新車を購入するとき、「何から始めればいいのか」「どこに注意すれば失敗しないか」と不安が尽きないものです。
価格交渉やディーラー選び、納車までの流れなど、知っておくべきポイントは多くあります。
本記事では、購入の流れごとに押さえるべき注意点を解説し、さらによくある失敗事例も紹介しています。
新車選びで後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください。
1.新車購入する前の注意点
新車を購入する際は、事前に確認しておくべき重要なポイントがあります。
欲しい車の種類を決める
新車購入は、まず欲しい車の種類を決めます。
車の種類は豊富にあるため、選びやすくなるよう候補は3つまでにするのがおすすめです。
なお、車の種類には以下が挙げられます。
- ・軽自動車
・コンパクトカー
・ミニバン
・SUV
・ワゴン
・セダン
・スポーツクーペ
種類によってサイズや性能が大きく異なるので、自分に合った車種を選びましょう。
使用目的を決める
使用目的は、自分のライフプランに合わせて決めることが大切です。
たとえば、キャンプなどのアウトドアに行きたいなら、収納スペースが広く乗車人数が多い車がおすすめです。
また、街乗りが多いのか長距離移動が多いのかなども確認しましょう。
ほかにも以下が挙げられますので、具体的にイメージしておきましょう。
- ・乗車人数
・荷室スペースの広さ
・どこで使用することが多いのか
・どんな場面で使用したいのか(趣味・通勤など)
・自分以外にも乗る人はいるのか(子ども、親など)
・見た目にもこだわりたいか
予算を決める
新車購入は、ある程度の資金が必要です。
予算によって選べる車種が異なる場合がありますので、しっかり確認しておきましょう。
また、一括で支払えない場合は、カーローンを検討するのもおすすめです。
カーローンを利用すれば、一括では購入できないような車でも手に入れられます。
ただし、カーローンは借りたお金を返すだけではなく、利息も返す必要があります。
月々の維持費も必要になるので、事前に計画しておくことが大切です。
いつまでに欲しいのか決める
新車購入する前は、いつまでに欲しいのかも決めておきましょう。
車を購入してから納車されるまでは、1ヶ月〜3ヶ月程度かかるのが一般的です。
契約を結んだ日に乗れるわけではありませんので、欲しい日を逆算して契約する必要があります。
そのため、欲しい日があるなら余裕を持って購入することが大切です。
駐車場を確保する
車を所有するとなると、駐車場を確保する必要があります。
欲しい車のサイズに合わせて駐車場を確保しましょう。
特に立体駐車場を契約する方は、長さや幅、高さに制限がありますので注意が必要です。
なお、駐車場を確保せずに「ここなら大丈夫だろう」と、どこでも駐めておくとトラブルに発展しますので絶対にやめておきましょう。
乗り換える方は買取や下取りも考慮する
現在、乗っている車を乗り換えする方は買取や下取りにも考慮する必要があります。
新車の総額は、買取や下取り金額を引いた代金となります。
つまり、所有している車の買取価格を高くするだけ、新車にかかる費用を抑えられるということです。
売却する際は、複数の業者から見積もりを取るなどの対策をして、できるだけ買取価格を上げるようにしましょう。
補助金や減税ができる車種ならお得にできる
最近の車は、補助金や減税の対象となっている車種があります。
補助金は、国や地方自治体から受け取れるお金です。
そして、減税は国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値をクリアした車を対象に、自動車税と自動車重量税が減税されるものです。
対象となる車種は、電気自動車やプラグインハイブリッド、ミニカーなどが挙げられます。
申請することでお得にできるので、積極的に活用しましょう。
なお、補助金に関しては必ず申請が必要です。
一定の使用期間が必要など条件もありますので、わからない場合は販売店に確認しましょう。
