ラグジュアリーな存在感と上質な乗り心地で人気のヴェルファイア。
長年にわたり高級ミニバンの代表格として位置付けられてきましたが、ユーザーからは「燃費が悪い」といった声も聞かれています。
この記事ではヴェルファイアのカタログや実際の燃費、ライバル車との比較、維持費を抑えるポイントまで詳しく解説します。
詳しい燃費が知りたい方や、ライバル車と比較検討したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【現行】ヴェルファイアのカタログ燃費と実燃費
さっそく本題であるヴェルファイアの燃費を紹介していきます。
現行ヴェルファイアは2023年に40系として誕生し、「プラグインハイブリッド」「ハイブリッド」「ターボガソリン」の3つのエンジンタイプを展開しています。
ここでは、現行モデルの燃費を詳しく見ていきましょう。
現行ヴェルファイアのカタログ燃費
カタログ数値は、次の表のとおりです。
駆動方式 | プラグイン ハイブリッド |
ハイブリッド | ターボガソリン |
---|---|---|---|
2WD | – | 17.5〜17.7km/L | 10.3km/L |
4WD(E-Four) | 16.7km/L | 16.5〜16.7km/L | 10.2km/L |
※WLTCモード
カタログ数値では、2WDハイブリッドモデルがもっとも高くなっています。
なお、ハイブリッドモデルにだけ、「Executive Lounge」と「Z Premier」の2つのグレードが展開されています。
それぞれの燃費数値は「Executive Lounge」の2WDで17.5km/L、4WDで16.5km/L、「Z Premier」の2WDで17.7km/L、4WDで16.7km/Lです。
現行ヴェルファイアの実燃費
実燃費についても確認していきましょう。
燃費調査サイトの「e燃費」によると、以下の結果が出ています。
駆動方式 | プラグイン ハイブリッド |
ハイブリッド | ターボガソリン |
---|---|---|---|
2WD | – | 13.96km/L | 8.14km/L |
4WD(E-Four) | – | 13.41km/L | 11.62km/L |
※WLTCモード
ハイブリッドモデルの実燃費は、およそ13.0〜14.0km/Lという結果が出ています。
ターボガソリンに関しては、2WDで8.14km/L、4WDで11.62km/Lで、4WDのほうが高い燃費数値となっています。
プラグインハイブリッドに関しては、公式に数値は公表されていないため、実燃費は不明ですが、ハイブリッドを参考にすると、12.0〜14.0km/Lと予想できるでしょう。
【旧型】ヴェルファイアのカタログ燃費
ヴェルファイアの燃費を調査している方の中には、旧型モデルと比較したい方もいると思います。
ここでは、旧型モデルのカタログ燃費と実燃費を紹介していきます。
旧型ヴェルファイアのカタログ燃費
まず、カタログ燃費は次のとおりです。
カタログ燃費 | |||
---|---|---|---|
2WD | 4WD (E-Four) |
||
30系 | ガソリン2.5L | 10.6〜11.4km/L | 10.6〜11.0km/L |
ガソリン3.5L | 9.9〜10.2km/L | 9.6〜9.9km/L | |
ハイブリッド2.5L | – | 14.8km/L | |
20系 | ガソリン2.4L | 9.4〜11.0km/L | 9.1〜10.6km/L |
ガソリン3.5L | 10.8km/L | 10.2〜10.4km/L |
※30系/WLTCモード 20系/JC08モード
表のとおり、先代の30系はガソリンモデルで10.0〜11.0km/L、ハイブリッドで14.8km/Lとなっています。
30系のガソリンモデルに関しては、2WDと4WDの数値は大きく変わりません。
20系はガソリンモデルのみ展開しており、こちらの燃費も2WDと4WDの数値に大きな差はありません。
現行モデルと比べると、ハイブリッドモデルは現行のほうが2.0km/L程度優れています。
一方、ガソリンモデルに関しても現行がターボエンジンとなるためか、大きな差は見られません。
旧型ヴェルファイアの実燃費
次に、旧型ヴェルファイアの実燃費を見ていきましょう。
燃費調査サイトの「e燃費」によると、以下の結果が出ています。
実燃費 | |||
---|---|---|---|
2WD | 4WD(E-Four) | ||
30系 | ガソリン2.5L | 6.04〜8.20km/L | 8.63km/L |
ガソリン3.5L | 7.15〜10.74km/L | 5.98〜7.96km/L | |
ハイブリッド2.5L | – | 11.48km/L | |
20系 | ガソリン2.4L | 8.38km/L | 8.14km/L |
ガソリン3.5L | 7.79km/L | 7.78km/L |
旧型のカタログ燃費と比べると、どのガソリンモデルも2.0〜4.0km/L程度、数値が低くなります。
現行モデルに関しても、やや現行のほうが数値はよいものの、大きな差はありません。
ヴェルファイアとライバル車の燃費を比較
燃費を検討する際、ほとんどの方がライバル車と比較をすると思います。
ここでは、ヴェルファイアの燃費を4車種に分けて比較していきます。
【トヨタ】アルファード
エンジンと駆動方式 | アルファード | ヴェルファイア | |
ガソリン | 2WD | 10.6km/L | 10.3km/L |
4WD (E-Four) |
