認するには専用の車検証閲覧アプリを使用する必要があります。
ディーラーや修理業者などは、オンラインで手続きが可能になり、修理や車検の期間の短縮が可能になりました。
車の修理には車検証が必要
車検証には年式や型式、車体番号などの情報が記載されています。
修理業者が適合するパーツを調べて見積もりを作るのに必要になるため、修理の際に車検証が必要です。
そのほかにも作業工程を調べることにも使用できます。
車検証があることで、車検に合格した証明にもなるので、修理の際には、車検証の提出を忘れずにしましょう。
ディーラーや修理業者からの依頼
修理が必要な時に、万が一車検証を紛失していた場合は自分で手続きすることも可能ですが、ディーラーや修理業者が手続きを行うケースもあります。
再発行の手続きを行う陸運支局や軽自動車検査協会は平日しか開いていません。
そのため、仕事の関係で行くことが難しく、どうしても利用ができない場合は、ディーラーや修理業者からの依頼の通り、手続きをお願いすることをおすすめします。
車検証の各項目について
車検証に記載されている各項目は以下の通りです。
- ①自動車登録番号又は車両番号:ナンバープレートの記載内容。
②登録年月日/交付年月日:車検証が交付された年月日。
③初年度登録年月:初めて登録申請が受理された年月。いわゆる、年式にあたります。
④車名:ブランド名が記載されます。
⑤車台番号:車両ごとに振り分けられた固有の識別番号のこと。
⑥型式:車の構造などを分類するもの。英数字交じりで表記。
⑦種別:普通や小型、軽自動車などの自動車の種別を表します。
⑧用途:乗用や貨物などで表記します。
⑨自家用・業務用の別:自家用か業務用かの表記。
⑩車体の形状:車の形や、車体の形状コード。
⑪総排気量又は定格出力:車の排気量を記載。
車の修理前に修理業者を選ぶポイント
ここからは車の修理に必要な手続きについて具体的に解説します。
相見積もりとして修理費用を比較しましょう
車の修理をしようにも、どこにお願いしたら良いか考える時、購入したディーラーや近場の修理工場を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、1つの業者に絞って修理をお願いすると、その見積もりの内容・金額が妥当なのかが判断することが難しいのではないでしょうか。
そこで、まずは複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。
小さな傷や凹みなどの軽度の症状であれば、インターネットを利用して無料で複数社に一括で見積もり依頼をすることができます。
見積書が手元に来たら、依頼の内容に合致しているか、作業内容と金額がわかりやすくなっているかを確認しましょう。
見積もりの内容を確認したあと、もし不明点があればそのままにせずに、納得できるまで確認するようにしましょう。
そうすることで、不明点が解消され、部品代や工賃など車の修理に関する知識も増えます。
全て見積もりの内容に目を通して総合的に判断して、修理を依頼するお店に車の修理依頼をすると良いでしょう。
代車が借りれるか
代車が借りれるかどうかも修理会社を選ぶポイントのうちの一つとなります。
ほとんどのところで代車のサービスは行っていますが、必要かどうかは修理に出す前に話し、代車サービスを行っているかどうかを確認するようにしましょう。
代車の貸し出しを行っていない場合もあるので、代車の有無と借りられる場合の期間は確認しておきましょう。
また、代車のサービスはあっても有料の場合もあります。
後程に請求され、後々トラブルになってしまうおそれもあるので、費用面に関しても事前に確認しておきましょう。
修理実績の確認
修理をお願いしようとしている車の修理実績の有無を確認するようにしましょう。
実績の有無で、作業がスムーズに進むかどうか、安心して任せる事ができるのか、修理業者としての信頼性があるのかということを判断することができます。
修理業者のホームページに取り扱った実績が確認できる場合があるので、確認するようにしましょう。
また、口コミがある場合も、併せて確認しておくとより安心して依頼できます。
修理費の支払い方法
修理費の支払方法も事前に確認するようにしましょう。
現金一括以外にクレジットカードやローンを利用する方法があります。
しかし、修理業者によってはクレジットカードに対応していないケースもあるので、見積もりを出したタイミングなどで支払い方法についても確認しておくと良いでしょう。
見積もり金額が想定よりも高くなってしまった場合、ローンでの支払いも候補にいれることをおすすめします。
万が一、車検証を紛失したときは?
