車のフロントバンパーが破損してしまったとき、修理や交換にかかる費用や、安く直す方法をご存知でしょうか。
知っておくことで、大切な愛車を手間とコストを抑えて元通りにする方法が見つかるでしょう。
この記事では、車の前の部分のフロントバンパーが破損したときの、修理や交換の際にかかる費用や、安く直す方法を紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、車のフロントバンパーの修理や交換にお役立てください。
車のフロントバンパーはどのパーツ?
はじめに、車のフロントバンパーとはどのパーツのことをいうのか再確認しましょう。
バンパーとは、車体の前後に必ずついているパーツです。
そして、フロントバンパーのフロントには「前」という意味があります。
つまりフロントバンパーとは、車体の前に付いているパーツのことです。
正確な場所は、前のタイヤよりも前、ヘッドライトより下に付いています。
車のバンパーの役割とは?
では、車のバンパーはどういった役割があるのでしょうか。
車のバンパーの役割は、人や車、障害物などにぶつかったときに、衝撃を軽減させる役割があります。
素材には、ポリプロピレンやカーボンファイバー、FRP、鉄などが使用されていますが、この中でも主にポリプロピレンが使用されているのです。
ポリプロピレンは軽くて強度に優れているので、車がぶつかってしまったときも衝撃を吸収してくれます。
そのため、ドライバーだけではなく、ぶつかった人や障害物への衝撃も抑えてくれるのです。
車のバンパーにできる傷や割れの原因
車のバンパーにできる傷や割れの原因は、主に事故や走行中の飛来物などです。
そのなかでもよくある原因は以下の4つです。
駐車時にぶつかった
走行中の事故も多いですが、駐車時にぶつけてしまう方も多い傾向にあります。
車によっては前や後ろが見えにくいことがあり、見えない障害物にぶつかってしまうことは少なくありません。
また、車止めがあるかと思って駐車していたら、そのまま壁にぶつかりバンパーに傷ができたといったことも多いです。
しかし、駐車時にぶつかってしまうのは、運転手の不注意でもあります。
いたずら
思いのほかあるのが無神経な方から受けるいたずらです。
いたずらの理由は、日頃溜まったストレス解消や、悪ふざけでしてしまう方が多いようです。
また、子どもが遊びの延長線上でやってしまうことも少なくありません。
坂道や段差で底面を擦る
走行中に坂道や段差で予期せず底面を擦ることも意外に多いことです。
特に車高が低い車は、坂道の入口や少しの段差で傷を負いやすいため注意しましょう。
走行中の飛び石など
走行中の飛び石や飛来物などによる傷は、誰しもが受けてしまう原因です。
走行中の車が不可抗力で踏んでしまった石やゴミが当たってしまうことは、よくあることです。
また、風が強い日は飛来物が飛んでくることもあります。
車のバンパーにできた傷や割れは放置しない方がいい
車のバンパーにできた傷や割れは、サビの原因となるため、放置せず早急に直すのがおすすめです
車のボディは、いくつかの層で構成されており、その中の鉄板や樹脂にあたる層まで傷を負った場合は、時間の経過とともにサビが進行していきます。
サビが進行すると、車全体に悪影響を及ぼす可能性も出てきて、加えて修理費用も増加します。
車体の最表面の層であるクリア層のみの傷であれば、そのままにしてもほとんど問題ありません。
しかし、最近の車は、バンパー内部に安全装置であるレーダーやセンサーが備えられていることが多いです。
そのため、見た目は軽傷であっても、内部の装置は故障を起こしている可能性があります。装置が働かないと走行中に重大な事故に遭う可能性もあるため、業者に点検してもらうことをおすすめします。
また、割れが発生しているときも同様です。
割れが発生している場合は、サビによる劣化の進行に加えて、車検に通らない可能性もあるため注意しましょう。
車のバンパーを修理・交換するときの判断ポイント
車のバンパーが傷を負ってしまったときは、修理か交換が必要です。
修理か交換かは、傷によって異なりますので、判断ポイントを押さえておきましょう。
傷の大きさや深さによって判断
1つ目が傷の大きさや深さで判断することです。
判断ポイントは以下になります。
【修理】
- ・色が変わらないほどのすり傷
・小さなへこみ
【交換】
- ・色が変わるほどの傷
・割れを起こしている
基本的に色が変わらないクリア層(車の最表面の層)や小さなへこみ程度であれば、修理で構いません。
しかし、色が変わるほどの傷(鉄板部分が見えている)や、割れを起こしている場合は交換が必要です。
