車のローンは、現金一括払いに比べて初期費用の負担を軽減できるため、多くの方が利用しています。
しかし、ローンには審査が伴い、審査を通過できる方もいれば、通過しない方もいます。
特に注意が必要なのがブラックリストです。
ブラックリストに登録されると、審査が厳しくなることがあります。
そこでこの記事では、ブラックリストと車のローン審査の関係について詳しく解説します。
ブラックリストに関する基本情報
車のローンを検討する際に、気をつけなければならないのがブラックリストです。
ここでは、ブラックリストに関する基本情報について詳しくみていきましょう。
ブラックリストとは
ブラックリストとは、一般的にクレジットカードやローンに関する取引履歴が記録される信用情報の中で、金融事故や支払い遅延などのネガティブな情報が含まれている部分を指します。
一般的にブラックリストと呼ばれていますが、実際にはそのようなリストがあるわけではありません。
この情報は、クレジットカード会社やローン提供会社が契約者の信用度を評価する際に利用されます。
ブラックリストに載っている期間中は、新たな借入れやクレジットカードの発行が非常に困難になります。
ブラックリストに登録される理由とは?
ブラックリストに登録される主な理由として、以下の3つが挙げられます。
- ・ローンや携帯料金の支払いで滞納してしまった
・自己破産や債務整理などをしてしまった
・短期間で複数のローン申し込みをしていた
それぞれ詳しくみていきましょう。
ローンや携帯料金の支払いで滞納してしまった
ローンの返済や携帯料金、クレジットカードの支払いが遅れると、信用情報に記録されます。
特に、2〜3ヶ月以上の長期間にわたって支払いが滞ると、ブラックリストに登録されることが多いです。
しかし、ブラックリストに登録されるまでの明確な期間がある訳ではありません。
短期間の滞納ではブラックリスト入りしない場合もありますが、必ず支払い期日を守るようにしましょう。
自己破産や債務整理などをしてしまった
自己破産や債務整理は、借金を返済できない状態に陥った場合に行う法的手続きであり、この手続きを行うと信用情報に記録されます。
自己破産や債務整理は、金融機関にとって大きなリスクと見なされるため、ブラックリスト入りは避けられません。
ローンが完済されている状態での過払金請求は、ブラックリストに影響しないことも覚えておきましょう。
短期間で複数のローン申し込みをしていた
信用情報機関は、ローンやクレカの申し込み情報を記録します。
短期間に複数のローンに申し込むと、金融機関はその申請者はお金に困っている可能性が高いと判断します。
そのため、審査が通りにくくなり、「申込みブラック」と呼ばれる状態になります。
ローンの申込みは、計画的に行い、前の申し込みから一定期間を空けるようにしましょう。
ブラックリストに登録されることによるデメリット
ブラックリストに登録されると、カーローンを含むさまざまなローンやクレジットカードの審査が通らないだけでなく、その他の金融取引にも制約がかかります。
たとえば、新たにクレジットカードを発行するのが難しくなったり、既存のカードの限度額が減らされたりする可能性があります。
また、住宅ローンや教育ローンなど、長期的な資金計画を立てるためのローンも審査に通過しにくくなります。
さらに、賃貸契約においても信用情報がチェックされることがあり、希望の物件を借りられないこともあるでしょう。
このような事態を避けるためには、日常の支払いをきちんと管理し、遅延や未払いを防ぐことが不可欠です。
信用情報は一度悪化すると回復に時間がかかるため、日々の支払いには注意を払いましょう。
ブラックリストに名前が登録されているかどうか確認する方法
ブラックリストに登録されているかどうかを確認するためには、信用情報機関に情報開示を請求する必要があります。
日本には主に3つの信用情報機関があり、それぞれに異なる方法で情報開示を行います。
- ・KSC
・JICC
・CIC
各機関とその手続き方法について詳しくみていきましょう。
KSC
全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、メガバンクや地方銀行、ネット銀行、信用金庫などの金融機関が加盟しています。
