
カローラツーリングは、トヨタが販売する人気のワゴンモデルです。
広い荷室と快適な乗り心地を両立し、実用性の高さから多くのユーザーに選ばれています。
しかし、「実際の燃費は?」「ハイブリッドとガソリンの差は?」などの疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、トヨタ公式データと実走行データをもとに、カタログ燃費と実燃費の違いやグレード別の特徴、ライバル車との比較まで解説します。
購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
まずはカローラツーリングの基本から
2025年5月の一部改良により、カローラツーリングの車種構成や駆動方式に大きな変更が行われました。ここでは購入を検討する際に押さえておくべき変更点を整理して解説します。
2025年モデルではガソリン車を廃止しハイブリッドのみへ
トヨタ自動車は2025年5月9日、カローラツーリングを含むカローラシリーズにおいて、ガソリンエンジンモデルを廃止すると発表しました。
この改良により、新車販売では全車がハイブリッド仕様に統一されています。
ガソリンエンジンの選択肢はなくなり、環境性能および燃費性能の向上が図られた形です。
今後、新車でカローラツーリングを購入する場合は、ハイブリッド車のみとなります。
駆動方式は2WD/E-Fourの2タイプから選択可能
新車ラインアップでは、駆動方式として前輪駆動の2WDと電動式4輪駆動のE-Fourが用意されています。
グレード別のWLTC燃費は、Xグレードの2WD仕様で29.5km/L、E-Four仕様では27.8km/Lとなっており、駆動方式によって燃費や走行特性に違いがあります。
降雪地域や悪路走行の機会が多い場合はE-Fourを、通常の市街地走行が中心であれば2WDを選択するとよいでしょう。
中古車なら選択肢にガソリンモデルも入る
新車ではガソリン車の販売が終了しましたが、中古車市場には過去モデルのガソリンエンジン仕様が流通しています。
新車ラインアップの変更後も、中古車であればガソリン車モデルを検討できます。
燃費やエンジン方式を重視しながら、予算や使用目的に応じて中古車も視野に入れることで、選択の幅が広がります。
カローラツーリングのカタログ燃費をチェック
カローラツーリングの燃費性能を知るには、まずメーカーが公表しているカタログ値を確認することが大切です。
2025年5月の改良によってガソリン車が廃止され、全車ハイブリッド仕様となったカローラツーリングのカタログ燃費を、グレード別・駆動方式別に見ていきましょう。
ハイブリッド仕様のカローラツーリングのカタログ燃費
2025年5月以降のカローラツーリングは、すべてハイブリッド車のラインアップです。
トヨタ自動車が公表している主要諸元表によると、グレードや駆動方式ごとに以下のような燃費性能です。
- X
駆動方式:2WD
WLTC燃費:29.5km/L
駆動方式:E-Four
WLTC燃費:27.8km/LG
駆動方式:2WD
WLTC燃費:29.3km/L
駆動方式:E-Four
WLTC燃費:27.5km/LW×B
駆動方式:2WD
WLTC燃費:27.3km/L
駆動方式:E-Four
WLTC燃費:24.9km/L
エントリーグレードのXは2WDで29.5km/Lと、30km/Lに迫る優れた数値を記録しています。
一方で、タイヤサイズが大きく装備も充実した上位グレードや、4WDシステムのE-Four搭載車では車両重量の増加により燃費がやや下がる傾向です。
それでも24.9km/L以上の性能を確保しており、ステーションワゴンクラスでは高い水準です。
ガソリン仕様のカローラツーリングのカタログ燃費
ガソリンエンジン搭載車は2025年5月の改良で生産終了となりました。
しかし中古車市場では1.8Lエンジンを搭載したガソリン車が流通しています。
過去モデルのWLTCモード燃費は以下のとおりです。
- X
駆動方式:2WD
WLTC燃費:14.6km/LG
駆動方式:2WD
WLTC燃費:14.6km/LW×B
駆動方式:2WD
WLTC燃費:14.6km/L
ガソリン車の燃費は14.6km/Lで、ハイブリッド車と比較すると約10km/L低い数値です。
中古車購入を検討する場合は、この燃費差を考慮して車両価格や維持費を比較するとよいでしょう。
WLTCモードとは?燃費表示の見方を解説
WLTCモードとは、国土交通省が定めた国際基準の燃費測定方式です。
市街地・郊外・高速道路という3つの走行パターンを組み合わせて測定するため、従来のJC08モードよりも実際の走行条件に近い値が示されます。