10.3km/L | 10.4km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 17.5〜17.7km/L | 17.5〜17.7km/L |
4WD (E-Four) |
16.5〜16.7km/L | 16.5〜16.7km/L | |
プラグイン ハイブリッド |
4WD (E-Four) |
– | 16.7km/L |
※WLTCモード
アルファードと燃費を比べると、ハイブリッドモデルは同じ数値となっており、ガソリンモデルに関してもほとんど同じ数値となっています。
しかし、アルファードはプラグインハイブリッドモデルを展開していないため、走行距離で比べるとヴェルファイアのPHEVのほうが優れていると言えます。
また、排気量はアルファードのほうが高い数値ですが、ターボエンジンを搭載していることで、ヴェルファイアのほうが加速性は優れています。
【日産】エルグランド
エンジンと駆動方式 | エルグランド | ヴェルファイア | |
ガソリン | 2WD | 2.4L:10.0km/L 3.5L:8.7km/L |
10.3km/L |
4WD (E-Four) |
2.4L:9.7km/L 3.5L:8.4km/L |
10.4km/L | |
ハイブリッド | 2WD | – | 17.5〜17.7km/L |
4WD (E-Four) |
– | 16.5〜16.7km/L | |
プラグイン ハイブリッド |
4WD (E-Four) |
– | 16.7km/L |
※WLTCモード
現行のエルグランドは、ガソリンモデルのみ展開しており、2WDと4WDから選択可能です。
燃費を比べると、ヴェルファイアのほうが優れています。
なお、エルグランドは2026年にe-POWERを搭載したハイブリッドモデルが登場予定となっており、今後より優れた燃費のモデルに期待できます。
【三菱】デリカD:5
エンジンと駆動方式 | デリカD:5 | ヴェルファイア | |
ディーゼル | 4WD | 12.6km/L | – |
ガソリン | 2WD | – | 10.3km/L |
4WD (E-Four) |
– | 10.4km/L | |
ハイブリッド | 2WD | – | 17.5〜17.7km/L |
4WD (E-Four) |
– | 16.5〜16.7km/L | |
プラグイン ハイブリッド |
4WD (E-Four) |
– | 16.7km/L |
※WLTCモード
デリカD:5は、4WDディーゼルモデルのみ展開しています。
エンジンモデルが異なりますが、ハイブリッドモデルやプラグインハイブリッドと比べると、ヴェルファイアのほうが優れています。
なお、デリカD:5は2025年10月に新型が発表されると言われており、全車プラグインハイブリッドとなると言われています。
【日産】セレナ
エンジンと駆動方式 | セレナ | ヴェルファイア | |
ガソリン | 2WD | 13.0〜13.4km/L | 10.3km/L |
4WD (E-Four) |
11.6km/L ※オートコントロール4WD |
10.4km/L | |
ハイブリッド | 2WD | 18.4〜20.6km/L | 17.5〜17.7km/L |
4WD (E-Four) |
16.1〜17.0km/L | 16.5〜16.7km/L | |
プラグイン ハイブリッド |
4WD (E-Four) |
– | 16.7km/L |
※WLTCモード
燃費を比べると、ガソリンモデルとハイブリッドモデルともにセレナのほうが優れています。
セレナは、日産が独自に開発した「e-POWER」や「オートマチック4WD」などを搭載したことで、燃費を向上させています。
ヴェルファイアの価格や維持費
ヴェルファイアの燃費を調査している方は、車両価格や維持費も気になるところでしょう。
以下に、新車価格と維持費を紹介しますので、参考にしてください。
ヴェルファイアの新車価格
新車価格は、以下の表のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | グレード | 新車価格 |
ガソリン | 2WD | Z Premier | 6,700,000円 |
4WD | Z Premier | 6,898,000円 | |
ハイブリッド | 2WD | Z Premier | 7,050,000円 |
Executive Lounge | 8,800,000円 | ||
E-Four | Z Premier | 7,270,000円 | |
Executive Lounge | 9,020,000円 | ||
プラグインハイブリッド | E-Four | Executive Lounge | 10,850,000円 |
ヴェルファイアの維持費
1年間の維持費の目安は、以下のとおりです。
プラグインハイブリッド車 | ハイブリッド車 | ガソリン車 | |
燃料費 | 101,796円 | 96,045〜103,030円 | 165,049円 |
自動車税 | 45,000円 | 45,000円 | 45,000円 |
自動車重量税(1年分) | 約18,750円 | 約18,750円 | 約18,750円 |
自賠責保険(1年分) | 8,825円 | 8,825円 | 8,825円 |
合計 | 174,371円 | 168,620〜175,605円 | 237,624円 |
※免税は含まれていません。
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
こちらの金額のほかに、車検やメンテナンスにかかる費用、任意保険などもありますので、あくまで目安と捉えておきましょう。
中古ヴェルファイアを選択するのはアリ?