ただし、先ほどもお伝えした通り、修理で済むからと放置しておくのは控えましょう。
場合によっては、内部の安全装置に損傷を起こしていることがあります。
傷を受けたところの範囲で判断
バンパーの修理や交換は、大きさや深さに加えて範囲で判断することも重要です。
基本的に色が変わらないほどのすり傷であれば修理で問題ありませんが、広範囲の傷なら修理と交換の費用を考えたときに、交換する方がお得になることがあるからです。
また、広範囲の傷を放置しておくと見た目や印象が変わってきます。
車を買い替えするときの査定にも大きく関係してくるため、早急に修理もしくは交換しておきましょう。
車のフロントバンパーを修理・交換できる業者やかかる時間
車のフロントバンパーを修理、交換してくれる業者は、いくつかあります。
ここでは、3つの業者とかかる時間を紹介します。
ディーラー
ディーラーは、経験や知識が豊富な整備士が修理や交換にあたってくれます。
そのため、信頼性も高く安心して任せられるところが特徴的です。
また、純正の部品を取り扱っているので、車にあったパーツを取り付けられますが、費用は高くなる傾向です
板金業者・整備工場
板金業者や整備工場は、費用を抑えた修理や交換ができるところが特徴的です。
また、中古パーツの取り寄せも可能なので、難しいことも柔軟に対応してくれます。
反面、整備士の質はバラバラであることが多いので、事前に調べた方が良いでしょう。
カー用品店・ガソリンスタンド
カー用品店やガソリンスタンドは、簡単な修理に対応できるところが特徴的です。
また、費用も安く済ませられ、加えてガソリンを入れるついでに依頼できます。
しかし、大きな傷は対応が難しく、修理を断られることもあります。
修理や交換にかかる時間
修理や交換にかかる時間は、傷の状態によって異なります。
傷の状態 | 修理時間・期間 |
小さな傷 | 3時間〜1日程度 |
大きな傷・へこみ | 1〜4日 |
交換が必要 | 1週間 |
上記は目安ですが、加えて業者の混み具合によっても時間や期間が変わってきます。
また、必要なパーツを取り寄せる場合は、さらに時間がかかってしまうため、必要に応じて代車やレンタカーを検討しましょう。
車のバンパーを修理・交換するときの費用相場
車のバンパーを修理、交換するときは、もちろん費用がかかってきます。
傷の程度によって費用は異なってくるため、所有している車の傷がどれくらいかかるのか気になるのではないでしょうか。
ここでは、バンパーを修理するときと交換するときに分けた費用相場を紹介します。
車のバンパーを修理するときの費用の目安
修理するときの費用は、フロントバンパーが30,000〜60,000円程度、リアバンパーが50,000〜70,000円程度が目安です。
もちろん傷の程度や業者によって料金が異なってきます。
すり傷のときの修理費用
すり傷のときの修理費用は、傷の程度や範囲により異なります。
一般的に小さな傷のもので10,000円〜25,000円程度、大きな傷になると20,000円〜50,000円程度が目安です。
これは、塗装を修復する程度の作業がほとんどです。
なお、広範囲になるほどその費用も高くなります。
へこみ傷のときの修理費用
へこみ傷のときの修理費用も、へこみ具合により異なります。
へこみ傷の修理費用は、一般的に20,000〜30,000円程度が目安です。
これは、ボディを元の形に戻す作業と塗装作業を行います。
へこみが深い場合や、複数箇所にへこみがある場合は、修理費用が高額になることがあるでしょう。
内部が変形した場合の修理費用
内部が変形した場合は、バンパーの交換に加えフレーム修理が必要となります。
バンパーの交換費用はこの後紹介しますが、フレームの修理は50,000〜100,000円が相場です。
また、そのほかの内部パーツの修理交換が必要となるとさらに費用がかかります。
車のバンパーを交換するときの費用相場
交換するときの費用は、フロントバンパーで50,000円〜100,000円程度、リアバンパーで80,000〜100,000円程度です。
これは、バンパー自体の費用と交換を行う工賃が含まれます。
また、バンパーを取り寄せしても塗装がされていないことがあるのです。
その場合、塗装代も必要となるためさらに費用がかかります。
なお、輸入車の場合は、パーツを取り寄せる必要が出てくるため、上記の費用よりも高くなると覚えておきましょう。
バンパーを安く直す方法
傷の状態によっては、フロントバンパーを修理、交換するときに思った以上の費用がかかってしまうこともあります。