KSCの情報開示は郵送でのみ受け付けており、手数料は1,124円から1,200円(コンビニによって異なります)です。
スマホから開示請求する場合は1,000円となるため、少しでもお得にするためにはスマホから行いましょう。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)公式サイトはこちら
JICC
株式会社日本信用情報機構(JICC)は、消費者金融を中心に、多くの銀行や金融業者が加盟しています。
JICCでの情報開示は、郵送またはインターネットを通じて行うことができます。
郵送の場合の手数料は1,000円、インターネットやスマートフォンからの請求では1,000円となり、クレジットカード、PayPay、キャリア決済などの方法で支払うことが可能です。
株式会社日本信用情報機構(JICC)公式サイトはこちら
CIC
株式会社シー・アイ・シー(CIC)は、主にクレジットカード会社や消費者金融が加盟している信用情報機関です。
CICの情報開示は、郵送、インターネット、スマートフォンのいずれかで行うことができます。
郵送の場合の手数料は1,500円、インターネット経由での手数料は1,000円で、クレジットカードやキャリア決済が利用可能です。
スマホからの請求は500円で、クレジットカードやキャリア決済が使用できます。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)公式サイトはこちら
ブラックリストに載ると車のローン審査に通らない?
ブラックリストに名前が載っていると、車のローン審査が難しくなることがありますが、ローンの種類によって影響は異なります。
ここでは、銀行系カーローン、ディーラー系カーローン、自社ローンの3種類のローンについて、それぞれの審査難易度や特徴を詳しく解説します。
銀行系カーローンの場合
銀行系のカーローンは、金利が1〜4%と低く、返済期間中でも車の所有権が契約者にあるため、途中で車を売却したり、他のローンに借り換えたりすることが可能です。
しかし、審査は非常に厳しく、ブラックリストに載っている場合、審査に通るのは非常に難しいでしょう。
銀行は契約者の信用情報を厳密にチェックし、過去に金融事故があれば即座に審査が否決される可能性が高いです。
また、審査結果が出るまでに時間がかかることも多いため、ブラックリストに載っている方は他のローンを検討すると良いです。
ディーラー系カーローンの場合
ディーラー系カーローンは、車を購入する際にディーラーが提携する信販会社から借り入れを行うローンです。
金利は4〜8%とやや高めですが、銀行系ローンよりも審査は緩いです。
ディーラー系カーローンは、購入と同時にローン契約を結ぶことができるため、手続きが簡単でスピーディーです。
ただし、返済が完了するまで車の所有権はディーラーにあり、その間は車を売却したり乗り換えたりすることができません。
ブラックリストに載っている場合でも、頭金を多く用意したり、信用力のある保証人を立てたりすることで審査に通る可能性があります。
とはいえ、信用情報の調査は行われるため、完全に保証されるわけではありません。
自社ローンの場合
自社ローンは、中古車販売店が独自に提供する分割払いの仕組みです。
金利は設定されておらず、金利分の手数料や保証料が総額に上乗せされます。
自社ローンでは、信用情報機関を通さずに審査が行われるため、ブラックリストに載っている方でも審査に通る可能性が高いです。
しかし、返済が完了するまで車の所有権は販売店側にあり、販売店が倒産した場合などのリスクも考慮する必要があります。
ブラックリストに登録されている場合でもできる車のローン対策
ブラックリストに登録されていると、審査は厳しくなります。
しかし、以下のような対策を講じることで審査通過の可能性を高めることができます。
- ・頭金を用意する
・他の借り入れがある場合は完済する
・保証人を立てる
・価格の低い車両にする
・自社ローンを利用する
ここでは、それぞれの対策について詳しく解説します。
