トヨタのアクアはコンパクトながら広い室内空間と優れた走行性能を持ち、幅広い世代から人気のあるハイブリッドカーです。
アクアは「燃費がよすぎる」と評判ですが、実際の燃費数値はどうなのでしょうか。
この記事では、アクアの燃費数値や燃費が優れている理由、さらにライバル車との比較を詳しく解説します。
購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
【2021年7月〜】現行アクアの燃費
アクアは、2021年に行われたフルモデルチェンジした車種が現行モデルです。
エンジンタイプは1.5Lハイブリッドのみで、2WDとE-Fourから選択可能です。
グレードは「Z」「G」「X」「U」から選択でき、それぞれ内装や快適装備が異なります。
なお、以前までは「GR SPORT」もありましたが、2025年9月1日の一部改良により廃止されています。
ここでは、現行アクアのカタログ燃費と実燃費を詳しく見ていきましょう。
現行アクアのカタログ燃費
エンジンタイプ・グレード | カタログ燃費(WLTCモード) | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
Z | 33.6km/L | 30.0km/L | |
G | 33.6km/L | 30.0km/L | |
X | 34.3km/L | 30.0km/L | |
U | 33.6km/L | 30.0km/L |
表のとおり、アクアのカタログ燃費は30.0km/Lを超えるところが特徴です。
燃費数値は、2WDでXグレードのみ34.3km/Lで、そのほかは33.6km/Lとなっています。
また、4WDに関してもすべてのグレードで30.0km/Lとなっており、グレードによる燃費の違いはありません。
現行アクアの実燃費
次に、現行アクアの実燃費を見ていきます。
燃費調査サイト「e燃費」によると、現行アクアの実燃費は以下の結果が出ています。
エンジンタイプ・グレード | 実燃費 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
Z | 23.95km/L | 26.29km/L | |
G | 23.95km/L | 26.29km/L | |
X | 23.95km/L | 26.29km/L | |
U(KINTO限定) | 23.95km/L | 26.29km/L |
アクアの実燃費は、2WDで23.95km/L、4WDで26.29km/Lという結果が出ています。
実燃費は気温や路面といった環境状況によって大きく変わるため、カタログ燃費より下がるのが通常です。
しかし、それでもアクアは24.0〜26.0km/L程度の燃費性能を発揮できます。
驚きなのが、2WDよりも4WDのほうが実燃費は高いところです。
これは通常の4WDではなく、路面状況によって駆動方式を自動で切り変えてくれるE-Fourを採用しているからだと考えられます。
【2011年12月〜2021年7月】旧型アクアの燃費
これまでアクアは1度のみフルモデルチェンジを行っており、初代は2011年に登場しています。
初代アクアが登場した当時、世界最高レベルの燃費性能を持つ車としてユーザーから人気を集めていました。
グレードには、以下のような豊富なランナップがされていました。
- ・「G」
・「S」
・「L」
・「GR Sports」
・「X-URBAN」
・「Crossover」(X-URBANの後継)
・「G’s」
エンジンタイプはハイブリッドのみで、駆動方式は2WDのみとなっており、4WDは発売されていません。
ここでは、旧型アクアのカタログ燃費と実燃費を詳しく紹介していきます。
旧型アクアのカタログ燃費
旧型アクアのカタログ燃費は、次のとおりです。
エンジンタイプ・グレード | カタログ燃費(JC08モード) | ||
2WD | 4WD | ||
G | 34.4km/L | ||
S | 34.4km/L | ||
L | 38.0km/L | ||
GR Sports | 29.3km/L | ||
X-URBAN | 33.8km/L | ||
Crossover | 34.4km/L | ||
G’s | 37.0km/L |
旧型アクアのカタログ燃費は、全体で30.0〜37.0km/Lと、優れた性能を持っています。
現行モデルと比較すると、計測方法がWLTCとJC08とで異なるので、はっきりとした判断はできません。
しかし、通常JC08のほうが数値は高くなることから、そこまで大きな差はないと言えます。
旧型アクアの実燃費
次に、旧型アクアの実燃費を見ていきましょう。
こちらも、燃費調査サイト「e燃費」を参考にしました。
グレード | 実燃費 | ||
2WD | 4WD | ||
G | 21.84〜21.96km/L | ||
S | 21.84〜21.96km/L | ||
L | 21.84〜21.96km/L | ||
GR Sports | 21.16〜23.95km/L | ||
X-URBAN | 19.85km/L | ||
Crossover | 23.16km/L | ||
