
納車まで半年以上待つこともあるほど人気のスズキ・ジムニーシエラ。
デザインや走行性能の高さが支持されていますが、「燃費が悪い」との評判が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ジムニーシエラの実際の燃費データやライバル車との比較、燃費を良くするためのポイントをわかりやすく解説します。
ジムニーやジムニーノマドとの比較も紹介しますので、詳しい燃費を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ジムニーシエラの基本情報
ジムニーシエラの燃費を紹介する前に、スペックや特徴を紹介していきます。
| 車体サイズ(全長×全幅×全高) | 3,550mm×1,645mm×1,730mm |
| エンジン | 直列4気筒 |
| 駆動方式 | パートタイム4WD |
| トランスミッション | 5MT・4AT |
| 燃費(WLTCモード) | 14.3〜15.4km/L |
| 最小回転半径 | 4.9m |
ジムニーシエラは、スズキが誇る本格派コンパクトSUVで、2018年に現行モデルが登場しました。
丸型ヘッドライトと5スロットグリルが印象的な外観は、アウトドアでの使用を意識した力強いデザインとなっています。
伝統のラダーフレーム構造を採用し、高い剛性と優れた悪路走破性を実現しています。
インテリアは視認性や操作性を重視したシンプルかつ実用的な設計で、撥水加工のシート素材を全車に採用。
ジムニーの軽快さに加え、普通車ならではの安定感を兼ね備えた1台です。
【現行】ジムニーシエラのカタログ燃費と実燃費
ここからは本題であるジムニーシエラの燃費を紹介していきます。
現行ジムニーシエラは2018年7月に誕生しました。
グレードは「JC」と「JL」の2種類に分けられ、エンジン性能は、駆動方式がパートタイム4WD、排気量が1,500ccとなっています。
ここでは、現行モデルのカタログ燃費と実燃費を見ていきましょう。
カタログ燃費
カタログ燃費は、次のとおりです。
| グレード | 5速MT | 4速AT |
| カタログ燃費(WLTCモード) | カタログ燃費(WLTCモード) | |
| JC | 15.4km/L | 14.3km/L |
| JL | 15.4km/L | 14.3km/L |
グレードによるエンジン性能の違いはありませんが、5速MTと4速ATのどちらを選ぶかで燃費が異なってきます。
実燃費
続いて、実燃費を紹介していきます。
燃費紹介サイト「e燃費」によると、実燃費は次の結果が出ています。
| グレード | 5速MT | 4速AT |
| 実燃費 | 実燃費 | |
| JC・JL | 12.83km/L | 10.47〜12.82km/L |
カタログ燃費と比較すると、5速MTで2.5km/L程度、4速ATで2.0〜4.0km/L程度低くなります。
なお、4速ATに関しては、アイドリングストップ機能搭載車のほうが、燃費はよくなります。
【旧型】ジムニーシエラのカタログ燃費と実燃費
ここからは、ジムニーシエラの旧型モデルの燃費を紹介していきます。
旧型モデルは、初代が1993年11月〜1997年5月、2代目が2002年1月〜2014年8月に発売されていました。
それぞれ現行モデルとはエンジン性能が異なります。
初代に関しては、排気量1,300ccの5速MTと3速ATから選択でき、2代目は排気量1,300ccの5速MTと4速ATmから選べます。
カタログ燃費
旧型モデルのカタログ燃費は、次のとおりです。
| 世代 | 5速MT | 4速AT(初代は3速AT) |
| カタログ燃費(10・15モード) | カタログ燃費(10・15モード) | |
| 初代 | 13.0〜13.6km/L | 10.4〜11.4km/L |
| 2代目 | 13.6〜14.0km/L | 12.6〜12.8km/L |
初代と2代目では、2代目のほうが数値は高いことがわかります。
また、現行モデルと比較すると2.0〜3.0km/L程度低くなります。
実燃費
続いて、旧型モデルの実燃費を見ていきましょう。
「e燃費」を参考にした数値が、以下のとおりです。