頭金を用意する
車のローン審査において、頭金を多めに用意することは非常に有効です。
頭金を入れることで、借入額を減らすことができ、返済負担も軽減します。
その結果、ローン会社や信販会社からの、経済的な信頼性も向上し、審査の通過率が高くなます。
一般的に、頭金は車両本体価格の20〜30%が相場です。
たとえば、300万円の新車を購入する場合は、60〜90万円の頭金が目安となります。
頭金が多いほど、月々の返済額も少なくなるため、審査に通りやすくなるでしょう。
ただし、頭金を準備する際は、他の生活費やローン返済に支障をきたさないように注意が必要です。
他の借り入れがある場合は完済する
既存の借入れや滞納がある場合は、それを完済するか少しでも減らすことで車のローン審査に通りやすくなります。
カードローンやキャッシングの借入れがあると、その情報は信用情報に記録され、審査時にマイナス要因として判断されます。
しかし、借入れを完済すると、その完済の事実が記録され、信用情報が改善されるのです。
滞納分を少しでも返済することで、返済意欲を示すことができ、審査にプラスの影響を与えるでしょう。
保証人を立てる
信用情報に自信がない場合は、信頼できる連帯保証人を立てることで審査通過の可能性を高めることができます。
連帯保証人は契約者と同等の返済義務を負うため、ローンの貸し倒れリスクを低減させます。
連帯保証人として適任なのは、安定した収入があり、金融事故を起こしていない65歳未満の成人です。
親や配偶者などの親族が一般的に選ばれますが、連帯保証人になることは大きな責任を伴います。
そのため、なぜローンを組むのか、借入額はいくらなのか、返済期間、車種などしっかりと伝えて同意を得ることが重要です。
価格の低い車両にする
ローン審査に通過するためには、購入する車の価格をできるだけ抑えることも効果的です。
車両価格が低ければそれに伴う借入額も低くなり、滞納リスクも減って審査に通りやすくなります。
より安価な中古車を選ぶ、不要なオプションを省く、値引き交渉をするなど、車両価格を抑える工夫をしましょう。
ただし、価格を重視するあまり、品質に問題がある車を選ばないように注意が必要です。
自社ローンを利用する
自社ローンは、他のローンに比べて審査に通りやすいです。
銀行やディーラーのローンは信用情報を確認しますが、自社ローンは信用情報機関を通さずに独自の基準で審査を行います。
そのため、過去に債務整理や支払いの滞納があっても審査に通るでしょう。
自社ローンの金利は0%に設定されていますが、その分保証料やその他の手数料が上乗せされます。
そのため、金利がかからないからといって安心せず、総支払額や契約内容をしっかりと確認してください。
ブラックリストの情報は消える!
ブラックリストに登録されても、その情報は永久に残るわけではありません。
ここでは、ブラックリストの情報がどのようにして削除されるのか、そして情報が削除された後のローン審査について詳しく解説します。
ブラックリストの情報は消える
ブラックリストは一度登録されたら一生消えないと心配する方も多いでしょう。
しかし、実際には一定の期間が経過すると自動的に削除されます。
たとえば、KSCでは自己破産の記録が10年、任意整理の記録が5年で削除されることが多いです。
また、JICCやCIC(保管期間は異なりますが、一般的には同様の期間で記録が消去されます。)
登録情報が削除されてから申込むと通りやすい
信用情報に記録された金融事故の履歴が削除された後にローンを申込むと、審査に通過する可能性が高くなります。
これは、事故情報が削除されることで信用が回復され、ローン審査において信用力が評価されやすくなるからです。
どうしてもローンで購入したい場合は、削除されるのを気長に待つと良いでしょう。
まとめ
ブラックリストに登録されていても、いくつか対策を講じることで車のローン審査の通過率を高めることができます。
しかし、ブラックリストに登録されると審査が難しくなるだけでなく、日常生活においてもさまざまな不便が生じます。
そのため、日頃から支払いが遅れないように注意し、ブラックリストに載ることは避けましょう。