ただし、WLTCモード燃費はあくまで試験環境下での数値です。
実際の走行では気温やエアコンの使用状況、積載量、運転の仕方によって燃費が変動します。
カタログ燃費は目安として捉え、実際の使用条件での燃費は後述する実燃費データを参考にしてください。
カローラツーリングの実燃費をチェック
カタログ燃費は車の性能を知る指標ですが、実際に走行したときの燃費とは差が生じます。
ここでは燃費投稿サイトのユーザーデータをもとに、カローラツーリングの実燃費を確認しましょう。
走行環境によってどのように燃費が変わるのかも解説します。
ハイブリッド仕様のカローラツーリングの実燃費
ハイブリッド車の実燃費について、燃費投稿サイトのユーザーデータを参照すると、2WDでやや高め、E-Fourでわずかに低めという傾向が見られます。
概ね21〜22km/L台がユーザー平均の目安です。
- 駆動方式:2WD
実燃費の目安:約22km/L前後駆動方式:E-Four
実燃費の目安:約21km/L前後
カタログ燃費の29.5km/Lに対して実燃費は21〜22km/L台と、約30%低い数値です。
走行環境別に見ると、市街地中心の走行では20km/L前後、郊外や高速道路では25km/L前後が目安となります。
信号待ちや渋滞が多い街乗りでもこの数値を維持できる点は、ステーションワゴンとして十分な性能です。
ガソリン仕様のカローラツーリングの実燃費
2025年以前に販売されたガソリン車の実燃費データも確認しておきましょう。
WLTCモードで17.8〜19.1km/Lのカタログ燃費に対し、実走行では以下のような結果が報告されています。
- エンジン:1.8Lガソリン(ZRE212W)
駆動方式:2WD
実燃費(平均):10〜13km/L
ハイブリッド車に比べると燃費の落ち込みが大きく、特に市街地走行では10km/L前後まで低下する傾向があります。
ガソリン車は高速道路での走行でも15km/L程度が目安で、年間のガソリン代で見るとハイブリッド車のほうが維持費を抑えられます。
街乗り・高速でどのくらい差が出る?
カローラツーリングの燃費は走行環境によって変動します。
ハイブリッド車の場合、街乗りと高速走行では4〜6km/L程度の差が見られます。
- 市街地中心(信号・渋滞が多い):18〜21km/L
高速・郊外中心(一定速度走行):24〜26km/L前後
市街地では頻繁な発進と停止が燃費を悪化させます。
一方で、ハイブリッド車はモーター走行を活用できるため、ガソリン車ほど燃費が落ち込みません。
一方、高速道路や郊外では一定速度での巡航が可能となり、エンジン効率が向上します。
このため、カタログ値の29.5km/Lに近い数値を記録することもあります。
走行環境を意識した運転を心がけることで、燃費を安定させ、給油頻度を減らして維持費の節約につながります。
カローラツーリングで燃費を重視するならグレード選びが大切
カローラツーリングは、ハイブリッド車であってもグレードによって燃費性能に差が生まれます。
タイヤサイズや車両重量の違いが燃費に影響を与えるため、購入時にはこれらの要素を検討することが大切です。
ここでは主要グレードの燃費データを整理し、コストパフォーマンスの観点から選び方を解説します。
重量やタイヤサイズの違いが燃費に影響する
同じハイブリッド車でも、装着するタイヤと車両重量によって燃費は変動します。
トヨタ自動車が公開している主要諸元表によると、グレード別の燃費は以下のとおりです。
- X
駆動方式:2WD
タイヤサイズ:195/65R15
車両重量:約1,350kg
WLTCモード燃費:29.5km/L駆動方式:E-Four
タイヤサイズ:195/65R15
車両重量:約1,400kg
WLTCモード燃費:27.8km/LG
駆動方式:2WD
タイヤサイズ:205/55R16
車両重量:約1,370kg
WLTCモード燃費:29.3km/L駆動方式:E-Four
タイヤサイズ:205/55R16
車両重量:約1,420kg
WLTCモード燃費:27.5km/LW×B
駆動方式:2WD
タイヤサイズ:215/45R17
車両重量:約1,390kg
WLTCモード燃費:27.3km/L駆動方式:E-Four
タイヤサイズ:215/45R17
車両重量:215/45R17
WLTCモード燃費:24.9km/L
タイヤ径が大きくなると転がり抵抗が増すため、燃費が低下する傾向があります。
ホイール重量の増加と接地面積の拡大が主な要因です。
上位グレードでは装備が充実する分、車両重量も増えるため、燃費面では不利になります。
コスパ重視ならどのグレードがおすすめ?
