
ホンダの「シビック タイプR」は、前輪駆動車として世界最速クラスの性能を誇り、圧倒的な走行性能とスポーティーなデザインで多くのファンを魅了しています。
しかし、気になるのは高出力エンジンを搭載したスポーツカーならではの燃費性能ではないでしょうか。
本記事では、シビック タイプRの特徴やグレード別燃費を紹介するとともに、燃費を向上させるコツやライバル車との比較もあわせて解説します。
シビック タイプ Rの特徴
シビック タイプRは、ホンダが誇るハイパフォーマンスモデルであり、サーキットでも日常でも走りの歓びを実感できる1台です。
圧倒的な動力性能と緻密に計算された空力デザイン、そしてHonda SENSINGをはじめとする先進安全技術を標準装備し、スポーツカーの楽しさと日常の安心を両立しています。
ここでは、シビック タイプRの特徴を詳しく解説します。
前輪駆動車最速
シビック タイプRは、前輪駆動車最速のモデルです。
ドイツ・ニュルブルクリンクは、市販スポーツカーの性能を証明する舞台として知られています。
シビック タイプRは、この伝統あるサーキットで前輪駆動車最速を目指し、数多くの欧州スポーツモデルと激しい競争を繰り広げてきました。
そして2023年4月、7分44秒881という記録を樹立し、ルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」が保持していた記録を更新し、前輪駆動車最速の称号を奪還しました。
これは単なる速さだけでなく、車両剛性・サスペンション・空力性能など、総合力で世界トップクラスの実力を証明した瞬間でもあります。
スポーティーなデザイン
シビック タイプRは、見た目の迫力と走行性能を高める空力技術を融合させたデザインが特徴です。
フロントは拡大されたグリル開口部とグロスブラックのスポイラーを採用し、冷却効率とダウンフォースを強化しています。
フェンダーアウトレットは内部の空気を効率的に排出し、走行中の安定性を支えます。
リアには特殊形状のディフューザーや最適化された大型スポイラーを搭載し、高速走行時でも確かなグリップ力を確保しています。
さらにボディカラーはチャンピオンシップホワイトやレーシングブルー・パールなど多彩に用意され、走行性能と個性を両立できる点も魅力です。
スポーティーなドライビングポジション
シビック タイプRの室内は、乗り込んだ瞬間に乗り込んだ瞬間に走りへの高揚感を覚える空間です。
低い着座位置とスクエアな前方視界により、車両感覚をつかみやすく、サーキット走行でも正確なライン取りが可能です。
後方視界はリアスポイラーが高速走行時にしなる挙動まで考慮して設計され、常に良好な視認性を確保します。
ドライバーは車両と一体化するような感覚で運転でき、街中でもサーキットでも高い安心感を持ちながらスポーティーな走りを堪能できます。
高出力・高レスポンス2.0L VTEC TURBOエンジン搭載
シビック タイプRに搭載される2.0L VTEC TURBOエンジンは、最高出力320PS・最大トルク400N・mを発揮します。
アクセルを踏み込んだ瞬間、強烈な加速Gが体を押し付け、低回転から高回転まで一気に吹け上がる特性を持ちます。
低慣性ターボチャージャーや多段噴射直噴システム、電動ウェイストゲートによる柔軟な過給制御により、燃費性能も両立しています。
さらに軽量クランクシャフトやアルミ製ピストンなど徹底した軽量化を実施し、鋭いレスポンスを実現しました。
専用クロスレシオの6速MTとレブマッチシステムを組み合わせることで、誰もがダイナミックでスムーズなシフトフィールを楽しめる点も特徴です。
Honda SENSINGの標準装備
シビック タイプRは、走りを極めたモデルでありながら安全性も妥協しません。
最新の運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備し、衝突軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能などを搭載しています。
