「フロントガラスのヒビとドラレコの位置で車検に通らないことを避けたい」
「スムーズに車検を通して二度手間かけたくない」
というように考えている方もいるかもしれません。
車検の検査項目にはフロントガラスも入っており、基準に沿わない場合は不適合となります。
そこで今回は、車検を通すための方法や注意点、不適合となる状態を解説します。
フロントガラスのヒビ・ドラレコ・フィルム・吸盤式の小物は車検にどう影響する?
フロントガラスのヒビやドラレコ、フィルム、吸盤がついた小物の設置がどのように車検に影響するのか解説します。
小さなヒビでも車検に通らないことがある
飛び石や交通事故により、フロントガラスにヒビが入るケースがあります。
飛び石によるヒビは、小さい場合もあれば大きい場合もありますが、どちらのパターンも不適合になる可能性があります。
不適合の可能性があるヒビは「運転席側にあるパターン」と「伸長するリスクが高いパターン」です。
放置すると危険、と判断された場合は不適合車と見なされ、修理しなければなりません。
このように、小さい傷にも厳しいのにはワケがあります。
フロントガラスには保安基準として「安全運転のための視野が確保されていること」「簡単にガラスが貫通されないこと」とされているのです。
フロントガラスの視界不良は交通事故のリスクに直結するため、厳しく基準を設け検査されています。
車検に影響するフロントガラスのヒビの種類
フロントガラスのヒビは、車検に通らない可能性のあるものと確実に通らないものがあります。
結果に影響を及ぼすヒビの種類は以下のとおりです。
- ・コンビネーションブレイク
・スターブレイク
・パーシャルブレイク
・ストレートブレイク
・ブルズアイブレイク
・チッピング
上記のヒビの危険度を1〜5段階で評価してご紹介しています。
数字が大きくなるほど車検が通らない危険性と安全面における危険性が高まります。
危険度が高いヒビがある方は早急にリペアに出しましょう。
車検・安全面の危険度「5」|コンビネーションブレイク
コンビネーションブレイクは、大きなヒビと剥離が重なっている状態です。
放射線状にヒビが入っているため伸長するリスクが高い上に、状態が非常に悪いです。
小さな傷であっても、振動や温度の変化、水分の侵入などにより急激に伸長することがあります。
そのため、助手席側にあったとしても適合の判断にはなりません。
車検・安全面の危険度「5」|スターブレイク
スターブレイクは、車検で不適合になる確率と安全面の両方で危険度が高いです。
名前のとおり、星型のように放射線状にヒビが入っており、広がりやすいのが特徴です。
修理後でも跡が残っている場合は、適合しないと判断されやすい傾向です。
車検・安全面の危険度「4」|パーシャルブレイク
半月型の傷が特徴的な、傷の到達深度がガラスの内面にいたるほどの大きな傷です。
ヒビと剥離の両方があるためコンビネーションブレイクに近く、危険度は4と評価しました。
伸長リスクは上記2つと比べると低いですが、放置すれば伸長するリスクは十分にあります。
そのため、不適合と判断する検査官は多いでしょう。
車検・安全面の危険度「3.5」|ストレートブレイク
ストレートブレイクは、漢字「一」のような形で伸びているヒビです。
傷の深さはガラス内部にまで達しているため、放置すれば伸長するリスクがあり、早めに修理する必要があります。
伸長のリスクを考え、不適合になる可能性が高いです。
車検・安全面の危険度「2」|ブルズアイブレイク
ブルズアイブレイクは、ガラスの表面に剥がれとヒビがある状態です。
伸長のリスクが少なく、これまで紹介した種類と比べると不適合と判断される確率は低いです。
ただし、伸長する可能性は残されているため、できるかぎり早めに修理することをおすすめします。
車検・安全面の危険度「1」|チッピング
チッピングはガラス表面が欠けている状態です。
ヒビがなく伸長するリスクも6種類の中で最も低く、車検の結果に影響しにくいです。
ただし、厳しく評価する検査官にあたった場合は指摘されるかもしれません。
ドラレコの位置によっては車検に通らない
フロントガラスに取り付けるドライブレコーダーは、設置する位置によって不適合と判断されます。
適合車とされる取り付け位置の基準は以下です。
- ・ガラスの上部の縁から20%以内におさまる範囲
・前方を見た際にルームミラーで隠せる範囲
確実に基準に合わせて設置したいのであれば、ディーラーでドラレコを付けるのが安心でしょう。
フロントガラスにフィルムを車検が通るかは可視光線透過率による
車のガラス部分にはフィルムを貼ることができます。
「フロントガラスにはフィルムを貼ってはいけない」といわれることもありますが、厳密にはそうではありません。
可視光線透過率が70%以上と定められており、その基準に合えばフロントガラスにも貼ることはできますし、車検にも通ります。
