車検証は、車が国の保安基準を満たしていることを証明するための、重要な書類です。
車検証には車の所有者の名前や住所などが記載されていますが、引っ越しなどで住所が変更になる場合は、車検証の住所変更も必要です。
とくに、単身赴任や進学などの一時的な引っ越しで住民票を移さない場合であっても、居住地先で車を利用する場合には、車検証の住所変更を行わなければなりません。
本記事では、車検証の住所変更の必要性や変更方法、また必要書類について解説します。
車検証の住所変更でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
車検証の住所変更は必要!車検証の住所変更をしなかった場合のデメリット
車検証の住所変更は、引越した日から15日以内に行うことが「道路運送車両法12条1項」で義務付けられています。
引っ越し作業の中、車検証の住所変更は大変かもしれまんせんが、住所変更を行わなければ以下のデメリットが生じます。
- ・罰金が科せられる可能性がある
・納税書が届かない
・重要な通知が届かない
それぞれのデメリットを解説します。
罰金が科せられる可能性がある
1つ目のデメリットは、罰金が科せられる可能性があることです。
車検証の住所変更は道路運送車両12条1項により、15日以内に行うことが定められています。
もしも期限を過ぎても住所変更が行われていない場合は、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
不要な出費を避けるためにも、きちんと手続きを行いましょう。
納税書が届かない
2つ目のデメリットは、納税書が届かないことです。
自動車税や軽自動車税の納付書、また催促状は、原則として車検証に記載された住所に届きます。
納税書が車検証の住所に送付される理由は、実際には使用していない車庫を保管場所として申請する「車庫飛ばし」を防ぐためです。
また、車検証と住んでいる住所が違う場合は納税書が手元に届かないため、滞納の原因となります。
自動車税を納付していない場合は車検を受けられないほか、納付が遅れた期間に応じた延滞金も支払う必要があるため、気を付けてください。
重要な通知が届かない
3つ目のデメリットは、重要な通知が届かないことです。
車は製造過程や設計で問題が見つかり、後に回収や修理を行うリコール対象となることがあります。
リコール対象となった場合、国土交通省からリコール対象者へ通知が届きますが、通知書は車検証の住所に送付されるため、住所変更をしていないと重要な通知も届きません。
リコール対象の車に乗り続けることは、故障や事故につながる可能性があるため、通知を受け取るためにも住所変更は行いましょう。
車検証の住所変更に必要な書類
車検証の住所変更に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。
また、車検証の住所変更を自分で行うのが困難な場合には、ディ―ラ―に依頼することも可能です。
自分で行う場合と業者に依頼する場合でも必要書類は異なるため、それぞれのケースに分けてご紹介します。
普通自動車
まずは、普通自動車の車検証の住所変更に必要な書類をご紹介します。
自分で車検証の住所変更を行う場合
自分で車検証の住所変更を行う場合に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・申請書
・住民票(発行から3か月以内)
・車庫証明書(発行から1カ月以内)
・手数料納付書
・自動車税申告書
車検証の住所変更をする際に、必ず原本を提出しなければならず、コピーでは認められないため注意してください。
申請書は以下の方法で入手できます。
- ・運輸支局や自動車検査登録事務所の窓口
・運輸支局や自動車検査登録事務所のウェブサイトからダウンロード
・自動車検査登録総合ポータルサイト
インターネットであらかじめ書類を用意しておくと、当日の手続きがスムーズです。
なお、車検証の住所変更をする際は、車庫証明書も必要となるため準備しておきましょう。
ただし、車庫証明書も車検証と同様に、引っ越し日から15日以内に住所変更が必要です。
よって、車庫証明書の住所変更を行ってから、車検証の変更手続きを行わなければなりません。
