「手続きをスムーズに終わらせるために、中古車の購入で銀行ローンを組む場合の流れを知りたい」
「生活費(固定費)の負担に対して不安があるため、負担が少ないローンの選び方や組み方を知りたい」
このようにお悩みではありませんか?
中古車であっても車の購入費用は負担になるため、特に費用のお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
本記事では、中古車購入に利用できるローンの種類や銀行ローンの手続きの流れ、失敗しないための選び方や注意点について解説していきます。
中古車でも銀行ローンは利用できる?
結論からお伝えすると、中古車でも銀行ローンは利用できます。
車のローンは新車のイメージを持っている方もいるかもしれませんが、ローンの種類に問わず利用可能です。
「中古車でローンを組むのは勿体無いかも?」という不安と「ローンを組みたい」という思いで、葛藤している方もいるのではないでしょうか。
中古車の購入でローンを組むのに勿体無いということはありません。
ローンを組むことで、以下のメリットを得られます。
- ・一度に大金がなくならない
・嬉しい特約がつく場合がある
・銀行ローンは低金利が一般的
貯金額が大幅に減ると、突然の入院や手術など高額費用がかかる出来事があった場合、金銭面で不安になるでしょう。
ローンであれば月ごとの分割払いになるため、貯金額が大幅に減りません。
ローンに付帯する特約はないケースもありますが「がん補償」や「ロードサービス」などをつけられるケースがあります。
気になる方は、特約付ローンを取り扱う機関を探してみましょう。
銀行ローンは、一般的にディーラーローンと比べて低金利です。
筆者が新車を購入したときの経験を伝えると、あるディーラーローンの金利は9%でしたが、メインバンクのローンは5%でした。
ディーラーでローンを組むと手続きが楽ですが、金利を考えると銀行ローンと比較して決めるのがおすすめです。
中古車購入で利用できるローンは3種類
中古車購入で利用できるローンは3種類あります。
- ・銀行ローン
・ディーラーローン
・自社ローン
ひとつずつ解説していきます。
銀行ローン(マイカーローン)|金利が安く申し込みも手軽
銀行ローン(マイカーローン)は、銀行や信用金庫で取り扱う車専用のプランです。
店舗に出向いて契約するのが一般的でしたが、近年ではWebで申し込みができる金融機関が増えています。
審査傾向は、ディーラーよりも審査難易度が高いといわれています。
理由は、低金利のローンは入るお金が少なく、もし支払いが滞ってしまうと経営が大赤字になるリスクがあるためです。
リスク回避の観点から、支払い能力が高いかをしっかり見極めるために審査が厳しくなっています。
なお、銀行ローンを契約した場合、車の所有権はオーナー本人となります。
メリット
銀行ローンを契約するメリットは以下のとおりです。
- ・金利が低く支払いの負担が少ない
・所有者が自分のため車を自由に扱える
・手軽に申し込みができるところがある
上記から、費用の負担や手間を少なくしたい方、車のカスタムや売買を自由にしたい方におすすめです。
デメリット
銀行ローンを契約するデメリットは以下のとおりです。
- ・審査に通らないことがある
・即日で手続きができない
上記から、クレジットや税金などの国・自治体関係の支払いの滞りがある方、車を購入してそのまま手続きしたい方には向いていません。
ディーラーローン|手続きが楽で審査に通過しやすい
ディーラーローンは、ディーラーが提携している信販会社と契約をして支払いをしていくものです。
「フルローン」と残クレと呼ばれる「残価クレジット」の2種類があります。
フルローンは、車の購入にかかった全額を返済していく一般的なローンです。
一方の残価クレジットは、一定の期間だけローンを返済してディーラーに車を返却するローンのことを指します。
ディーラーローンは金利が高いため、審査に通りやすいといわれています。
車両を購入してそのままローンの申し込みができ、最短当日で審査結果を知ることができるのもメリットです。
ただ、車の所有権はディーラーにあるため、好きなタイミングで車両を売ることはできません。
加えて、全損事故を起こすと、ディーラーによってはローン残債を一括で返済するように求められるケースがあります。
メリット
ディーラーローンを契約するメリットは以下のとおりです。
- ・誰でも審査に通りやすい
・購入してそのままローンの手続きに入れる
・残クレを選べばコンスタントに新車に乗れる
上記から、審査に不安がある方、ローン手続きの手間を減らしたい方、短期間で新車に乗り換えたい方におすすめです。
デメリット
ディーラーローンを契約するデメリットは以下のとおりです。
- ・金利が高くローンの返済が負担になる可能性がある