G’s | 19.85km/L |
カタログ燃費と比較すると、どのグレードも10.0km/L程度下がっていることが分かります。
また、現行のカタログ燃費を比べると、2.0km/L程度現行モデルのほうが優れていることが分かります。
とはいえ、2.0km/L程度の差ですので運転や環境次第では、そこまで変わらないとも判断できるでしょう。
アクアとライバル車の燃費を比較
アクアの燃費を調査している方は、ライバル車との比較も気になるポイントだと思います。
以下に、3車種とアクアの燃費の比較を紹介しますので、比較検討する際の参考にしてください。
【トヨタ】ヤリス
エンジンの種類 | ヤリス | アクア | |
ガソリン | 2WD | 19.0〜21.3km/L | – |
4WD(E-Four) | 19.0〜19.1km/L | – | |
ハイブリッド | 2WD | 35.4〜36.0km/L | 33.6〜34.3km/L |
4WD(E-Four) | 30.2km/L | 30.0km/L |
ヤリスと燃費を比較すると、2.0km/L程度ヤリスのほうが優れています。
しかし、そこまで大きな差ではありませんので、運転の仕方次第で変わってくると言えるでしょう。
【ホンダ】フィット
エンジンの種類 | フィット | アクア | |
ガソリン | 2WD | 17.6〜18.7km/L | – |
4WD(E-Four) | 16.6〜16.6km/L | – | |
ハイブリッド | 2WD | 27.1〜30.2km/L | 33.6〜34.3km/L |
4WD(E-Four) | 23.5〜25.4km/L | 30.0km/L |
ホンダのフィットと燃費を比較すると、アクアのほうが優れていることが分かります。
特にハイブリッドは、約5.0km/L高い数値になっており、優れた燃費性能であると言えます。
【日産】ノート
エンジンの種類 | ノート | アクア | |
ハイブリッド | 2WD | 28.4km/L | 33.6〜34.3km/L |
4WD(E-Four) | 23.8km/L | 30.0km/L |
現行ノートは、e-POWERを搭載しており、すべてハイブリッドモデルとなります。
燃費を比較すると、アクアのほうが2WDと4WDともに大幅に優れていることが分かります。
アクアの燃費は世界トップクラス
ここまでライバル車と燃費を比較してきましたが、アクアは国内でヤリスとロッキー(ハイブリッドモデル)に次いで3番目に燃費性能が優れた車です。
実燃費でランキングにすると、ヤリスハイブリッドに次ぐ2位を獲得しています。(参考:e燃費)
それほどアクアは優れており、世界でもトップクラスに入る燃費性能であると言えます。
アクアの燃費が優れている理由
では、なぜアクアの燃費性能は優れているのでしょうか。
その理由は、以下の2つがあります。
- ・1.5Lダイナミックフォースエンジンによる熱効率の向上
・進化したハイブリッドシステムによる電動走行範囲の拡大
アクアは「燃費優良車2030年度基準」を100%達成するなど、環境性能の面でも高い評価を得ています。
さらにインバーター制御やプラットフォームの改良により、低燃費と走行性能の両立を実現している点も大きなポイントです。
アクアの燃費が悪くなる原因と解消方法
アクアは燃費が優れた車ですが、使い方によっては燃費が大きく下がる可能性があります。
特に運転の仕方やメンテナンスの状況、走行環境などによっては、本来の性能を発揮できなくなることも少なくありません。
ここでは、アクアの燃費が悪くなる主な原因と、その解消方法について解説していきます。
街中では燃費が下がりやすくなる
基本的に街中での走行が多い場合は、燃費が下がりやすくなります。
理由は、街中の走行は信号や渋滞などでブレーキと加速を何度も繰り返してしまうからです。
通常、車は一定のスピードで走るほうが燃費は安定しやすく、ブレーキや加速が多くなると燃料消費も増えてしまいます。
アクアはハイブリッドモデルのみですので、街中ではモーター走行が多いとはいえ、モーターを充電するために燃料を消費するため、結果的に消費量のほうが上回ってしまいます。
間違ったドライブモードを選択している
アクアには、路面状況に合わせられる3つのドライブモードが存在します。
- ・ノーマルモード
・パワー+モード
・エコドライブモード
この中でもエコドライブモードは、駆動力を緩やかにし、加えてエアコンの作動も抑えるモードです。
一見、燃費効率のよいモードと思われることが多いですが、状況によっては逆効果になります。
例えば、坂道や高速に入った際などの加速が必要な場面では、駆動力が低いため強くアクセルを踏む必要があり、かえって燃料消費を増やしてしまいます。
逆に燃費が悪くなる原因となりますので、状況に合わせたモードを使用しましょう。
3つの「急」を行っている
車の走行中に、3つの「急」を行うと、燃費を悪化させる原因となります。
具体的には、以下のとおりです。
- ・急発進
・急加速
・急ブレーキ
特に急発進と急加速は、アクセルを強く踏み込むため、燃料を大幅に消費させてしまう要因となります。
走行時は、気持ちに余裕を持って緩やかなアクセルやブレーキを心がけましょう。
