
高級SUVの代名詞ともいえるレンジローバー。
ラグジュアリーなデザインと快適な乗り心地が魅力ですが、「燃費が悪い」と聞いて迷っている方も多いはず。
購入を検討している方は、実際の燃費やモデルごとの違いをしっかり知っておきたいですよね。
この記事では、現行・歴代モデルの燃費を比較し、そのほかのモデルやライバル車との違いもわかりやすく紹介します。
見た目だけで選んで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
レンジローバーの基本情報
レンジローバーの詳しい燃費を紹介する前に、どんな特徴の車なのかスペックと合わせて紹介していきます。
燃費において重要なグレードについても紹介しますので、購入や乗り換えを検討している方は、事前に特徴を把握して選ぶ際の目安にしましょう。
レンジローバーのスペックと特徴
- 車体サイズ(全長×全幅×全高):5,052〜5,058mm×2,009mm×1,870mm
車両総重量:2,160~2840kg
駆動方式:フルタイム4WD
総排気量:2,996cc
最大出力:324〜375kW
最大トルク:550〜620N・m
燃費(WLTCモード):24.3~26.4km/L
レンジローバーは、英国の自動車ブランド「ランドローバー」が誇る高級SUVです。
1970年に初代モデルが登場して以来、力強い走行性能と上質なデザイン性を両立してきました。
現行モデルでは、全長5mを超える重厚なボディと洗練されたフォルムが特徴です。
内装には上質なレザーやウッド素材がふんだんに使用され、快適で静かなドライビング空間を提供してくれます。
オンロード・オフロードを問わず、優雅で安定した走行を楽しめる1台です。
4つのグレード・3つのボディタイプから選べる
レンジローバーのグレードは全部で4種類あり、それぞれに3つのボディタイプが存在します。
- スタンダードグレード「SE」
・スタンダードホイールミドルグレード「HSE」
・スタンダードホイール
・ロングホイールベース
・ロングホイールベース7席シート最上位グレード「オートバイオグラフィー」
・スタンダードホイール
・ロングホイールベース
・ロングホイールベース7席シート高性能モデル「SV」
・スタンダードホイール
・ロングホイールベース
上記のとおり、グレードによって選べるボディタイプが異なります。
また、選ぶボディタイプによって、ボディや荷室スペース、ホイールベースのサイズが異なってきます。
現行レンジローバーの燃費
ここからは、レンジローバーの現行モデルの燃費を、カタログと実際の燃費に分けて詳しく紹介していきます。
現行モデルのエンジンは、以下の3タイプに分けられます。
・3リッターディーゼル
・V8ガソリン
・PHEV
このようにレンジローバーは、幅広いエンジンタイプから選択可能です。
カタログ燃費
カタログ燃費は、以下のとおりです。
- 3リッターディーゼル:11.4km/L
V8ガソリン:-
PHEV:9.9km/L
カタログ燃費を全体でみると、9.9〜11.4km/Lとなっており、決して良い数値とは言えません。
V8ガソリンに関しては、記載がなかったため数値が不明ですが、そのほかのエンジンタイプを参考にすると、10.0km/L程度と予想されます。
実燃費
続いて、実燃費を紹介していきます。
今回、燃費調査サイト「e燃費」や、車に関する口コミサイト「みんカラ」を参考に、実燃費を調査してみたのですが、詳しい燃費数値が記載されていませんでした。
そのため、エンジンタイプに分けた詳しい実燃費は、はっきりしていないのが現状です。
しかし、いくつか実燃費が記載されており、その数値は4.00〜7.88km/Lと記録されていました。
実際の走行条件や使用状況がわからないため、参考程度の数値となりますが、カタログ燃費と比較すると一般的な下がり具合だと言えるでしょう。
1年間のガソリン代はどのくらい?