燃費性能を優先する場合、軽量かつ小径タイヤを装着した2WDのXグレードが選択肢です。
WLTCモードで29.5km/Lと、シリーズ中で高い数値を記録しています。
装備とのバランスを考慮するなら、Gグレードが現実的でしょう。
16インチタイヤによる安定感を保ちながら燃費差はわずか0.2km/Lにとどまり、快適装備も備わっています。
一方、17インチタイヤを装着するW×Bは走行安定性や外観の質感が向上する反面、燃費値は27.3km/Lとやや低めです。
デザインや装備を重視する方に向いたグレードです。
燃料タンク容量は43Lであり、Xグレードの燃費を基準にすると、1回の給油で約850kmから900km程度の走行が可能と試算できます。
燃費を重視する場合は、2WD・15から16インチタイヤ・軽量ボディの組み合わせを意識するとよいでしょう。
カローラツーリングとライバル車の燃費を比較
カローラツーリングの購入を検討する際、ほかの人気車種との燃費性能の違いを知りたい方も多いでしょう。
ここでは、1.8Lハイブリッド・2WDモデル(WLTCモード燃費29.5km/L)を基準として、4車種の代表的なライバルと燃費性能を比較していきます。
トヨタ・プリウス:同系ハイブリッドでも燃費特化設計
- プリウス(1.8Lハイブリッド・U)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:32.6km/Lプリウス(2.0Lハイブリッド・G)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:28.6km/Lカローラツーリング(1.8Lハイブリッド)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:29.5km/L
プリウスは燃費性能を優先に開発されたモデルです。KINTO専用のUグレードでは32.6km/Lという優れた燃費を実現していますが、一般的な新車販売店では購入できません。
一般販売されているGグレード(2.0L)と比較すると、カローラツーリングの方がわずかに燃費性能で上回ります。
カローラツーリングはワゴンとしての実用性を保ちながらも高い燃費性能を実現しており、日常的な使用において十分な経済性を備えているといえるでしょう。
カローラクロス:SUV形状による空気抵抗の影響
- カローラクロス(1.8Lハイブリッド)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:26.4km/Lカローラツーリング(1.8Lハイブリッド)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:29.5km/L
同じパワートレインを搭載していても、車体形状の違いが燃費に影響を与えています。
カローラクロスはSUV特有の車高の高さより空気抵抗が増し、車両重量も増えるため、ツーリングと比べると燃費は低くなります。
マツダ6ワゴン:ディーゼルは長距離走行に強み
- マツダ6ワゴン(2.2Lディーゼル)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:17.8km/Lカローラツーリング(1.8Lハイブリッド)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:29.5km/L
マツダ6ワゴンは、高速道路での長距離ドライブが得意です。ディーゼルエンジンの力強さで安定した走りを楽しめます。
ただし、燃費の良さではカローラツーリングが優れています。
軽油とレギュラーガソリンの価格差を考慮しても、日常的な使用における総合的なコストではカローラツーリングの方がお得になるケースが多いでしょう。
スバル・レヴォーグ:走行性能重視の設計
- スバル・レヴォーグ(1.8Lターボ)
駆動方式:AWD