できれば安く直したいと誰もが思うでしょう。
少しでもフロントバンパーを安く直したい方は、ぜひご一読ください。
中古パーツを利用する
フロントバンパーを安く直す方法は、中古パーツを利用することです。
業者に修理してもらう工賃は安くできなくても、中古パーツを利用すれば費用を抑えられます。
また、中古パーツの中にはすでに塗装されたものもあります。
塗装されたものなら、塗装する費用もかからなくなるので、さらに費用を抑えて修理できるでしょう。
中古パーツを利用する注意点
中古パーツを利用する場合は注意すべきポイントもあります。
それが、車に合うパーツがない場合があることです。
車のフロントバンパーといっても、車種やグレードによってパーツが異なってきます。
異なったパーツは車に取り付けられないため、使用できません。
また、年式の古い車や人気のない車も合うパーツがない場合があります。
人気の車種であれば中古市場でも需要があり、伴って中古パーツも市場に流れているので手に入りやすいです。
しかし、年式の古い車や人気のない車は、そもそも市場に流れていないので、中古パーツも手に入れにくいでしょう。
バンパーを修理・交換するときの注意点
バンパーを修理や交換する際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
しっかり確認して損をしないようにしましょう。
塗装や加工が必要になると費用や時間がかかる
先ほども紹介しましたが、バンパーを取り寄せした場合、車種によって塗装されていないものが送られてくることがあります。
また、オプション装備や非純正のパーツを取り付けているときは、固定するための穴を開けるといった加工が必要です。
このような場合、相場以上の工賃や作業時間などがかかってくることを覚えておきましょう。
交換になるときはエーミング作業に注意する
バンパーを修理、交換するときはエーミングとよばれる作業が必要になることがあります。特に交換する時は、絶対に必要となる作業です。
エーミングとは、安全装置などの電子制御装置が正しく働くように調整する作業です。
具体的には、外部に装備されたレーダーセンサーや音波センサーを取り外したり、カメラが取り付けられたフロントガラスを交換したり、フレーム修正を伴う板金塗装を行うことが含まれます。
エーミングを行わないと、安全装置が適切に機能しないため、車や歩行者を認識できない、ブレーキが作動しないなどが起こる可能性が出てきます。
エーミング作業は依頼業者を選ぶ必要がある
エーミング作業は、どの業者でもできるわけではなく、作業の認証を受けた業者に依頼する必要があります。
エーミング作業を行なうには、専用器具や作業場、加えて自動車特定整備事業の認証が必要です。
バンパーの交換をするとき、認定がない業者に依頼すると交換を断られるため、事前に確認するのが良いでしょう。
外見の状態だけで判断しない
バンパーの傷が小さいからといって外見の状態だけで判断するのは控えましょう。
その理由は、外見は大丈夫でも内部に備えられている安全装置が故障している可能性があるからです。
安全装置が故障しているとシステムが正常に動かず、思わぬ事故に発展する可能性がありますので、必ず点検を行いましょう。
自分での修理は難しいので基本的には業者依頼
バンパーの修理は、クリア層までの傷なら自己修理可能です。
しかし、先ほどお伝えした通り、外見だけで判断すると安全装置の故障に気づかず、大きな事故に発展する可能性があります。
また、自己修理して失敗してしまうと、想定していた修理費用よりも高くなります。
そのため、基本的には業者に依頼するのがおすすめです。
売却予定ならそのまま一括査定がおすすめ
バンパーの傷の状態によっては、車の買い替えを考える方もいるでしょう。
車の傷は、買取業者が直してくれることもあるので、場合によっては直さず査定に出した方が得することもあります。
CTN一括査定では利用者の登録情報をもとに3社を厳選してご連絡しますので、電話ラッシュで時間や手間を取られることがありません。
またCTN一括査定の大きなポイントは、軽自動車やSUV、輸入車といった専門買取業者などでも比較できることです。
そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
「きっと値がつかないだろう」と諦めている方もCTN一括査定なら、愛車にぴったりの買取業者を見つけられるかもしれません。
車を高く売りたいと思っている方は、CTN一括査定をぜひご利用ください。
傷ができたバンパーの修理に保険は利用できる?