ちなみに、リアガラスや後部座席のサイドガラスには、可視光線透過率の基準は設けられていません。
日光をシャットアウトできるブラックカラーのフィルムを貼っても車検に通ります。
最新の機能性ガラスを採用した車は要注意
もし、フロントガラスにフィルムを貼りたい場合、機能性ガラスかどうかのチェックが必要です。
近年の車両には、すでに赤外線や紫外線をカットする機能性ガラスが備わっています。
通常のガラスとは異なり可視光線透過率も低いため、フィルムを貼ると高い確率で基準から外れるでしょう。
どうしてもフィルムを貼りたいのであれば、フィルムの可視光線透過率が高めのものを選ぶことをおすすめします。
吸盤のお守り・スマホホルダー・初心者マークは車検に通らない
フロントガラスに吸盤がついた小物や初心者マークを付ける方がいます。
しかしこれは、保安基準外となるため車検には通りません。
そのため、受ける前に外しておく必要があります。
吸盤のお守りやスマホホルダー、初心者マークを貼り付けることそのものに違法性はありません。
貼り付け場所がフロントガラスであるのが違法なだけであるため、リアガラスやダッシュボードなど別の場所に貼ると良いでしょう。
フロントガラスの車検基準は「フロントガラスに視野を妨げるものがないこと」です。
視野を狭くさせるようなものがなければ合格できます。
フロントガラスに貼れるフィルム6種類
フロントガラスに貼れるフィルムは以下の6種類です。
- ・スモークフィルム
・ミラーフィルム
・クリアフィルム
・カラーフィルム
・サンシールドフィルム
・セキュリティフィルム
では、特徴をひとつずつ解説します。
スモークフィルム
スモークフィルムは、紫外線や赤外線を大幅にカットできるフィルムです。
車内から外は十分に見えますが、外側からは見えないため防犯対策にもなります。
なお、可視光線透過率が70%以上であればフロントガラスに貼っても良いです。
ミラーフィルム
日光や熱を跳ね返すため、断熱性に優れています。
車内のダッシュボードやハンドルが高温になるのを防げるため、真夏の使用におすすめです。
クリアフィルム
透明タイプのフィルムで、紫外線や赤外線をカットする機能を持っています。
車検で不適合になる心配がありません。
カラーフィルム
ドレスアップに用いられるフィルムです。
青色や赤色などカラーバリエーションが豊富にあります。
カラーによっては車内が見えにくくなるため、防犯対策にもなるでしょう。
サンシールドフィルム
フロントガラスの上部に貼り付けるフィルムです。
日除効果があり、運転がしやすくなります。
アーチタイプやグラデーションタイプといった形状があり、好みで選べます。
車検対応のタイプもあるため安心です。
セキュリティフィルム
ガラスの強度を補強してくれるフィルムです。
防犯ガラスには劣りますが、割られにくくなり防犯性が高まります。
フロントガラスに貼る車検のステッカーの位置が変更!
車検のステッカーを貼る位置が変更されました。
フロントガラスに貼ることには違いありませんが、より有効期限を運転者が確認できるように改正されています。
車検ステッカーとは?
車検ステッカーの役割は、有効期限を忘れないようにすることにあります。
車検は2年または3年ごとと次の期間まで猶予があるため、どうしても忘れやすい傾向です。
しかし、車検切れ状態で走行すると道路交通法違反となります。
違反を阻止するため、有効期限を確認しやすい車検ステッカーが存在しています。
なお、交付されるタイミングは、車検の通過後です。
変更された内容
車検ステッカーの法律で改正された内容は、貼り付け位置です。
これまで「フロントガラスの内側で前からみてわかりやすいところ」とだけ決まっていました。
しかし、2023年の7月3日から「運転者からも確認しやすいところ」の内容が加わり、より有効期限の認知を強化するよう働きかけています。
そのため、ベストな貼り付け位置はフロントガラスの運転席側上方となりました。
車検ステッカーの作り方
車検ステッカーは基本的に業者が貼り付けてくれます。
しかし、ユーザー車検または交付が後日となった場合は自身でシールを作成し、貼り付けなければなりません。
作るとはいっても、複雑な工程はなく手軽です。
<作り方>
- ①青シールのほうを真ん中で山折りにする
②右半分だけめくる
③青シールと透明シールの間にある線に沿って谷折りにする
④青シールの剥がした右半分と透明シールの右半分を重ねて貼り付ける
⑤青シールの左半分も剥がし、透明シールの左半分に重ねて貼り付ける
⑥青シールの裏面に透明シールが貼り付けられた状態になれば完成
完成したステッカーは、しっかりとフロントガラスに貼り付けましょう。
車検ステッカーを貼らないと違反になるため注意
車検ステッカーの貼り忘れは、検挙されると違反となります。