さらに高剛性ボディ「ACE構造」が衝突時のエネルギーを分散し、乗員と歩行者双方の安全を守ります。
スポーツカーながら駐車支援機能や多彩なセンサー類も備え、街乗りやロングドライブでも安心です。
快適性と走行性能を両立したモデルといえるでしょう。
【グレード別】シビック タイプRの燃費
ここでは、シビックタイプRのグレードごとの燃費性能について紹介します。
TYPE R
シビックタイプRは、6速マニュアルトランスミッションと前輪駆動(FF)の組み合わせにより、ダイレクトな加速感と高い操縦性を実現しています。
WLTCモード燃費は13.0km/Lと、2.0L VTECターボエンジンを搭載する高出力モデルとしては十分な燃費です。
高回転まで鋭く吹け上がるエンジン特性を持ちながらも、実用域では燃費効率を意識したチューニングが施されており、日常走行から高速クルージングまで幅広いシーンに対応します。
スポーツ性能と一定の燃費性能をバランスさせたTYPE Rは、日常とスポーツドライブを両立したいユーザーに最適なグレードです。
TYPE R・Limited Edition
シビック タイプ R・リミテッドエディションは、国内でわずか200台のみ販売された特別仕様車です。
徹底的な軽量化と専用装備によってサーキットパフォーマンスを極限まで高めたモデルです。
燃費性能はベースモデルと同じWLTCモード13.0km/Lですが、専用セッティングのアダプティブ・ダンパー・システムやEPS、軽量化されたBBS製20インチ鍛造アルミホイールを装備し、走行性能を大幅に強化されています。
さらに、ミシュラン・パイロットスポーツCup2という高性能タイヤを採用し、コーナリング性能とグリップ力を最大限に引き出しています。
ボディカラーには初代タイプRを思わせる「サンライトイエローⅡ」を採用し、特別感を強調しています。
価格は550万円と高額ながら、その希少性と走りの完成度から、コレクターや熱心なドライバーから圧倒的な支持を得たグレードです。
シビック タイプRの燃費を向上させるコツ
高出力エンジンを搭載するシビックタイプRは、走行性能を重視したモデルですが、工夫次第で燃費効率を高めることも可能です。
ここでは、シビック タイプRの燃費を向上させるコツを紹介します。
エンジンブレーキを利用する
燃費改善に欠かせないのが、エンジンブレーキを積極的に活用することです。
アクセルをオフにすると、燃料供給が自動的にカットされるため、無駄なガソリン消費を抑えることができます。
減速時には早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを効かせる運転を心がけると効果的です。
急ブレーキに頼る運転は燃費を悪化させるだけでなく、ブレーキパッドの摩耗も早める原因となるため、早めの減速を意識することが大切です。
エアコンを控える
エアコンは快適性を保つために欠かせない装備ですが、コンプレッサーがエンジンの動力で作動するため、燃費への影響は小さくありません。
冷暖房を必要以上に強く設定するとエンジン負荷が増え、結果的に燃料消費が増えてしまいます。
夏場は適切な温度設定と送風モードの活用、冬場はシートヒーターやステアリングヒーターとの併用でエアコン使用を抑えると良いでしょう。
快適さを維持しながらも、無駄のないエアコン使用が燃費向上につながります。
エンジンオイルを定期的に交換する
燃費性能を維持するためには、エンジンオイルの管理も欠かせません。
劣化したオイルは潤滑性能が落ち、内部抵抗が増えることで燃焼効率が低下し、燃費悪化の要因となります。
定期的なオイル交換を行うことで、エンジン本来の性能を発揮させることが可能です。
特にホンダ純正の「ウルトラシリーズ」オイルはタイプRの高性能エンジンに最適化されており、燃費と耐久性の両立に効果的です。
どの種類のオイルが適しているか不安な場合は、Honda販売店で確認し、最適なメンテナンスを受けると安心でしょう。
シビック タイプRのライバル車との燃費比較
ここでは、シビックタイプRとライバルモデルであるスバルWRX STI、ルノー メガーヌR.S.の燃費性能を比較していきます。