リセールバリューについても確認する
たびたび車を乗り換える方は、リセールバリューについても確認することをおすすめします。
リセールバリューの高い車種やカラー、装備を選べば、将来売却するときの損失を抑えられる可能性があります。
特に人気のある車種や、燃費性能の良いエコカーなどは市場での需要が高く、価値が下がりにくいです。
購入前に中古車市場の傾向を調べたり、専門業者に相談して見込み価格を確認すると安心できます。
新車購入にベストなタイミングを選ぶ
新車や中古車に限らず車を購入する際は、タイミングも重要となってきます。
以下にふたつのタイミングを紹介しますので、参考にしてください。
3月もしくは9月の決算期
3月もしくは9月は、販売店が決算期になることと、新生活が始まり車の需要が高まる時期となるので、価格が安くなりやすいです。
販売店としても1台でも多く売りたいと考えているので、交渉次第では大幅な値下げが期待できます。
モデルチェンジ前
モデルチェンジ前は、旧型の価格が下がるタイミングです。
販売店はできるだけ旧型を残したくないので、値下げして売り切りたいと考えているからです。
このタイミングも交渉次第で大幅な値下げが期待できるので、積極的に値下げ交渉してみましょう。
2.新車を選ぶ際の注意点
欲しい車がある程度決まってきたら、どこで購入するか、必要なオプションなどを決めていきます。
その際にも注意したいポイントがありますので、ここで確認しましょう。
複数の店舗を回り購入する店舗を決める
いくつか欲しい車の候補が決まれば、どこで購入するかを決めるために複数の店舗を回ってみましょう。
この際、見積もりを取ることと、ディーラー以外のお店をチェックすることをおすすめします。
複数の見積もりやディーラー以外のお店のチェックは、交渉する際の値引きの材料となります。
また、新車購入は販売店と長い付き合いとなりますので、店舗選びも慎重に行うことが大切です。
必要なオプションを選ぶ
ディーラーや販売店に行った際は、必要なオプションについて確認しましょう。
カーナビやETCをはじめ、シート類や安全機能などありますので、欲しい機能に合わせて選ぶと良いでしょう。
なお、オプションには「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」があります。
メーカーオプションは納車後、取り付けや取り外しができません。
一方、ディーラーオプションは、納車後も取り付け取り外しが可能です。
どのようなオプションが必要なのかわからない場合は、見積もりを取る際に販売店のスタッフと相談しながら決めると良いでしょう。
維持費について確認しておく
新車を選ぶ際は、維持費についても確認しておきましょう。
車の維持費には、以下がかかっています。
- ・燃料費
・自動車税(軽自動車税)
・自動車重量税
・自賠責保険
・任意保険
・駐車場代
・そのほか交換が必要なパーツ
維持費には税金や保険の他に、交換に必要なメンテナンス費用も含まれます。
車のサイズによって異なってくるので、欲しい車に合わせて確認しましょう。
購入前には必ず試乗する
欲しい車が決まってきたら、購入前に必ず試乗しましょう。
車選びは、デザインや機能性も大切ですが、実際に乗ってみたときの乗り心地も大切です。
後悔しないためにも1度試乗し、視界の見え方や加速性などを確認すると良いでしょう。
見積書をもらう
店舗を回った際に見積書をもらっておきましょう。
見積書は、交渉を行う際に必ず必要となるものですので、値下げするためにも忘れずもらうようにしましょう。
3.交渉する際の注意点
欲しい車が決まれば、次は交渉の段階に入ります。
見積もりの際にいただいた見積書を持参して交渉に挑みましょう。
交渉は長期戦にする
交渉は基本的に長期戦にする方が良いです。
長期戦にすると、担当のスタッフがあなたが求めるものがわかり、提案もしやすくなります。
また、キャンペーンやセール情報などを活用すれば、できるだけ安い値段になるように工夫できるでしょう。
決算期は短期戦でもOK!