・車両の所有権が自分ではない
上記から、ローンの返済額を減らしたい方、所有権をご自身にしたい方には向いていません。
残価クレジットは中古車の場合制約がある可能性がある
中古車を残価クレジットで購入する際、利用できないもしくは車両に制限があるケースがあります。
理由はふたつあります。
- ・車両の価値が低いため
・ディーラーにとって引き取っても得しないことが多いため
<車両の価値が低い>
残価クレジットは、一定期間ローンを支払ったあとはディーラーに返却することになっています。
返却できる理由は、中古車として販売するなどといった使い道があるためです。
最初から中古だと返却する際にはさらに価値が下がるため、販売しても売れ残るリスクがあります。
よって、中古車の購入で残価クレジットを利用するのは難しいと言えるでしょう。
<ディーラーにとって引き取っても得しない>
場合によっては、車種や年式を自由に選べない可能性があります。
古い車種・年式の中古車は、人気車種でないかぎり価値が大幅に下がるためです。
ディーラーにとってそのような車両を引き取っても損するため、走行距離や車種・年式に制限を設けているケースがあります。
自社ローン|手続きが楽で主婦・学生も審査にも通過しやすい
自社ローンは、車両を販売する会社が提供しているカーローンです。
車両代に加えて登録にかかる諸費用もローンに組み込めます。
金利が発生しない代わりに、保証料が上乗せされるのが一般的です。
販売会社によって審査基準が異なりますが、一般的にどの販売会社も審査に通りやすい傾向です。
一般的には審査に通りにくい学生や主婦、高齢者も保証人を立てれば審査に通りやすいと言われています。
車両の所有権は販売会社です。
そのため、支払いが滞った場合は車両を差し押さえられ、引き上げられるケースがあります。
なお、引き上げられた場合は、原状回復をしなければなりません。
加えて、返済が完了するまでは所有権がご自身に無いため、許可なく売却できません。
中古でも高級車は自社ローンを拒否されるケースがある
フーガやベンツなどといった高級車は、中古車であっても自社ローンを拒否されるケースがあります。
高額な費用を販売店が立て替えるのはリスクが高いためです。
高級車は中古車でも200万円以上することは珍しくなく、もし支払いが滞るなどすると経営が苦しくなります。
高級車に該当する車両は、基本的に自社ローンの利用を断れることを念頭に置いておきましょう。
メリット
自社ローンを契約するメリットは以下のとおりです。
- ・保証人を立てれば収入が少ない方も審査に通りやすい
・金利がかからない
上記から、収入が少なくローンの審査に不安がある方、月々の支払額を抑えたい方におすすめです。
デメリット
自社ローンを契約するデメリットは以下のとおりです。
- ・保証料の上乗せ金額が高い場合がある
・所有権が販売会社になる
上記のように、費用が高くなるリスクを抑えたい方、所有権をご自身にしたい方には向いていません。
ローンの金利|相場と種類
以下では、ローンの金利の相場と種類について解説していきます。
金利の相場
ローンの金利は金融機関・ディーラー・車の販売会社によって異なります。
一般的な相場は以下のとおりです。
ローンの種類 | 金利の相場 |
ディーラーローン | 4%〜8% |
銀行ローン | 1%〜4% |
自社ローン | 金利なし |
上記のとおり、銀行ローンの相場が最も低く、金利を抑えたい方は銀行ローンまたは自社ローンの選択が適しています。
自社ローンは金利なしの代わりに保証金の上乗せがあるため、それを考慮すると銀行ローンのほうが安心でしょう。
金利の種類
金利には「固定金利」と「変動金利」があります。
以降でどのようなものなのかを解説します。
固定金利
固定金利は、最初に10%と決まっていたら完済まで10%というように、返済中の金利の数値が変わらないのが特徴です。
返済総額や月々の支払い金額が変わらないため、家計の負担がかかりにくいメリットがあります。
変動金利
変動金利は、最初に10%と決まっていても、途中で下がったり上がったりと変動するのが特徴です。
金利が下がる場合は得をしますが、上がる場合もあるため注意が必要です。
銀行ローンを組む流れと審査基準
次は、銀行ローンを組む流れと審査基準を解説していきます。
審査基準は主に5つ
銀行ローンの審査基準は、以下の5つです。
- ・収入
・勤続年数
・クレジットやキャッシングの多用の有無
・支払いトラブルの有無
・虚偽申請の有無
収入や勤続年数、クレジット・キャッシングの多用の有無は、支払い能力があるのかを審査するための基準です。
収入が安定している職業の方は審査に通過しやすくなります。
支払いトラブルや虚偽申請の有無は、信頼できる人なのかを審査するための基準です。