バンパーにできた傷の修理は、基本的に保険適用されます。
ただし、「交通事故証明書」がないと保険適用できません。
交通事故証明書とは、事故が起きたという事実を証明する書類です。
これは警察が事故状況を整理した書類を各都道府県にある自動車安全運転センターに提出します。
この書類は、事故を起こしたときに警察へ連絡しないと入手できないため、事故後は必ず警察へ連絡しましょう。
バンパー修理で保険が使えないケースもある
バンパーにできた傷の修理は、基本的に保険適用されますが、保険内容やケースによって保険適用されない場合があります。
1つ目が「エコノミー型」の保険に加入している方が自損事故を起こした場合です。
保険には「一般型」と「エコノミー型」があり、2つは補償範囲が大きく異なってきます。エコノミー型は、一般型と比べて補償内容が限られてくるのですが、以下のケースは補償範囲外となります。
- ・自損事故
・自転車との接触事故
・相手がわからないときの交通事故
・地震、津波、噴火による傷
2つ目が、経年劣化やメンテナンス不足と判断された場合です。
よくあるのが、傷をそのままにしてサビさせてしまったときです。
このようなときは、保険会社が補償範囲外と判断し、「一般型」「エコノミー型」に関係なく適用されません。
そのため、修理する場合は早めに対処するのが良いでしょう。
バンパー修理で保険を使うと等級ダウン
自動車保険は利用すると等級がダウンします。
等級とは利用者ごとに決められているランクです。
保険を利用しない方ほど等級が上がり、毎年支払う保険料も少なくなります。
しかし、保険を使用すると修理内容に合わせて等級がダウンします。
等級ダウンすると、翌年の保険料が高くなるため、修理費用と保険料を比較して判断することが大切です。
バンパー修理で使用するとほとんどの場合、3等級ダウンするため、保険を利用する際は注意しましょう。
修理前に保険会社へ報告が必要
傷ができたとき、修理費用を保険で補うためには保険会社へ報告しなければならず、先に修理を行い、あとで修理費用をもらうことは基本的にはできません。
保険会社が保険適用を認めてくれるには、傷の状況や費用の見積もりがわかってからです。
そのため、事故後に修理が確定している段階で、警察と合わせて保険会社にも連絡しましょう。
修理費用が高すぎるなら買い替えも考慮する
保険を適用できても翌年の保険料が修理費用を超えたり、保険適用できず修理費用は支払いできなかったりするときは、買い替えも考慮しましょう。
場合にもよりますが、買取業者が高値で買い取ってくれることもあります。
買い替えを考える際は、現在の車の価値や修理後の車の状態、新車購入時の費用などを考慮しながら判断しましょう。
バンパーの傷やへこみは車検に関係する?
バンパーに傷やへこみができると、車検に通るか心配になる方も多いのではないでしょうか。
バンパーはもちろん車の損傷は、車検と大きく関係します。
車検のときに困らないよう、ここで確認しましょう。
傷の程度が小さいものであれば問題なし
小さな傷程度であれば、車検の際に問題ありません。
基本的に車検に通らない車は、運転に影響がある、他者の車の運転に影響がある、この2つの場合です。
小さな傷であれば、運転に影響もなく、他社の車の運転にも影響を及ぼしてないため問題ありません。
運転に影響がある場合は通らない
次のようなケースのときは車検に通りません。
- ・車に突起がある
・ボディサイズに変動がある
・他車に当たってしまう可能性がある
上記のような場合は、運転に影響があり、他社の車の運転にも影響があるとみなされ車検は通りません。
まとめ
本記事では、フロントバンパーが破損するときの原因をはじめ、修理・交換費用、安く直す方法などを解説しました。
車のフロントバンパーが破損する原因はさまざまですが、主なものには衝突やいたずら、走行時の飛び石、駐車時のぶつけるなどです。
修理や交換費用は車種や破損の状況によって異なりますが、一般的には30,000円〜70,000円程度かかります。
安く修理する方法としては、中古パーツを利用する方法があります。
ただし、安全性や品質、合わないパーツがあるなど注意が必要です。
フロントバンパーの破損は見た目だけではなく、安全性や保護機能にも影響を与えることがあるため早めの対応が大切です。