一方、決算期の場合は短期戦でも良いでしょう。
決算期である3月や9月は、ディーラーも多くの車を売りたいと考えているので、値下げしやすい時期です。
思い切って「◯◯万円なら今日決めます!」と言うだけでも、了承してくれる可能性があります。
ある程度の金額ならチャレンジしてみるのも良いでしょう。
忙し方はメールで交渉する
交渉は店舗で行うのが一般的ですが、場合によってはメールで行うことも可能です。
特に忙しい方は、店舗に行く時間がないと思いますので、おすすめの方法です。
また、直接会って言えないことも、メールであれば伝えられることもあります。
値引き術
交渉する際の値引きには、いくつかの方法があります。
ライバル同士を比較して競わせる
こちらの方法は、値引き交渉する際の王道の方法です。
このとき、見積書を複数いただいているなら、「あちらのお店はこれだけ安くしてくれた」と競い合わせることもできます。
ただし、クラスが違う車同士で比較するのは、対象が違ってきますので、やめておきましょう。
複数メーカーを比較して競わせる
複数のメーカーを比較して競わせることも、値引きするのに有効です。
こちらの方法は、メーカーが違う車同士で迷っているときにおすすめです。
基本的にメーカーは、わざわざ来てくれたお客さんを逃したくないと考えています。
「〇〇メーカーの車と悩んでいる」と伝えれば、「こちらは◯◯万円までがんばります!」と大幅な値引きが期待できるでしょう。
複数のディーラーを比較して競わせる
メーカーが同じ車同士で悩んでいるときは、ディーラーを比較して競わせることも可能です。
ただし、この方法は最終手段として使う方が良いでしょう。
ディーラーはお客さんの情報を店舗同士で共有しています。
新車を選ぶ最初の段階からこの方法を使うと、値引きができなくなる可能性が非常に高いです。
そのため、最終段階で違うディーラーに足を運び「〇〇万円ならこれに決めます!」などお伝えすれば、少しは値下げ検討してくれるでしょう。
家族や友人を使って交渉するのもあり
家族や友人を使って交渉するのもおすすめです。
交渉は慣れている方なら問題ありませんが、慣れていないと値下げして欲しいとは、なかなか言えないものです。
しかし、「妻が、あと3万円下げてくれるなら買っても良いと言っている」と、現場にいない人が言っていることにすれば、伝えられるでしょう。
また、交渉の上手な友人に同席してもらい、代わりに交渉に参加してもらうのもおすすめの方法です。
4.新車を購入、契約する際の注意点
欲しい車や購入する店舗が決まれば、新車の購入、契約に進みます。
契約する際もいくつか気をつけるポイントがありますので、確認していきましょう。
契約書はしっかり確認する
契約する際は、契約書にサインしますが、契約書に記載されてある車両情報や金額、注意点などはしっかり確認することが大切です。
記載ミスなどもありますので、すべてに目を通しておくことをおすすめします。
なお、契約書には以下の内容が記載されています。
- ・契約書である旨の内容
・車両情報
・金額
・支払い方法
・納車・引き渡しの日程
・所有権を移転する時期
・名義変更に関するとり決め
・保証やメンテナンスの有無
・危険負担に関する内容
・瑕疵担保責任に関する内容
・契約解除に関する内容
・合意管轄に関する内容
・特約事項
それぞれ細かくなりますが、しっかり確認しましょう。
補助金や減税について確認する
最近の車は、補助金や減税の対象となっている車種が数多くあります。
申請すればお得に新車に乗れますので、忘れず確認しましょう。
申請方法については、わからなければ、販売店のスタッフに尋ねると教えてくれますので、気軽に聞いてみましょう。
支払い方法について確認する
新車の支払い方法は、以下の方法があります。
- ・現金一括
・カーローン
・クレジットカード払い
ローンを組む場合は、利息を返す必要がありますので、計画的に利用することが大切です。
ローンを組む方は種類を確認しておく
ローンに関しては、以下のようないくつかのタイプがありますので、特徴を理解して活用しましょう。
- ・従来型ローン
・残価設定ローン(クレジット)
・銀行など金融機関のマイカーローン
従来型ローンは、購入時に借入金額を一括で設定し、毎月一定額を元金と利息で分割して返済するシンプルな仕組みが特徴です。
残価設定ローンは、契約終了時の車の価値(残価)をあらかじめ設定し、残価を差し引いた額を分割で支払うため、月々の負担が軽減されるのが特徴です。
金融機関のマイカーローンは、金融機関から直接借入れを行い、一括で車の購入費を支払い、元金と利息を分割で返済するため、自由度が高く総支払額を抑えられるのが特徴です。
代車の有無について確認する
車の買い替えで新車購入する方は、納車までに必要な代車の有無について確認しておきましょう。
その際、ディーラーで下取りする場合は、代車を無料で借りられることがほとんどですが、買取業者の売却した場合は、自分で用意する必要があります。
納車までの期間にもよりますが、レンタカーや有料の代車サービスを活用しましょう。
任意保険へ加入する