参考として、1年間のガソリン代を5,000kmと10,000kmに分けて紹介します。
カタログ値を参考にしたガソリン代が、以下のとおりです。
- 3リッターディーゼル 11.4km/L(WLTCモード)
5,000km:74,561円
10,000km:149,123円V8ガソリン ※10.0km/L(WLTCモード)
5,000km:85,000円
10,000km:170,000円PHEV 9.9km/L(WLTCモード)
5,000km:85,859円
10,000km:171,717円
※ガソリン代は1L/170円で計算
※V8ガソリンの燃費は記載がないので、およその数値で計算
全体で見ると5,000kmが8,0000円前後、10,000kmで160,000円前後のガソリン代が必要となります。
ただし、走行条件や使用状況によって異なってくるため、あくまで参考程度に捉えてください。
歴代レンジローバーの燃費
レンジローバーは歴史が古いこともあり、現代までに複数のモデルが発売されていました。
ここからは、歴代レンジローバーの詳しい燃費を紹介していきます。
カタログ燃費
カタログ燃費は、以下のとおりです。
- 初代
ガソリン(3,900〜4,300cc)
JC08モード 4WD:-2代目
ガソリン(3,900〜4,600cc)
JC08モード 4WD:5.0〜5.1km/L(10・15モード)3代目
ガソリン(4,200〜5,000cc)
JC08モード 4WD:5.0〜5.7km/L(10・15モード)4代目
ガソリン(3,000〜5000cc)
JC08モード 4WD:5.3〜 8.5km/L(JC08モード)
ディーゼルターボ(3,000cc)
JC08モード 4WD:12.4km/L(JC08モード)
2代目と3代目のカタログ燃費は、そこまで大きな差はみられませんでした。
4代目に関しては測定方法が異なるため、そのほかのモデルとの比較は難しいですが、ディーゼルモデルが誕生したことで、燃費性能が向上していることがわかります。
実燃費
続いて、実燃費を紹介していきます。
燃費調査サイト「e燃費」を参考にした数値が、以下のとおりです。
- 初代
ガソリン(3,900〜4,300cc)
JC08モード 4WD:-2代目
ガソリン(3,900〜4,600cc)
JC08モード 4WD:4.36km/L3代目
ガソリン(4,200〜5,000cc)
JC08モード 4WD:5.91m/L4代目
ガソリン(3,000〜5000cc)
JC08モード 4WD:-
ディーゼルターボ(3,000cc)
JC08モード 4WD:10.0km/L
カタログ燃費と比較すると、3代目のみ実燃費のほうが高い数値となっていました。
2代目と4代目(ディーゼル)に関しては、数値が下がっていますが、0.7〜2.0km/L程度なので、そこまで性能は悪くないと言えます。
レンジローバーのほかのモデルと燃費を比較
レンジローバーには、そのほかにも以下の3つのモデルがラインナップされています。
・レンジローバースポーツ
・レンジローバーヴェラール
・レンジローバーイヴォーク
それぞれサイズやデザインなどが異なり、もちろん燃費も違ってきます。
ここでは、3つのモデルとの燃費の比較を紹介していきます。
レンジローバースポーツ
レンジローバースポーツの燃費は、以下のとおりです。
- レンジローバースポーツ
・V8ガソリン:-
・3リッターガソリン:8.8km/L
・3リッターディーゼル:11.6km/L
・PHEV:10.4km/Lレンジローバー
・V8ガソリン:-
・3リッターガソリン:-
・3リッターディーゼル:11.4km/L
・PHEV:9.9km/L
レンジローバースポーツのエンジンは、4つのエンジンタイプから選択できます。
燃費を比較すると、レンジローバースポーツのほうが少し数値が高い傾向でした。
レンジローバー イヴォーク
レンジローバーイヴォークの燃費は、以下のとおりです。
- レンジローバーイヴォーク
・2リッターガソリン:10.4km/L
・3リッターディーゼル:-
・2リッターディーゼル:13.3km/L
・PHEV:12.7km/Lレンジローバー
・V8ガソリン:-
・3リッターガソリン:11.4km/L
・3リッターディーゼル:-
・PHEV:9.9km/L
レンジローバーイヴォークのエンジンタイプは、2リッターディーゼル・2リッターガソリン(P200)・PHEVの3つから選択できます。
燃費を比較すると、イヴォークのほうが少し優れていることがわかります。
レンジローバー ヴェラール
レンジローバーヴェラールの燃費は、以下のとおりです。
- レンジローバーイヴォーク
・2リッターガソリン:9.5km/L
・3リッターディーゼル:-
・2リッターディーゼル:13.6km/L
・PHEV:10.5km/Lレンジローバー
・V8ガソリン:-
・3リッターガソリン:11.4km/L
・3リッターディーゼル:-
・PHEV:9.9km/L
レンジローバーヴェラールのエンジンは、2リッターディーゼル・2リッターガソリン・PHEVの3つから選択できます。
燃費を比較すると、ヴェラールのほうが優れていることがわかります。
ここまで3つのモデルと燃費を比較してきましたが、エンジンタイプは異なるものの、燃費数値に関しては、3.0km/Lほどの差しかありませんでした。
そこまで大きな差とは言えないため、使用状況次第では同等の燃費になるとも言えるでしょう。
レンジローバーとライバル車の燃費を比較
レンジローバーを検討している方の中には、似た車との燃費の比較をしたいと思っている方も多いでしょう。
以下に3つの車種との比較を紹介していきますので、選ぶ際の参考にしてください。
【ホンダ】CR-V
ホンダのCR-Vの燃費は、以下のとおりです。
- CR-V
・ガソリン:1,496cc 2WD:13.6km/L / 1,496cc 4WD:14.2km/L
・ディーゼル:-
・PHEV:-
・HEV:1,993cc 2WD:25.8km/Lレンジローバー
・ガソリン:-
・ディーゼル:11.4km/L
・PHEV:9.9km/L