エンジンや車両状態が悪い
エンジンや車両状態といった車の状態によっても燃費は左右されます。
例えばエンジンオイルが劣化していると、エンジン内の摩擦が増えるため、エネルギーを効率良く伝達できません。
また、タイヤの空気圧が低くなると、回転率が悪くなり、エンジンに余計な負担をかけやすくなります。
そのため、定期的にメンテナンスし、必要であれば消耗品の交換などもやっておきましょう。
使用していない荷物を積載している
車の燃費は、重量が重いほど、エンジンへの負担は大きくなるため、その分燃料消費も多くなります。
そのため、使わない荷物があれば降ろしておきましょう。
特にアウトドアやゴルフなどで重い荷物を載せる方は、積み込んだままにしておくと、燃費が下がりっぱなしの状態になるので注意しましょう。
燃費以外のアクアの魅力
アクアは燃費が魅力の車ですが、そのほかにも優れた特徴を持っています。
ここでは、燃費以外のアクアの魅力を紹介していきますので、決め手にかけると悩んでいる方は参考にしてください。
アクアのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高mm) | 4,080mm×1,695mm×1,485〜1,505mm |
室内サイズ(全長×全幅×全高mm) | 1,830mm×1,425mm×1,190mm |
エンジン | 直列3気筒 |
駆動方式 | 2WD・E-Four |
総排気量 | 1.5L |
最高出力(KW(PS)/r.p.m.) | 67(91)/5,500 |
最大トルク(N・m(kgf・m)/r.p.m) | 120(12.2)3,800〜4,800 |
コンパクトなのに快適性に優れた室内
アクアはコンパクトサイズながらも、室内は快適性が高い広々とした空間があります。
具体的には「1,830mm×1,425mm×1,190mm」と、トヨタのハリアーの室内サイズである「1,880mm×1,520mm×1,215mm」と比較しても変わらないほどです。
大人がゆっくり座れるほどの空間があるので、長距離運転でも疲れを感じさせないでしょう。
荷室も広く大量の荷物が積載可能
アクアの荷室のサイズは「荷室長656mm×荷室幅1,153mm×荷室高824mm」と、広々としたスペースを確保しています。
さらに2列目シートを倒せば、より多くの荷物を収納可能です。
最大150cm程度までのものが積み込めるため、キャディバッグやスキー板なども収納できるでしょう。
優れた静粛性と乗り心地
アクアのエンジンタイプはすべてハイブリッドを採用しているため、静粛性とゆったりとした乗り心地も魅力です。
また、ドライブモードを切り替えれば、路面状況に合わせた走行ができるので、燃費や乗り心地の向上も期待できます。
最新の安全機能を搭載
アクアにはトヨタの最新安全機能である「Toyota Safety Sense」が、すべてのグレードに搭載されています。
具体的には、以下の安全機能が備えられています。
プリクラッシュセーフティ
レーントレーシングアシスト
レーダークルーズコントロール
オートマチックハイビーム
ロードサインアシスト
そのほかにも、駐車時に活躍してくれるアドバンストパークなど、豊富な機能が搭載されています。
アクアの価格と維持費
最後にアクアの価格と維持費を紹介しておきます。
アクアの新車価格
エンジンタイプ・グレード | 新車価格 | ||
2WD | 4WD(E-Four) | ||
Z | 2,824,800円 | 3,022,800円 | |
G | 2,654,300円 | 2,852,300円 | |
X | 2,486,000円 | 2,684,000円 |
アクアの中古車価格
駆動方式 | 中古車価格 |
2WD | 229,000〜3,051,000円 |
4WD(E-Four) | 1,190,000〜2,750,000円 |
アクアの維持費
項目 | 2WD | 4WD(E-Four) |
燃料費(1L/170円) | 49,563円 | 56,667円 |
自動車税(1年) | 30,500円 | |
車検費用(1年) | 45,720円程度 | |
自賠責保険(12ヶ月) | 8,825円 | |
合計 | 134,608円 | 141,712円 |
※免税は含まれていません。
※燃料費は170円、1年10,000kmで計算
※自賠責保険は24ヶ月を1年分にして計算
アクアはハイブリッドのみですので、駆動方式によって維持費が変わってきます。
合計すると、維持費は13〜14万円程度となります。
まとめ
この記事では、アクアの燃費数値を現行と旧型に分けて詳しく紹介し、ライバル車との比較や燃費が悪化する原因と解決方法を解説しました。
また、アクアの魅力や価格、維持費についても言及しています。
アクアは、世界トップクラスの燃費性能と快適な走行性能を両立したハイブリッドカーです。
日常の使い方次第で燃費をさらに伸ばすこともでき、家計にも環境にも優しい1台といえるでしょう。
購入を検討している方は、燃費性能だけでなく、トータルでのコストやライフスタイルとの相性も考えながら選ぶことをおすすめします。