納車日が決まれば、任意保険への加入も忘れず行いましょう。
任意保険は、保険会社によって補償内容や料金がさまざまです。
必要な補償内容を確認し、自分に合った保険会社を選ぶことが大切です。
なお、保険の開始日は、事前に保険会社に納車日を伝えていれば、その日からかけられるようにできます。
5.必要書類についての注意点
前後しますが、契約する際の必要書類についても確認しましょう。
新車購入時の必要書類
新車購入時に必要な書類は以下の通りです。
【普通自動車の場合に必要な書類】
- ・実印
・印鑑登録証明書
・車庫証明書
・委任状
・車検証 ※店舗側が用意
・自賠責保険証明書 ※店舗側が用意
【軽自動車の場合に必要な書類】
- ・印鑑
・住民票
・自動車検査証明書※店舗側が用意
・自賠責保険証明書 ※店舗側が用意
・委任状
普通自動車に必要な「車庫証明書」の取得は、店舗の代行も可能です。
費用をかけたくない方や車庫証明書を自分で取得したい方以外は、代行をおすすめします。
中古車の必要書類についてはこちらでも詳しく紹介していますので、併せてご確認ください。
早めに準備しておくと手続きがスムーズに
新車購入に必要な書類は、取得までに時間がかかる場合があります。
特に普通車の車庫証明書は、取得までの期間が最低でも4日かかります。
しかし、必要書類は購入を決めた時点で準備できますので、余裕を持って準備しておくと、あとの手続きがスムーズに進みやすくなるでしょう。
6.納車後の注意点
書類提出と契約が終了したあとは、納車を待つだけです。
納車期間は、車にもよりますが通常1ヶ月〜3ヶ月程度となります。
そして次に注意すべきことは、納車後に行うことです。
いくつか確認すべきポイントがあるので、新車をより快適に使いこなすために確認しておきましょう。
車の外装と内装、オプションを確認する
まず、販売店のスタッフと一緒に車の外装と内装、オプションを確認しましょう。
特に外装と内装は、後で傷が付いているといったトラブルになる可能性があるので、必ず確認しましょう。
また、確認する際は雨の日や夕方など、見えにくい日や時間帯を避け、晴れの日の日中にするのがおすすめです。
書類を確認する
新車が納車されたときに受け取る書類は、「車検証」「自賠責保険証」「注文書」の3つです。
受け取ったら氏名や住所、車検までの期日など、記載されている内容に間違いがないかを確認しましょう。
保証内容について確認する
新車を購入すると、無料のメンテナンスや24時間対応のロードサービスといった保証サービスが付帯します。
内容はどの店舗でもほとんど同じですが、サービス内容を確認しておくことで、万が一のときに役立ちます。
保証サービスは、無料で使用できるものなので積極的に使用しましょう。
運転して新車に慣れる
新車を買って初めて運転する際は、運転してなれることが大切です。
特に、前回所有していた車とサイズ感や排気量が異なっていると、運転の違いに混乱することもあるので、車が比較的少ない道路で試し運転するのが良いでしょう。
慣らし運転する
新車を快適に乗りこなすためには、慣らし運転が欠かせません。
新車は、使用されているパーツはすべて新品です。
新品の車は、パーツ同士がまだ馴染んでおらず、その状態で負荷をかけすぎると故障の原因となってしまいます。
そのため、1,000km程度までは積極的に慣らし運転して、パーツ同士を馴染ませましょう。
定期的なメンテナンスを行う
新車であっても定期的なメンテナンスが必要です。
洗車や整備などを行い、外装や内装、各パーツなどをきれいな状態を維持しましょう。
また、先ほど紹介した保証サービスを活用するのもおすすめです。
保証サービスには、6ヶ月、1年、1年6ヶ月単位で、定期点検が付けられています。
積極的に活用し、快適な車の状態を維持させましょう。
新車購入の際に用意しておくと安心できるアイテム
新車を運転する際は、いくつか準備しておきたいアイテムがあります。
具体的には以下のものが挙げられます。
- ・ブースターケーブル
・車用スマホ充電
・窓用拭き取りシート
・ウエットシート
万が一のときに役立つアイテムもあるので、車に載せておきましょう。
新車購入時の参考にしたいよくある失敗事例
新車を購入する際、後悔しないためには過去の失敗事例を知っておくことが重要です。
いくつか失敗例を紹介しますので、新車購入の参考にしてください。
- ①衝動買いしてしまった
②ライフプランに合わない車を選んだ
③維持費を確認せず選んだ
④乗っていた車の買取価格で失敗
上記のように、特に多いのが金額面です。
慎重に選べば防げるものばかりなので、購入前にしっかり確認してから選ぶようにしましょう。
まとめ
本記事では、新車購入する際の6つの注意点を購入の流れ別に紹介しました。
車種選びから購入後の維持まで、どの段階でも慎重に検討することで、後悔を減らし満足度の高いカーライフが送れます。
特に予算やライフスタイルに合った車を選び、リセールバリューや維持費についても事前に確認することが大切です。
これから新車を購入する方は、今回紹介した注意点を参考にして、自分にぴったりの車を見つけてください。