WLTCモード燃費:13.5km/Lカローラツーリング(1.8Lハイブリッド)
駆動方式:2WD
WLTCモード燃費:29.5km/L
レヴォーグは常時AWDとターボエンジンにより走行安定性と加速性能を重視した設計で、燃費性能はカローラツーリングの半分程度にとどまります。
燃費性能を重視するならカローラツーリング、走行性能や雪道での安定性を重視するならレヴォーグと、選択の方向性が分かれる2車種です。
カローラツーリングの燃費を向上させるポイント
燃費を改善するには、日々の運転方法や車両の管理が重要です。
ここでは、カローラツーリングの燃費を向上させるために実践できる3つのポイントを紹介します。
アクセル操作と先読み運転でムダな加減速をなくす
車の燃費を左右する大きな要因は、運転の仕方です。特に注意したいのが、急なアクセル操作や急ブレーキの繰り返しです。
このような運転は、エンジンに負荷をかけて燃料消費を増やします。
国土交通省が推進するエコドライブ10のすすめでも、急発進・急加速を控えることが燃費改善に役立つと明記されています。
車を運転するときは、交通の流れを先読みしてスムーズに加減速することが重要です。
具体的には、発進時にふんわりアクセルで優しく踏み出し、信号やカーブの手前では早めにアクセルを離して惰性走行を心がけましょう。
また、車間を広く取ることでブレーキ回数を減らせます。日常の運転で意識を変えるだけでも、燃費向上につながるでしょう。
タイヤ管理を徹底して転がり抵抗を減らす
タイヤの空気圧や状態も、燃費に大きく影響する要素です。
空気圧が低下するとタイヤの接地面が広がり、転がり抵抗が増えて余計な燃料を消費してしまいます。
しかし、適切な空気圧管理ができていない車が多いのが現状です。
日本自動車タイヤ協会の調査によると、乗用車の約4台に1台が空気圧不足の状態で走行していることが分かっています。
空気圧のチェックでは、ドア開口部などに記載されている指定空気圧を確認し、月に1回は走行前の冷間時にチェックすることが重要です。
空気圧を適正に保てば、転がり抵抗を減らして燃費を維持できるでしょう。
また、摩耗したタイヤや偏摩耗(片減り)も燃費悪化の原因です。
整備工場やディーラーで定期的に点検し、溝の深さを確認しながら、摩耗が進んでいれば早めの交換を行いましょう。
タイヤの状態をこまめにチェックする習慣が、長期的な燃費改善につながります。
積載や車外装備を見直す
車の燃費は、走行時の重量と空気抵抗にも大きく影響されます。
これは、荷物を積みっぱなしにしたり、ルーフボックス・キャリアなどの車外装備を付けたまま走行したりすると、エンジンがより多くのエネルギーを必要とするためです。
経済産業省の調査でも、車両重量が100kg増えると燃費が約3〜5%悪化する傾向があるとされています。
カローラツーリングは荷室が広く積載性に優れていますが、日常的に不要な荷物を積んだままにしておくと燃費ロスが発生します。
荷室を定期的に整理して不要な荷物を降ろすことや、ルーフキャリア・ボックスを使用時以外は取り外すこと、アウトドア用品や工具など重い荷物を常時積載しないことが重要です。
特に高速走行時は、車外装備による空気抵抗が燃費に大きく影響するため、使わない装備は外しておくことをおすすめします。
まとめ
カローラツーリングは2025年5月の改良でハイブリッド専用車となり、ステーションワゴンクラスで高い水準の燃費性能を実現しています。
カタログ燃費29.5km/L、実燃費も21〜22km/L前後の数値です。
プリウスやカローラクロスと比較しても、ワゴンとしての実用性を保ちながら高い経済性を備えています。
グレード選びや運転方法、タイヤ管理の工夫でさらに燃費向上が期待できます。
荷室の広さと低燃費を両立したカローラツーリングは、通勤から週末のレジャーまで幅広く活躍する実用的な1台です。





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