そして、貼らないまま走行すると、50万円以下の罰金を支払われなければなりません。
貼っていない理由が紛失であっても同様のため車検ステッカーは欠かせません。
紛失・破損・汚損した場合の再発行方法の流れ
車検ステッカーを紛失・破損・汚損させた場合の再発行手続きの流れをお伝えします。
ステップ1.書類を準備する
必要な書類は普通自動車と軽自動車で異なります。
<普通自動車の場合>
- ・車検証
・委任状
・検査標章
・理由書・紛失届
・手数料納付書
・申請書
<軽自動車の場合>
- ・車検証
・委任状
・使用者の印鑑
・検査標章
・検査標章の再交付申請書
しかし、委任状の準備はご自身で手続きしない場合のみです。
ステップ2.手続きをする
手続き完了までの流れは以下のとおりです。
- ①運輸支局に行く
②申請書を記入する
③再発行された車検ステッカーをもらう
④車のフロントガラスに貼り付ける
なお、手続きは管轄外でもできます。
再発行にかかる費用の金額
各地自体で変わることはなく、全国一律となっており、再発行にかかる費用は、1枚につき300円です。
購入した印紙は、手数料納付書に貼り付けてください。
フロントガラスの修理方法
フロントガラスにヒビ・欠け・剥がれがある場合、修理方法は以下の2つです。
- ・自分で直す
・プロに直してもらう
では、一つずつ解説します。
フロントガラスの修理の必要性
フロントガラスのヒビや欠けは、どれだけ小さくても油断できません。
ヒビを放置すると、温度差や振動、水分により破損範囲が広がったり、完全に破れて穴が空いたりする危険性があります。
最も怖いのが、高速道路による風です。
高速道路はスピードが乗るため走行風も強く、一度にヒビが全体に伸びて前が見えなくなります。
前が見えなくなり起きる事故は、強い恐怖心を感じさせるだけでなく、命を落とすリスクも高めるため危険です。
安全運転のためにも、フロントガラスのヒビは必ず修理をしましょう。
修理方法1.自分で修理する
フロントガラスの破損状況が軽い場合は、ご自身で修理または応急処置が可能です。
修理したい場合はカー用品店にてリペアキットを購入し、説明書を見ながら使えば小さなヒビを直せます。
リペアキットは1,000円〜3,000円で購入可能です。
気を付けなければならないのは、修理が完了したあとに失敗に気付いても再修理ができないことです。
応急処置の場合であれば、透明のテープで貼り付けるだけで問題ありません。
ただし、ずっと貼りつけておくわけにはいかないため、早急の修理が必要です。
修理方法2.プロに修理してもらう
プロは破損範囲やヒビの種類を見極められるため、ベストな確かな方法で修理してもらえます。
修理技術も高いため、綺麗な仕上がりになるのもメリットです。
修理費用の相場は20,000円前後です。
ただし、直径が1.5cmを超える場合は修理ではなく交換となります。
交換の場合は50,000円〜150,000円かかります。
高額のため保険を使いたいところですが、免責金額以下の場合は保険をつかえません。
加えて、飛び石の場合は相手に請求するのが難しく、基本的には自己負担になってしまいます。
修理せず廃車買取する方法もある
高額な交換費用を請求された場合、修理せずに廃車買い取りしてもらう方法もあります。
特に、走行距離が長かったり年式が古かったりする場合は、修理をしても車検費用は高額です。
交換費用と車検代のトータル費用で非常に大きな負担がかかることになります。
このようなパターンでは、廃車買い取り専門店に査定してもらい、買い取ってもらったほうが出費を抑えられます。
車の乗り換えを検討するときにおすすめなのは、一括査定を利用することです。
CTN車一括査定では利用者の登録情報をもとに3社を厳選してご連絡しますので、電話ラッシュで時間や手間を取られることがありません。
また、CTN一括査定の大きなポイントは、軽自動車やSUV、輸入車などの専門買取業者などでも比較できることです。
そのうえ車販売店のみならず解体業者や貿易会社とも連携しているため、大掛かりな修理が必要な車などにも対応が可能です。
「きっと値がつかないだろう」と諦めている方もCTN車一括査定なら、愛車にぴったりの買取業者を見つけられるかもしれません。
車を高く売りたいと思っている方は、CTN車一括査定をぜひご利用ください。
まとめ
車検において気を付けなければならないフロントガラスの状態は以下のとおりです。
- ・ヒビがある
・ドラレコが視界を狭めるところに設置されている
・吸盤のついた小物がフロントガラスに設置されている
上記のように、視界を狭めたり阻んだりするものがあると車検に通りません。
また、フィルムを貼る際は可視光線透過率が70%以上であることが決まっています。
車検前にこれらの項目を見直し、適合車と認定してもらいましょう。