・HEV:1,993cc 4WD:25.0km/L
CR-Vのエンジンは、ガソリンとハイブリッドを展開しています。
エンジンタイプが異なるため燃費の比較は難しいですが、排気量はレンジローバーのほうが1,000〜1,500cc高いことを考慮すると、そこまで大きな差とは言えないでしょう。
【トヨタ】RAV4
トヨタのRAV4の燃費は、以下のとおりです。
- RAV-4
・ガソリン:1,986cc 4WD:15.2km/L
・ディーゼル:-
・PHEV:2,487cc E-Four:22.2km/L
・HEV:2,487cc E-Four:20.3〜20.6km/Lレンジローバー
・ガソリン:-
・ディーゼル:11.4km/L
・PHEV:9.9km/L
・HEV:-
RAV4のエンジンは、ガソリン・PHEV・HEVの3種類が展開されています。
燃費を比較すると、排気量の違いを考慮してもRAV4のほうが優れていることがわかります。
【ボルボ】XC90
ボルボのXC90の燃費は、以下のとおりです。
- XC90
・ガソリン:-
・ディーゼル:-
・PHEV:1,968cc E-Four:13.3km/L
・HEV:1,968cc AWD:10.5〜10.9km/Lレンジローバー
・ガソリン:-
・ディーゼル:11.4km/L
・PHEV:9.9km/L
・HEV:-
XC90のエンジンは、PHEVとHEVの2種類がラインナップされています。
燃費を比較すると、PHEVがおよそ3.0km/Lの差となっています。
レンジローバーの排気量が3,000cc程度であることを考慮すると、レンジローバーのほうが走行性や燃費性が優れていると言えるでしょう。
レンジローバーの価格や維持費
レンジローバーを検討しているかたは、購入価格や維持費も重要なポイントとなります。
以下に、3つの金額を紹介しますので、購入する際の参考にしてください。
レンジローバーの新車価格
- SE
・スタンダード ホイールベース:19,520,000円
・ロングホイール ベース:-
・ロングホイール ベース7席シート:-HSE
・スタンダード ホイールベース:20,880,000円
・ロングホイール ベース:21,260,000円
・ロングホイール ベース7席シート:21,630,000円オートバイオグラフィー
・スタンダード ホイールベース:23,330,000円
・ロングホイール ベース:26,850,000円
・ロングホイール ベース7席シート:26,420,000円SV
・スタンダード ホイールベース:28,970,000円
・ロングホイール ベース:34,660,000円
・ロングホイール ベース7席シート:-
レンジローバーの中古車価格
- ガソリン:980,000〜32,093,000円
ディーゼル:6,371,000〜22,637,000円
ハイブリッド:6,930,000〜30,719,000円
レンジローバーの維持費
- 燃料費(1L/170円):149,123〜171,717円
自動車税(1年):87,000円
車検費用(1年):50,000円程度
自賠責保険(12ヶ月):8,825円
合計:294,948〜317,542円
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
レンジローバーの燃費が悪いと言われる理由
レンジローバーは高級SUVとして人気がありますが、「燃費が悪い」と言われることもあります。
ここまでレンジローバーの燃費を紹介してきましたが、「燃費が悪い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
その理由には、車の構造や性能に関係するいくつかの要因があります。
ここでは、代表的な3つの理由を紹介します。
車体重量が重いから
レンジローバーは、頑丈で重厚なボディが魅力ですが、その分車体がかなり重いのが特徴です。
モデルによっては総重量が2,160〜2,840kgにもなり、走らせるだけでも多くのパワーが必要です。
その結果、エンジンが余計に燃料を使うため、燃費の悪さにつながってしまいます。
排気量が多いから
レンジローバーの排気量は約2,996ccと大きく、エンジンが強力なのが特徴です。
排気量が大きいほど空気と燃料を多く使ってパワーを生み出すため、どうしても燃料消費量が増えてしまいます。
その結果、加速性能や走行の安定性は高いものの、燃費の面では不利になりやすい傾向があります。
そもそも燃費重視の車ではない!
レンジローバーの燃費が悪いと言われる最大の理由として考えられるのが、そもそも燃費重視の車でないことが挙げられます。
ドライバーが求めるのは、以下のポイントです。
・高級感あふれるデザイン
・細部までこだわった上質なインテリア
・どんな地形でも対応できる走破性
・力強さと静粛性を両立したエンジン性能
・いつでも安心して走れる先進の安全性能
これらを備えているため、燃費よりも走りと上質さを求める人に選ばれています。
2026年にレンジローバーBEV(電気自動車)が発売予定!
レンジローバーは、2026年に初のBEV(電気自動車)モデルの発売を予定しています。
もともとは、2023年後半に予約が開始され、2025年に発売予定でしたが、延期を重ねて2026年に変更されました。
予約者数は、すでに6万2,000人を突破していると発表されており、その注目度の高さがうかがえます。
航続距離は500〜700kmと予想されており、ほかの電気SUVに劣らない走りを見せてくれるでしょう。
まとめ
本記事では、レンジーローバーの燃費を現行モデルと歴代モデルに分けて紹介し、ライバルとの比較や燃費が悪いと言われる理由まで解説してきました。
レンジローバーは、燃費面では他SUVに劣る部分もありますが、それ以上に圧倒的な走行性能と上質な乗り心地を兼ね備えています。
燃費を最優先にする車ではありませんが、「走りと高級感を両立したい」という方には理想的な1台といえるでしょう。
今後、登場する電気モデルが、燃費面でどこまで進化するかも注目です。





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