車の整備を受けるのが初めてであれば、費用がいくらかかるのか気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、車の整備の種類や整備費用の相場について詳しく解説しています。
これから車の整備を受ける予定がある方はぜひ参考にしてください。
車の整備の種類
車を維持するためには、定期的な整備が必要です。
車の維持に必要な整備の種類と違いについて解説します。
車検整備
車検は国が受けることを道路運送車両法で義務化している検査制度です。
正式には自動車検査登録制度とよばれています。
車検では公道で車を走らせるための保安基準を満たしているかどうかを検査し、満たしていない場合は必要な整備やメンテナンスを受けなければなりません。
車検の有効期限は初回登録から3年で、以降は2年ごとになります。
国が認証や指定を受けている整備業者に依頼するのが一般的ですが、自動車の使用者が検査場に持ち込んで受けることも可能です。
法定点検整備
法定点検整備は、車がトラブルを起こす前に受ける点検・整備のことです。
決められた期間内に行われるため、定期点検とよばれることもあります。
法定点検整備は道路運送車両法により使用者の義務として定められていますが、法定点検では車が故障していないか点検するものです。
法定点検には車種ごとに時期が定められており、普通車や軽自動車の場合は1年ごとの12ヶ月点検と2年ごとの24ヶ月点検があります。
法定点検は自分で行うことも可能ですが、車に関する専門的な知識が必要になるため、無理をせず業者を頼りましょう。
1.法定12ヶ月点検
法定12ヶ月点検では27項目の点検を行う必要があります。
走行距離が年間で5,000kmと規定以下の場合は、11項目点検を行わないことが可能です。
点検の所要時間は1時間〜2時間程度となっています。
2.法定24ヶ月点検
法定24ヶ月点検には12ヶ月点検の27項目を含む57項目の点検を行う必要があります。
12ヶ月点検と同様に年間の走行距離が規定以下の場合は18項目の点検が省略可能です。
自家用車の場合は車検と法定点検の時期が重なるため、同時に受けるパターンが多くなっています。
新車6ヶ月点検整備
新車を購入した場合は、ディーラー独自の6ヶ月点検整備をすすめられることがあります。
6ヶ月点検整備には車検や法定点検のように法的な義務はありません。
しかし、不具合を早期に発見できるメリットがあります。
6ヶ月点検はディーラーがハガキや電話で通知を行い、無料で実施している場合も多いです。
また、保証範囲内であれば修理も無料で受けることができます。
今後も安心して運転するため、積極的に点検整備を受けましょう。
車検整備の内訳と費用相場
車検整備ではどのような費用がいくら必要になるのでしょうか。
車検整備の内訳と相場費用を解説します。
法定費用
法定費用は車にかかる税金のことです。
法定費用には、次の3つの項目があります。
- ・自賠責保険料
・自動車重量税
・印紙代
法定費用の概要と相場費用を詳しく確認していきましょう。
1.自賠責保険料
自賠責保険はすべての車に加入義務がある強制保険です。
保険料は車種や保険の契約期間によって異なります。
自賠責保険は車検時に更新するため、新車登録時は37ヶ月分、2回目から24ヶ月分の保険料を支払うことが多いです。
普通車の場合は37ヶ月契約で24,190円、24ヶ月契約で17,650円となります。
また、軽自動車の場合は37ヶ月契約で24,010円、24ヶ月契約で17,540円です。
自賠責保険料は一律のため、保険会社の違いによる保険料の違いはありません。
2.自動車重量税
自動車重量税は車の重量に応じて課せられる税金です。
税額は車種や重量、新車登録から経過した期間によって異なります。
普通自動車の場合は、0.5tあたり4,100円です。
13年目以降は0.5tあたり5,700円、18年目以降は0.5tあたり6,300円に上がります。
また、軽自動車の場合は定額で3,300円です。
普通自動車と同様に13年目以降は4,100円、18年目以降は4,400円に上がります。
環境性能に優れたエコカーの場合は特例措置があり、燃費基準の区分に応じた減税や免税があるためお得です。
エコカー減税の適用期間は2023年5月1日〜2026年4月30日となっています。
3.印紙代
印紙代は自動車検査登録印紙と自動車審査証紙の発行に必要です。
金額は車種や車検を受ける工場の種類によって異なります。
自動車検査登録印紙は500〜1,800円、自動車審査証紙は400〜1,800円必要です。
印紙代は自動車検査証電子化に伴うICタグなどの経費の増加により、2023年1月1日以降100〜400円値上げされています。
車検基本費用
車検基本料には車検を業者に依頼する際にかかる人件費や代行手数料が含まれています。
業者によって金額は異なりますが、普通自動車の場合で40,000〜70,000円、軽自動車の場合で30,000円前後が相場です。
部品交換・修理などの諸費用
車検で問題が見つかった場合は、部品交換や修理が必要となります。
年式の古い車や走行距離の長い車は部品の劣化が進んでいるため、整備費用が高額になりやすいです。
車検の際に交換を提案されることが多い部品と費用の相場は、下記の表を確認してください。
部品名 | 費用相場 |
エンジンオイル | 4,000円〜 |
タイミングベルト | 50,000円〜 |
クラッチディスク | 50,000円〜 |
タイヤ | 10,000円〜 |
バッテリー | 10,000円〜 |
ブレーキパッド | 5,000円〜 |
オートマチックトランスミッションフルード | 5,000円〜 |
ワイパーブレードゴム | 1,000円〜 |
部品代と合わせて工賃も請求されます。
消耗品は交換が必ず必要になるため、車検の前に費用の相場をチェックしておきましょう。
業者ごとの車検の整備費用相場
車検の整備費用は依頼する業者によって異なります。
業者別の整備費用の目安は次のとおりです。