車庫証明書は警察署で用紙をもらうか、インターネットで申請書をダウンロードし、提出する方法があります。
なお、車庫証明書の交付には3~7日程度かかるため、15日以内に済ませることを考慮すると、できる限り早めに手続きしておきましょう。
住民票は転入先を管轄する自治体で3ヶ月以内に交付された、マイナンバーの記載がないものを提出してください。
手数料納付書とは、車検証の住所変更手続きで発生する手数料を納めるための書類で、運輸支局の窓口で受け取ることが可能です。
構内の売店などで購入した手数料相当額の印紙を貼り付けて、窓口に提出しましょう。
自動車税申告書は、運輸支局や自動車検査登録事務所で行った住所変更の内容を、各都道府県の税務署に申告するための書類です。
自動車税申告窓口で配布されているため、記入したら提出してください。
業者へ依頼して車検証の住所変更を行う場合
ディーラーや車検専門店へ依頼するなど、車の所有者以外が車検証の住所変更を行う場合に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・申請書
・住民票(発行から3か月以内)
・車庫証明書(発行から1カ月以内)
・手数料納付書
・自動車税申告書
・委任状
業者に依頼する場合は、自分で行う際に必要な書類に加えて、委任状が必要です。
委任状は運輸支局や自動車検査登録事務所の窓口で配布されますが、管轄の地方運輸支局のウェブサイトからダウンロードすることもできます。
そのため、あらかじめダウンロードして記入しておくと、当日の手続きがスムーズです。
軽自動車の場合
ここでは、軽自動車の車検証の住所変更に必要な書類についてご紹介します。
自分で車検証の住所変更を行う場合
自分で車検証の住所変更を行う場合に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・住民票または印鑑登録証明書(コピーでも可)
・自動車検査証記入申請書
・軽自動車税申告書
軽自動車の場合は、車庫証明書の提出は必要ありません。
また、普通自動車と異なり、住民票の代わりにコピーされた印鑑登録証明書の提出でも認められています。
自動車検査証記入申請書は、国土交通省のウェブサイトでダウンロードできます。
軽自動車税申告書は、軽自動車検査協会に隣接する自動車税申告窓口で配布されているため記入し、住所変更された車検証と一緒に提出してください。
業者へ依頼して車検証の住所変更を行う場合
業者へ依頼するなど、車の所有者以外が車検証の住所変更を行う場合に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・車検証
・住民票または印鑑登録証明書(コピー可)
・自動車検査証記入申請書
・軽自動車税申告書
・申請依頼書
軽自動車の場合は申請依頼書が委任状の代わりになるため、別途用意する必要はありません。
申請依頼書は軽自動車検査協会の窓口で配布されているほか、軽自動車検査協会のウェブサイトでもダウンロードが可能なため、事前に用意するのがおすすめです。
オンライン
車検証の住所変更は、オンラインで手続きすることも可能です。
オンラインで手続きする場合に必要な書類やものは、以下のとおりです。
- ・マイナンバーカードまたは電子証明書
・古い車検証または自動車登録番号標
・カードの読み取りが可能なICカードリーダー号標
OSSを利用するためには、以下の利用環境を満たす端末を用意してください。
- ・OS:Windows8.1、Windows10、Windows11
・ブラウザ:Microsoft Edg、Google Chrome
車検証の住所変更の流れ
車検証の住所変更の申請・依頼先は、以下のとおりです。
普通自動車 | 軽自動車 | |
自分で車検の住所変更を行う場合 | ・管轄の運輸支局
・自動車検査登録事務所 |
軽自動車検査協会 |
業者へ依頼する場合 | ・ディーラー
・自動車販売店 ・整備工場 ・行政書士など |
・ディーラー
・自動車販売店 ・整備工場 ・行政書士など |
ここでは、車検証の住所変更の流れを、自分で手続きする方法と業者に依頼する方法に分けてご紹介します。