車を修理しようと思ったときに車検証を紛失したことに気づいたら、すみやかに再発行の手続きをしましょう。
車検証の不携帯は罰則の対象となり、50万円以下の罰則に課せられてしまうのです。
しかし、交通違反とはまた別の扱いになるため、違反点数がつくというわけではありません。
車検証の再発行手続きの流れ
車検証を紛失したとしても再発行することができます。
運輸支局や自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会で再発行を依頼することが可能です。
つまり、ナンバープレートに記載された地名の運輸支局や事務所になります。
受付時間は平日の8:45~16:00までの場合が多いですが、機関によって異なるので、確認するようにしましょう。
まずは、再発行に必要な書類を揃えましょう。
必要書類は、基本的に窓口で書類を受け取ることができます。
普通自動車の場合は申請書、手数料納付書、理由書(申請書に記載欄があれば不要)、本人確認書類です。
また、軽自動車の場合は、申請書、手数料納付書です。
この手数料納付書に貼る印紙代が300円必要になるので注意しましょう。
所要時間は混雑状況にもよりますが、30分から1時間程度かかってしまうので、平日または時間に余裕がある日に行くことをおすすめします。
代替書類や証明書の発行
車検証の再発行手続きは、基本的に所有者本人が行いますが、車を購入した店舗に依頼することもできます。
平日昼間しか手続きができないため、仕事の都合などでどうしても手続きが難しい場合は、購入店舗または代行業者にお願いすることも可能です。
もし、代理人が手続きする場合は、別途委任状や申請依頼書が必要になります。
業者によって異なりますが、印紙代と別で、手数料が10,000円前後かかることもあるのです。
申し込みはインターネットから可能ですが、書類の郵送になるため早くて2~3日、通常1週間程度は必要になります。
修理業者への連絡と説明
修理の作業が始まると、見積もりをした時点ではわからなかった不具合などが見つかる場合があります。
その不具合が修理しなければならない内容だった場合、追加料金が発生する可能性があるのです。
そうなるとトラブルになることがあるので、必ず、作業前に連絡をしてもらうように伝えておくと良いでしょう。
特に修理が長期に渡る場合は、普段からの連絡をこまめに取り合うようにして、お互いの認識に齟齬がないようにしておくことです。
そのほかにも修理費用や内容、疑問点は自分が納得できるまで担当者とよく話しておきましょう。
車検証の保管や管理方法について
車検証は日常で使用する機会は少ないですが、重要な書類です。
その車検証の保管や管理方法について解説します。
車検証の保管とバックアップ
車検証が電子化されたことによって、車検証閲覧アプリから車検証をPDF化することができるようになったため、お手持ちの端末に保存することができます。
車検証が電子化されたとしても、ICチップが貼り付けられた紙媒体も必要なので、こちらも必ず保管するようにしましょう。
PDF化した車検証を保存した端末が紛失または故障する可能性に備えて、別の端末にバックアップとして保存しておくことをおすすめします。
もし、別端末がない場合は、どこからでも見られるようにクラウドデータで保存しておくのも良いでしょう。
車検証の保管場所と注意点
車検証がA6サイズになったことでより車のダッシュボードに保管しやすくなりました。
しかし、ICチップが貼り付けられていることで保管には次のような注意が必要です。
夏場は車内が高温になるため、ダッシュボードの上に長時間放置しないようにしましょう。他にも折り曲げなどの力が加わると破損の原因となるので、そのようにならないようできる限りフラットな状態で保管することが必要です。
持ち歩く時は原本で
車検証が電子化されたからといって、PDFファイルだけでは効果がありません。
そのため、必ず紙媒体の車検証も携帯するようにしましょう。
もちろんコピーも不可なので、原本を待ち歩くことが必要になります。
車検証は中古車購入時にも必要
中古車購入時にも、購入した際の新規登録が完了した時点で陸運支局で発行されます。
車が納車された日に車検証が渡されるでしょう。
車検証では事故歴・修復歴はわかりません
車検証では事故歴や修復歴を示す項目はありません。
そのため、中古車の事故歴や修復歴を調べるには「点検記録簿」や「査定表」を確認する必要があります。
点検記録簿には12ヶ月点検や24ヶ月点検でどのような点検がされたかがわかるようになっています。
査定表では、修復歴を記載する欄があり、総合評価のところで「R」と表記されています。修復歴がある場合、販売店はそれを説明する義務があるので、「点検記録簿」や「査定表」を開示してくれない場合は、購入を控えるようにしましょう。
中古車を購入する際のチェックポイント
中古車を購入しようと検討したとき、ポイントも踏まえて検討しましょう。
そこで、中古車を購入する際に、押さえておきたいポイントを紹介します。
修復跡や塗装剥がれの有無
ボンネットのフェンダーやベルトの塗装剥がれがないか確認しましょう。
塗装剥がれがあれば何らかでボルトを外した可能性があります。
こういった塗装剥がれが修理を行った証拠なので注意が必要です。
左右が対称かどうか
車は通常、左右対称で作られています。
前と後ろから見て違和感がある場合は、事故などで損傷し、修理を行った可能性があるでしょう。
ボディのずれの有無
ボディの隙間にずれがないか確認をしましょう。
通常、ボディの隙間は均一になるように作られています。
もし修理を行っていた場合、骨格が歪んでしまっていることがあるでしょう。
トランクルームの床下のしわやサビ
後ろから追突された車であればトランクシートを外した床下にしわが見られることがあります。
また、水没した車であれば、スペアタイヤを外してみると床下がサビていることがあるのでこのような部分も確認しましょう。
まとめ
車検証は検査に合格したことを証明する重要な書類です。
車を修理に出す際にも、車検証の内容を元に修理業者はパーツを探し、見積もりを作成します。
車検証があれば、正確な見積もりを確認することができます。
車検証が電子化されたことで、よりスムーズに手続きができるようになりました。
万が一、車検証を紛失した場合は、すみやかに再発行の手続きをしましょう。
業者に代理でお願いすることも可能です。
一方、修理においては、相見積もりを必ずしましょう。
また、代車が借りれるかどうかも業者選定のポイントとなります。
納得して依頼できるまで細かくコミュニケーションを取ることが重要です。