業者名 | 費用の目安 |
ディーラー | 38,000〜42,000円 |
整備工場 | 25,000〜30,000円 |
車検専門業者 | 14,000円 |
カーショップ | 18,000円 |
ガソリンスタンド | 15,000円 |
車検専門業者は車検整備に特化しているため、作業スピードが早く費用も安いです。
一方ディーラーの整備費用は比較的高めに設定されていますが、丁寧で信頼性の高い整備が期待できます。
法定点検整備の費用相場
法定点検整備の費用は受ける業者によって異なります。
業者別の法定点検整備費用の相場を見ていきましょう。
トヨタの場合
トヨタでは対象車種とクラスごとに法定点検の基本料金を設定しています。
トヨタの12ヶ月法定点検の基本料金は、次のとおりです。
クラス | 対象車種 | 基本料金 |
S | アクア・ヤリス・軽自動車など | 17,600円 |
M | ヴォクシー・ノア・プリウスなど | 18,700円 |
L | アルファード・ヴェルファイアなど | 20,900円 |
XL | センチュリー・ランドクルーザーなど | 23,100円 |
点検で交換や修理が必要になった場合は、基本料金にプラスして部品代と技術料が加算されます。
法定点検とセットでエンジンオイルやワイパーゴムなど消耗品の交換も済ませるのがおすすめです。
オートバックスの場合
カー用品店のオートバックスで法定点検を受ける場合、店舗や車種によって料金は変動しますが、10,000〜20,000円が相場です。
オートバックスには12ヶ月法定点検だけでなく、消耗品の交換など多彩なサービスをセットにしたメンテナンスパックというお得なプランもあります。
コバックの場合
車検専門店のコバックで法定点検を受ける場合は、車種や車の大きさによって費用が変動します。
コバックの法定点検整備費用の目安は、次のとおりです。
車種 | 費用の目安 |
軽自動車 | 10,000円前後 |
小型普通自動車 | 10,000円~16,000円 |
中型普通自動車 | 10,000円~18,000円 |
大型普通自動車 | 20,000円~25,000円 |
消耗品の交換や部品交換が必要な場合は別途で費用がプラスされます。
作業時間の目安は1〜2時間です。
作業を依頼すると、タイヤ交換無料やガソリンキャッシュバックなどのお得な特典が受けられる店舗もあります。
車の平均メンテナンス費用
車を長く使い続けるためには、定期的な整備の他に日常的なメンテナンスも必要です。
自分でメンテナンスをした場合と業者に依頼した場合の平均費用を解説します。
自分で行う場合
自分で行うことができる日常的なメンテナンスの項目は、次のとおりです。
- ・洗車
・ウォッシャー液の補充
・ワイパー交換
・エアコンフィルター交換
・冷却水の補充・交換
・ヘッドライト交換
専門的な知識が必要な部品であれば、自分で交換したり補充したりできます。
自分で行う場合は部品代の負担だけで済むのでお得です。
業者に依頼する場合
自分でメンテナンスを実施するのが難しい場合は業者に依頼します。
メンテナンスを依頼できるのは、ディーラーや車検専門店、カー用品店やガソリンスタンドです。
業者に依頼する場合は、部品代と合わせて工賃がかかります。
自分で対処できない場合は、無理をせずに専門の業者を頼りましょう。
車の整備費用を安く抑えるためのポイント
車の整備にかかる費用を軽減するためのポイントを解説します。
ポイントを抑えて、整備費用を少しでも軽減していきましょう。
ユーザー車検を受ける
ユーザー車検は、使用者が運輸支局に自ら車を持ち込んで車検を受ける方法です。
車検基本料を支払う必要がないため、業者に依頼した場合と比較して車検にかかる費用を4万円〜6万円節約できます。
ただし、ユーザー車検を受けるためには手間や時間が必要です。
ユーザー車検は基本的に平日しか受けることができません。
不具合が見つかった場合は、業者に修理を依頼する必要があります。
割引やキャンペーンを利用する
車検業者によっては早期予約で割引が受けられるキャンペーンや、前回と同じ店舗で車検を受けると適用されるリピート割引を実施している場合があります。
インターネットからの予約で割引が受けられる場合もあるため、割引やキャンペーンは有効に活用しましょう。
中古や代替の部品を利用する
部品交換をする際に純正品を使うと部品代が高くなります。
ディーラーでは純正品が基本ですが、それ以外の業者ではリビルド品や代替品で対応してもらえる可能性があるでしょう。
交換するのを車検に合格するために最低限必要な部品だけに限定すれば、部品代を節約することも可能です。
部品交換にかかる費用を抑えたいなら業者に相談してみましょう。
丁寧な運転を心がける
車を大事に乗り続ければ故障を予防できるため、結果的に整備費用の削減になります。
車を長持ちさせるための運転のポイントは、次のとおりです。
- ・アクセルは優しく踏む
・一定の速度で走行する
・坂道ではエンジンブレーキを活用する
・エアコンは適切に使用する
・アイドリングはしない
車に搭載されているエコドライブ支援機能を活用すれば、低燃費走行を実感できます。
環境と自動車に優しいエコドライブを意識しましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
車検整備費用や法定整備費用は依頼する業者によって大きく変動するため、複数の業者から見積もりを取ってメンテナンスの内容と金額を比較することが大切です。
整備費用の見積もりは無料で依頼できるため、気軽に相談してみましょう。
まとめ
この記事では車検整備費用と定期点検整備費用の相場について解説してきました。
車検は車が公道を走行できる基準を満たしているか確認するための検査であり、法定点検は車の故障やトラブルを早期で発見するための点検です。
どちらも車を長く乗り続けるために必要な整備となります。
車種や整備を依頼する業者によって費用が異なるので事前に確認しておきましょう。