ヴェルファイアを検討する中で、「新型と中古、どちらが燃費面で得なのか」と悩む方も多いはずです。
ここでは、中古ヴェルファイアを選ぶ際に押さえておきたい燃費のポイントを解説します。
エンジンタイプによっては中古車もおすすめ
先述しましたが、ヴェルファイアの現行と旧型の燃費は、そこまで大きな差は見られません。
そのため、燃費だけでみると中古車でも十分満足できるでしょう。
特にガソリンモデルに関しては、数値がほとんど同じですので、走り方次第では旧型のほうが高い数値になる可能性があります。
また、中古車であれば購入時の費用も抑えられるので、金銭的メリットも大きくなります。
中古車はメンテナンスが重要
ヴェルファイアの中古車は、燃費や購入時の費用のメリットは大きくなりますが、メンテナンスに気をつける必要があります。
その理由は、中古車は車両によって年式が古かったり、走行距離が多いものがあり、燃費に関わるパーツが劣化している可能性が高くなるからです。
特にエンジン周りのパーツが劣化してくると、本来発揮できる性能が低下してくるため、燃費も下がってくる恐れが高くなります。
そのため、新車を購入するよりも日頃のメンテナンスを行う必要があります。
維持費には注意が必要
維持費のところで紹介した自動車税や自動車重量税は、経過年数によって高くなります。
具体的には、自動車税が新規登録から13年以上、自動車重量税が13年と18年以降で値上げされます。
自動車税や重量税は、排気量や車両重量によって異なってくるのが一般的です。
ヴェルファイアであれば自動車税が約13,000円、自動車重量税が13年目以降で約5,000円、18年目以降で約8,000円上げられます。
ヴェルファイアの燃費を向上させる方法
ヴェルファイアは車両重量が重いため、比較的燃費が悪いとされていますが、工夫次第で燃費向上が期待できます。
以下に燃費向上に役立つ5つの方法を紹介しますので、実際に取り入れてみてください。
急発進・急加速・急ブレーキを避ける
車の燃費が特に悪くなると言われているのが、急発進・急加速・急ブレーキの「3つの急」を行うことです。
急発進や急加速ではアクセルを強く踏むため、その分エネルギーが必要となり燃料消費が増えます。
急ブレーキでは加速したエネルギーを無駄にしてしまい、再度加速するためのエネルギーが必要となります。
そのため、アクセルを踏む際は緩やかに、ブレーキ時はなるべくエンジンブレーキを活用すると、燃費向上が可能です。
定期的なメンテナンスを実施する
車は定期的なメンテナンスをしないと、本来持っている性能を発揮してくれなくなります。
特にエンジン周りのパーツは燃費と大きく関係しているため、日頃のメンテナンスが必要です。
具体的には、エンジンオイルやタイヤ、エアコンフィルターの3点は、欠かさずチェックしましょう。
エアコンの使い方に気をつける
燃費の低下は、エアコンの使用方法も関係しています。
特に風量が多いほど燃費は悪くなると言われており、温度設定を極端に低くしたり高くしたりすると悪化に繋がります。
エアコンを使用する際は、季節や走行環境に応じて適切な設定を意識すれば、快適さを保ちながら無駄な燃料消費を抑えることが可能です。
不要な荷物は降ろしておく
「一般社団法人日本自動車工業会」によると、車両重量が10%増えると、燃費が約5%低くなると言われています。
そのため、車内に使用していない荷物がある場合は積み降ろしておき、必要最低限の荷物に留めておきましょう。
タイヤの空気圧を適正にする
燃費はタイヤにも関係しています。
具体的には、適正空気圧から50kPa下がると、市街地で約2.5%、郊外で約4.3%、高速道路で約4.8%悪化するとされています。
空気圧チェックは1ヶ月に1度でよいので、ガソリンスタンドや整備工場で定期的に確認しましょう。
まとめ
本記事では、ヴェルファイアの具体的な燃費数値を紹介し、ライバル車との比較や中古車を選ぶ際の注意点、燃費を向上させるポイントを解説しました。
ヴェルファイアの燃費は、ターボガソリンで10.2〜10.3km/L、ハイブリッド・プラグインハイブリッドで16.5〜17.7km/Lとなっています。
旧型モデルは現行と大きく燃費は変わらないため、購入を検討する際は、特徴を比較しつつ、自分のライフスタイルや走行環境に合った選択をすることが大切です。
本記事を参考に、納得できるカーライフの実現に役立ててください。