| 世代 | 5速MT | 4速AT(初代は3速AT) |
| 実燃費 | 実燃費 | |
| 初代 | 10.27〜10.29km/L | 9.44km/L |
| 2代目 | – | – |
初代の5速MTは、カタログ燃費と比較すると、およそ3.0km/L低い数値となります。
一方、初代の3速ATはカタログ燃費と大きな差がないことがわかります。
2代目に関してはデータが記載されていませんでしたが、初代の数値を参考にすると、5速MTが11.0km/L程度、4速ATが10.0km/L程度であることが予想できるでしょう。
ジムニーやジムニーノマドとの燃費を比較
ジムニーシエラには、排気量やデザインなどが異なる「ジムニー」や「ジムニーノマド」といった別のモデルも存在します。
それぞれの燃費の違いは、以下のとおりです。
| 車種 | 排気量 | トランスミッション | 燃費 |
| ジムニー | 660cc | 5MT | 16.6km/L |
| 4AT | 14.3km/L | ||
| ジムニーノマド | 1,500cc | 5MT | 14.9km/L |
| 4AT | 13.6km/L | ||
| ジムニーシエラ | 1,500cc | 5MT | 15.4km/L |
| 4AT | 14.3km/L |
それぞれ3つの車種の燃費を比べてみると、軽自動車にあたるジムニーがもっとも燃費が優れています。
しかし、それぞれの差は1.5km/L前後と大きな差はなく、どのモデルも運転次第で燃費を左右できると言えるでしょう。
ジムニーシエラとライバル車の燃費を比較
ジムニーシエラの購入を検討している方は、ライバル車の燃費数値も気になるところだと思います。
ここでは、3つの車種との燃費を比較していきます。
【トヨタ】ヤリスクロス
トヨタのヤリスクロスとの比較は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | ヤリスクロス | ジムニーシエラ | |
| ガソリン車 | 2WD | 17.6〜19.8km/L | 14.3〜15.4km/L |
| 4WD | 17.1〜18.4km/L | ||
| ハイブリッド車 | 2WD | 25.0〜30.8km/L | – |
| 4WD | 26.0〜28.7km/L | – | |
ヤリスクロスは、国産車の燃費ランキングで上位3位に入るほどの優れた燃費性能を持つ車種です。
燃費数値は、ガソリン車の2WDで17.6〜19.8km/L、4WDで17.1〜18.4km/Lと、ジムニーシエラよりも優れています。
【ホンダ】ヴェゼル
ホンダのヴェゼルとの比較は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | ヴェゼル | ジムニーシエラ | |
| ガソリン車 | 2WD | – | 14.3〜15.4km/L |
| 4WD | 15.0km/L | ||
| ハイブリッド車 | 2WD | 25.3〜26.0km/L | – |
| 4WD | 21.3〜21.5km/L | – | |
ヴェゼルのガソリン車は4WDのみの設定です。
燃費数値は、ジムニーシエラのほうが優れていますが、トランスミッションによって変わってくるため、そこまで大きな差はないといえます。
ヴェゼルとジムニーシエラは排気量こそ同じですが、ヴェゼルのほうが約300kg重いため、その分燃費に差が出ます。
こうした条件を踏まえると、より軽量なジムニーシエラのほうが燃費効率に優れていると言えるでしょう。
【トヨタ】ライズ
トヨタのライズとの比較は、次のとおりです。
| エンジンの種類 | ライズ | ジムニーシエラ | |
| ガソリン車 | 2WD | 20.7km/L | 14.3〜15.4km/L |
| 4WD | 17.4km/L | ||
| ハイブリッド車 | 2WD | 28.0km/L | – |
| 4WD | – | – | |
ライズのガソリン車は、1.2L2WDと1.0Lターボ4WDの2つの設定があります。
燃費を比較するとライズのほうが優れていますが、排気量がジムニーシエラのほうが多いことから、燃費性能はそこまで大きな差はないと考えられます。
ジムニーシエラは燃費が悪い?