スバル WRX STI
スバルのWRX STIは水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの組み合わせによって高い走行安定性を誇りますが、燃費に関してはシビックタイプRと比べて見劣りします。
高速巡航時であっても実燃費は12〜13km/L程度で、タイプRが15km/L以上を達成できることを考えると差は明らかです。
また、環境性能に関しても最新の規制を意識したタイプRと比べると古さが否めず、スポーツ性能重視の設計思想が色濃く表れています。
とはいえ、ラリー由来の力強い走行感やターボの鋭い加速は他車にはない魅力であり、走りにこだわる層からは依然として高い支持を得ています。
ルノー メガーヌ
ルノー メガーヌR.S.は、2.0L直4ターボエンジンから最大300PSを発揮するフレンチホットハッチの代表格です。
対するシビックタイプRは330PSを誇り、より広いパワーバンドと余裕ある加速力を備えています。
燃費面でも違いがあり、カタログ上ではタイプRが約1.2km/L上回る数値を示しており、ハイパフォーマンスカーの中では経済性も兼ね備えていることがわかります。
さらに、トランスミッションの設定にも違いがあります。
シビックタイプRは6速MTのみの設定で、ドライバーの操作を重視した設計です。
一方でメガーヌR.S.は6速DCTを基本とし、トロフィーグレードでは6速MTも選択可能となっており、運転スタイルに応じて選べる柔軟性があります。
シビック タイプRがおすすめな人の特徴
ここでは、シビックタイプRを特におすすめできる人の特徴を紹介します。
スポーティーな運転を楽しみたい人
シビックタイプRは、日常走行でも十分に楽しめるレスポンスの良さが魅力です。
アクセルを踏み込んだ瞬間に鋭い加速を体感できる2.0L VTEC TURBOエンジンは、スポーツカーらしい爽快感をドライバーに与えてくれます。
さらに、高速道路やワインディングロードでの安定性は折り紙付きで、長距離移動でも疲れにくい設計がされています。
新しい車で安心してカーライフを送りたい人や、家族との普段使いを重視しつつ運転を楽しみたい人にとって、シビックタイプRは理想的な選択肢となるでしょう。
サーキット走行を体験したい人
シビックタイプRは、サーキット走行を視野に入れて開発されたモデルです。
ハイパワーエンジンと精密なサスペンションが組み合わさり、限界領域での走行でも高い安定性とコントロール性を発揮します。
市街地ではその性能をすべて使い切ることは難しいですが、サーキットなら安心して全開走行を楽しむことが可能です。
走ること自体に情熱を持ち、スポーツドライビングの魅力を体感したい人にとって、シビックタイプRは特別な存在となるはずです。
スタイリッシュなデザインの車の乗りたい人
スポーティーな走行性能だけでなく、シビックタイプRはデザイン性の高さも大きな魅力です。
ロー&ワイドなフォルムと流麗なシルエットは、走りの力強さと美しさを両立させています。
インテリアはドライバー中心に設計され、操作性と視認性を重視したレイアウトとなっており、コックピットに座った瞬間からスポーツカーの醍醐味を味わえます。
街中を走ればその個性的なデザインが人目を引き、所有する喜びを一層感じさせてくれるでしょう。
走行性能とデザイン性の両方を求める方に強くおすすめできる車種です。
まとめ
本記事では、シビック タイプRの燃費を紹介するとともに、燃費を向上させるコツやライバル車との比較もあわせて解説します。
シビックタイプRは、圧倒的なパフォーマンスと走行性能を重視したホンダのフラッグシップスポーツモデルです。
燃費性能はWLTCモードで13.0km/Lと、一般的なコンパクトカーやハイブリッド車に比べると高水準とはいえません。
しかし、2.0L VTEC TURBOエンジンによる320PS超のパワーや、サーキット走行を可能にするレスポンスを考慮すると、この数値は十分に優秀といえます。
燃費だけで判断する車ではなく、走りを最優先する人にこそ最適な1台といえるでしょう。





全てのメーカーから買取相場を探す