返済が滞ったり、行方をくらませたりといったトラブルを避けるため、自己破産や長期間の支払いの滞納、申請の虚偽を調べます。
必要書類
銀行ローンの申し込み・契約に必要な書類は以下です。
- ・本人確認書類:マイナンバーカード・運転免許証・パスワードなど
・勤務先・勤続年数の証明書類:健康保険証・在籍(就業・証明)証明書など
・所得証明書類:確定申告書・源泉徴収など
・融資金の使途を証明する書類:見積書・契約書など
なお、申し込みの際は上記の書類に加えて、銀行印の準備も必要です。
銀行ローンを組む流れ
銀行ローンを組む流れは以下のとおりです。
- ・ステップ1.仮申し込みをする
・ステップ2.仮審査を受けて結果を待つ
・ステップ3.仮審査に通過したらローンの本申し込みをする
・ステップ4.本審査を受けて結果を待つ
・ステップ5.本審査を通過したら契約をする
・ステップ6.融資が開始される
では、ひとつずつ解説していきます。
ステップ1.仮申し込みをする
銀行ローンの審査は仮審査から始まるため、仮申し込みを行います。
仮申し込みは、金融機関の窓口もしくはWebで可能です。
ステップ2.仮審査を受けて結果を待つ
仮審査の結果は、仮申し込みをしてから最短で1日、長くて3日程度でわかります。
結果は、金融機関が決めた方法もしくは申請者が希望した「電話」「メール」「郵送」のいずれかによって伝えられます。
ステップ3.仮審査に通過したらローンの本申し込みをする
仮審査に通過したら、ローンの本申し込みに進められます。
本申し込みは本審査を受けるための申請です。
申請方法は、窓口もしくは郵送で行います。
ステップ4.本審査を受けて結果を待つ
本審査の結果が伝えられるまで1週間〜2週間程度を要します。
本審査では、信用機関へ支払いトラブルの有無を確認したり、勤務先へ在籍しているかを確認したりします。
ステップ5.本審査を通過したら契約をする
本審査に通過した場合は契約に進めます。
契約手続きは、窓口・郵送・Webのいずれかで行います。
ステップ6.融資が開始される
契約手続きを行い受理されたら融資が開始されます。
ローンの返済は融資が開始された翌月であるのが一般的です。
中古車購入で銀行ローンを契約する際に注意すること
中古車購入の銀行ローン契約の注意点がふたつあります。
- ・返済期間が長いほど総額が高くなる
・返済額は維持費や生活費も考慮する
では、ひとつずつ解説していきます。
注意点1.返済期間が長いほど総額が高くなる
中古車購入で銀行ローンを契約する際は、返済期間の長さに気をつけましょう。
返済期間が長いほど総額が高くなるためです。
特に中古車は故障のリスクが新車と比べて高いため、期間を長くするのはおすすめしません。
中古車における返済期間の目安は5年程度です。
注意点2.返済額は維持費や生活費も考慮する
返済額は、維持費や生活費も考慮しましょう。
月々の支払いはローンの返済以外にも、食費やガソリン代、消耗品の購入なども発生するためです。
無理がかかる返済額は家計の圧迫につながるため、余裕を持ってやりくりできる金額に設定しましょう。
銀行ローンで失敗しないための選び方3つ
銀行ローンで失敗しないための選び方は3つあります。
- ・最高金利・金利の種類で選ぶ
・審査基準や難易度で選ぶ
・繰り上げ返済があるところを選ぶ
では、ひとつずつ解説していきます。
選び方1.最高金利・金利の種類で選ぶ
銀行ローンは、最高金利や金利の種類で選ぶと良いです。
金利の高さや変動型は支払額に直結するためです。
少しでも総額を抑えたい方は、金利が低く固定型のプランを選びましょう。
選び方2.審査基準や難易度で選ぶ
審査基準や審査の難易度で選ぶ方法もあります。
基準や審査の通りやすさはローンを提供する会社によって異なります。
収入が少なく不安な方は、ディーラーローンもしくは自社ローンがいいでしょう。
選び方3.繰り上げ返済があるところを選ぶ
銀行ローンを選ぶ際は、繰り上げ返済があるところを選ぶと安心です。
繰り上げ返済とは、所得が増えたり残債が少なくなったりして支払いに余裕ができた場合、返済期間を早めることです。
なお、繰り上げ返済をする場合は事前に申請が必要です。
こちらの記事では車購入の借入先として選ぶ基準を紹介しています。
本記事と併せて読むことで、より良いローン選びができるかもしれません。
まとめ
中古車を購入する際にローンを利用したい場合は、銀行ローン・ディーラーローン・自社ローンがあります。
銀行ローンは低金利で支払いの負担が少なく、また繰り上げ返済や所有権がご自身になるのがメリットです。
ただし、審査は厳しいため、場合によってはディーラーローンや自社ローンが良い場合もあります。
ご自身の信頼情報や収入などのバランスを見直し、ご自身に合ったローンを選びましょう。