ここまで紹介してきたように、ジムニーシエラの燃費は決して優れているとは言えない数値です。
使用しているユーザーからも「燃費は悪い」といった声も聞かれており、その理由を知りたい方も多いでしょう。
燃費が悪い理由としては、ボディの素材に「ラダーフレーム」を使用していたり、手動で駆動方式を変えられる「パートタイム4WD」を採用していたりすることが挙げられます。
これらの素材やシステムは、車両の頑丈さや走破性を高められる一方で、車両重量が重くなるデメリットがあります。
また、ハイブリッド車がラインナップされていないことも理由の1つです。
ハイブリッド車であればモーターアシストによって加速時の燃料消費を抑えられるため、燃費が20km/L前後まで向上するケースもあります。
ジムニーシエラはあくまでエンジンのみで走るため、その分燃費数値では劣る結果となっています。
しかし、一般的なクロスオーバーSUVと比較すると、そこまで大きな差はないとも言えるでしょう。
ジムニーシエラの価格や維持費
ジムニーシエラを検討している方は、初期費用や維持費なども気になるポイントだと思います。
ここでは、車両価格と維持費について紹介していきます。
ジムニーシエラの新車価格
| グレード | トランスミッション | 価格 |
| JC | 5速MT | 2,084,500円 |
| 4速AT | 2,183,500円 | |
| JL | 5速MT | 1,962,400円 |
| 4速AT | 2,061,400円 |
ジムニーシエラの維持費
| 燃料費(1L/170円) | 110,390〜118,881円 |
| 自動車税(1年) | 30,500円 |
| 車検費用(1年) | 73,450円程度 |
| 自賠責保険(12ヶ月) | 8,825円 |
| 合計 | 223,165〜231,656円 |
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
ジムニーシエラの燃費を向上させる方法
ジムニーシエラの燃費は決して良いとは言えませんが、工夫次第で向上させることも可能です。
以下に、燃費向上が期待できるコツを5つ紹介しますので、参考にしてください。
丁寧な運転を心がける
車の燃費は運転方法によって大きく異なります。
具体的には、急発進、急アクセル、急ブレーキの3つを少なくすることです。
これら3つ急は、燃料を大きく消費させると言われており、意識して少なくできれば、燃費向上が期待できるでしょう。
路面状況に合わせたモードを選択する
ジムニーシエラの駆動方式は、手動で2WDと4WDを切り替えられる「パートタイム4WD」を採用しています。
路面状況に合わせて駆動方式を選べるところが大きな特徴ですが、使い方を間違えると燃費が悪くなる可能性があります。
切り替え方としては、平面であれば2WD、坂道や路面状況が悪い道であれば4WDを使用すると良いでしょう。
タイヤの空気圧を定期的にチェックする
タイヤの空気圧は、車の燃費に大きく影響します。
車ごとに定められた「適正空気圧」があるため、月に1回ほどはチェックして適正値を保つようにしましょう。
ジムニーシエラの場合、適正空気圧の数値は運転席側のドアを開けたフレーム部分に表示されていますので、そちらを確認してください。
エアコンの使い方に注意する
車のエアコンは、燃料を使用して稼働しています。
特に夏場に使用することの多い冷房は、過度に温度を下げたり、風量を大きくしすぎたりすると、燃料の消費を加速させてしまいます。
ポイントとしては、エアコンを使用する前に窓を開けて車内の熱気を出してから使用すると、燃費改善が期待できるでしょう。
燃費向上が期待できるパーツに取り替える
燃費が悪い理由のところで紹介しましたが、ジムニーシエラは「ラダーフレーム」を採用していることから、車両重量が重くなりがちです。
そこでおすすめなのが、タイヤのホイールを軽量アルミホイールに交換することです。
軽量アルミホイールは、通常のタイヤよりも軽いところが特徴で、燃費向上が期待できます。
ただし、足元の強度が低下してしまう恐れがあり、路面状況の悪い道で走行すると安定性が下がる分、乗り心地が悪くなってしまうところに注意が必要です。
燃費以外のジムニーシエラの魅力
ジムニーシエラは、燃費よりも異なる魅力が豊富にある車です。
以下に3つの魅力を紹介していきますので、燃費以外の特徴も知りたい方は参考にしてください。
目を惹くワイルドなデザイン
ジムニーシエラといえば、本格的なSUV車を思わせる無骨でワイルドなデザインを思い浮かべる方が多いでしょう。
そのデザインは、高いオフロード感やタフさを感じさせ、見る方の目を惹く特徴があります。
アウトドアはもちろん、街中でも目立つ存在感があるので、見た目に引かれるファンが多い理由もわかるでしょう。
街中でもオフロードでも快適に走れる
ジムニーシエラのエンジン性能は「パートタイム4WD」や「1,500ccの排気量」など、どの路面状況にも合わせやすい特徴があります。
特に軽自動車に該当するジムニーと比べると、走行性能の高いジムニーシエラのほうが、街中でもオフロードでも快適な走行が楽しめるでしょう。
オフロードにぴったりな駆動方式や足回り
ジムニーシエラの駆動方式は、初代から現行モデルまで「パートタイム4WD」を採用しています。
4WDに切り替えれが、坂道はもちろん、ぬかるんだ道や雪道にも対応可能です。
また、足回りには路面状況が悪い場面で活躍できる「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」を採用しており、過酷な道でも安定した走破性を確保できます。
まとめ
本記事では、ジムニーシエラの燃費を現行と旧型モデルに分けて詳しく解説し、ジムニーやジムニーノマド、ライバル車との比較も紹介してきました。
ジムニーシエラは燃費性能こそ平均的ですが、その頑丈な構造と高い走破性は他のSUVにはない魅力です。
街乗りだけでなくアウトドアや悪路走行にも強く、ライフスタイルに合わせた使い方ができるでしょう。





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