自分で車検証の住所変更を行う場合の手順
自分で車検証の住所変更を行う場合は、普通自動車・軽自動車・オンラインで手続きの手順が異なります。
普通自動車
普通自動車の車検証の住所変更は、新しい住所を管轄する運輸支局で申請します。
ナンバープレートの変更も同時にする場合には、車で行きましょう。
普通自動車の住所変更の一般的な手順は、以下のとおりです。
- 1.運輸支局で申請書や手数料納付書などを記入する
2.登録手数料の金額に応じた印紙を購入する
3.必要書類を提出する
4.車検証が交付される
5.自動車税事務所の申告窓口で車検証と自動車税申告書を提出する
6.必要な場合はナンバープレートを付け替える
必要書類に問題がなければ、当日に新しい住所を記載した車検証が交付されます。
軽自動車
軽自動車の車検証の住所変更は、新しい住所を管轄する軽自動車検査協会で申請します。
普通自動車とは申請先が異なるため、注意しましょう。
軽自動車の住所変更の一般的な手順は以下のとおりです。
- 1.軽自動車検査協会で自動車検査証記入申請書を記入する
2.必要書類を提出する
3.車検証が交付される
4.軽自動車検査協会で車検証と軽自動車税申告書を提出する
5.必要な場合はナンバープレートを付け替える
軽自動車の場合は普通自動車と違い、車検証の住所変更申請に伴う手数料はかかりません。
オンライン
オンラインで車検証の住所変更する場合の手順は、以下のとおりです。
- 1.申請書を入力する
2.保管場所証明申請手数料・保管場所標章交付手数料・検査登録手数料をOSSのシステムから支払う
3.保管場所標章・保管場所標章番号通知書・新しい車検証は自宅まで郵送してもらえる
管場所証明申請手数料、保管場所標章交付手数料、検査登録手数料の支払うタイミングは、同じではありません。
審査の状況をシステム上で確認しながら、順番に支払いましょう。
業者へ依頼して車検証の住所変更を行う場合の手順
業者へ依頼して車検証の住所変更を行う場合は、必要書類と代行手数料を支払うことで手続きを代行してくれます。
しかし、依頼する業者によってどこまで手続きしてくれるかが異なります。
ディーラーに依頼する場合は、車庫証明書申請の代行も一緒に行ってくれます。
一方の車検専門業者は、車検証の住所変更に対応していますが、車検を受けるタイミングでしか依頼できないケースもあります。
なお、引っ越し後に車検を控えている場合は問題ありませんが、引っ越し日から15日以内に住所変更をすることも考慮すると、タイミングによっては車検専門業者に依頼するのは避けた方が良いでしょう。
自動車販売店に依頼する場合は、ディーラーと同様に車庫証明申請の代行も対応してくれるケースがあります。
行政書士に依頼する場合も、ディーラーや自動車販売店と同様に、車庫証明申請の代行も対応しています。
別途費用はかかりますが、手続きの代行に精通しているため、スムーズな住所変更ができるでしょう。
車検が近い場合は同時に住所変更するのも!
引っ越し準備で忙しい日々を過ごしていると、つい車検証の住所変更を忘れてしまうことがあるかもしれません。
もしも、引っ越し日と車検が近い場合は、同時に住所変更することも可能です。
車検と同時に住所変更を依頼すれば、必要書類を用意する手間や時間が省けるため、同時に住所変更手続きするのも検討しましょう。
まとめ
引っ越しをした場合には、免許証の住所変更だけでなく、車検証も手続きしなければなりません。
車検証の住所変更を行わないと、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
さらに納税書が届かず滞納する恐れや、リコール通知などの重要な書類が届かないなど、さまざまな問題が発生します。
そのため、免許証に加えて車検証の住所変更も忘れずに行いましょう。
車検証の住所変更は自分で行う方法と、ディーラーや車検専門店などに代行を依頼する2種類があります。
自分で手続きをする場合には、普通自動車と軽自動車で申請先や必要書類が異なるため、注意が必要です。
また、オンラインで申請することもでき、申請先を訪問する手間や時間が省けます。
住民票を移さない一時的なものであっても、車検証の住所変更手続きを忘れず行いましょう。